17.《ネタバレ》 子供の頃、近所の玩具屋さんのお爺さん店主が、大きなデコトラのプラモデルを見せてくれました。「見ててごらん」とお店の照明消してスイッチ入れると、トラックに仕込まれた沢山の装飾電球がチカチカ点灯する、それは綺麗なプラモデルでした。…当時LEDなんて無かった時代、あれはムギ球で光らせてたのかな?今となっては謎です。 さてトラック野郎。土曜の昼とかに流れてた気がしますが、子供の頃は観せてもらえませんでした。だってエロいシーンがあるんだもん。ヤクザ映画の人が主役だし、想像では、ヤクザがデコトラ乗って殺し合いとかするんだろう…と思っていました。実際観ると人情ものでした。当時は東映の看板作品として、松竹の寅さんと『トラトラ対決』なんてしてたんですね。 人情ものではありますが、まぁムチャクチャです。スピード違反に過積載。仕事終わりはソープでくつろぐ。ソープ嬢へのお土産は盗んだスイカ。'75年8月と言えば松竹のトラは『メロン騒動』の回。奇遇ですね。食堂では殴り合いの大喧嘩。この食堂が『くるまや』。当時はまだ『とらや』だけど、これまた奇遇ですね。やもめのジョナサンは家に帰ると子だくさん。更にもう一人産まれて、身寄りのない子も養子にしちゃおうなんて、ホントムチャクチャです。でもこのムチャクチャ加減が、当時の日本のパワーを感じさせます。後先考えないエネルギッシュさ。若者が老後のためにコツコツ積立NISAなんかしてる今と大違い。 汚い便所からマドンナが出てきてキラキラ星が輝くなんて、ベタだけど笑っちゃいます。桃次郎の付け焼き刃な紳士的な振る舞いも微笑ましいです。何よりオッサン二人が褌一丁でキャッキャ・ウフフと戯れる姿が可愛くて。桃もジョナサンも、トラック降りて、履き物をバンザイして掲げてから放り投げるのがシンクロしてて、また可愛いのさ。 惚れた女のために、愛車をボロボロの泥だらけにして送り届ける姿は、ちょっとホロリと来ます。1作品に色々詰め込み過ぎな気もしますが、面白かったなぁ、続きも観てみたいなぁ。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2024-11-09 11:07:30) |
16.シリーズ第一作からもう、全開モード。むしろ、まだ誰も何も期待してない分、自由奔放なのが第一作の強み、なのかも知れませぬ。 内容は盛り沢山、マドンナに対する一目惚れは勿論のこと、花束のエピソード、ライバルとの対決エピソード、捨て子のエピソード、ジョナサンの隠された過去の話・・・。そうそう、桃次郎とジョナサンとの喧嘩のエピソードもあって、もはや愛川キンキンが何に対して怒ってるのかもよくワカランのだけど、二人が波打ち際で水を掛け合えば、すべてが水に流され、ああ、二人ともバカだなあ、イイなあ、と思えてきます。 このおバカな主人公を演じる文太さん、一見荒削りに見えながらも、ときに絶妙の間で笑いをとってみせ、なかなかの喜劇俳優ぶり。 投入された脈絡のないエピソードが、見事なまでに、落ち着くべきところに落ち着き、サバサバしているのかと思ったら妙なところで泣き出したりするマドンナ中島ゆたかの破綻寸前のキャラクターが、彼女の抱えた苦悩の目眩ましになっていて、その苦悩が明らかになったとき、桃次郎の侠気が炸裂、怒濤の爆走クライマックスへ。 と言ってもアメリカ映画のカーアクションみたいに派手なことは出来ませんが、木の枝がトラックに激突し、泥水が(バケツでかけたように)飛び散り、気分だけは負けてません。 バカだから、カッコいい。それがこのシリーズの持ち味ですね。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 8点(2021-04-11 12:38:37) |
★15.良い意味でバカらしい。「映画は芸術じゃない。娯楽だ」と言うことを教えてくれた傑作。 【ガブ:ポッシブル】さん [DVD(邦画)] 10点(2015-10-14 15:38:58) (良:1票) |
14.《ネタバレ》 「仁義なき戦い」と並ぶ菅原文太の代表作となるシリーズの1作目。今回シリーズ自体を初めて見たが、得体の知れない勢いとパワー、そして全体からほとばしる熱さにひたすら圧倒されまくりの約1時間40分だった。桃さんが単純バカなのだが、とにかく熱い男で、演じている菅原文太にもヤクザ役とは一味違う良さがあり、賛否は分かれるかもしれないが、個人的にはこういう菅原文太もいいなあと思うし、見事にはまっている。(むしろ「仁義なき戦い」の広能よりも個人的には桃さんのほうが好きかもしれない。)それに愛川欽也演じるやもめのジョナサンとのコンビぶりも1作目というのに既に出来上がっているのがすごい。桃さんとジョナサンの二人を見ていると元気が出るというだけでなく、もう「惚れる」の一言で一気に映画に引き込まれた。脚本の筋書きとしては「男はつらいよ」シリーズのパターンを踏襲しているが、寅さんシリーズにはない派手な大立ち回りが見どころになっているのが東映らしいし、中でもドライブインの食堂を舞台にした関門のドラゴン(佐藤允)と桃さんのバトルはコントのように店が無茶苦茶になるという凄まじさでとくに印象に残る。それに今回のマドンナ 洋子(中島ゆたか)の初登場シーンが汚いトイレから出てくるというのも強烈だった。(この汚いトイレから美人が出てくるというのがギャップがものすごくあって笑える。)ラストは洋子に好きな男(夏夕介)がいることが分かって二人を会わせるために11㌧トラックを爆走させる桃さん。惚れた女のためならばたとえ自分の気持ちがどうであれ、その人のことを考えて行動する姿に男気を感じずにはいられないし、そんな桃さんがとてもカッコ良かった。はっきり言って映画としての完成度は低いのだが、そんなことは関係ない。久しぶりに心底惚れられる映画を見た、もうそれだけでこの映画を見て良かったと思えたし、このシリーズにもはまれそうだ。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2015-05-28 23:57:30) |
13.物凄くとっ散らかっていて雑で下品な映画である。 しかし、主演俳優のほとばしる「熱量」のみで、無双の娯楽映画に仕上がっている。 諸々の表現やストーリー展開も含めて、決して褒められた映画でないことは明らかだろう。 でも、この映画に当時の多くの観衆が魅了されエネルギーを貰っただろうことも明らかだ。 何をおいても語るべきは、「菅原文太」だろう。 “一番星”という役名の通り、菅原文太という俳優の“映画スター”としてのパワーが凝縮された映画だった。 どんな障壁も、どんな失意も、トラック一つで突っ切って豪快に笑い飛ばす。 その姿はまさに反逆のカリスマであり、役柄を超えて菅原文太という人間そのものの生き様に繋がっているように思えた。 2014年11月、そんな大巨星が墜ちた。世代を超えたすべての映画ファンにとってあまりに悲しい出来事だった。 ただ、僕のような若輩者は、今作もしかりまだまだ観られていない菅原文太映画は数多い。それは映画ファンとして幸福なことだと思うし、死してなお銀幕の世界で生き続けられることこそが、映画スターの価値だとも思う。 この稀代の映画スターは、この先もずっと「一番星」として輝き続けることだろう。 【鉄腕麗人】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-12-21 00:35:17) |
12.《ネタバレ》 『トラック野郎』の原点にして、物語フォーマットが既に完成しているのが凄い。 【伊達邦彦】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-12-06 03:00:59) |
11.《ネタバレ》 知的な役も、この作品のような破天荒な馬鹿(褒め言葉です)も見事に演じ切れる菅原文太という役者の凄さは日本映画の宝であったと思います。こういう、破天荒で下品極まりないけれども、実は我々観客の抱えている、日常生活への不満や哀愁を上手く拾って、パワー全開で吹き飛ばしてくれるような痛快な作品が、本当に好きでたまりません。 【TM】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-03 00:45:44) |
10.《ネタバレ》 御意見無用なとこスンマセンが、全体的に下品。 でも下品て言葉が、この映画には最大の褒め言葉でもある。 地上波で放送したらカットかピー音連発な映画。 そもそも今じゃ地上波では放送無理かな・・・ 観ようとは思わないけど、シリーズ化される位だから人気もあったんでしょうが、 私には星桃次郎様の赤ふんどし姿だけが唯一印象的且つ刺激的でした・・・うふ。 まぁ色んな意味で古き良き時代的な感じは受けましたけどね・・・ 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 4点(2013-04-04 16:08:23) |
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9.《ネタバレ》 ス・スゴイ 皆さん仰せの通りほとばしる「何か」がありますなぁ 当時の世相も伺えたり、ねぶた祭りの雰囲気もまたいい とにかく暴れん坊の桃さん でも熱くまっすぐな生き方に菅原文太がまさにどはまり! おまけに中島ゆたか めちゃキレイ さすがミスパシフィック世界大会第2位(ウィキより)だけあるわ うん、面白かった!ぜひ続きも観てみたいデス 【Kaname】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-02-25 19:15:37) |
8.菅原文太の大ファンなので、一挙一頭足が楽しい。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-02-14 19:35:57) |
7.《ネタバレ》 自分勝手に無茶苦茶するのだが、みんな自分に正直で全く嫌味がない。熱い勢いで駆け抜ける1時間半。本当に今の世代、映画にはない勢いが全編通して感じられる。コメディに関してはもう少し間を持たせたらもっと面白くなったはずである。 【TOSHI】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-23 11:28:04) |
6.これはまたとにかく熱い映画だなあ!という印象で、とにかく熱いのである。菅原文太の星桃次郎の馬鹿だけど凄く正直で思っていることは何でも口にしないと気が済まない。その結果、早とちりしたり、挙句の果ては親友であるやもめのジョナサンとすぐに喧嘩になる。だけどもやはり親友らしく直ぐに仲直りする。いつまでも尾を引かないのだ。そんな桃次郎に男達は惚れる。この映画は男が男に対して惚れる映画ではないかと思う。桃さんがトイレを我慢する場面での面白さ、また惚れた女が別の男と付き合っていたと知って最後はその女の為にとトラックで男に会わせてやろうとする桃さん、自分のことよりも愛する女のことを第一に考えて行動する桃さん、作品全体としては何か滅茶苦茶でけして誉められるような内容じゃないけれど、その滅茶苦茶さが星桃次郎の魅力であるとこの作品を観て改めて思いました。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2006-12-31 23:06:27) (良:1票) |
5.小中学生の頃、頻繁に日曜の昼間にテレビでやっていたという印象があります。久しぶりに観てみると、これがなかなか面白い。何か得体の知れない“勢い”があります。無気力世代、新人類、あるいは引きこもりやニート等といった昨今?流行りの言葉とは無縁の世界。むき出しの“生”を感じます。多少(いや多少じゃないか)法や倫理に触れるような事柄があっても、そんな小さなことどうでもいいやと思ってしまいます。出てくる人物がみんな生きることに懸命だから嫌味がありません。菅原文太版『男はつらいよ』といった趣で、笑いあり、友情あり、涙ありの大衆娯楽作品でした。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-26 18:23:11) |
4.お、面白い(笑)。関門のドラゴンとのケンカの場面は名シーン。けどシリーズ通して見るのはしんどそうだ。 【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-12-15 15:59:41) |
3.《ネタバレ》 モナリザお京よろしいやん。惚れますわ。しかし、ヒロイン洋子みたいに、あんな汚い便所で(しかも男女共同!!)用足せて、出てきたところで、にっこりできる女性もなかなかいてまへんで。 いずれにしても、突っ込むだけ野暮な映画ですな。あの文太兄のサングラス姿も渋い。。 【きつま】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-03 14:21:36) |
2.トルコ(今では放送禁止用語)大好き、仲間に熱く無鉄砲、ついでにケンカも大好物。こんなとんでもない男がスクリーン狭しと暴れまくるそれがトラック野郎の主人公、星 桃次郎だ!こいつがとてつもない大バカなんだは(笑)八時間の道のりを二時間半で走りきったり(絶対無理)、ケンカの規模は、はんぱじゃない。もう店を、半壊に近い状態にして、しかも次の日のシーンで完璧に直ってる(ツッコミなんて野暮!)。でもね、もうそんな次元じゃないんですよ。この映画は、愛川欣也の見事なコメディリリーフやお京さんと桃次郎の雨の別れのシーンの握手のかっこよさ(お京さん雨でモナリザが泣いてるぜぇ)。洋子さんのベッピンっぷりもいいです(そりゃ星も見えるわなぁ)。最後に、桃次郎が持ってくるはまなすの花の美しさが、俺の胸に染みたときこの映画は紛れも無い傑作だと確信しました。 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-11-06 02:31:46) (良:1票) |
1.なんつーか・・・「漫画ゴラク」の世界?いきなりひと仕事終えて風俗(多分当時はトルコって言ってたんだよな)行ってるし、そのくせ自分の惚れた女が売春してると勘違いしたら勝手にブチ切れてるし、自分勝手にもほどがあるって・・・まあ、そんなところも含めて「オトコってバッカよね~」ってとこかな。あ、でも湯原昌幸(なぜかローリングストーンズのTシャツを着ている)がお京さんにプロポーズするところ、あとラストで惚れた女を恋人の元に送り届けるために自分のトラックがボロボロになるのも厭わずに爆走するシーンはホロリとさせられます。いわゆるB級映画なのかもしれないけど、こういう作品こそ当時の映画館で観たかったなあ。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-04-15 16:18:50) (良:1票) |