9.《ネタバレ》 すごく面白かった!
大傑作「キックアス」を撮った、マシュー・ヴォーン監督のサービス精神は今回も健在、
今までの作品を観ていなくても楽しめる作品です。(以下超絶ネタバレ注意)
今作は「エリック」と「チャールズ」の友情を色濃く描いています。
チャールズはエリックを助け、「一番楽しかった思い出」をも思い出させてくれました。
しかし、エリックは憎しみを隠しきれない人間でした。
「エマ・フロスト」の首を絞めようとしたり、「平和には興味がない」と言ったり・・・そして、復讐相手の「ショウ」を殺してしまうエリック。
彼は、チャールズの意思を聞きませんでした。
終盤、ミサイルを止め、人間に跳ね返そうとするエリック。
また、彼を止めようとするチャールズ。
とことん、エリックは自分の復讐のために行動しようとした。
チャールズは、親友のことを「心を読んでわかった」上で止めようとしたのです。
エリックは、流れ弾をチャールズに当てた女性化学者を殺そうとします。
しかし、チャールズは「やったのは君だ」とエリックに言います。
殺すのをやめたエリックはチャールズが何回も、何回も行動を止めようとしたこと、責められたこと、それに思うことがあったのでしょう。
また、中盤には「ショウ」の資料を持って去ろうとするエリックに対して、チャールズは「自分の力だったら君を止めれるけど、止めない」と言うシーンがありました。
エリックを身を制してでも止めようとしたチャールズですが、本心では「エリック自身が道を決めてほしかった」のでしょう。
その性格は、最後にエリックについていく「レイブン(ミスティーク)」に、「決めるのは君自身だ」と言うシーンにも生きているのです。
そして心に残る「Mutant is pround.」
チャールズは左右の目が違う女性を「イカした突然変異」だとも言いました。
レイブンはそのことばを気に入り、「ハンク(ビースト)」にも、レイブンはそのことばを伝えました。
この「突然変異」は「障がい」や、人の悩みの種になる「コンプレックス」、「人種」などにも当てはまります。
それを肯定するこの作品は、たとえようもない優しさに満ちています。