1.《ネタバレ》 松山ケンイチ、勝てなくも優しく穏やかな性格が微笑ましい。ボクシングをやっててこんな性格不向きだろうと思えますが、別に強い男ばかりを見たい訳ではないので 2勝10敗ですか 彼の雰囲気からしてリアルに存在していそうな人物に感じられ共感できます 言葉が本当に優しい柔らかい。
東出昌大、彼が格闘技経験ある者なのかどうかは分かりかねますが、大型でありながらスピード感も有り、事務所のエースとしてピタリハマる。ボクシング以外に生活の基盤としてバイトではなしにキチンと正社員としてトラックに乗り配送の仕事をこなしている姿に共感できます。ただし、痴呆症の告知を受けながら、あのタイミングにおいて結婚してくれた千佳の存在を大事にしてあげなければならない。よって、最後によからぬ行動をしてましたけど、彼女の事を思うならば、復活はナンセンス。見ているこちら側としてはとても支持など出来ません。
木村文乃、相手の気持ちを汲み取り、余計に二言、三言目と畳み掛けることがなく、引く時は引いてくれ、そっと様子を眺めてくれるいい女。
吉田恵輔監督(特に好きな作品、純喫茶磯辺とさんかく、その他多数なんですが、)今まで撮ってこられた作風とその風貌やら雰囲気から今回ボクシング映画となったのは単にお仕事的に舞い込んで来たものだからお引き受けされた程度のものであろうと思っておりました。ところがどうして、彼自身がボクシングをもう30年やっていらして、本作は監督自身の発案で脚本で構想も7年掛けて撮られていたものだと知り、はあなるほどなーという思いとなりました。殺陣指導だってやられていますしね どうりで作品発表間隔が空いてしまっていたわけだ ご納得。
結果的には、勝つか負けるか相手いてこそのスポーツで主人公側だからといって勝って終わらないというストーリーが逆に清々しさを与えてくれます。それに、挫折感味わう二人に反して先々が楽しみな若手を一人残したことに一命の光を残し後味だって悪くありません。
それではまた次の作品を楽しみに御期待したく思います。