209.孤独な青年の哀しい心のひだをヒシヒシと感じさせる映画です。まぶしい太陽の下で・・ 【cogito】さん [地上波(字幕)] 8点(2014-08-02 00:01:16) |
208.《ネタバレ》 パトリシア・ハイスミスの原作、ヌーヴェルヴァーグのスタッフが多数終結した傑作スリラー。間違いなくルネ・クレマンの最高作だ。 海を走り飛び立つ飛行機 お洒落なOPからしてこれがヌーヴェルヴァーグの要素をふんだんに盛り込んだ作品であることが解る。撮影にアンリ・ドカエ! 机の上に敷き詰められたパンフレット、写真、絵の山、二人の男の会話から物語は始まる。 パンフレットの船、男たちが友情を深める船、事件が引き起こされる密室になる船。 盲目の男にぶつかり、謝罪の気持ちの金を払い、杖をとってしまい盲人の真似、彼らは車が絶対に止まると信じて車道を横切るのである。信じてはいるが、万が一車に轢かれて死ぬかも知れないというスリルも楽しんでいる。もう一人の男は女と遊ぶために盲人の真似ごとをする。 宝石に触るわ胸にさわるわ尻を叩くわやりたい放題、口づけは挨拶のように交わされ、それが少しずつ二人の男に亀裂を生む。 手に握られた戦利品、船上であんなに仲良くやってたのに…あの娘を自分の物にしたいという欲望が男に決断させてしまう。 海中に消えたはずの者が常にその存在を感じさせ、緊張を持続させる。ホテルで追っ手を撒く駆け引き。 隙をついて扉を開け、寝室で無防備に寝る女に近づく欲望。彼は焦らない。友人を虜にした女性、今度は自分がその女性を虜にしてやろう。それは自分を裏切った者への復讐でもある。慰めるのは過去を忘れさせて自分のものにするため。 ギターは投げ捨てられ、水着姿で手をつなぐことによって二人に肉体関係が成立したことを静かに物語る。 船が運んでくる無言の帰還者、「手」。 警官が、メイドが映画の終わりが近づいていることを知らせる。太陽をあおぎ、椅子に深く腰掛けて満足げな顔を見せる主人公。何も知らずに酒をあおり、店員の呼びかけに無垢な笑顔を見せる。 それを静かに見守る船によって、物語は締めくくられる。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 13:14:16) |
★207.《ネタバレ》 リプリーとフィリップの間には貧富の差が大きな隔たりとしてあり、友情と呼べるものはない。 フィリップは傲慢な金持ち、リプリーは金目当ての貧乏人で、どちらにも好感が持てない。 ヨットでリプリーが本人を前に殺害計画を平然と話しているのが大胆で、嵐の前の静けさのよう。 フィリップもだんだん「こいつマジなんじゃ?」と危険を感じ始める様子がリアルで見応えがあった。
犯行は杜撰で、パスポートを偽造して声とサインを真似ただけで本人になりすます。 案の定、知り合いに出会ってバレた挙句に殺して行き当たりバッタリ状態。 指紋にも気を遣っておらず、これではあまり頭がいいようには見えない。 ところが、警察の捜査がお粗末で、指紋の鑑定がいい加減だから犯人を勘違いしてしまう。 時代が時代とはいえ攻防のレベルが低いので、犯罪ものとしては少し物足りない。 大金に婚約者とすべて手に入れて二人殺した罪悪感の欠片もなく幸福感で満ち足りている姿がふてぶてしく映る。 そんなリプリーに天誅が下るラストにはカタルシスがある。 ただ、主人公に肩入れできないとどうしてもインパクトが薄くなる。
アラン・ドロンの出世作だが、一時代を築いた正統派二枚目ぶりを発揮。 風情のある映像美とせつなく美しい音楽も堪能できるが、ストーリー自体は名作と呼ばれるに値するほどのものとは思えない。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-06-24 21:42:10) |
【*まみこ*】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-07-18 03:29:20) |
205.このテーマ曲は今でこそ「太陽がいっぱいのテーマ」としてしか聴けないが、この揺れるような6拍子の曲想はイタリアの舟歌の感じを出してたんだな(バルカローレってのか?)。ゴンドラが映るシーンでしばしば断片が流れ、映画全体がラストシーンまで舟(ヨット)のモチーフで貫かれていた。あと跳ね回るような曲想もしばしば聴かれ(サルタレロってのか?)あれもイタリア情緒。イタリアのアメリカ人たちの漫遊気分の背景になっていて、イタリア人ロータもそういう意識で作曲したんだろう。よく出来たサスペンスで、警察の捜査を逆利用していくあたりが楽しく、また船上での笑顔の会話の緊迫も素晴らしい。でも原作のヨーロッパのアメリカ人って設定はあまり生きていない。いちおうセリフのなかでは説明していたが、印象づけていない。大西洋を離れた旅行者って設定が、他人に成り代わっていく展開の基礎として大事だったんじゃないか。特定の誰でもない旅行者の自由、誰にでもなれそうな自在感。そこらへんはより原作に忠実なリメイクだった『リプリー』のほうが描けていた。M・デイモンは明らかにアメリカ人顔だったし、「哀れな走り使い」のコンプレックスもあっちのほうが出ていた。こちらは美男のドロンが演じることでの痛ましさってのもあったけど。ハイスミスのミステリーは、前半はめちゃくちゃ面白いのに、後半もたれてくる。「文学」っぽくなってミステリーとしてのキレが悪くなる。『見知らぬ乗客』も後半は大幅に変えて映画を締めていた。本作のラストもそうだが、ミステリー映画としては悪くない改変だった。しかし原作のコクを好む人には物足りなかっただろう。あと今回気がついたのは、終盤で蝉が鳴いていたこと。ヨーロッパには蝉がいないと聞いていたが、南欧ではちゃんと鳴くんだ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-29 10:13:16) |
204.《ネタバレ》 いろんな偽装の部分で手を拡げすぎず、単純な発想で乗り切り続けているのが、安定感と同時に破滅の予感を感じさせることに成功している。主人公は、その行動からいえば、そんなに格好良くも爽やかでもなく、むしろ陰湿でうじうじした性格であるはずで、その意味では「リプリー」の方が本来の人格に忠実であるとはいえるのだが、こちらが単純明快路線できちんとまとまっているのは、どこを切っても美しい映像とカメラのなせる賜だろう。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-29 02:39:27) |
203.主人公トムがドジじゃ話にならないけど、あまりに切れすぎても多分ダメなんだと思う。そのあたりが絶妙で思惑通りに行くこともあれば、想定外のことに焦ったりもする。そうして緊張感が維持された物語はとても面白いものだった。アラン・ドロンをスターダムに押し上げた作品として有名だが、そりゃ人気出るだろうな…というカッコよさ。マリー・ラフォレもなかなか。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-18 15:09:10) |
202.《ネタバレ》 かなり古い映画で驚きの効果音なんか懐かしい。トリックは現代ではとても通用するものではないが、主演女優のマリー・ラフォレがものすごく美人で十分通用するものでした。 「太陽がいっぱい」の台詞で終わりを迎えるのがおしゃれ。 【たこちゅう】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-12-23 21:52:16) |
201.ストーリはどうでもいいとおもいます。 完全犯罪とは程遠い稚拙で荒っぽい手口。 そんなところがこの映画の魅力ではない。 まず撮影がすばらいこと。 貧しさゆえの歪んだルサンチマン、 溢れる醜い愉悦・エネルギーをこれほど 瑞々しく焼き付けた映画はないでしょう。 救いがないです。 まぶしい太陽に幻惑されるように、ドロンの 我見的美しさと内面的な醜さにクラクラ すべき映画です。 【ウンコマン】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-12-04 23:56:59) |
200.昔大変はらはらしながら見たことを覚えている。完全犯罪が何度も崩れかけようとしてきわどく逃れている。そして何もかもうまくいって、南国の陽がさんさんと降り注ぐ中・・・、ラストが衝撃だった。音楽も大変有名だし、とても好きだ。 DVDで改めて見て、昔合点がいかなかったところが解決できたような気がする。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-10-31 21:27:38) |
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199.《ネタバレ》 ヨットのシーンや死体等、古い映画なのに意外と迫力ある映像でした。タイトルの意味が最後にわかるのが良かったです。 【osamurai】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-29 00:17:07) |
198.主な登場人物は3人だけなのだが、 序盤は男二人の友人関係の説明がないのでちょっとわかりづらいかな。 映像と音楽はとてもきれい。一応サスペンス映画の展開ではあるんだけど、 完全犯罪を目論んだある青年の顛末記、一種の青春映画として観たほうがいいだろうね。 ストーリーそのものよりも、アラン・ドロンの魅力と情緒溢れるヨーロッパの雰囲気を楽しむ作品。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-08-25 20:00:11) |
197.《ネタバレ》 貧乏青年のトムが、羨望の為だけに兄貴分を殺し、完全犯罪を目論む。粗筋はこれだけ。それでも個人的に強烈な印象が残っている作品です。美しさと気だるさが同居した海、抜群の肉体美をさらけ出す主人公、兄貴分のフィリップを殺す時の刺すような緊張感。これ等に言い様も無い魅力があるんです。何というか、石原慎太郎の「太陽の季節」の様な、青春が溢れだしている、そんな感じ。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-07-18 14:42:13) |
196.だめでした…楽しめませんでした。まったりしすぎていささか退屈です。アランドロンとか言われても正直ピンと来ないし感情移入も出来ませんでした。殺す程じゃあないだろう。オチもアホ丸出しすぎて笑ってしまいました。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-07-14 06:44:43) |
【HRM36】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-16 16:55:14) |
194.《ネタバレ》 こういう犯罪者に身を寄せて行動を共にすることになる観客存在とは何なのだろう。観客は、一線を越えないだけの、想像上の犯罪者なのであるが、やっと、ラストシーンのアイロニーとともに映画の外へと押し出され、目が覚める。 【ひと3】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-03-23 21:23:09) |
193.燦燦と照りつける太陽と陰のあるストーリーとのコントラストが見事! まさに「アラン・ドロンがいっぱい」の独壇場でした。 遺体の処理シーンなどは妙に生々しくてドロドロさ加減が増幅・・・そしてラストシーンでトドメを刺されました。 バックに流れる音楽とも相まって、ホント切ない名作だと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-26 18:41:25) |
192.《ネタバレ》 青い海と空 美しい地中海の風景 そしてなんといってもアラン・ドロン もういうまでもない人ですが まず若い(って当たり前w 当時25歳ぐらいかな)そして目がきれい~ アップを多用するカメラワーク そしてあまりにも有名な音楽 ストーリーも素晴らしいし各出演の皆様もいい 個人的には刑事さんの目と表情がすごい でもちょっとだけ難を言っちゃうとやっぱり捜査の甘さ 写真使うとか指紋は?え~それでいいの!? は気になりましたが…当時はそんな感じだったんでしょうか 危うい完全犯罪をやってのけ、全てを手に入れたかに見えた恍惚の表情と 衝撃の展開 リプリーをまつ結末 若きアラン・ドロンの起用がドンピシャはまった奇跡の作品 人々のこころにいつまでも残る名作でアリマス 【Kaname】さん [映画館(字幕)] 9点(2010-12-15 17:00:06) |
191.《ネタバレ》 有名な映画ですが観る機会がなかったので未観賞のままでした。が、故淀川さんの映画本に『この映画は裏ゲイの話で、殺人シーンはフィリップがトムを挑発している』みたいに解説していました。「え?そうなの?」確認の為に観賞。そういう部分はよく分からなかったけれど(淀川さんすいません;)フィリップがトムの妬みを知りつつ、連れまわしているのは感じました。馬の鼻先に人参ぶら下げて遊ぶように。トムは頭がいいから、成功するだけならフィリップを利用することも出来ただろうに、そうしなかった。「フィリップになる」のは「一体化」を指していたのかも。ボートに遺体がついてくるのは、愛しい男に「死んでも離さない」情念?恐い、恐すぎる…;緊迫感と心の乾きが美しい映像と音楽と共に強烈に残ります。個人的にリメイク版がイマイチな点は、「さりげなさ」がないことと、フィリップがトムより男前なことかな~と思ってます。飢えてる方を美男にしないと駄目だよ~「乾き」が美しく、「成功」が儚く、ならないじゃん。 【果月】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-10-13 11:41:54) |
【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-10-11 11:48:50) |