101.《ネタバレ》 例えるなら激しく音漏れしている人のヘッドホンを引っこ抜き耳元で「やかましい!」と叫ぶ、携帯電話での情報交換に余念のない人に「車内での通話はご遠慮下さい」と睨みつける、日々感じるストレスに正面から立ち向かい自力(脅し含む)でストレスを解消するイカレクレマーの映画です。電話のための両替を拒む店主にキれ、マクドのモーニングセットを食べるために銃を持ち出し、自分が正当なクレームをつけていることを強調して暴れまわりこちらも応援目線で観てしまいますが、興味深いのが彼もまたキれる他人に出くわすところ。視点を変えれば彼は権利を主張する他人から迷惑を受ける可能性のある一人であり、少し他人よりもクレームの声が高いだけでしていることは同じなのです。皆が感じる些細なストレスがこの映画に充満していて、その熱量がハンパありません。ロバート・デュバルでさえ鬱憤を爆発させるその一人になっています。ただ難点は、衝動的な殺人を犯し一線を踏み越えてしまった際、その背景がうかがえ知れる心理的な描写がなかったところです。この描きこみが明確であれば『タクシードライバー』クラスの映画になりえたかもしれません。 【さめがい】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-26 00:12:20) (良:2票) |
【虎尾】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-27 00:28:29) (良:1票)(笑:1票) |
99.《ネタバレ》 渋滞から外れた車=社会から外れた主人公、から物語が始まる。そこからは、ただ堕ちていくだけ。主人公が取る行動はどう考えてもただの八つ当たりだし、どこからどう見ても変人。しかし、誰もが普段世の中に抱えているであろう不満、鬱憤を晴らしてくれるその姿はスカッとするし、本当の意味での等身大のヒーロー、善悪の基準を揺るがす絶対的な存在にも思えた。 誇大化していく自意識が、強力になっていく武器で表現されていながら、最後の最後で武器が水鉄砲になるという皮肉。二人の男が最後にたどり着き、対峙した場所が二人の人生の行き詰まり具合をあらわすような桟橋であったりと、その映像による表現にも凄さを感じた。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-09-04 21:20:03) (良:1票) |
98.《ネタバレ》 人がキレちゃうのにはいろんな理由があるとは思うんですけど、それ以前に「キレやすい心理状態」ってのがあると思うんです。 例えば、マイケル・ダグラス演じる主人公が、もし夫婦円満、仕事も順調であれば、渋滞ぐらいでキレはしない。お店も破壊しないし、ナイフを持っている相手をバットでたこ殴りにもしないはずなんです。でもやっちゃった。これってきっと、キレやすい心理状態だったっていうのが大事だと思うんです。 離婚・リストラの二つが重なれば誰だって自暴自棄になります。そんな最悪の心理状態のときであれば、きっかけなんてきっとなんでも良いんでしょう。劇中では「わかるわかる。そりゃキレるよ!」と共感する部分もあれば、「ええ、そんなことでそんなにキレちゃうの?」とドン引きしちゃうシーンもある。それはきっと観ている側の心理状態が正常な証だと思います。 もしこの映画を観て、すべてのシーンに共感してしまったとしたら、その人の心理状態って結構やばいかもです・・・。 ともあれ、映画としては、なんか惜しい感じでした。なんとなく、盛り上がり損ねた感があります。フラストレーションとストレスが破壊衝動に転化されていくイメージを武器に例えている表現は凄くわかりやすくて良かったし、娯楽作品として良い演出だったと思います。家に着く頃には次第にストレスが収まっていき、それが持っている武器でわかっちゃうわけですが、最後はなんと言っても水鉄砲ですからね。まるで派手な花火を打ち上げた後、しめに線香花火をするみたいな感慨。こんな気の利いた演出ってなかなかないのに、うまいことまとめすぎたんでしょうか、観終わった後切ない気持ちと物足りなさだけが残りました。あと、なんとなく「ファーゴ」を思い出しますね。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-07-17 05:40:32) (良:1票) |
97.あのぺったんこなハンバーガーは確かにインチキだ。 【ケンジ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-22 18:47:25) (笑:1票) |
96.でた!これを忘れていた。まず、主人公のかっこうね。映画のナカでの半袖シャツネクタイっていえば、私にとって、”タワーリングインフェルノ”の消防隊長マックイーンが定番だったのですが、それ以来でとっても印象的だった。もっとも、眼鏡、虎刈り(みたい?)なのがいまいちでしたが。コレ観たころ、夏は自分も仕事の関係でまさにふつうに、この格好だったのでじぶんで(カッツキーぜ!)なんておもってました。 でもいいっすね、フォーリングダウン!(どこが?)イインダヨ!!(オレもきれる!) 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 7点(2010-03-22 18:53:30) (笑:1票) |
95.先日の話。郵便局が混んでいて10分くらい並んでエクスパックを注文したら、それは隣の列に並べと女性に言われた。隣の列もまた10分くらい並ばなきゃ買えない・・いつもはこの列で買えるのに・・・日本が銃器社会じゃなくて良かった。あやうくマイケルダグラスになるところです。 【東京ロッキー】さん [DVD(吹替)] 6点(2010-02-12 13:31:24) (笑:1票) |
94.応援団長から他人事に変わっていく自分のスタンスが非常に興味深かった。自分も彼と同じで渋滞には腹が立つ。マ○クも同じだ。だから彼を応援した。突撃だ!ダグラス号。懲らしめておやりなさい、と。自分の代わりに成敗してくれる彼を見ていると、ストレスが発散されていく様でとても気持ちが良い。だが事がエスカレートするに従い、徐々に彼と距離を置くようになっていく。これは自分に害が及ぶのを恐れるためだ。そうして彼を見捨て、最後は完全に他人事。あれだけ応援していたのに、これはちょっとやり過ぎでしょ~というスタンスになっていた。ここであるCMが頭に浮かんだ。BOSSのCMだ。トミーリーが知事に祭り上げられ人気者になるものの、ふとした事でバッシングを受けまくり転落していくというもの。最後のセリフは「この惑星の人気は短い」。現代社会においてストレスを抱えていない人などいないでしょう。それぐらい超超ストレス社会ですが、では適切な発散を皆しているかと言われればそうでもない。誰かを祭り上げ、軽い失言があれば自分に害が及ばない範囲で叩く。こういった言動・行動はやはりどこか不健全。日本人たるもの、他人に迷惑をかける事なかれ。他人任せではなく、自分自身でストレスを発散する方法を見つけなければいけませんね。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-05-23 09:39:34) (良:1票) |
93.《ネタバレ》 それまでの鬱憤が、あるのかどうか分からない引き金で爆発して、人間の闇を写す顛末。 だとよかったんですけど。 も一ひねりあるのかと思った。 どうも理性的な理由付けがいけなかった。 けど、そういう風に感じるのはこの映画よりも日本の衝動的な犯罪の方が遙かに醜いからだと思う。 これを見て恐ろしさを感じているのだとすると、アメリカの方が健全なのか。 【黒猫クック】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-01-18 22:33:11) (良:1票) |
92.《ネタバレ》 小さなイライラの積み重ね。溜まったストレスの大きさは自分では案外分からないものです。キレるきっかけは僅かな事でいい。瞬間的にキレた場合は、すぐ我に帰ることが出来ます。しかし“タガが外れた”時はそうはいきません。本作の主人公はこのケース。ただし車を捨てた時点で、完全に外れている訳ではありません。ちゃんと段階を踏んでいます。破壊を実行するごとに、その内容もアイテムもエスカレート。そして殺人という一線を越えます。高いハードル。「プレゼントを壊された」「相手がナチス信仰者」という2つの要因が彼の背中を押しています。砕け散ったのは、プレゼントだけではありません。とてもリアルに感じました。自分が本作の主人公にならないとは言い切れない。ですから彼には、“失業していた”とか“もともと短気だった”“精神的に病んでいた”という設定は必要無かった気がします。主人公と対比される存在が退職間際の刑事。嫌味な上司にアホな同僚。不安定な妻。彼もまた、いつキレてもおかしくない状況です。しかし彼は決してキレたりしません。つまり普通の人はキレたりしないという意味。これも不要です。普通の人がキレるから、誰の身の上にも起こりうるから怖いのだと思います。主人公が特別な存在になってしまったことで、少し醒めてしまいました。残念。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-28 18:05:00) (良:1票) |
|
91.《ネタバレ》 バットからナイフ、ナイフから銃へと次第に武器が過激になっていくあたりは面白い。しかし、キレる内容がとりあえずキレさせろ的だったり、キレてもらいたいことをなんでも入れてしまった感じだったりで、エンターテーメント方向に振られ気味で、それが恐怖感と緊張感をいまひとつ損う原因になってしまっています。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-11-05 18:11:22) (良:1票) |
【STEVE-O】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-16 10:19:18) (笑:1票) |
89.離婚、失業で心を病んだ男と心を病んだ妻に振り回される悲しい男、現代の典型的な2種類の負け組男を見せられて、私は落ち込みました。 【クロ】さん [DVD(吹替)] 7点(2005-12-07 18:01:53) (笑:1票) |
88.ロールプレイングゲームのように古い武器を使って、相手を倒して、更に良い武器を手に入れていくというのは面白いのだが、主人公のキャラクターがやや中途半端な印象を受ける。 主人公は離婚や無職のためにあんなに精神的に病んだ人間ではなく、どこにでもいる普通の男の方が良かった気がする。 ただ単に離婚した妻の所にいる娘にプレゼントを渡したいだけだったのに、周囲の誤解などの運命のいたずらにより、また社会に対しての様々な苛立ちのために切れてしまって、どんどんと転がり落ちる人生の方が面白い。タイトルもそうなっているだろうし。 融通の利かないバーガー屋や予算消化の道路工事、携帯が普及して今ではそんなこともなくなったが、何を考えて待っているか分からない公衆電話を待つ人間にはやや納得が出来ても、ゴルフ場での騒動や韓国人店主には少し理解に苦しむ。 まあコンビニで120円の缶コーラを買おうとしたら150円ですと言われたら、やっぱり切れるかな。 【六本木ソルジャー】さん 3点(2005-01-16 18:27:27) (良:1票) |
87.マイケル・ダグラス扮する<D-Fence>は、国防産業を失業中の<白シャツにタイ>の白人。なまりのある英語でソーダ1本の値段にも細かい韓国人店主、<ギャングランド>のメキシコ人の若者、同性愛嫌いでマスキュリンなネオナチ男、フレンドリーなくせに規則にがんじがらめなファーストフード店主。もう何から何まで、当時(暴動前夜)のLAのアメリカ白人が抱えていたいらだちやストレスを(ステレオタイプ的な誇張も含めて)象徴してるんですね。いまとなってみれば、この反動が10年後のアメリカを覆い尽くしているともいえるようにも思います。そう考えてみると、主人公の自己中心的で独善的な性格(最後の「私が悪いのか」というセリフは秀逸でした)は、いまのアメリカの姿を映し出しているようにも見えてくる。後半は一転して家族モノっぽくなってましたが、デュバルが軸となって渋くまとめてくれました。それにしても、ある意味、こんなに「政治的な」映画を、ふつうに娯楽作品として制作・公開してしまうハリウッドもよくわかんないところですなあ。 【ころりさん】さん 7点(2004-11-30 15:29:20) (良:1票) |
86.この、ブチ切れ具合が自分にはたまらなく不快でした。これは何でもアリは「なし」でしょう。 こういう映画って評論?の対象にはならないと自分は思います。正直点数が高いことになんともいえない気持ちになります。 【たかちゃん】さん 3点(2003-11-16 22:32:01) (良:1票) |
85.ははは、すごい切れまくってるよ、おっさん!でも、この気持ちわかります!実際にはやらなくても、心でバズーカ砲打ってるときあるもんね。 【カズレー】さん 6点(2003-11-11 18:48:29) (笑:1票) |
【もりしげひさや】さん 7点(2003-06-11 00:24:08) (笑:1票) |
83.とても面白かったです。いろいろ大変そうでしたが、主人公にとって、この日は、人生で最高の日になったのではないでしょうか。 【終わりの始まり】さん 7点(2002-09-26 13:26:18) (良:1票) |
82.《ネタバレ》 なんとゆーか年を喰うと、あまり怒ったりしなくなりますよね。いや、私も怒った「フリ」とゆーのは(必要に迫られるので)しょっちゅうやってますが、根本的に感情に流されて行動すること自体がすごく減るとゆーか。まあ、理屈抜きで感情に任せて行動した所為で散々痛い目を見てきた、という「学び」故なのだとは思いますケド。 ド初っ端から素っ頓狂にブチ切れてオッ始まるので、もっとシンプルな(そしてイカレた)アイデアのスリラーかと思ったのですが、一枚重層的なのが、周囲の世界がイラつく事象に満ち満ちているという状況自体はよく見るとマイケル・ダグラスもロバート・デュヴァルも大して変わんない、というコトに見えます。もちろん、適度に器が広くて穏便に対処してゆけるデュヴァルの方には大いに共感してゆくワケです。終盤、嫁さん相手にキレてる「フリ」をしたシーンなんか個人的には最高でしたね(その後は一発マジギレしちゃってますが)。 ただ、作品として奥行きが在るからイイのかとゆーと必ずしもそーではなくて、マイケル・ダグラスの側のお話(=大人気なくキレちゃうコトの一種の爽快感)とゆーのはイマイチ盛り上がってゆかないとゆーか、最初が一番な尻窄みの様にも思えます。結局のトコロ、本作はスリラーではなくてブラック・コメディなのでしょーね。結論的に私個人としてどちらが観たかったのかと言えば、ダグラスの暴走が果てしなくエスカレートしてゆくという(どこか笑える程度の)アクション・スリラーだった、という様にも感じます。シンプルなアイデアはシンプルに、とでも言いますか。 【Yuki2Invy】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-07-22 08:57:37) |