29.《ネタバレ》 2018/01.03更新:自分の気持ちに素直になって10点に変更します。なんとなくこういうあざとい映画に10点あげちゃいけない気がしてスカしてたんですが、素直に点をつければこの映画は間違いなく自分にとって10点です。
以下初見のときのレビュー
今年の邦画ナンバーワンはシンゴジラで決まりだという流れの中、突然やってきたダークホース。
あれだけ話題のシンゴジラはいつのまにか置き去りで今や話題になる映画は「君の名は。」ばかり。
(モーニング娘。と同じで「。」がポイント)
新海誠というと「雰囲気の良さが売りで煮え切らない恋愛物の小品を取る監督」というイメージしかなく、この映画にしても予告を見る限り定番の男女入れ替わり物で全然目新しさを感じられなかったので観るつもりはなっかたのですが、しかしこれだけ話題になる(しかも口コミで観客が増え続けている)となるとこれはもう観るしかないという事で劇場に足を運んだわけです。
いやーよかった。
これほんと素直にいい映画でした。
予備知識を全く入れずに観たのもプラスで、予想外の展開に驚きながら映画を観る事ができたのでストレートに映画のよさを味わう事ができました。
新海誠、ダイナミックなエンターテイメント映画撮れるんじゃん!
確かに劇中に細かい突っ込みポイントが多すぎるんですが(あの年齢で3歳違えば高校→中学の年齢なわけで実際に電車で瀧を見た時に外見でおかしいって気づくだろ、とか)、映画的ご都合主義って事で個人的には許せます。
また内容的に確かにいまさら感のあるセカイ系SF(FはファンタジーのF)ですし甘ったるい恋愛物。ダメな人はダメなんだろうな、と思います。(まぁ恋愛物なのは明らかなんで苦手な人はそもそも観に行かないでしょうが、厨二セカイ系だとは予想しませんよね…)
でも50年以上生きてて思いますが、何十年たとうが恋愛っていうのは甘酸っぱいものだし切ないものだしそこが素敵なものなんです。
さて、この映画の内容について詳しく書いていくと軽くブログ一本分くらいの内容になるので、あえて今回一つとりあげるなら、声の演者さんのすばらしさ。
10年以上前から、なぜか日本の劇場アニメでは、ジブリにしろ細田守ものなどでも、それがおしゃれだと勘違いでもしてるのか実写映画へのコンプレックスなのか、謎の下手くそが声を当てるケースが多く見受けられ、正直言ってそれだけで観る価値がなくなっているアニメ映画がいくつも製作されてきました。
実写映画で棒演技の素人が主役を張るなどドキュメント映画や企画物でもない限りありえないわけですが、なぜか一部の大作劇場アニメではそういう事が普通に行われているのです。
海外のアニメ、例えばピクサーなどの日本語吹き替えは厳しいオーディションで選ばれているためどの映画も実に素晴らしいのに、なぜ海外物ですらちゃんとやってる事を日本の大作劇場アニメで出来ないのか?と幻滅する事が多かったのですが、この映画ではそんな事は全くなく声のキャストは自然で本当に素晴らしかったと思います。
主演の神木隆之介にしろ上白石萌音にしろ、共に本職の声優ではないわけですが、難しい男女入れ替わりの演技を上手くこなしていて観客を映画に引き込むだけの力がありましたし、長澤まさみや谷花音、それにテッシー役の成田凌など、声優を本職としない人が自然で素晴らしい芝居をしていたのは本当に観ていて心地よかったです。
この映画のヒットを機に「不自然なくらいへたくそな人にわざと声を演じさせる」日本の一部劇場アニメに見受けられる悪癖がなくなる事を切に願います。
それからごく個人的な事ですが、私は新宿の東宝で観たのですが、新宿でこの映画を観ると鑑賞後に道を普通に歩いているだけで話題の聖地巡礼ができるのです。
シンゴジラもそうですが、映画に「よく見知った街並」が出てくるとやっぱり観ているときの気分が違うんですよね。
この映画のヒロインのように「田舎はいやだ東京に行くんだ」と高校卒業後すぐに東京に出てきた自分的には、こういうとき東京に出てきてよかったと何十年たった今でも心の底からそう思います。
何より大事な人と出会えたのも東京での事ですしお寿司。
ビバ東京!