144.ジブリは数作見た事はあるが殆ど興味はなく、どちらかと言うとキライではあるんだが、(なら見るなよって話なんだが、意思の弱さから周りが騒ぐと見てしまう)76年版に結構感動したので、それなりに期待していた。が、本作品は基本的に映像を楽しむものであって、ストーリーや人物描写・心情表現等々は全くダメで、その点では全く感動できない。ジブリ過去作品とは違い、ロリコン臭はなく、辛うじて大人が見られる作品ではあるとは思うが、結局女を男の都合よく描いている事に変わりはないような。 恋愛小説は絡めずに、伝記一本に絞ったほうがよかったのでは? |
143.主人公と菜穂子のロマンスの思わずウルっとくるシーンと陳腐でお寒いシーンのアンバランス感が印象的です。実在の人物がモデルということですが、マニアックで純粋で行動的で熱い主人公のキャラクターの現実感の希薄さに、ファンタジーではないのに宮崎駿っぽさを感じます。 【ProPace】さん [地上波(邦画)] 7点(2015-02-22 09:32:21) |
142.《ネタバレ》 カプローニが面白い。少年時代の主人公はカプローニに憧れるが、彼の作る飛行機はごちゃごちゃしてて全然美しくない。そのあと、主人公が作ったのは、その対極にあるような、物事の装飾をそぎ落としたシンプルな形状の戦闘機。カプローニの飛行機はまるで、監督宮崎駿自身が作ってきた娯楽作品であり、最後のゼロ戦はこの映画の比喩のようにも映る。でもゼロ戦はラストでは美しいながらも、人々を死へと追いやる凶器となる・・・。創造性と人間性の、なんというか危険な諸刃の部分を見せつけられた気分。それは、心が通い合っているようで全く身勝手な二郎と菜穂子の夫婦にも言える。他人が共に暮らすと言うことの困難と、でもそれが奇跡のようなバランスで可能になることの美しさ。難病夫婦ものという古今東西使い果たした陳腐なネタを陳腐なまま、この物語の中核においてしまう大胆さ。とにかく、とても恐ろしい作品であり、最後の最後に宮崎駿は、観衆を突き放して1人で遠~~い世界に行ってしまった感じ。ああ、でも自分はカプローニ、嫌いじゃないんだよなあ・・・。この映画でもどうみても一番人間らしく魅力的なキャラクターだった。いまの時代、必要なのは二郎じゃなくてカプローニだと思うのだけれど・・・。 【ころりさん】さん [地上波(邦画)] 7点(2015-02-21 23:42:08) |
141.《ネタバレ》 * 大人向けだった。子供は見ても予備知識が足らず混乱するかも知れない。スライス・オブ・ライフの見せ方としてもテンポが展開が早いので、進行が親切であるとは言えない感はある。 * 職人として尊敬する職人を描きたいという思いが伝わってきた。 * タバコについては特に意見なし (昭和の刑事ドラマでも部署内はモクモクしてるもんだし、それと同じようなものだと思う)。 * 作中、主人公の字がエリートなのに下手なのが嬉しかった (私も字が下手なので)。 * 庵野秀明の声については、「一つのことだけにずっとのめり込んできた人間の話し方」として、あまり違和感は感じなかった。 * ただ、大人向けストーリーをジブリが、というか、宮崎駿が脚本する力量としてはこの辺が限界なのだろうか、とは思った。 アインシュタインと同じく、戦争のために技術開発したわけでなくとも、人が死ぬ道具として使われる第一線で活躍する超一流プロフェッショナルの戸惑いは伝わってきた。 * ちなみに堀越二郎の設計技術は後に本邦初の国産旅客機YS-11に生かされる。 * 音楽は今回も久石譲だが、これといって記憶に残る音楽は無かった。そういうオーダーなのかな? * 結婚式を上げるシーン、とか、もう、ナオコ絡みのシーンがもう、落涙することが多くて、オレはこの作品、一応スキです。 【よこやまゆうき】さん [地上波(邦画)] 7点(2015-02-21 22:48:44) (良:1票) |
140.あまり心に響かないけど監督の思いは伝わってくるような気がする。 【マンデーサイレンス】さん [地上波(邦画)] 6点(2015-02-21 19:20:39) |
★139.《ネタバレ》 一人の男の人生を描いたアニメ映画。 主人公は、幼い頃に飛行機にあこがれ設計技師になり、戦闘機を設計した男。
「飛行機が作りたかった」 「戦闘機が作りたかったわけじゃない」 「人殺しの道具なんか大嫌いだ!」 そうだろうか? 人殺しのための戦闘機を作った人が何を言ってるか? 宮崎駿監督も同様だ。人が機械を使って人を殺すシーンを多数作った。
さて現実の世界は、人気者がいるし、嫌われ者がいるし、ほとんどは平凡な者。 宮崎駿が一貫して描いた主役たちは、権力者の血筋か裕福な者だけ(親が学者が多い)。 『ラピュタ』の父親は冒険家で、住居から裕福な血筋なのは明らか。 勘のいい子供は、宮崎アニメを観ても満たされない。 ひねた子供なら「ケッ」とツバを吐くんじゃないか。
この映画の主人公は設計技師。 工員じゃなく工場長でもなく、スーツで通勤するメインスタッフ。 宮崎アニメはヒーローや人気者、成功者の世界で、トッド・ソロンズ監督が描く世界とは真逆。
ところで効果音を声で表現したのは、異常な感じで面白かった。
【追記 2018年2月23日&2022年1月11日】 ジブリができる前、40代の宮崎駿は無名で不遇な頃があった。 テレビアニメの原画(だけ)を描いたりしていた(太陽の使者・鉄人28号)。 宮崎によるルパン第二期の二つの話は、傑作と言われてる(アルバトロスと最終回)。 第二期のルパンは、彼がやりたくてやった仕事ではない筈、やりたくなかった筈である。
そしてこの『風立ちぬ』にはジブリ以前の、魅力的だった「何か」が全くない。 私はそう思った。彼は試写で初めて泣いたらしいが。 長編アニメ引退宣言を反故にして今制作中の長編アニメ『君たちはどう生きるか』は2023年頃に完成予定らしい。
『君たちはどう生きるか』の原作小説はどんな作品なのか。 ウィキペディアに日本の文学者・高田里惠子氏による評価が載っている。 それを読んで寒気がした。 宮崎駿監督というのは、つまり、私の想像通りの人らしい。 【激辛カレーライス】さん [地上波(邦画)] 3点(2015-02-21 07:28:52) |
138.《ネタバレ》 封切り時に映画館で見たけど、今日TVでやっていて、やはり引き込まれてしまった。 どなたかも書いてたけど、一つの映画を好きになる時、その理由は一つではなく沢山の要素が絡み合ってるのだな、と思いました。この映画は大好きだ。一番好きなのは貧しくてストイックで礼儀正しい、昔の日本人が沢山出てくることだ。結婚式のシーンが完璧すぎて泣けてくる。風の吹かせ方は人間国宝にしたい。満点でないのは、軽井沢のホテルで紙ヒコーキを飛ばすシーンが陳腐だから。 煙草の事でいろいろ書かれてるみたいだけど、昔の映画見たことない人が増えてるのかな・・。 【しろ太】さん [地上波(邦画)] 9点(2015-02-21 01:36:30) (良:1票) |
137.ストーリーに何の抑揚も見せ場もなく、最後まで観るのが苦痛だった。アニメの巨匠も最後は駄作で終わったか…残念。 【毒林檎】さん [地上波(邦画)] 3点(2015-02-21 00:24:01) |
136.色々言われるだろうなというシーンは多々ありましたが私にとっては良作です。主人公の声は最初あまりに棒読みで違和感を覚えましたが、途中からは理工系の何かにのめり込んだら他が見えないタイプだとこんな感じの人もありだなと思うようになりました。映像が大変美しい。ストーリーもべたなラブロマンスがかなりの割合を占めますが私は好きです。 【丸に梅鉢】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-01-03 02:48:58) |
135.《ネタバレ》 本人は不本意な胸中だったかも知れないが、実際に零戦に乗って激戦をくぐり抜けたパイロットたちは愛機と死線をくぐる事をいとわなかった。 零戦に愛情を注いだ二郎の魂に、パイロットたち空に生きる人間の魂が共鳴していたからだろう。 だからこそ二郎は「諸刃の刃」の犠牲よりも、自分の飛行機を愛してくれた男たちの命を何とか助けてやれんかと叫ぶ。 座席の裏側に防弾の鉄板を設置できていたら、一体どれだけ多くのパイロットを生還させられたのだろうか。そんな二郎の願いは、物資の不足と軍部に握りつぶされる。 やり場の無い怒り、戻ってくる零戦の残骸に心を打ちのめされる日々(劇中では描かれないが、そういう虚しさがひしひしと伝わる)、そして最愛の人である菜穂子を蝕む病。 二郎の心は渇いていく。 まるで二郎に声を充てる庵野のように、仕事に対する冷静かつ、冷徹な「執念」だけが研ぎ澄まされていく。 憧れのカプローニのような飛行機をいつか作りたい。 夢と情熱を執念にかえて生きる二郎。 その強すぎる思いが、時に人を傷つけ、自身でも気づかない内に空回りする時もある。 そんな次郎を、菜穂子はただ黙って見つめる。 病に苦しむ菜穂子の横で、二郎は遠慮なく煙草を吸う。他人を思いやる余裕が心に無い次郎を、菜穂子は黙って許した。「いいわ」の一言で。 戦争が嫌いな男が戦闘機を作っている。そんな矛盾に満ちながらも、自分のやりたい事に真っ直ぐに生きる男に惚れてしまった、そんな女の「覚悟」でもある。 他人は「どうしてそんな事ができるの?信じられない?」と思うかもしれない。 解る人は解り、解らない人は一生解らない。 二郎と菜穂子の目に見えない「絆」は、その域に達してしまっていた。 戦争は終わりを迎える。 菜穂子は先にあの世に旅立ってしまったが、二郎は後に民間機の「YS-11(オリンピア)」を作った。武器も無い、多くの人々を安心して乗せられる旅客機だ。 彼の念願が自由に形にできる時代がやってきた。 二郎は本懐を遂げられたのだろうか。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-13 18:33:47) |
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134.特にヤマも用意せず、淡々としたストーリー運びは結構好き。 夢と現実の境をなくしたようなファンタジックな表現方法は”もう飽きたよ”と言った感じだが、 旧時代の巨匠の作品と割り切って、そういうもんと楽しむべきか。 問題のタバコの件は、本作の”矛盾”というテーマに沿った、一番グッと来るワンシーンではないだろうか。 【ポン酢太郎】さん [映画館(邦画)] 5点(2014-12-01 20:51:37) |
133.《ネタバレ》 本作をもっての宮崎駿監督の長編作品からの引退宣言が話題になった本作であるが、宮崎監督が自分の趣味だけで作ってしまったような開き直りぶりが潔い映画で、堀越二郎という実在の零戦設計技師を描いた年代記ものとなっているが、そこに感じるのは宮崎監督自身の飛行機への思い入れの深さで、まさに主人公の堀越二郎は宮崎監督自身の分身ととらえることもできる。映画としても極めて大人向けであり、今までの宮崎アニメとずいぶん毛色の違う作品になっている(子供と一緒に見てはいけない映画のような気がする。)が、ドラマとしても見ごたえのある作品で、地味なストーリーながら引き込まれる部分も多く、とくにラストシーンには感動してしまった。見る前にはまったく期待してなかったのだが久しぶりに心に残る宮崎アニメ、ジブリ作品で本当に見て良かったと思える映画だった。(ジブリのアニメでこういう感覚何年振りだろうか。)宮崎監督は「もののけ姫」の頃から引退宣言をしているが、それでも客の呼べる監督ということもあってか、なかなか引退できない状態が続いていたように思うのだが、本作からはもうこれで本当に引退するぞという強い決意のようなものも感じられる。そして、本作はそんな宮崎監督の引退作に相応しい佳作で、長い監督人生をこの映画で終わらせるのはいかにも宮崎監督らしい。思えば、自分が宮崎監督の映画で最初に見たのは小学校低学年の頃にはじめて見た「となりのトトロ」で、それからもうずいぶん経ったのだが、今でも作品を見ている監督というのは宮崎監督ぐらいしかいない。その最後の作品というのはやはり感慨深いものがあり、さびしくもあるが、これだけは言いたい。ありがとう、そしてお疲れ様でした。宮崎駿に敬意を込めて。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-11-07 00:51:57) (良:1票) |
132.監督が完全に開き直っている印象を受けました。最後はやはり自分の作りたい、見たい映画で終わりたかったのだと思います。「紅の豚」以来、久しぶりに心に響く良い映画でした。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-11-01 15:50:10) (良:3票) |
131.宮崎駿の引退作にしては、期待はずれだった。 実在の堀越二郎と堀辰雄の小説「風立ちぬ」を合体させるなんて意味がわからん・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-10-19 00:54:27) |
【S.H.A.D.O.】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 0点(2014-10-14 22:21:45) (良:2票) |
129.《ネタバレ》 期待してなかったからだろうか、すごく良かった。先に行っておきたい。議論になるような喫煙シーンがあったか?そういう時代だったのだろう。戦争映画の殺人シーンが問題になるのだろうか、という次元の話と思う。さて、肝心な映画は考えれば考えるほど面白い。色々なところで年代を特定することができるヒントが出てきて、それを集めて年表を作ってみたりした。最後のテスト飛行の時、次郎は何を悟ったのかが気になって、、、。宮崎氏の映画はいつも時代考証がしっかりしていてたまりません。 【lalala】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2014-09-21 18:51:49) (良:1票) |
128.これは行間を読みながら進めないと理解できない大人の映画だなと思った。個人的にいつも感じるのだが、ジブリ映画で採用される声優のミスマッチ感が今回もあり、特に主人公2人の声が最後までなじめず、本人の顔が浮かんでしまう。しかし、それを差し引いてもストーリーは飽きさせず、時代に翻弄された人々の生活が痛いくらいに伝わってくる。結局、どの時代にも起こる争いは、一部の上の人々のもので、庶民たちはそれに揺さぶられるだけだ。本当の意味で平等なのは、自然災害なのだろうか。 【おっちょ】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-09-15 18:35:05) |
127.《ネタバレ》 国民的〇〇という言葉がある。現代の日本において、たとえば国民的作家といえば村上春樹が挙げられるだろう。あるいは国民的バンドといえばサザンオールスターズ、あるいは国民的アイドルといえばAKB48、国民的プロ野球選手といえばイチロー…、もっとも村上春樹に限ればもちろん愛読者は多いのだけどそれと同じくらいアンチも多いので必ずしも“国民的”とは呼べないかもしれないが。そんななか、国民的アニメ監督といえば、まず間違いなく彼――そう、宮崎駿の名前を誰もがまず真っ先に挙げることだろう。日本という狭い国の枠を飛び越え、いまや世界の巨匠となってしまったそんな宮崎駿監督の事実上の引退作を、子供のころからずっとジブリ作品に慣れ親しんできた僕としては深い感慨と共にたったいま観終えました。うーん、しみじみと胸に来るものがありますね。バブル経済の熱狂とその崩壊、その後に訪れる長い景気低迷と社会の不安定化、911とイラク戦争、景気回復に伴う行き過ぎた拝金主義、そして今回の震災と原発事故…、そんな日本という国の激動の半世紀を共に生きてきた宮崎駿監督がアニメ映画という表現活動を通して最後に辿り着いたであろう「生きねば」というシンプルでありながら力強いメッセージは、彼の遺言として僕の心に深く響きました。ゼロ戦を設計した人も、爆弾を作った人も、体の毒でしかない煙草の原料をずっと育て続けた人も、そしていまや日本という国を内部から壊しかねない危険な原発を造った人たちも、その善し悪しは歴史の審判に委ねるしかないとしても、誰もが真剣に生き自分の仕事に打ち込みこの日本という国の歴史を築きあげてきたという事実を宮崎監督は最後まで優しく肯定的に描き出してゆきます。なのに、いまや日本を含む世界は理不尽で残酷な現実に満ち溢れていて、もしかしたら未来には希望なんてないのかも知れない(最後に二郎が見る夢の中で大量のゼロ戦が瓦礫と化しているのがそれを象徴しています)。巨大な歴史のうねりの中では、ともすれば悪人としてその名を刻まれることにもなるちっぽけな人間たち。それでも誰かを愛し愛されながら必死に生きる人々の姿は無条件に美しい。“国民的アニメ監督”の最後を飾るにふさわしい、慈愛に満ちた良作だと僕は思う。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-09-14 20:05:02) |
126.宮崎駿のラストを飾るジブリ作品として話題性があり、ストーリーも興味を引く内容だった為、付き添いで劇場へ足を運んだ。正直アニメを劇場で観ることはないので、映像については特に感じるものは無いが、時代背景が好きなので集中して鑑賞出来た。 トトロ、ポニョ等得にジブリに思い入れはない為、一つのアニメ映画として入れる。ただ、ファンタジー要素には多少のジブリ感を感じた。監督の身内を声優として登場させている点については、鑑賞前は不安であったが、アニメ声と違い、妙にリアルな感じがする。 暫く忘れていたが、子供の時に家で観た『紅の豚』を思い出し、久しぶりに観たいと感じた。 |
125.単なる偉人伝という印象しかない。 偉人といっても誰もが知ってるような偉人ではなく、一般人に近い手の届く距離にいる偉人。にもかかわらず美談ばかりで人間らしさが感じられず、全く共感も感動もできなかった。 【Trunk】さん [ブルーレイ(邦画)] 4点(2014-09-03 15:57:53) |