12.《ネタバレ》 あまちゃん、興味はあったのに、タイミング逃して一切観てないんだよなぁ。観てたらきっと、能年玲奈と橋本愛が久しぶりに合う親友役で共演してるのに、きっと感慨深いものを感じられたかもしれない。もしかしたら片桐はいりとの共演にも、なにかドラマを観ていた人だけのささやかな喜びがあったかもしれない。浅く広くって大事かも。
階下住人のホーミーとか、営業のカーターとか結構漫画っぽいなって思ったけど、漫画原作でなく綿矢りさの作品だった。彼女こういう作品を書くのか。
のんの休日の過ごし方を疑似観察しているようで楽しめた。脳内アドバイザー“A”との会話が、部屋とか独りの時だけでなく外出中(広場のテーブルでぼっち飯する場面とか)にも出てくるところとか、かなり重症なおひとり様かと思ったら、多田くんを食事に誘う所とか自然でこなれてて、言葉に詰まったり手汗掻いたりしないとか、なかなか型にはまらない独特なキャラクターだな。
飛行機の中で大滝詠一の歌詞がふわふわ浮いてるところと、ホテルの製氷機の前で座り込む表現はとても良かった。
だからか、内面のダークサイドを語る時のギャップが怖かった。そんな彼女の一面が原因で多田くんと上手くいかないとか、彼女の予想通り多田くんに彼女が。とか思ったけど、観終わった後に林遣都版の映画ポスター(?)を見て、あぁ、彼の内面も用意されてたのかって。それなら多田くんサイドの考えも観てみたかったかな?
しっかりした原作があることも、多田くんの思いがあることも知らずに観たから、私はこの作品をのんさんのプライベートを表現した作品なのかな?って思ってた。時代の寵児だった能年玲奈時代を経て、今ののんがあって。開花することのなかった絵の才能や、突然イタリアに消えた親友への思いや、何年も消えない会社の上司のセクハラの記憶なんかがフラバするのが、なんか彼女の今に繋がるのかなぁ?とか。そんなではないんだろうけど。
常に落ち着いていて頼れる“A”。でもAは私なんだから、可視化すると、あぁなるのか。まさに「ちょうどいい」でした。