18.《ネタバレ》 殺人事件の被害者夫婦とその関係者は嫌な人間ばかり、事件を追う記者と妹は悲惨なトラウマを負っている。ぼーっと見ているだけでは人間関係と事件の脈略を読み切れず。無理やりと思われる展開もあるが、俳優陣の演技には引き込まれる。終わってもなお謎として残されている部分もある。 【エンボ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-04-30 01:45:34) |
17.《ネタバレ》 イヤミスの名手、貫井徳郎の同名の小説の映画化。小説の愚行録は、4人家族惨殺事件の背景を、とある記者が関係者にインタビューすることで明らかにしていくという形の小説で、それをどんな形で映画にしてるのか興味津々で鑑賞したのですが、なかなかうまくアレンジしてあり、どこか不気味な雰囲気といい、淡々としてるけどなんか狂気的に怖い感じといい、ストーリーを知ってても映画に引き込まれました。特に主役の記者である妻夫木聡の絶望を通り越した人間が、フラッと立って、置物掴んで、ガツンとやるとこ、怖かったなー。他の登場人物もみんな、こんな嫌な人いそう感が出てて、鑑賞後の気分はまさにイヤミス。 【なにわ君】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-09-27 21:10:25) |
16.《ネタバレ》 かなりネタバレします。 主役の名前が日本人では相当ありふれた田中武志でその妹が光子ときた。主役の割に簡単な名前だなあと何気なく思ったんですが、 そんなどこにでもあるような名前であることの意味に後半気付くことになるわけです。 どっちも田中さんであっても違和感がないんですよね。 兄は妹がやらかしたことを最初から知ってたんじゃないかな、この兄妹は繋がり、関係性がかなり深いですから学生時代から妹はなんでも兄に話してたんじゃないかと。 そして妹がネグレクトで逮捕されたタイミングで未解決である1年前の田向一家の事件の取材をなぜか再開してる。ネグレクト逮捕が別件の未解決事件も解決なんてこともありますし。 被害者をよく知る人物に喋りたいだけ喋らせて、メモをとるでもなく細かく質問するわけでもない。 しかし妹の名前が出た時に行動を起こすのよ、これが目的だったんだと私は思った次第です。 吸殻をとってあったのも偶然じゃないですよね。 そもそも冒頭のバスでのシーンで武志は相当ひねくれた腹黒い人間だとわかるので、正義感からではないし再取材は「何のため?」というのが後半までわからない。 妹を庇うというより、自己保身じゃないですかね。一家惨殺事件の犯人の実の兄であり生育環境から何から何までマスコミに書き立てられるのは雑誌記者の自分がいちばんよく知ってるしね。 光子を演じた満島ひかりの狂気と正気の狭間みたいな雰囲気と演技がいいです。 新興住宅地としてこれからって時に一家惨殺事件が起こり、それ以来人が寄り付かなくなってしまった閑散とした宅地という風景が素晴らしい。全体的にカメラワーク、ロケーションが良かったです。 【envy】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-03-13 15:53:08) |
15.《ネタバレ》 サスペンスではあるがタイトルにも表れているとおり、登場人物たちの愚かで醜い人間性を(互いの互いに対する言及を通して)描いてゆこう、という側面のある作品でもある。その意味では、中盤まで満島ひかりの話はコレは何なんだろう?と思って観ていた矢先、突如そっちの話が妻夫木クンの追っかけてるサスペンス話に無理矢理割り込んでくる、とゆーのがかなり大きな違和感として感じられたのだし、終盤の方のサスペンス的展開も相当に突拍子も無いし、結論、サスペンスとしては正直少し安っぽい、とも感じられる。 ただ、醜い人間性を描いていくという側面については、それを詳らかにしてゆく登場人物たち自身がまた醜い、というコトも含めて、かなり見応えがあったのですね。小出恵介はあくまで軽い感じでしたが、女優4人のその部分の演技はそれぞれに暗く重く、また非常に嫌らしい感じでもあってどれも見事でした。でもこれに関しても、その「病み」度とゆーのは満島ひかりだけちょっと頭抜けているとゆーか、結局松本若菜は別に殺されるホド悪いことはしていない様に見える、その意味でもやはりひかりチャンだけ場違いにブッ飛んでる様に思えるのですよね。なのでこちらも、安っぽいと言うよりはバランスが悪い、という風にも少しだけ感じましたです。まあでも、そのひかりチャンに言及する場面の臼田あさ美のイヤらしさなんか、中々絶品に殴りたくなる様な優れた代物だとも思いましたケド(妻夫木クンの気持ちも分る)。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-08-11 18:57:06) |
14.満島ひかりの狂気をはらんだ演技が素晴らしい。しかも、可愛い。ストーリーも人間の闇を良く描いていて興味深い。原作も読んでみたい。佳作。 【クロ】さん [地上波(邦画)] 8点(2021-07-03 08:00:57) |
13.《ネタバレ》 少し前までは英語の勉強を兼ねて洋画ばかり観ていましたが、ここのところはある人の影響で邦画を多く観るようになりました。そんな最近の映画チョイスの中で見つけた本作『愚行録』。 何やら一癖ありそうな週刊誌記者の田中(=妻夫木聡さん)が、幼児虐待の罪で勾留中の妹の面会と並行しながら、まもなく発生から一年を迎えようとしている一家殺害事件の取材を進めていくという物語。 『愚行録』との名の通り、取材の中でさまざまな人たちのさまざまな「愚行」が明らかになっていきます。基本的には男女関係のもつれなのですが、その中に大学における学生たちのヒエラルキーや、個々人の生い立ちなどの問題が描かれています。なんかまあ、いわゆる大学での「勝ち組」「負け組」的な描写が多々ありました。自分の学生時代にはそんなの一切なかったのですが、エスカレーターで上がってきたその学閥生え抜きの「内部生」とか、大学から入ってきた「外部生」とか実際そこまで差別あるんですかね??出自がなんだろうが、私は気にいる相手は気にいるし、気に入らん相手はどんなに立場や生い立ちが素晴らしくても気に入らないんですが。そんな考え方の方がレアなのかな??その「内部生」たちもただのパーリィピープルで一切感情移入出来ず、そんなふうに見ていたものであまり話に入っていけませんでした。 一つの事件としてはそれこそ週刊誌のように興味を惹きつけるものなのですが、内情は知ると案外つまらないものだったと、そんな感じの映画でした。 【TANTO】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-04-16 00:20:43) |
12.《ネタバレ》 登場人物にはため息が出るような輩が多いし、見た後のすっきりさもないし、主人公の追う殺人事件の被害者の大学と妹の大学が同じとか少し都合がよすぎる点もありますが、2時間以内の枠で、それぞれの登場人物の個性を動作や細かなふるまいなどを用いてうまく表現できていて、登場人物の演技も良く、その点はうまいなぁと思う映画でした。 【珈琲時間】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-02-12 11:51:15) |
11.《ネタバレ》 『蜜蜂と遠雷』の石川慶監督作品ということで鑑賞。まったく質の違う物語なのに、映像や音響で作られる空間はよく似ていて、しかもどっちもそれぞれの物語にぴったり合っている。特筆すべきは演技面。冒頭のバスのシーンから終始「死んだ目」の妻夫木聡、満島ひかりの狂気をはらんだ表情、そして登場人物たち1人1人のちっぽけな悪意と自尊心。役者陣の演出がどれも素晴らしく、必ずしも演技力で売ってるキャストばかりでないのに、みんな演技派に見えてしまう。原作どおりとはいえ、ステレオタイプな登場人物たちの言動にはうんざりするものの、いずれも他人から見た「回想」ということで、実はステレオタイプなのは1人1人の人間ではなく、私たちの人を見る目なのだ、というふうにも読めて、原作の難点を逆に活かしているのも感心でした。まあ、あんなに覇気がない事件記者なんているか?とか、兄は大手出版社で働き、妹は一流私大に進学と、それまでの境遇を考えると兄妹のポテンシャルの高さに驚くなど、いろいろ違和感はありますが、最初と最後のバスのシーンだけでも、この監督ただ者ではないということで、その力量にこれからも期待です。 【ころりさん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-01-29 14:10:03) |
10.《ネタバレ》 ミステリーとしても十分楽しめました。誰にでもある過去の愚行を「他人が」あきらかにしていくストーリーは気持ちのいいものではありませんが・・・光子の名前が登場してからは一気に話が進み、テンポも良い。最終的には、兄貴が一番の愚行者なのは間違いない。 【ラグ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-01-24 21:39:11) |
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9.回想形式でストーリーが進むが、女性陣の区別がだんだんつかなくなってきてついていくのがキビシイ。それにみなさん大学生にしては老けているし。オチもちょっとつまらないし、この脚本ではどんなに役者が頑張っても無理があると思う。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 4点(2021-01-19 14:10:11) |
8.《ネタバレ》 全然期待していませんでしたが、ミステリー、サスペンスとして、まあまあ面白かったです。ラストまで興味がつきることなく、あっという間に観終わりました。途中で間延びすることなくテンポも良かったです。鑑賞後も何とも言えない余韻が残りましたので、インターネットで本作の情報などを調べたりしました。後味は悪いけど、私は嫌いではないです。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-08 19:56:13) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 「蜜蜂と遠雷」の監督作なので、観ました。 正直、驚きました。 どんな作品でも、シャープに創り上げられる監督なんですね。 「メッセージ」を創ったドゥニヴィルヌーブが「プリズナーズ」を創ったように・・ 複雑なサスペンスを見事に創りました。 理系出身の映画学校卒の期待の星です。 全く観たことない日本映画を創りそうな予感がします。 でも本作は、鑑賞後の後味の悪さにこの点数です。 【トント】さん [DVD(邦画)] 6点(2020-05-19 02:07:51) |
6.《ネタバレ》 《ネタバレしてます》 後にして思えば、この兄貴というのが甲斐性なしで、妹思いのように見せかけておいての、実はそんなこと全くないではないか 妹の子供(つまり、甥か姪)の安否や容態を心配する気配は一切なく、ましてや自分の子であるかもしれない事を知っているはずでありながら まるで関わる事ないとは これどうしたものか 妹はそれを秘密にしていたのかもしれないが、それにしてもどうしたもんか 人間味の薄さを感じると同時に間抜けな兄貴であると思わざるを得ません。それでいて妹の復讐とばかりに他人様の命奪って ふてぶてしくも生きてるなんて なんともタチが悪い 同姓から見てもひじょうに気色の悪い男だ 言うちゃなんだがこんなの兄妹愛でもなんでもないやね 価値のない愚行愛だ。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2018-09-15 23:50:31) |
5.ややこしい内容の話をややこしく撮った映画です。それとセリフがボソボソしていてよく聞き取れませんでした。 【紫電】さん [ブルーレイ(邦画)] 5点(2018-08-30 17:16:18) |
4.《ネタバレ》 テーマは、未解決である一家惨殺事件の真相。 雑誌記者の主人公を演じる妻夫木聡が、様々な関係者を取材していくなかで、徐々に浮かび上がってくる真犯人。 点と点が繋がって線になる感じ。 演出はやや説明的でしたが、そのおかげで理解がしやすかったです。 そして、分かりやすい「どんでん返し」が何回か仕掛けられていてそれもた面白かったです。 市川由衣が演じる稲村という女、真犯人を知っているとうそぶいて妻夫木を呼び出していたが、結局あれは誰だと思ってたんだろう? 誰か教えてください。 あと大学時代の話が全員大学生に見えなすぎた。 【アーウーマンデ】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-04-12 19:48:34) |
★3.《ネタバレ》 人間の目を背けたくなるような嫌な部分をえぐりだすのがうまい。 冒頭でのバスの優先席をめぐるやりとりで、早くも主人公・武志の闇がうかがえる。 男同士のドン引きするような会話。色欲。計算高い野心。女のほうもしたたかさでは負けていない。女特有の嫌らしさ、プライド、嫉妬。 殺された田向は欲しいものには手段を選ばず労力も惜しまない。目指す就職のためにはコネを持つ女と付き合って平気で利用する。確信的なエゴイスト。欲しいものは手に入れるが、敵も多いタイプ。妻・友希恵も他の人を踏み台にしながら自分の幸せを追求する女。
あちこちで恨みを買っていそうな夫婦と幼い子を惨殺したのは、一体誰で、どういう恨みからなのか。 事件のサスペンスとリンクして、武志と光子の兄妹の抱えた闇が明らかになっていく。 妹への思いに兄弟愛を超えたものを感じたので、光子の子の父親のオチは途中から予想がついてしまった。 元々は兄妹の両親がろくなもんじゃなかったのが大きな要因。その両親のそれぞれの親たちにも問題があったのかもしれない。負の拡大再生産だ。
名家のお坊ちゃんお嬢ちゃんが通う名門大学では、セレブの多い内部進学者と外部からの入学生の隔たりがよく言われる。 内部進学者が外部生を下に見て相手にしないとしても、外部生がセレブの内部進学者にあこがれたり媚びるのがおかしい。 いろいろ出てきた愚行の中でも、その愚かさが印象に残った。 親から受け継いだものだけで他を見下すような手合いは、それこそ相手にする価値もないつまらない人種なのに。 光子もそれがなければ友希恵とも関わらなかったろうし、違った人生を歩んだに違いない。 内部学生らの性処理道具にしかならなかったのが、愚かで哀れだった。 恵まれた家庭ではなかったからこそ、何不自由のないセレブな学生たちに引寄せられたのだろう。 また、父親との体験から性的なハードルや自己評価が低くなっていたこともあるだろう。
それぞれのキャラやストーリーはあまりにステレオタイプにすぎる印象を拭えなかったが、妻夫木と満島の兄妹を始め、キャスティングが良かった。 妻夫木の頬の傷跡が役にプラスになっていたし、満島はキレイだけど健康的ではない病的なものが滲み出ていた。 小出恵介は例の淫行騒動があったせいで爽やかなイメージがなくなったのが逆に役にハマって見えたし、松本若菜も美しい悪女がピッタリだった。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-12-30 22:12:10) |
2.《ネタバレ》 日本警察の捜査力を軽視しすぎている点はとりあえずおいといて、久々にゾッとする映画だった。自分の中にある闇が静かに共鳴していく。そんな恐ろしさを感じてしまった。 バスの中で仕方なく老人に席を譲ったあとの妻夫木の演技。あれはヤバイ。一番ゾッとしたし、一番共感してしまった。ほんとうにヤバかった。 こんな身も蓋もない映画、作んなよ~・・・良い意味でね(^_^;) |
1.《ネタバレ》 寒々とした曇天や冷ややかなな壁が硬質な白バックをつくる。 余計な装飾を排したそれらの白いシンプルな背景が思惑を秘めた俳優らの表情を見事に浮かび上がらせている。 終盤での妻夫木聡と満島ひかりの述懐もまたそれぞれの白バックを介してクロスカットされ、二人の横顔のショットは台詞に優位を譲らない。 序盤に登場する、殺人事件の起こった住宅街の坂道の寂れた風情も見事なロケーション。 小出恵介、市川由衣らの三角関係を示唆する役者配置の妙。屋外の階段を昇り降りし、エレベーターの扉をこじ開け、といった手持ちカメラによる 動線と空間性はキャラクターの感情を提示するなど、カメラワークもよく考えられている。 一方で、現在シーンの固定されたカメラは俳優らの語りと芝居をじっくりと持続的に見せてくれる。 松本若菜が平手打ちされるシーンでの、屋外から屋内へのカメラの切り替えの呼吸の素晴らしさ。 それら、外と内を仕切るガラス窓のモチーフがじわじわと反復されていき、ついには 妻夫木聡がその仕切りを越えるショットへと至る。 煙草の吸殻にしても、炎の音使いなど細やかにアクセントをつけて視聴覚的な伏線張りを反復するなど巧みだ。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 7点(2017-02-19 20:00:50) |