33.《ネタバレ》 公式HPの予告編に只ならぬ物を感じ、観てきました。
公園の湖に野次馬やマスコミが押し寄せたシーンや、タイムマシンに乗っての
恐竜ハンターとのカーチェイス(?)シーンなど、物語全体から見ると明らかに
浮いてしまっているシーンはありましたが、声優や制作スタッフを総入れ替えしての
リメイクがこれほど上手くいくとは、正直思っていませんでした。
声優入れ替えにより、これまでのお助けマン的存在から、のび太と一緒に悩んで
動き回る友達的存在へと変化したドラえもんの性格や立場をスムーズに受け入れられ、
制作スタッフ入れ替えにより、これまでのドラえもん映画では観られなかった、
生理的快感を生む素晴らしい作画を観られ(特に作画の線を、手のぬくもりが
感じられる微妙な描線で描いた事により、線自体が演技をし、各場面でのさらなる
感動を生み出した)、大いに感心・感動させられました。
これらがドラえもんの映画に新たな可能性を生み出した事は間違いないでしょう。
ピー助との二度の別れのシーンにはいずれも泣かされましたが、特に最後の
シーンでは、それまで隣の席で両親の膝上に乗って退屈そうに遊んでいた3歳くらいの
子供が、突然「ドラえもんかわいそう~」と館内全体に響くくらいの大声で
泣き出し、こちらもさらにつられてしまいました。また、前に座っていた親子連れ
(両親・8歳くらいの男の子と6歳くらいの女の子)の、両親二人は時折ハンカチで
涙を拭き、上映終了後に女の子は「私、最後までちゃんと寝ないで観たよ!
おもしろかったよ!」と誇らしく家族に語っていました。
これまで色々な映画を映画館で観てきましたが、「(この作品を)映画館で観て
良かったなあ」と、他の観客と直に感動の共有が出来た体験をこれほど嬉しく
思った事は初めてです。
作品評価は9点ですが、この気持ちをプラスして10点とさせて頂きます。