7.《ネタバレ》 まずマイナスポイントから
カーチェイス走行中の救急車内で手術に近い治療処置は無理過ぎる。
警察官に死なれちゃ困るなら、どこかで降ろすしかないが、
奇想天外な設定に拘って、荒唐無稽になってしまった。
兄貴が指名手配中の連続銀行強盗犯で、FBIからマークされている件が
前振りがなく唐突に出てきて、最初のドンパチがなぜ始まったのか???でした。
で、良かった点もあります。
基本的にCGを多用せず、実写のアクションが多くて好感がもてる。
ドローンカメラと、飛んでくる車の交差するシーンとかがカッコイイ。
追う側が現実の警察なので、マッドマックスに及ばないのは仕方がない。
血のつながらない兄弟の関係が、実の兄弟以上に深くて意外だった。
その兄弟の親父はサイコな犯罪者だったが、兄弟二人は正反対の人生を歩んでいた。
まっとうな人生を過ごしたい弟が、家族の病気で大金が必要になり、
アウトローな兄貴と再会し助けを求めた事で、破滅へ向かって一直線。
人質になる救命士の女性にも、物語がある。 かつては医者になる為に学んでいたが
薬物依存で道を誤り、挫折の結果として、救命士になった異色の人材で、
救命士以上の治療の知識や技術を持っていた。彼女にも葛藤やドラマが見える。
そして最低な犯罪者である兄貴のダニー。本来は人は殺さずに頭脳と機転で切り抜けて
やって来たツワモノだが、最後の最後には弟の為に全てを投げ出す程のお兄ちゃん魂。
弟が死んでしまったと思い込み、怒りで人質女性を盾にして飛び出す瞬間に、目覚めた
弟に撃たれて絶命へ。 死の間際に、死んではいなかった弟が見えて、安堵して満足そうで
優しい顔を見せるシーンは、何とも言えないです。
そしてまだ続きがある。残された弟の家族は、この先病気の治療もままならず絶望かと
思いきや、明るい兆しも見えている。
そして冒頭の大事故で、救命士が助けた瀕死の女の子が救命士と再会して手を握り合う
シーン。 よかったよかった。 映画はこうでなくちゃダメです。
いろいろカオスなドタバタドンパチムービーでしたが、締め方が憎いです。
なんだか、幸せな気持ちになれるエンディングって、途中がイマイチでも評価上げてしまいます。
ちょっと甘かったかもしれませんがこの点数でございました。