30.一応オーストラリア映画みたいですが演出も構成もハリウッドのスタンダードから逸脱するところはなく、オリエンタルなインドの風景に美味しそうな料理、そこにハラハラドキドキする刺激的なテロ事件が加わるわけで、商売上手ですねえとしか思えません。インド人は礼儀正しく白人はただのテロに巻き込まれた犠牲者、ただしロシア人だけは買春を行う道徳的に退廃した人物というあからさまに悪意を感じる描き方(笑)、そしてもちろんテロリストはイスラム系、なんかめちゃくちゃ露骨に偏見剥き出しでタチの悪い作品だと思いますよ。テロリストがイスラム系なのは事実なのだから仕方ないにしても、その事実をわざわざ映画化するという選択に何らかの意図は働いてしまうのですから。結局この映画を見てもインドが今どんな社会なのかなんてろくに理解できませんし、徹頭徹尾外国の観光客のための物語でしかないのです。 |
★29.《ネタバレ》 無差別に殺戮される無慈悲な世界。 だが、簡単に加害者と被害者に分けられるだろうか。 主人公女性は子への愛情、(私には幼な子の母が主人公に思えた) 実行犯は親兄弟への愛情、 という点は共通しているが、 同じ家族愛も貧富により行動が真逆になる。 主人公女性は神など信じないと言い 子の救出に向かうが、目の前で夫を殺害され 万策尽きた時、神に祈る。 実行犯は貧困により万策尽き家族への入金を 条件に殺害計画を請け負い、神の加護を求める。 両者の大きな違いは、生まれた環境だけに思える。 【こま】さん [インターネット(吹替)] 7点(2023-01-15 04:33:46) |
28.《ネタバレ》 テロを題材にした社会派映画は欧米中心で観てきました。 インドは文化もコミュニティも新鮮です。 あたりまえですがテロ事件って平和な日常の中で突如悲劇に見舞われるわけで、予知できるものなら事件にはなりません。 前触れもなく何が襲ってきているのかもわからず、パニックを起こして、そこがたまたまホテルで、ホテルマンはお客様を守るか自分の命を守るかマインドが試されるわけで… 逼迫した状況で人は人間性を試されますが、今日この場で初めて会った人と手を取り合うのか、立ち向かうのか、蹴落とすのか。 凄惨さと人間のリアルな心理が絶妙に描かれてました。 怖さはありますが、目を背けないためにも世に発信すべき映画だと思います。 |
27.《ネタバレ》 これどこの映画でしょうか? 実際のテロ事件をもとに映画化しただけじゃ、映画としてあまり存在意義がないと思います。 映画を見る前に知ってる情報からイメージした範囲を超えてないのなら見るだけ無駄だと思います。 特殊部隊が突入してきて射殺されることがわかっているのに電話の指示に無条件に従うバカ実行犯。 こいつらが吹き飛ぶシーンがあってスッキリしました。 こいつらって結局、金を払う約束で騙されて使い捨てにされたわけですね。 安全な場所にいた女が子供に会いたいから部屋を出たいとか言い出しましたが、これは多分事実ではなく観客を引き付けるための演出でしょうね。 映画って観客をヤキモキさせるためにわざと理不尽なことをするキャラクタが配置されたりするものです。 見て損したというのが率直な感想です。 【承太郎】さん [インターネット(吹替)] 5点(2022-05-28 09:20:41) |
26.《ネタバレ》 大袈裟な演出がなく淡々と状況が描かれているせいか同種の映画と比べて頭1つ抜けた緊張感がすごいです。 BGMもない静かなホテルの中に死体がゴロゴロ転がっている風景の緊迫感がすごいんですよね。 最後が記録映像で〆られるのも実話ベースならでは。 犯人たちの最後のシーン、ちょっと「明日に向かって撃て」のラストのようでした。意図されたものではなく私が勝手にそう感じただけなんでしょうけど。 人質のメイン層の好感度がいちいち低いところが観客にとっては救いなわけですが、これホラー映画で殺される若者がだいたい好感度が低いのとある意味一緒の手法ですよね。 映画とはいえ、いい人が無為に殺されていくのを見るのはきついだろうからなぁ… インドにきて「牛肉食わせろ」と空気を読まずに言うとか、下品に商売女を呼びつけるとか…そういうのは全部フラグだったというわけです。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-05-05 03:32:28) |
25.《ネタバレ》 短銃ならともかく、機関銃など発明した者の罪は重い。動物狩猟以外に銃って必要ない物だと思えるのですが、こんな物を世に想像させ作り与えたアラーを恨むべし。とんでもなく恐ろしい境地に嵌ってしまった話だ。その地はインドでありながら、オーストラリア主体の映画っていうところが不思議な気がする。その後インドの特殊部隊は強固なものへと変わっていったのだろうか、はたまたインドでは銃の個人所有率は日本同様に少ない筈なのですが、この事件を機にスイスやアメリカみたくなっていったりしていないかなと心配になったりもいたします。など、とにかく空想を元にホビー化されたホラーなんぞとても及ばないレベルのリアルな恐ろしさを体感いたします。 ただ、公式サイトの一隅に謳ってあるのですが、完璧な傑作だとか、手に汗握る傑作だとか、その手のPRは止めにしてほしく思います。こんだけ犠牲者が出た事件に対してそのような表現ってちょっとなんか違うと思います。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2022-02-01 23:35:25) (良:1票) |
24.とても評価が高いので期待値大で見ましたが・・・。 撮影技法というか臨場感は素晴らしかったと思います。が、しかし、この映画からはまったくメッセージ性を感じませんでした。 どこまでが実話なのか分かりませんが、テロへの恐怖と嫌悪感を視聴者に与えることが最大の目的だったとしたら、成功しているとは思います。 【めたもん】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-12-22 16:24:32) |
23.《ネタバレ》 テロリストについては、背景も目的も説明一切なし。作戦らしい作戦もなし。単純に、目の前で動くものをひたすら撃っていくだけ。奪われたものを取り返すとかもっともらしいことを言いつつ、どう見ても関係なさそうな老人や従業員まで当たり前に撃っていく。だからこそ、終わらない恐怖感が迫ってくる。●従業員や客側には、救世主もいなければ技術も武器もない。ただ隠れ、様子を窺い、隙を見て移動し、可能なら逃げる、というだけ。そこがさらに生々しさを感じさせるし、それゆえに「諦めないこと」の重要性を普遍性をもって伝えている。「ひたすらテレビを見守るしかない主人公の妻」にすら、その立ち位置が考えられている。●そして周到なのがそれらを支える脚本であり、導入部では、様々な登場人物を一気に手際よくストーリーに組み込み、またその後も出し入れのタイミングが絶妙で、作品を一気に最後まで見せ切ることに成功している。またよく考えられているのは、客側の代表を、そこはかとなく鼻持ちならない存在に描写していることで、そうであるからこそ、「そういう客でも守る」従業員の職業理念の崇高さが際立っている。●そして、実は一番強烈だったのは、すべてが終わってまだ現場では騒ぎが続いている中、誰からも構われず誰も構わず、いつものようにスクーターで帰っていく主人公の姿なのです。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-11-18 01:35:41) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 これが実話ということがとても胸が痛いのですが、映画としては実にエンターテイメントとして面白くできていると思います。 ただ、完全無欠のヒーローがいるわけでも英雄になるキャラいるわけでもない(一応アルジュンがその役を担う形にはなりますが)ので人が徹底的に無慈悲に死んでいきます。 変な微格も何もなくただただ「殺戮」という作業的な工程として。もちろん反撃も脱出劇も失敗します。そして「神に栄光あれ」という非常に馬鹿げた思想から利用されてしまったテロリストたちの滑稽さも相まって、首謀者の卑怯さも浮き彫りにされ非常に胸糞が悪くなる展開。初めから自分で実行しろって話です。 話がそれましたが、どうやって脱出するか?いつどこから弾が飛んでくるかわからない緊張感も相まって2時間集中しっぱなしでした。 ただ清々しい緊張感ではなかったです。 このテロで犠牲になった人の冥福を祈りながら、2度とこうした馬鹿げたことが起こらないことを祈ります 【クリムゾン・キング】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-11-03 04:22:01) |
21.《ネタバレ》 ホテル・ムンバイの中に連れて行かれたような凄まじい臨場感でした。回廊の中を逃げ惑い、非常階段を駆け下り、背後からあるいは頭上から雨あられと銃弾を浴びせられるような。実話だということで恐ろしさは五割増し、ダイ・ハードを観ていた時の‶ハラハラを楽しむ”心の余裕はゼロです。 そう、マクレーンのような絶対的ヒーローが実話にはいないのです。アーミー・ハマーが手縄をこっそりほどくことに成功しても活躍には至らない。「元」プロ軍人のロシア人ですら丸腰では戦えない。地元警官二人も犯人狙撃に成功しない。この ‶上手くいかなさ”が痛いほどに現実的なのです。 それなりの存在感を与えられていた人物が容赦なく死んでゆく。誰が生き残るか全く読めない。テロのリアルな恐ろしさがここにあります。 犯人らの余りに非道な行いには震えるほどの怒りを感じるけど、こんな凶行に及んだ彼らの目線も織り込んであって考えさせられます。絶望的な格差社会の底辺で貧困にあえぐ彼らの家族。希望したレストランが満席なくらいで機嫌を損ねる金持ちがいる一方で、水洗トイレすら知らずに育つ若者がいる。そしてそんな貧者の心に宗教をもって入り込んで人殺しの駒に使う指導者。悪いのは誰なのか。単純に答の出せない今世紀の大問題をも提起した作品でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-16 23:17:26) (良:2票) |
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20.思うところはいろいろあるが、単純に映画としておもしろかった。終始、緊張感はあるし、実話だと言うリアリティもある。犯人側も無知で利用されている感は出ているが、共感されるほどの描きかたではない(テロリストなので当然だが)。祈るな、祈りがそもそもの元凶みたいな台詞が少しあったりしたが、その辺りをほどよく抑えたバランスが、社会派よりエンターテイメント性の高い映画になっていると個人的には感じる。 【ラグ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-08-09 20:26:12) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 無差別テロという殺戮が、何と無意味で虚しく生産性ゼロで憎むべき悪行であるということを再確認する。首謀者は、純粋無知な少年らを携帯電話で遠隔操作するこの世の物とは思えない卑劣極まりない、顔のない人物。登場人物全員が被害者で、そこでたまたま生死を分けられようが、生き残ったとて被害者には変わらない。怒りで辛くなる。アメリカ人ベビーシッターが命懸けで赤ちゃんを守り、イラン人の若い母の手に渡したシーンに世界平和の尊さを感じた。厳しい料理長とアルジュンが抱き合うシーンで人の為に命を張り成し遂げたホテルスタッフのスピリットを感じ、命からがら家に帰れば愛する妻と、丸々太った幸せそうな幼子がいる、そんな日常の有難さを感じた。しかし、感動以上に、あまりにも辛く憤りばかりを感じてしまう作品であることは間違いない。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-07-20 15:50:57) |
18.史実に基づく映画というだけでなく、脱出物の映画という観点でも十分面白いと感じる映画である。 これが事実だとするなら、インド警察があまりにも無能だと言わねばならないだろう。 【シネマファン55号】さん [インターネット(吹替)] 8点(2021-07-14 17:51:11) |
17.「祈りなんて、何の役に立つの??!!」と思えた彼女は… ムンバイを象徴する格式高いホテル内での無差別テロ、の一部始終が本当にやるせない。 一瞬で命を奪われた人たちの背後にもそれぞれの家庭があり、ストーリーはあったはず。 反対の立場の実行犯たちにも…おいしい食べ物を知らず、水洗トイレにも驚くまだ少年 に対して 逃げ惑う関係者たち 実在の人物もいれば、Davidのように複数のキャラクターを混ぜたような架空の人物もいる。ロケは相当大変だったろうとうかがえる。(余談ですが監督は犯人役を他の人たちとあまり接触させないようにしていたり、現場に大きいスピーカーを入れて突然大音量で銃声を流したり、リアルな反応を撮影していたそうで、臨場感が凄まじいです) 心が痛くなりました、首謀者は遠隔で少年たちを操り、テレビをみながら悲鳴を楽しんでいた。いまも、少年家族らに約束の金も渡すことなく悠々と暮らしているに違いない… どんな状況下でもお客様は神様か、ということも感がさせられた、、、エンドロールクレジットの再建後の映像がまた華々しさがあるが裏を考えてしまう切ない瞬間となった。 このような事件は二度と起きてほしくない 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-14 07:36:14) (良:2票) |
16.《ネタバレ》 とてもキツイ映画だが時間を忘れさせる迫真の展開に8点 情け容赦無いテロ殺戮に心が追いつかず脳が果てしなく疲れた。キーマンや伏線もどきの登場人物もあっさり殺されて しまう。問答無様である。目についた動くものは即殺である。これが実際に起きた事件であることが最初に刷り込まれ 見るものを恐怖のどん底に突き落とすのである。多くの鑑賞者はアルジュンには無理だが機転が利く切れ者がテロリスト に反撃する瞬間を待ちわびていたかも知れない。例えばバックパッカーの青年、ロシア人、赤ん坊の父どれも無残に 撃ち殺されてしまう。赤ん坊の母に銃口が向けられたとき、私は神なんていないんだと心底感じた。そんなもの信じる からいつも裏切られて傷つき人を傷つけるのだろうと。(宗教を否定しているわけではない) 実際に起きるテロリストなんてこんなもんだろう。見てて解るように素人なのである。スパイ映画のように特殊訓練 なんてやってない。動くものを殺す。目についたものを撃つ。ボスの命令は神と信じたい。信じることによって貧しい 両親・家庭に幾ばくかのお金を渡してくれるものと信じたい。親孝行したい。と略奪の歴史とともにボスに洗脳され るのである。洗脳といっても彼等は事実を知らないだけであり、ボスに従うことがアッラーの元へ導かれると思い たいのである。希望を喰むことが彼等の生きる証なのである。 料理長とアルジュンの言葉に一抹のカタルシスがあったこと、赤ん坊と母・メイドさんが助かった事がこの映画の 唯一の救いであろう。 【hibari_21st】さん [インターネット(吹替)] 8点(2021-07-12 13:16:00) (良:2票) |
15.《ネタバレ》 たとえ相手が虫だって、あんなに簡単に迷いなく殺すことはできない。 若いテロリスト達は、いったいどんな言葉で洗脳されていったのだろうか。 「無知」であることの恐ろしさを改めて感じさせる映画。 逃げようと思えば逃げられたものを、客のために命を張った従業員たちの行動が胸を打つ。 他の方も書いておられたが、初めから終わりまで、自分もホテルムンバイに囚われているかのような緊張感が延々と続く。 外の情報をほぼ入れることなく、ホテル内に居る人の視点で描く手法が功を奏している。 救いのない、ひたすら悲惨な出来事を正面から扱った佳作。 【roadster316】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-07-02 20:03:49) (良:1票) |
14.主人公にまるで感情移入できず楽しめない。 ホテルマンが宿泊客を守るという筋書きなわけだけど、その守るべき相手が鼻につく金持ちばかり。 全く「助かってほしい」って思わない。 逆にテロリストの側はいかにも貧しそうだし、善悪は別にして、少なくとも己の宗教に対して誠実そうである。加えて、序盤でそびえ立つビル群を見て「あれはお前たちやその先祖から奪ったものだ」なんてことまで言われる。 これで、観ている人間が「あの宿泊客を守って欲しい。主人公頑張って。」という気持ちになれるんだろうか。 私はなれないし、なので全く楽しめなかった。 断っておくと、何も金持ちが悪いと言いたいわけでもないし、ましてや、テロリズムが正しいなどとは微塵も思っていない。そんないい悪いの話をしてるのではない。 単に物語として、この作りで、主人公や客たちに感情移入できるか?ということだ。 事実に基づいたストーリーなので仕方ない、という意見もあるだろうが、もしそうだとしたら、そもそも題材が悪いということだ。「事実に基づいてる」というのは、全てが許される免罪符ではない。 【椎名みかん】さん [インターネット(吹替)] 2点(2021-06-27 19:58:40) (良:2票) |
13.《ネタバレ》 「スラムドッグミリオネア」でその顔を知られることとなったデヴ・パデル(アルジュン)が、この映画の主人公。 だから彼に死亡フラグは立たない。 最後まで活躍して最後まで死なずに、心配してる妻子と再会してめでたしめでたしになろうことは予想がつく。 テロリストの首謀者は、リアルにどいつこもこいつもタチの悪いイジメっこでして、「神は偉大なり」の一言で少年を洗脳してテロリストに仕立てるのも、彼らにとっては日常のちょっとしたお遊びみたいなものなのですよね。 とにかく無差別に殺してショッキングな感じを楽しんだり、 気が向けば金持ちを生け捕りにして、ちょっと身代金要求しちゃおうかなとか、 ダメならストレス発散に殺して、関係者を苦しませちゃえとか、 その場のノリでやることを決めるので、本当にタチが悪い。 それにしても、この映画は実話だそうだけれど 赤ちゃんを連れて逃げてたあの女性が最後まで無事だったっていうのはホント? あの年齢の赤んぼなんて、ずっと寝てるか、オムツ濡れてるかミルクが欲しいときだけ目ざめて泣きわめくのに、 あんな状況でベッドにも寝かせてもらえず、それが何日も続いてたんですよね?ミルクどうしてたん?オムツどこに替えあるん? あんな真っ暗で狭いクロゼットに入っただけでも、一発で泣き出しますやん。 どうも赤ん坊を殺すのは悲惨だから生かしておきたい気持ちはわかるけど、そこはリアリティがなかったですね。 でも実際、ホテルの従業員がお客さんのために居残って殺害されてたなんて。 生き残った金持ちは、金があるから守られたってことですよね極論を言えば。 ちゃんと金持ちたちは、死んだ従業員の一生分のチップを遺族に払ってやらないと死んだ従業員に呪われますよ。 【フィンセント】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-06-17 11:13:36) (良:1票) |
12.なかなか骨のある作品でした。エンタテイメントとして見た場合、最大のプラス要因はブルース・ウィリスがいなかったことでしょう。たいていのサスペンス映画の場合、役者のネームバリューやセリフ回しによって「死亡フラグ」または「生存フラグ」が立ちます。しかしこの作品は、とにかく知っている役者がゼロ。誰が死んで誰が生き残るのか、まったく予測が立ちません。またそれを見越したように、ハラハラと衝撃が繰り返されるストーリー展開でした。 ただし実話をもとに作られた作品として見ると、ちょっと違和感が残ります。犯人側の意図がよくわからない。とにかく片っ端から殺しまくる理由は何でしょうか。「洗脳」とか「狂気」と言ってしまえばそれまでですが、一方ではカネとか親とか冷静な話もあって、単に狂っているわけでもなさそう。本当に殲滅したいなら、最初から爆弾を仕掛けて爆発炎上させれば一発で済むはず。また裕福な外国人だけ〝生け捕り〟にするというのも、本末転倒のような気がします。 どこまでが実話なのかは知りませんが、多分にサスペンスとしての演出が含まれている気がしないでもありません。あるいはオウムとかISの例もあるので、テロリストは独特の価値観をお持ちなのかもしれませんが。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-06-09 01:50:49) (良:1票) |
11.2008年にインドのムンバイで起こったテロ事件を映画化。 絶望のホテル内で離ればなれになってしまった家族と赤ちゃん、 そして勇気あるホテルの従業員たちのドラマと、テロリスト側の動きが交錯する。 ここまで張りつめた緊張感が全く途切れることの無い映画を久々に見た気がした。 その一方で見るのを止めたくなるようなシーンが一体何度あったことだろう。 実際に起こったテロ事件の映画化なので、序盤から登場する主要登場人物でさえ、 「全員殺してしまえ」の命令1つであっけなく殺されていく。 そんな中にも事件鎮圧後のいくつかの再会と最後のホテル再建の映像、 そして「今もいる従業員の多くがホテル・ムンバイの戦士である」に胸が熱くなった。 二度と見たくはならないだろう。しかし凄い映画でした。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-04-10 20:00:10) (良:2票) |