40.《ネタバレ》 ヒートアップしていく様は凄い。 平和な町が、どんどんヒステリックになっていく。 黒人差別のマグマが噴き出る様を、スパイク・リーが丁寧に描く。 イタリア系移民と黒人の衝突。 まぁ黒人の街に、イタリア系が店を出してるとこから、波乱含み。 何より、みんな愛情があるのに、こんな結末じゃぁなぁ・・ 体が大きいが、ラジカセ持ってるだけの(まぁウルサイですが)大人しい黒人を、殺すのは、やっぱり酷い。 最後のマルコムXの言葉がきつい。 「私は暴力を擁護する者ではないが、自己防衛のための暴力を否定する者でもない。 自己防衛のための暴力は、暴力ではなく、「知性」と呼ぶべきである。」 移民国家アメリカは、簡単ではないみたいだ。 スパイクリーの「マルコムX」も観てみたい。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2024-11-10 23:49:56) |
39.《ネタバレ》 考えさせられる作品といえばそうなんだけど 映画作品としてはそこまでかな。 イタリア人のサルははどちらかというと口は悪いが街の黒人たちを愛している。 ムーキーにも息子だとさえ言っている。 そんなサルにムーキーは率先して店を破壊して見せる。 うーん理解できないなぁ。 黒人なら正しく理解できるのだろうか。 【Dry-man】さん [インターネット(吹替)] 6点(2022-05-23 00:10:33) |
38.たった1日の出来事だったんだね。 この時代をこの地で生きた人にしか解らないだろうけど、黒人住人たちのいつどこでこぼれ落ちてもおかしくない溢れかけた怒りのコップの矛先が白人ではなくマイノリティっていうのも深すぎる! 人が不快に感じる僅かな事は積もり積もれば間違いなく暴動のきっかけになるよと、怒りや悲しみはその時の感情にまかせると周りのものすべてが見えなくなるものなのだよと… でも意外とフラットなスパイク・リーの目線がホームレスの“市長”の目に感じた映画だったな。 【潤平】さん [インターネット(字幕)] 10点(2022-01-24 09:40:01) |
37.《ネタバレ》 黒人が悪いのかレイシストが悪いのか? この物語で、この黒人監督はそう問いかけていて、そして、それはお互い様という立場をとっている。 なので、単なる差別映画ではなく、黒人たちもちゃんとしろよと、そういう映画である。 映画としても、飽きさせず、中立な立場が好感を持てる。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-09-17 20:26:34) |
36.高評を目にし 鑑賞..アメリカ社会が抱える問題を ただただ 滑稽に シンプルに 皮肉った作品..コメディーでもなく シリアスでもない、デフォルメ感たっぷりの演出で 平凡な日常が描かれていきます..(台詞が多くて疲れるし少し退屈に..) そうこうしてると、突然 クライマックスに突入! 予想だにしなかった 結末が!!! ふ~ん そういうことね~ なるほどね~ 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 6点(2020-09-07 23:39:04) |
35.この監督は、自分の作品は20年後も30年後も見られるという意識がないのか、意識して(当時すでに)古臭くしていたのか、単に古くなったのかがわからない微妙な選曲と演出をいつも感じるのだが、この作品は特に違和感を感じる。とにかく古いしダサいしうるさいしついて行けない。ただ価値があるのはLA暴動よりも前の作品ということだ。偏らずリアリティのある群像劇。なぜ今やセンスの無いプロパガンダしか生み出さないようなしょうもない監督と化してしまったのか謎である。 【Arufu】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-10 02:07:32) |
★34.《ネタバレ》 うだるような暑さが、ストレスを加速させてゆくようなある一日。昼間から働くでもなく徒党を組んでる黒人の若者はホームレスの“市長”を蔑み、年寄りたちは韓国人の悪口を言いながら座っているだけ、店の写真に因縁をつけ、大音量のラジカセのボリュームを絞ろうともしない迷惑客。白人も黒人もアジア人も、それぞれが相手を悪く言い、建設的な意見を言う奴なんかいやしない。愚かで浅ましい略奪行為。“白人警官に殺された6人の黒人に捧ぐ”と掲げてはいたけれど、S・リーの目線は実にフラットで、「差別は許しがたいけど、俺らだってどうよ?」とぶちまけられたかのよう。自らも黒人ゆえに、逆に遠慮の無い抉りっぷりにはたまげた。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-04-04 17:29:17) |
33.《ネタバレ》 終始不安定で危なっかしい。誰が主人公で誰が善で、誰に感情移入して見れば正しいのか全く分からない。そもそもそういう性格の作品ではなかった。スラム街の危ない日常、言語思想の異なる民族が自分勝手に無遠慮に生活している。差別反対、権力反対とソレらしいことを言っているが、正しいことをやれよと。漠然としているがそれがメッセージ。自衛の為の暴力は知性だ、というマルコムXの言葉。この作品に知性と呼べるような自衛的暴力のシーンはあったのか?強いて言えばサルのラジカセ破壊?だとするとこの作品、深い。良い意味で。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-03 17:21:00) |
32.《ネタバレ》 戯画化されたスラム街の日常。個性の強い登場人物たちが入れ替わり立ち替わり、繰り返し画面に登場し、この狭いコミュニティの中で、互いに協力し合うのか、反目し合うのか。スパイク・リー監督自身が出演しており、いかにも黒人映画です、という体裁のようで実は必ずしもそうではないのは、映画の中心に置かれている店というのが、イタリア系の一家の店である点。そして映画を見ている我々が最も感情移入するであろうその店が、警官による黒人殺害事件から起こった暴動により破壊されてしまうのだけど、その事件のもともとの発端というのが、黒人青年の起こしたしょうもないイザコザであること。危険な綱渡りでもあるこの映画。白人が観たら「これだから黒人ってやつは」と思われかねない、あえてその設定を選んだスパイク・リー。だけど、おそらくこの作品を観た多くの人は、そんな単純な感想を抱くだけでは済まない、居心地の悪さを感じるはず。その居心地の悪さは、紙幣を丸めて投げつけ合うシーンもそうなんだけど、特に最後にテロップがキング牧師⇒マルコムXの順に流れた時、居心地の悪さは最大限に達する。このようなことは愚かな事だ、という認識も、しかし何もせずにはおれないのだ、という怒りも、どちらも「ほんとう」であることが、キング牧師とマルコムXの二人が並んだ写真かなひしひしと感じられる。この映画、確かに何らの解決を示している訳ではなく、どこか投げ出したように終わってしまう印象もあるけれど、しかし、ユーモアとともにある種の方向性を指し示しているのが、「市長」の存在で、そこに救いも感じさせるところ。あと、これはどうでもいいことかも知らんが、ダニー・アイエロのピザ作りの手つきがかなりテキトーに見えてしまうのだけど(笑)。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-16 16:44:21) |
31. みんなうるさい。 タイトルがすべてを物語っている映画ですね。 社会全体で見れば当時黒人は白人から差別を受ける側だったのでしょうが、この映画では、差別を受けている側の黒人が実はマジョリティに摩り替わっていることが最大の問題点だと思います。 環境、状況、比率によって誰でも差別される側にもなるし、差別する側にもなることがよくわかる映画。 でも映画としてはまとまりがなく散漫でとにかくうるさい。 メッセージ性のあるドラマなのに、感情移入できる人が一人もいない。 唯一共感できるのはサルぐらいですか。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 2点(2012-04-26 15:47:42) (良:1票) |
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30.《ネタバレ》 ラジオ・ラヒームはラブとヘイトの話をする。正しいことは何なのか、わかっているとも思われるが、行動が伴っていない。でかいラジカセで権力と戦えという音楽をかけて、大儀があるかのように自分の主張でねじ伏せようとする、しかし馬鹿でかい音でコミュニケーションもままならない。その暴力はキング牧師はおろかマルコムXも容認しないであろうが、掲げられるのは彼らの写真という皮肉。誰もが熱くなり過ぎて冷静さを失った夜が明け、DJはこう言うのだ。「今日も暑い!目を覚ませ!」 |
29.黒人・白人という単純な図式ではない点が最大のポイント。黒人たちの愚かさ、ずるさが執拗に描かれており、むしろ黒人たちを戒めるかのような内容に思えた。ただ、彼らが望んでいるのは「平等」などという立派な理念ではなく、雇用や社会保障、教育など、より現実的な支えなのだろう。あの事件の後、ムーキーはあれだけ楽をして給料を得るところがなくなったことを後悔するであろうし、住民たちも美味いピザを食べられなくなって寂しく思うに違いない。あのやるせないラストに最も当てはまるのは明らかにキング牧師の言葉である。マルコムXの言葉もその後に続き、「どちらが正しいのかは分からない」とする解釈が見受けられるが、この映画を観る限り、スパイクリーがキング牧師の言葉の意味を表現したことは明白だ。そもそも彼らは自衛のための暴力などふるっていない。フラストレーションを発散させる暴力に過ぎず、その結果もキングの述べている通りである。メイヤーの像もキングに重なる部分があり、その意味でDo the right thingの「right」をあまりに相対化しすぎることはこの映画の真価を見誤ることになる。この映画におけるthe right thingは少なくともムーキーの選択したようなようなことではない。スパイク・リーの主張が鮮やかに表現されている傑作である。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-11-14 00:18:42) |
28.ちょっと逸れたところから入るが、以前ジョナサン・デミ『レイチェルの結婚』のレビューの中で同監督『サムシング・ワイルド』がスパイク・リーの映画のように云々と書いたことがあったんだけど、そのとき念頭にあったのがこの『ドゥ・ザ・ライト・シング』。でかいラジカセを担いで歩く黒人が印象的だったり、劇中に多彩な音楽がかかったり。あと、『サムシング・ワイルド』は劇中の人物がエンディング曲を歌い『ドゥ・ザ・ライト・シング』は劇中の人物がオープニング曲をバックに踊る。『サムシング・ワイルド』で使われる歌「ワイルド・シング」と「ライト・シング」まで言っちゃうとこじつけか。スパイク・リーのほうが後なので同じニューヨーカーのデミに敬意を表し、また人種のるつぼとしてのニューヨークを描いていることに対してのリスペクトなのではと。いや知らんけど。と、そんなことを書いてると内容に触れるスペースがなくなってきたのだが、要するに何が言いたいのかというと、何かとメッセージ性を語られる監督だけど、実はメッセージよりも映画としての見せ方の工夫とかのほうにしっかりと力が入ってて、それゆえにメッセージがどこか冷めた視点となり、結果映画がより深みを得ているんじゃないかと。この作品は特に。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-19 15:15:24) |
27.《ネタバレ》 ○黒人を題材にした映画では外せない一本。スパイク・リーのデビュー作であり、集大成に様な気もする。俳優としても重要な役割を演じている。○いろんなエピソードが一気にラストへ集約され向かっていく。そして終盤、一度火をつけてしまった花火のように画面の中で次々に爆発していく。非常にエネルギッシュな映画だった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-05-10 22:09:06) |
26.カメラ目線で、怒鳴り散らす登場人物たちにムカムカ。しかしすげーエネルギーのある映画だ。しかしそのエネルギーが(特に黒人たちが)、自分たちの境遇を黒人だからとか、人のせいにしたり妬んだりしていて、せっかくのエネルギーを無駄に使っている、の一言に尽きている。真面目に働いてきた人々が迷惑を被り、被害者面している者が破壊する。そんなひどいことをしておいて、自分の身内には正しいことをしろとのたまう。しかも作った監督本人が黒人で主人公…、すごくメッセージ性のある映画だった。 【どんぶり侍・剣道5級】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-31 21:42:36) (良:1票) |
25.とにかくやかましい黒人映画で、みんながみんな怒鳴り散らすので嫌になってしまいます。それに加え、登場人物たちのほとんどがクソヤローです。これじゃわかりあえないよな・・・。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-06-24 18:10:56) |
24.《ネタバレ》 実は1日間の話だったんですね。前半はいろんな人がひたすら怒鳴っているだけで、見ていて辛かったのですが、それらが収斂して一点に着地する収束部の豪腕ぶりはなかなかでした。作品のメッセージを端的に要約したタイトルが優れています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-04-15 03:59:26) |
23.話としては捻りが弱く、なんのためにここまで登場人物を多くしたのかもいまいち活きていないように思えます。群像劇として描かねばならなかった必然性がよく理解できません。 【K】さん [DVD(字幕)] 4点(2007-12-02 11:37:11) |
22.イタリア系と黒人と韓国系。 若いものと年寄り達。 LoveとHate。 真面目に働く人と働かない人。 Fight the powerとDo the right thing。 そして暑い夏。 ラストでの爆発。 私は当時見て映像・音楽全てが衝撃的だった。 よくわらないけど、言葉に表せないんだけど、とても刺激的なものを「感じ取った」 時代情勢も変わってきてるが今見ても「感じ取る」ものが沢山あると思う。 そう、感じ取れ! 【狼さん。】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-03-18 23:29:54) |
21.《ネタバレ》 「正しいこと」とはいったい何なのか?それはいまだわからない、それがこの映画の結論だと思います。この映画の登場人物たちの行動で目に付いたのは最後に暴動を起こした黒人たちの多くがサルに対して何の恨みも持っておらず、むしろ「俺たちはあのピザで育ったんだぜ」とさえ言っていることです。つまりあの暴動の発端はサルに対する怒りではなく、差別や苦しい生活の現状そのものに対するぶつけどころのない怒りがサルを引き金に爆発したということなんだと思います。それは暴力の矛先が何の罪もない韓国人にまで広がっていく様子からもわかります。サルはこの映画の登場人物の中では善人です。ムーキーに対しても息子同然というほどで、黒人に対する差別的な態度もあまり見受けられません。閉店後に来た黒人客にもピザを出す(そして、これが暴動の原因になっていくというのも興味深いところ)しかし、その関係性がラジオを壊すという一つの行為によって崩壊する。ピザボイコットに反対した若者たちが次の瞬間にサルを襲う。止めに入っていたムーキーが最終的に店を破壊する。破壊された店の中で「権力と闘え」という歌声が響く。しかし、サルは権力ではない。むしろ同じマイノリティの反権力です。結局あの暴動は普段から蓄積していた矛先を知らない怒りが引き起こした発作です。権力とはラヒームを殺した警官たちです。しかし、人々は彼らのことはみすみす見逃す。権力には抗えないからです。「正しいことをしろ」と言った市長とそれを聞いたムーキーが最後にとった行動はまったく別のものでした。それが最後のキング牧師とマルコムXの言葉ともリンクし、さらにそのどちらが「正しいこと」なのか結局は何もわからない。とても考えさせられるラストでした。 |