10.《ネタバレ》 '64年小百合ちゃん版を見た直後なので、比較のために再視聴。同じ内容でも時代、監督、演者によって微妙に変わるのが面白いなぁ。
両作には10年の開きがあるけど、実はさらに'71年版があるそうな。
日本映画界ってどれだけ潮騒好きなんだ?よっぽど三島文学を映像化したかったんだろうか?でも地元の島民はどう思ってたんだろうな。『やれやれ、また潮騒の映画かい?』って感じだろうか?だからかどうか知らないけど、'64年版では神島(今の名前)だったのが歌島(旧島名)に。あとセット撮影が多いのは、百恵ちゃんのスケジュールの関係の可能性大。
肝心の観的哨内部はセットだろう。明るさも広さも程よい印象。千代子がプレゼントのライターの火を「情熱、私のハート」って説明してくれたから、焚き火の意味するところ、その火を飛び越す意味もしっかり伝わる。
小百合ちゃん版を見ていると、百恵ちゃんの大胆でしっかりした脱ぎっぷり。三浦友和まで褌姿を堂々と披露。時代とともに大胆な演出になるんだろうか?そう思うと未登録の'71年版、評価の低い'85年版も気になる。
「のうがその火を飛び越してこい」やや棒だけど伊豆の踊り子に比べたらしっかり演技してる百恵ちゃん。'64年の目の輝きも良かったけど、炎の高さと2人の目線は'75年版の方が良いなぁ。初江を真っ直ぐ見つめる新治が良い。ちゃんと炎を飛び越え、裸で抱き合う2人(打ち板で隠れて観えない)も収めている。
このあと千代子が2人を目撃するシーンも、こちらのほうが2人に何かあった風に思わせぶりに観せている。要するに解りやすく撮れているのが'75年版だ。
乳比べでも大胆に脱がされる百恵ちゃん(腕で観えない)。そして前作には無かった、とみと初江の確執は、ビニルバッグのプレゼントで解りやすく解決。ここに海女の鮑取りシーンを入れたのは良かったと思う。当時の神島の観光資源だろうし。
後半はこちらの方が原作寄りだろうか?台風のシーンでも友和の褌姿が惜しげもなく流される。そしてやっぱり状況が分かり易い。
見逃しちゃいけないのはお守り代わりの初江の写真。当時ほぼ100%間違いなく、アレとおんなじブロマイドが売られていたハズだ。