3.《ネタバレ》 IMAXにて鑑賞。
とにかくジョン・グッドマンのキ○ガイ演技が凄過ぎて、彼の出ている場面では画面からまったく目が離せませんでした。モラルに対して非常にうるさく、しかし彼のモラルには常人の考えるモラルとは一線を画した部分があるため、何をきっかけに火が点くのか読めないという緊張感。また、キレたらキレたで尋常ではない剣幕で怒り、なだめる声にも一切耳を貸さないという頑固親父ぶり。これだけ見事なキ○ガイ演技は『ミザリー』のキャシー・ベイツ以来であり、彼の存在が密室劇を否応なしに盛り上げてくれます。
密室劇でありながらイベントがしっかりと詰め込まれており、「よくぞこれだけネタを考えたものだ」と感心させられました。また、監督は初の長編ながら素晴らしい手腕で作品をまとめており、視覚的に単調になりがちな題材をとりながらも、観客を退屈させない作りとなっています。
よくよく考えれば『フォーガットン』みたいなトンデモ話なのですが、実はまったく無関係な『クローバーフィールド/HAKAISHA』の名前を借りることで観客に対して「これはパニックSFですよ」という先入観を与え、抵抗なくオチを飲み込ませるための下地を作っています。題材をどうデコレーションして見せるかという点で才能を発揮するJJエイブラムスのプロデュース力が、本作の基礎部分を支えています。こちらもお見事でした。
ガッカリしたのは、シャマランの『サイン』と同じく侵略者が異常に弱かったこと。あれだけ煽られていた殺人ガスは、緑色の霧の直接噴射さえ避けられれば問題なしというヘッポコぶりだし、火炎瓶ひとつで墜落させられるUFOにも参りました。『インデペンデンスデイ』と言い『宇宙戦争』と言い、内部を攻撃されると大爆発を起こすというUFOの安っぽい構造は何とかならんものでしょうか。