1.《ネタバレ》 ミスチル10数年ぶりの映画という事で期待をして観たが、今回の映画の内容からすればDVDやCS放送で十分だったと思う。ドキュメンタリーという割には、ミーティングや練習風景、演奏が淡々と続くだけで起承転結が皆無に等しく、見ていて正直退屈した。パンフレットを読んで初めて理解できる事も多く(パンフの出来は非常に素晴らしい)、演奏だけ投げかけ、あとは見る側で自由に解釈して下さいとはあまりにも一方的すぎる。CDならそれでもいいが、映画なんだからもう少しメンバーのインタビューを増やしたり(本編は田原、中川のコメント等はほとんどなし)、音楽以外でメンバーの内面が見える様に、見る側にも配慮してほしい。
劇中の曲単位でいえば、懐かしく完成度も上がってミスチルの成長を感じさせる「Another Mind」や、大胆なアレンジ変更をされ親子の関係などの歌詞が改めて身にしみる「横断歩道を渡る人たち」、スガシカオの歌声と振りが素晴らしい「ファスナ-」やサリュのコーラスとの掛け合い、演奏に迫力がある「虜」など極めて完成度が高い。やはり映画全体のバランスが悪いため、これらの素材を「映画」として活かし切っていないのが残念だ。劇中では新曲の「Forever」がラストで流れるが、映画を観終わった翌日、頭の中で「フォーエバー、フォーエバー」とサビの部分が頭の中でリピートしていた。映画は失敗だったと思うが、今後のミスチルに期待したい。