3.《ネタバレ》 シュールなゾンビネタや、映画愛で興味を惹かせ、クスクスと笑わせてくれる。
役所さんが目を輝かせて無邪気に映画にはまっていく過程が素敵。
その上で、最終的には親子の物語としてもきっちり成立している秀逸なハートフルコメディ。
テンポが良い訳ではないので、ちょっと長く感じたかなーと思ったら、120分越えてる作品だったのね。だとしたら、体感時間としては妥当かも。
削っても良いようなシーンや、まだるっこしい部分もちょいちょいあるが、それはそれで楽しめるのでさほど問題ではない。
沖田監督の静かでおかしな間(ま)を楽しめ!
常に、なんとなく、くすくす笑えるっていうだけでも良作なんだけど、それ以上に親子関係の描き方がさらっとしながらも、心に響いた。
そっけないくらいにさらっとしているからこそ、良かったのだと思う。
この二人の会話はほとんどないんだが、関係性が徐々に変わっていくのが分かるのが面白い。
和解のシーンもセリフはほとんどなくて、「あ、これは和解できたんだな」とこっちに悟らせる感じが良い。
そこに至るまでには、映画監督(小栗)と親しくなる過程も丁寧に描かれていて、とてもナチュラル。
最後の食卓のシーンなんか、くどくどと語らせず、目も合わせず、何も言わずに飯を食ってるだけなのに感動してしまった。
無言の食卓なのに温かみが出てるのである。素晴らしい。