女神の見えざる手のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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女神の見えざる手

[メガミノミエザルテ]
Miss Sloane
2016年上映時間:132分
平均点:7.48 / 10(Review 42人) (点数分布表示)
公開開始日(2017-10-20)
ドラマ政治もの
新規登録(2017-10-17)【皐月Goro】さん
タイトル情報更新(2019-12-16)【HRM36】さん
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監督ジョン・マッデン
キャストジェシカ・チャステイン(女優)エリザベス・スローン
マーク・ストロング〔男優・1963年生〕(男優)ロドルフォ・シュミット
ググ・ンバータ=ロー(女優)エスメ・マヌチャリアン
アリソン・ピル(女優)ジェーン・モロイ
マイケル・スタールバーグ(男優)パット・コナーズ
サム・ウォーターストン(男優)ジョージ・デュポン
ジョン・リスゴー(男優)ロン・スパーリング上院議員
ジェイク・レイシー(男優)
音楽マックス・リヒター
製作総指揮アーロン・ライダー
編集アレクサンダー・バーナー
あらすじ
大手ロビー会社に銃規制強化法案を廃案に持ち込んでくれとの依頼が入る。しかし、豪腕ロビイストであるエリザベスはその依頼を断り、逆に法案を推進する小さなロビー会社に部下達を引き連れて移籍する。巨大な権力をもつ銃規制反対団体や元同僚達による攻撃で、エリザベスは過去のスキャンダルを暴かれ 窮地に陥る。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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42.《ネタバレ》 “ロビー活動”という政治活動自体に対する認識が、僕自身はもちろん、日本の一般社会においてはまだまだ薄いことは明らかで、その活動を専門的に請け負う“ロイビスト”と称される職業があることもよく知らなかったことは否定できない。
ただだからこそ、そのロイビスト業界と、その中で辣腕をふるう天才ロイビストを主人公にした本作は、とても興味深く、エキサイティングだった。

「勝利」に対して努めて冷徹で、職務に対して極めてソリッドな主人公をジェシカ・チャステインが抜群の存在感で演じている。
冷ややかな美貌を携え、最小限の感情表現しか見せないその佇まいは、この主人公のキャラクター性にまさしく合致しており、見事に役柄に憑依していたと思える。
完全無欠の主人公像ではあったが、彼女が時折垣間見せる僅かな感情や、確実に存在する人間的な脆さや一寸の隙が、とても丁寧に描写されており、ジェシカ・チャステインはその感情の機微も含めて素晴らしい塩梅で演じきっていた。

銃規制法案を巡るキャンペーン活動をストーリーの軸として、現在のアメリカ社会における様々な立場の人間たちの思惑が入り交じるストーリーテリングも、深刻な社会的課題と、個々の人間の本質を浮き彫りにしていく巧い脚本だった。
個人的な見解として銃規制そのものは「正義」だと思うけれど、劇中でも描き出されるように、銃によって“結果的”に守られた安心や命があることも事実として存在している。
アメリカという良くも悪くも多様性が極まる社会環境においては、一つ一つの環境や個人の人生観によって、物事の価値観が180度食い違うことも必然だろう。

そんな難しい社会環境において、では何を「正義」とし、何を「悪」と断ずるべきかということを、本作の主人公は最後の最後、変わらない冷徹な眼差しで真っ直ぐに伝える。

勝利という唯一無二の目的を達成するために、敵も味方も含めて周囲の人間総てに対して「真意」を隠し通す主人公は、多くの疑念や困惑、そして憎しみを生み出していく。
でも、そんな彼女もシーンの端々で、一瞬の人間臭さを見せる。終始冷徹で自信と確信に満ちた目線で周囲の人間と社会そのものを睨みつける主人公だけれど、その一瞬に垣間見せる目線は一転して酷く弱々しく、また優しく見える。
そんな彼女の根幹的な部分に見え隠れする人間らしさこそが、最終的には彼女自身を救った要因だったようにも思えた。


ラスト10分、積み重ねたキャリアを放棄してしまうことよりも、必要な“休暇”のために、自らの“偽証”を本当の奥の手として秘め続けたロイビストの矜持に震える。
そしてストーリー上では何も明示されていないけれど、彼女自身にもこの仕事に人生を捧げる理由や過去が存在していたようにも感じられ、その敢えて描き切らないストーリーテリングの在り方も素晴らしいと思った。

おそらくは1年余の“休暇”を終え、外に出た主人公が目にした相手は誰だったのか。
本作に登場したすべての人物に加えて、描き出されていない人物すらも、その対象として想像できる。
ジェシカ・チャステインの読み取りきれない眼差しによる何とも巧いラストカットにまた震える。
鉄腕麗人さん [インターネット(字幕)] 9点(2024-01-07 01:18:40)
41.《ネタバレ》 最初、うつらうつらしながら見てました。
だけど、これじゃいかんと思い直し、残り50分のところで最初から見直し。
馴染みのないロビー活動とか法務関係とか難しすぎたのと、字幕が多すぎてとっつきづらかったんですね。
でも、姿勢を正して集中してみたら、どんどん引き込まれてしまいました。
最初、このサイトをのぞいた時「「どんでん返し」という文字が目に入ってきて、多分、メガネの腹心のアシスタント(?)がスパイになってひっくり返すんだろうなと薄々気付いたのが残念でした。
それでも、怒涛の展開の連続で最後まで面白く観れました。
はああ。報酬ゼロで仕事引き受けてたんかー。
どんでん返し要素、多すぎやろー。
プラネットさん [インターネット(字幕)] 8点(2021-12-25 20:17:44)
40.《ネタバレ》 面白かったー、ジェシカ・チャステインがかっこよかった。
かなり前ですが、デヴィッド・スーシェのドラマ版「オリエント急行殺人事件」が初見だと思う、だからてっきりイギリス人女優だとずっと思ってたんですが、アメリカ人なんですね。

リズの頭の中ってどうなってるの?まさに神業。ロビイストとはナニ?最初からロビー、ロビーと出て来るんですが、よくわからなくて一時停止して検索した私でした。
腹心の部下っていう感じのジェーンがついていかないことが意外だったけど、まさかそうくるとはね。どのようなラストが用意されてるのか見当もつかなくて最後の最後まで満足できました。
リズの内面や背景がかなり排除されてましたけど、エスコート君のまえでは急に泣いちゃったりして繊細さがチラリと見えるものの、なぜ彼女はこうなのかというものがほとんどなくて、もう少しその部分があったらよかったな。彼女は自分のキャリアではなく腐った政治家相手に戦っているんだなというのはわかりました。
ガラス張り、ガラスで仕切られた部屋っていうのがよく出てきて、それが効果的にも感じます。

そして忘れちゃいけないエスコート君。彼もプロなんですねぇ、あそこでそのまま言ったら全ての顧客を無くす結果になったと思うのよね、それだけが理由とは思いたくないですけど。
ラストの出所したところで彼が待ってるというのをちょこっと期待したんですけどやっぱりそれは無理でした、そんな甘ったるいラストにするわけないか。でも偶然鉢合わせてリズが慌ててる様子、ずっとこわばった顔してるリズですがエスコート君の証言にふっと安らいだ表情を見せるとこも良かったな。弁護士のダニエルもリズの真意がわかった時、彼女への考えが変わるのね。
出所のシーンの見せ方は上手いですね、すごい荷物で彼女はまだ終わってないと感じるのよ。
そしてリズの視線の先には何があるのか誰がいるのか気になってしょうがないの、候補は5人いるんですけどね。後を引くラストでこの続きが観たいという衝動にかられます。

久しぶりにグイグイ引き込まれ、のめり込める映画でした。秀作、傑作だと思います。132分だったの?全く気にならなかったです
envyさん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-09-25 20:34:13)
39.《ネタバレ》 なかなか見ごたえがありました。
邦題、難しいですね。女神と讃えられたことは劇中にあっただろうか。通称でもなかったはず、なのになぜ。
「女神の見えざる手」、先を読みすぎて…といいう意味か。次の一手をいくつも考えている彼女が準備していたのは「地震」だった。
プライベート、バックグラウンドを一切カットして一日16時間(しかもフル回転、数人分の仕事)をこなして勝ちにこだわる。その原動力を見ようと思いましたが隠されたままだった。
圧倒的な演技とセリフ量と感情の爆発など、すごい女優さんですがこの映画、もっと売れててもおかしくないのにやっぱり邦題が悪いのかな。。。もったいない
HRM36さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-08-17 08:32:15)(良:1票)
38.タレることなく一気に最後まで突き抜けるけど、最後はびっくらこいたね。やっぱ映画って、演出意図通りに引っかかって「うわーー」ってなるほうが面白いよね。今回は、とっても楽しめた。
センブリーヌさん [インターネット(吹替)] 7点(2021-06-05 20:05:33)
37.《ネタバレ》 すごく面白かった。ストーリ展開にしっかり起伏をつけていて、一切ダレることなく見ることができた。主人公の目的のためには手段を選ばない非情さを存分に描いているが、特に事務所の同僚が銃殺されかけて仲違いさせるのとそのやり方の蹉跌も描くことで最後のドンデン返しを活かすプロットは見事。「ロボ・ローチ」はホンマかいなって突っ込みたくなるけど、まぁいいでしょう。決して万人受けするテーマではないけど、ハウス・オブ・カードを楽しめる人にはお勧めできます。あと男娼が法廷で偽証するのも主人公のパワーを無理なく感じさせて、なんかリアリティがあってよかった。
エリア加算さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-20 22:32:58)
36.《ネタバレ》 正直言うと話が難しくて分からない場面がいくつかあった。
視聴環境の問題もあるけどたぶん自分の頭が悪いんだろうな。

いずれにしても楽しめた。
感情の無い自己満足の為に貪欲に勝利を求め続ける主人公のように思わせて
少し人間らしい一面を覗かせて最後一気に実は熱い人間だったことが分かる。

最後出所した時に待っていたのは誰だったのか。
個人的には男娼だと思った。
法廷では顧客情報を漏らさないプロとミスリードを誘って
実は彼からしたら男娼としてでなく彼氏として主人公と逢瀬を重ねていた的な・・・。
臭すぎるかなw

二週目観たら一週目とはまた違った印象を受けるんだろうな。
Dry-manさん [インターネット(吹替)] 8点(2020-11-29 15:05:17)
35.《ネタバレ》 これは良作
最後のどんでん返しは、ちょっと予想出来ませんでした。
ロビー活動を業務とする会社って、米国には本当に有るのですね。驚きました。
自らの信念のため、無報酬で、服役まで覚悟の上で、銃規制に取り組むというのは、まさに鉄の女でした。
主演のジェシカ・チャステインは、まさに適役
素晴らしい演技だったと思います。

ただ、この映画、大コケだったのですね。
そこは残念

字幕の量が圧倒的に多く、読むのに精一杯
2回観て、作品の良質さが分かりました。
TerenParenさん [インターネット(字幕)] 7点(2020-10-27 02:46:56)
34.《ネタバレ》 あのメガネが実は内通してるだろうことは多くの人が予想していたと思うので(逆に内通してない方がびっくりするレベル)、多分クライマックスのときには「そらきたぞ」くらいにしか思わなかった事でしょう。自分もそうでした。で、そう読めちゃってるとクライマックスはちょっと弱いですよね。
もっともあれであのメガネが内通してなくてスローンが普通に罪に問われてたら悪い意味で逆びっくりでめちゃくちゃつまらないわけで、たとえミエミエであってもお約束って大事なんだと思います。
このテーマを扱う場合、もうちょっと銃社会の在り方について語る内容になるかと思いきや、完全にロビー活動の戦いに主眼が置かれていたのは娯楽映画としてはよかったと思います…が、残念ながら典型的日本人の私はこういうロビー活動について知識が乏しく、ロビー活動をする人というのは裏でこっそり動くものだと思ってたので、マスコミつかテレビ番組にまで出て普通に討論することに驚きました。めちゃくちゃ表だってるじゃん!

なかなか緊迫感があっていい映画だとは思うのですが、ロビー活動に対する自分の認識の薄さが足をひっぱる点と、何よりこれ主演のジェシカに完全におんぶにだっこの映画の成り立ちがちょっと残念なので6.5点くらいの映画かな、という印象です。
あばれて万歳さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-04 15:51:55)
33.エリザベス・スローン役のジェシカ・チャステインの演技が素晴らしかった。
どなたかもレビューされていたが、もっと評価されるべき作品だと思う。
政治ものということで敬遠されてしまうのだろうか。
難しい内容はほとんどないので、未見の方は食べず嫌いをせずに、見てほしい。
見終わったとき、あなたはきっとジェシカに拍手を贈りたくなるはずだ。
めたもんさん [インターネット(字幕)] 7点(2020-06-22 16:39:28)
32.《ネタバレ》 【ネタバレ注意】敵の行動を先読みし、すべて計算ずくで先回りして予想外の罠をしかけておく主人公。周囲が彼女を攻撃するネタを探し回りますが、やっと見つけた小さな違法行為で彼女を聴聞会にかければ、実はその違法行為自体が彼女のしかけた罠。彼女はそれを逆手にとって、大逆転します。

彼女は決して好感の持てる人物ではありませんが、自分のプライバシーとキャリアを犠牲にし、無報酬で働き詰め、実現不可能と思われた法案を通した。どうしてそこまでできるのか? 友だちは誰もいなそう。彼女は正義の味方なのか。それとも狂人なのか。勝つことにとりつかれた異常者なのか。薬の依存症ではあるけれど、刑務所では薬物が手に入らないのに、彼女は彼女だった。何が彼女をそこまで突き動かしていたのか。不思議でした。

【ネタバレ注意】印象的だったのは、彼女を雇うことに大反対し、彼女を大嫌いだった法務の人。聴聞会の最後の証言で、彼女の真意を察知したときの彼の表情、刑務所で面会したときの表情がとてもよかったです。もう彼女を嫌いではなく、もしかして彼なら友だちになれるのかもと思いました。彼女は友だちとは思っていないようですが、面会を受け入れたのは、仕事の話だったからという理由だけではないような気がします。

【ネタバレ注意】すべてを先読みする彼女にとっての想定外だったのはフォードの行動。初対面のときはどう見てもいけすかない信用できない男といった印象。聴聞会に現れたとき、彼女を破滅させに来たのかと思ったら、偽証罪になるのに彼女をかばう証言。そして出所したスローンが、誰かに気づいたところで映画が終わりますが、フォードが迎えに来ていたのでしょうか。このあと、スローンにはどんな未来が待っているのか。そう想像させるラストでした。
チョコレクターさん [インターネット(吹替)] 7点(2020-06-06 14:37:05)(良:2票)
31.《ネタバレ》 ストーリーの複雑さと映画の長さで、途中飽きが来た。
ゴキブリを改造した盗聴器が映画らしくて良かったが、ちょっと技術が進歩しすぎ・・・
チェブ大王さん [インターネット(字幕)] 4点(2020-05-06 16:02:13)
30.《ネタバレ》 大赤字だったみたいだね、この映画。
なぜだろう? 批評家の評価も低い印象だし。
これほどのロビー活動手練手管なら、いくらでも大ヒットと高評価を得られそうなものを(笑)

この娘最後裏切るな、と思っていたらそのとおりにはなったが、裏切る直前は、あれ?裏切らないのかな? と思わせてくれて。。
結局だまされたくせに最後はほらやっぱりと自尊心を満たしてくれる、そんな観方をする者もここにいる。
wooさん [インターネット(吹替)] 8点(2020-04-21 12:47:30)
29.《ネタバレ》 前情報は無し、評判が良いので、とりあえずアマゾンで鑑賞。
途中で飽きてきて、リタイアしそうでしたが、後半の主役が追い詰められて行く過程が
なかなか迫るものがあり、座りなおして見入ってしまった。
そして終盤の10分、全てを押し流す怒涛の展開に、唸りまくりでした。
こんな凄い女性だとは・・ 私生活がヤバイので嫌いになっていた筈なのに、拍手喝采です。
誰も信じず、仲間をも騙して、冷酷に計画を進める鉄の女・・だけじゃなかった。
最後に、洪水のようにあふれ出る彼女の人間性に、鳥肌がたった人多いんじゃないでしょうか?
「何故、仲間にさえも秘密にしていたのか?」の問いに「刑期は、5年よ?」とすかさず答える。
しかも経費は自分持ちで、成功報酬はゼロ。 いやあカッコ良すぎだよ、姉御!
エンドロールかと思いきや、刑務所の出口で誰かを見つけたあの表情・・ サイコーの気分。
良い映画見ました。
グルコサミンSさん [インターネット(字幕)] 9点(2020-03-29 22:36:40)(良:2票)
28.冒頭からいきなり公聴会準備~本番の流れでするりと引き込まれて、あとは2時間10分があっという間。見る側がついてこられるかどうかとか一切配慮していない怒濤のような会話の応酬が素晴らしい。その中で、作中の主人公同様、主演のジェシカ・チャステインが圧倒的な牽引力と存在感を示して周りを引っ張っているのだが、それについていっている助演陣の頑張りもかなりのものだと思う。そこからするとオチはむしろオマケなのだが、この静かなハイテンションの着地としてきちんと決まっている。これだけハリウッドチックにサスペンスフルな作品の監督がジョン・マッデンというのも驚き。
Oliasさん [DVD(字幕)] 7点(2020-03-12 00:46:20)
27.決して共感できるタイプの主人公ではないけど、あまりにも尖ってて頭が切れて、圧倒される。日本人には馴染みのないロビー活動だけど、展開が上手く自然に引き込まれてしまう。
nojiさん [インターネット(字幕)] 8点(2020-02-19 23:05:38)
26.《ネタバレ》 終盤に、激震を起こして逆転してみせるヒロインが実に鮮やか。もうびっくりでした。とにかくモーレツなキャリアウーマン・リズにJ・チャステインがばっつりハマっています。見るからに「才女」な冷たい美貌と口を挿ませぬ早口弁論。真っ赤なルージュは彼女の戦闘メイクのようにも見えます。劇中のフェミニストが指摘したように、彼女は男みたい。エスコートを買って性欲を処理するなんざ、まんま男性脳のヒトです。実際、リズのキャラは従来男性のキャスティングが多かった。彼女も本当に男だったらこんなに嫌われることもなかったでしょう。デキる女はおじさん達にとって脅威かつ超ウザいんでしょうね。
銃規制法案をめぐるロビー活動と世論の動き、擁護派vs反対派の暗闘といったメインの流れも息つかせぬ展開ですが、横糸として張られるリズの人格描写も上手いです。右腕だった若いアシスタントが造反したとみるや冷酷に切って捨て、同じチームのスタッフを人身御供としてマスコミにさらす女。(というイメージが制作&リズの戦略のうち、というのが分かるラストもまたスゴイ)
役者の表情も一つ一つに説得力がありました。スタートから仕掛けられていたリズの計略が明らかになった時のマーク・ストロングの呆然とした顔。「なんて女だ」といったところでしょうか。畏れすら抱いているような。観てるワタシも同じ顔してましたわ。
喚問されたエスコート氏が不都合な事実を証言しなかった、そのときのリズの表情も劇中一度だけのもので、印象的です。おそらく勝負師の世界でのみ人生を送ってきた彼女にとって、己の不利益を顧みず庇ってくれる人間に出会うのは初めてだったのではないかな。
全く想定外だったエスコート氏の男気には痺れました。池に落ちた犬に石をぶつける行為はしたくなかったのか、客の秘密は守るという仕事上の矜持を守り抜きたかったのか、そこは判然としないのですが。
偽証罪という法律上のペナルティを被っても己の道徳心に従った彼の天晴れな姿勢も、ラストに引き金を引くリズの背を押したのでしょう。
間違いなくJ・チャステインの代表作になるであろう、見ごたえ充分の一本です。
tottokoさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-12-15 23:42:06)(良:1票)
25.《ネタバレ》 エンタテイメントとしては楽しめました。一番最後のセリフも、観客の「?」をスパッと解決するような切れ味があります。
しかし、ちょっと出来すぎな感じも否めません。終盤の展開はなんとなくテレビ版の「スパイ大作戦」みたいだし、男娼君が庇ったシーンもカッコいいけれど理由はよくわかりません。政治の世界を舞台にしたリアリティのある設定だったので、このあたりがちょっと残念。それからこの邦題、アダム・スミスの『国富論』に引っ掛けたのかもしれませんが、スケールが違いすぎて違和感があります。
ジェシカ・チャスティンがほぼ同じようキャラクターで登場する「モリーズ・ゲーム」のほうが、実話ベースのせいか、ずっとリアリティも説得力もあって個人的には好みです。
眉山さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-12-14 01:44:04)
24.《ネタバレ》 銃規制法案の可決に向け、凄腕のロビイストを描いた作品

様々な伏線を完全に回収し、
冷徹に合理的な判断を執り、感情の失禁と思わせるシーンも実際は思惑通り
本当に感情を揺さぶられた二つのシーン(離別した部下・売春夫の男気)も表現がうまい
脚本がとにかく素晴らしく、ジェシカ・チャステインの見事な演技も相まって楽しめました。

頭のいい人は本当にここまで考えて行動しているのか と思うとゾッとしますね。
私的見解では、スローンは銃規制への情熱よりも天才ロビイストとしての活動 が主だったものだと解釈しています。(終盤は半々くらいかな?)
この解釈だからこその唯一の欠点を挙げるとすれば、
そもそもサンドフォード(銃規制反対派)がロビー活動なんて考えず、金だけばら撒いてスローンに接触しなければ
スローンとしても、きっかけがなければ勝ち目の薄い銃規制法案への参入なんてしなかったのではないかと思うことくらいですかね。
メメント66さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-12-07 23:50:31)
23.序盤は字幕を追うだけで目が回りそうです。そして、日本人には馴染みのない職種だけにわかりづらいところもあります。それでも圧倒的な主人公のキャラクターと展開の速さ、伏線の回収で十分満足です。時々、内面の感情が表に出ているようで、実は勝ちにこだわり策をはりめぐらせているというバランスが絶妙。ジェシカ・チャステインは強い女がよく合います。
ラグさん [インターネット(字幕)] 7点(2019-12-01 00:57:03)
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【点数情報】

Review人数 42人
平均点数 7.48点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
412.38%
512.38%
637.14%
71842.86%
81126.19%
9716.67%
1012.38%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.00点 Review2人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review1人
4 音楽評価 6.00点 Review1人
5 感泣評価 5.00点 Review1人
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【ゴールデングローブ賞 情報】

2016年 74回
主演女優賞(ドラマ部門)ジェシカ・チャステイン候補(ノミネート) 

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