82.《ネタバレ》 東宝東和によって意味不明な放題をつけられたり(ブレーキダウンって何?)、実は共通点の少ない『激突!』と無理やり関連付けられたり、ジョナサン・モストウが驚異の新人扱いされたりと(モストウは1989年に監督デビュー済)、日本公開時にはやや過剰な宣伝がなされていた本作ですが、肝心の中身は、小細工に走らず一気に見せる、竹を割ったようなサスペンスアクションとして仕上がっています。90分、本当にハラハラドキドキさせられました。。。 本作の構成は極めて秀逸で、『バルカン超特急』のようなミステリーものと見せかけておいて、実は『悪魔のいけにえ』の流れを汲むテキサスものの変種でしたという本編には嬉しくなりました。奥さんがいなくなるミステリー部分にしても、『フライトプラン』のようなおかしな引っ張り方はせず、設定のボロが出る前にさっさとネタバラシをして第2幕へ入ってしまうという思い切りの良さには感動しました。第2幕はノンストップのサスペンスアクションとなるのですが、上記の通り、根底にはテキサスものの精神が横たわっているため、通常のサスペンスアクションにはない不快感が作品のスパイスとなっています。また、犯人像もよく考えられています。この手のサスペンスアクションでは、どれほど不気味な人間にするかという方向性で犯人像が作られていくものですが、本作はそれとは正反対のベクトル、家庭を持ち、意外と良いパパだったりもするという設定を置くことで、その一方で部外者に対してはいくらでも凶暴になれるという残酷性をより強調することに成功しています。これを演じるJTウォルシュのねちっこい存在感も素晴らしく、私が心から死んで欲しいと思った悪役トップ5に名を連ねるほどの印象を残しています。。。 もうひとつ評価すべきは、カート・ラッセルの演技の幅の広さです。従来より多様な役柄を演じてきたラッセルですが、本作ではそんなラッセルの個性が作品に大きく貢献しています。序盤では、田舎者に絡まれても喧嘩になるのが怖くてヘラヘラと誤魔化すような男だった主人公が、徐々にバイオレンスに染まっていくという『わらの犬』的な役柄を見事モノにしています。後半では「普通の男がそこまでやれるか」とツッコミたくなるような過激なアクションもこなすわけですが、ラッセルが本来持つ個性によって、そこに大きな違和感を覚えないという点にキャスティングの妙があります。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-07-15 01:22:19) (良:2票) |
81.荒野で高速道路を走っていると、自分が「誰でもいい一人」になってしまう怖さがあるわけだ。そういうものは、たとえば都会の群衆の中でもっぱら感じられるものと思われがちだが、そこは田舎のほうが怖い。都会では全員が無名同士になるが、田舎ではガッチリ組まれたチームの中に無名のよそ者として入っていくことになるわけだから。というわけで前半はへんにリアルでけっこう怖かった。通り過ぎた車が向こうでターンしてこちらを見てる感じ。食堂での田舎の人たちの無関心、無表情。このまま不安感が持続する田舎の迷宮に入っていくって展開だとハリウッド映画にならないから、直接的暴力が襲ってきてレベルが一つ落ちる。でも上映時間90分ちょっとという手ごろ感が好ましい。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-02-24 12:13:48) (良:2票) |
80.アクションというより、むしろサスペンス、ホラーとして観たほうがいい。この映画最大の特徴は、不気味すぎる敵役の造型にある。平凡な家庭を営む善良な一般人のような顔をして、地味な、しかし冷酷な犯罪に手を染める。動機は単純にお金。生活費の足しにでもするつもりか、大それた目的はない。なんというか、淡々と仕事をするように、平然と残酷なことをするのだ。普通の人の仮面を被りつつも、まったく良心というものがない。貴志祐介の『黒い家』を思わせる、異様な犯人像だ。 ストーリーは運のない主人公が犯罪に巻き込まれ、孤立無援の窮地に追い込まれるという一見『ダイハード』的な流れ。だが圧倒的不利をどのように挽回するかという娯楽的な面で孤立を描く『ダイハード』に対し、こちらはひたすら恐怖を煽る。助けはどこにもなく、主人公は刑事でもなんでもないごく平凡な男。いつ殺されてもおかしくない状況下で、針の穴を通すようにぎりぎりで危機を乗り越えていく。おまけにとことん地味で、リアルである。 『ジョーズ』公開の翌年には海水浴客が減ったそうだが、この映画を観た後ではアメリカの片田舎を自動車旅行する気にはなれない。荒れ果てた広大な土地に、だだっ広い道路が一本だけ。助けを求めても誰にも届かないのだ。 アクションの棚ではなくサスペンスの棚にあったならもう少し注目されていたであろう、秀作。 【no one】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-08 13:53:45) (良:2票) |
79.昨日、テレビで観たばかりです。スピルバーグ監督『激突!』へのオマージュに溢れた作品。犯人像がなかなか明確にならない前半から妻の救出劇へと転換する後半への流れも緩慢とせず、緊張感を持続させる。70年代のアクション・サスペンス映画を彷佛とさせるが、プロットの面白さで“見せる”映画が少ない昨今、なかなかよく出来た映画だと思いました。 【しっと】さん 6点(2001-11-25 13:24:52) (良:2票) |
78.途中まで単なる『激突』のパクリだと思ってたが、途中からまさかの怒涛の展開になり、最後はダイハードに。ほんとについていけないほどノンストップでバカバカしいけど面白い。こんないろんなもんパクって寄せ集めたようなB級映画ですらこのレベルの出来になるからアメリカ映画は凄いw 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-04-24 00:54:00) (笑:1票) |
77.ダイ・ハードに匹敵するくらい面白かった。犯人たちがとても憎たらしいので、一発殴る、蹴る、などでも爽快な気分になる。誘拐ビジネスに手を染めていても、妻や子供の前では普通のパパを演じていた、というリアルな設定により、急に身近な話に感じられてくるのが良かった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-03-19 00:03:15) (良:1票) |
76.《ネタバレ》 主人公のわき見運転によって危うく事故りかける。その些細なミスが不条理なまでの恐怖の発端のように映される。スピルバーグ『激突!』である。スタンドでの会話、先で回転して止まるトラック。主人公夫婦とともに我々も不安でたまらない。しかしその後夫婦に訪れる恐怖の源は冒頭のわき見運転ではないことが判明する。中盤あたりでほぼ真相がはっきりとする。薄気味の悪い不安感が廃されてしまう。実にもったいない。映画史に残る傑作になり得たかもしれないのに自ら拒んでしまった。ところがここからもけしてつまらなくはならない。むしろカート・ラッセルには不似合いだった普通のおっさんが、いよっ!待ってました!と声をあげたくなるような本来のカート・ラッセルの顔になり、その後のほぼお決まりの、それでいて見応えのあるアクションを堪能できる。前半の不条理を痛快に撃破するカート・ラッセル。実に気持ちのいいアクション映画だった。そして冒頭で見せていた夫婦の関係はもちろんより強固となって一件落着。シンプルなオチが心地良い。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-05-18 14:26:16) (良:1票) |
【Junker】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-19 00:45:22) (良:1票) |
74.《ネタバレ》 ○ほぼノンストップの90分で、ストーリーはほぼ立ち止まることなく突き進む。○正義の主人公カート・ラッセルとザ・悪役のJ・T・ウォルシュのシンプルな対立構造も文句なし。○ただし、終盤のカーチェイスはもう少し凝ってほしかった。1対3なのに相手の雑魚があっさりやられるのはな。○この翌年、J・T・ウォルシュが急逝したが、ハリウッド映画における悪役として、惜しい人材を亡くしたものだ。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-16 09:48:53) (良:1票) |
73.アメリカの田舎を舞台にしたサスペンスは出来がいい。「ヒッチャー」や「Uターン」など、たぶん他にもたくさんあるんだろう。ホラー映画観るよりこっちのほうがよっぽど怖い。たった一人の味方がいないというのが、これ程恐ろしい事とは。アクションの棚だったが、サスペンスの棚に置いて欲しい映画。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-07-30 22:03:49) (良:1票) |
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72.《ネタバレ》 B級王者カートラッセル!年太りしても古臭い顔立ちは健在。今回はいつものようなひょうきん者ではなく、いたって真面目な夫。真面目すぎるがゆえ犯人グループへの詰めの甘さが目立ち、まさにB級。奥さんのとどめの一発もしびれました!いや~楽しかった!恥ずかしがらずみんなで言おうじゃないですかっ「B級バンザイ!!」 【りりあ】さん [地上波(吹替)] 7点(2008-01-24 00:50:21) (良:1票) |
71.《ネタバレ》 砂漠にポツネンとある『ブランケット』という町。あの町は本当に実在するのであろうか?高いところからこの町を映す画があるけど、本当に小さい。しかもおまわりさんが2人しかいないという…。町の風景をじっくり見ていると、メイン・ストリートのような道路はせわしなく車が行き来してるし、銀行もあるし、レストラン、ガソリンスタンド、自転車屋さんもある…この町で生活していたら町中の人の顔と名前を憶えれるのではないだろうか…。銀行内の風景は普通の銀行のように列をなして順番を待っている。どんなに小さな町でも町としての機能を果たしているのがおもしろい。この映画、それほど有名ではないけど、おもしろいし、よくできた映画ですよ。どのシーンも無駄がなく、丁寧に作られているように感じました。やっぱり知らない人の車に乗ってはいけませんね。 【ふぉんだ】さん [地上波(吹替)] 8点(2006-05-26 17:42:05) (良:1票) |
70.最初まるっきり「激突!」のパクリかと思ったが、どんどんそれとは違う方向へ話が進む。スピード感もあり、サイコ的な緊張感もある。カートラッセルのたどたどしいアクションがなかなかリアリティがあり共感できる。「激突!」を超えた、とはいかないが、見事に追随したともいえる秀作。 【sherlock】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-13 19:33:15) (良:1票) |
69.《ネタバレ》 前半の何が何だか分からず、孤立無援の主人公の憔悴感は良く伝わってきた。 犯人が現れる後半は何か「ダイハード」の様になってしまうが全体としては 良くできた楽しめる作品だと思う。 しかしコードが一本外れただけで全ての機能が死んでしまう車って有り? 又ラストシーンでの妻の行動はまさに怒り心頭と言う感じで痛快。 あの広大なアメリカのど田舎ならこんな事もあり得るかもと思われるのが怖い。 【ハナちゃん】さん 7点(2004-08-25 14:08:50) (良:1票) |
68.《ネタバレ》 漢+『激突』+『悪魔のいけにえ』-毒。一番怖かったのは肉体的な恐怖よりも、預金もないのに銀行まで金を降ろしに行かされるシーン。エド・ゲインな潤色の多い田舎サイコサスペンスが溢れ返る中、まっとうな南部犯罪者を描いていて、質の違った恐怖が味わえる。ただ、カート《スネーク》ラッセルが場違いに見えるというのは同感。これは多分ブルース・ウィリスがピッタリの役どころだよなあ(見慣れすぎてて不安感憶えないかもしれないけどね)。最後のカーチェイスがもっと華々しければ8点は行ったかもしれない。惜しい。 【エスねこ】さん 6点(2004-05-30 04:13:58) (良:1票) |
【腸炎】さん 8点(2004-01-08 18:29:49) (良:1票) |
66.カート・ラッセルが強くないトコがちょっとイメージ違いな感じがしてしまいます。もう少し「あー、それじゃしょーがないな」って役者の方が合ってたんじゃないかな、って。たとえばマーチン・ショートとか(それじゃコメディか・・・)。こういうイライラ系じらしの多いサスペンスは苦手ですけど、反撃に移る気持ち良さはあるので、まだ救われてます。悪人にも普通に家族がいたりして、田舎の風景と共にちょっとのどかさを感じてしまったり。 【あにやん🌈】さん 6点(2003-12-24 11:16:16) (良:1票) |
65.かなり面白い。 ストーリーとともに恐怖の色を微妙に変化させながらラストまでピンと張った緊張感がいい。 そしてその糸を一瞬で断ち切るタイミングのセンスも良し。 この監督なかなかやる。 【Beretta】さん 8点(2003-11-27 17:55:51) (良:1票) |
64.心細い映画だ。心温まる映画が見たくなってしまう。 【花守湖】さん 5点(2003-10-15 05:10:10) (良:1票) |
【眼力王】さん 5点(2002-04-04 08:37:28) (良:1票) |