31.《ネタバレ》 親子(ほど歳の離れた)の物語。 いわばそれだけ、だけなんだけどソコがいいんですよねぇ。 贅沢なハナシですよ、ホントに。 なんでもかんでも詰め込んじゃって結局何が言いたいのかわからない様な映画が多い中、この映画の焦点はしっかりしています。 なので極端な劇中劇(ゾンビ映画)で遊んじゃっても全然大丈夫。 むしろホッとするような笑いで、本当に言いたいコトを包み隠すようにしています。 こーゆーところが押しつけがましくなくて、好感がもてますよねぇ。 短いシーンでスパッとみせる役所さんと高良さんの親子関係、特に、取り込まない洗濯物の対比にパリッとした礼服が2着並んで掛けてあるところなんか素晴らしいです。 そして役所さんと小栗さんの交流、こちらはじっくりゆっくり無理なく展開されていきます。 そこに時間の大半を割いて、丁寧に。 物語の構成が巧みですね。そして余韻も。 南極料理人のときもそうでしたが、観客が映画を見終えて現実に戻るまでに、いい繋ぎの時間と言うか余韻を与えてくれます。 沖田監督の次回作にも期待したいですが、出来れば監督の作品とは知らずに出逢いたいですね。 『いい映画だったなぁ』って見終えて、誰の作品?って名前をみたら沖田監督作!みたいな。 フラットな気持ちでおもてなしされたい、そんな気持ちにさせる監督ですね。 【ろにまさ】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-04-10 00:49:31) (良:2票) |
30.《ネタバレ》 冒頭から「うまい」と唸らされる。構図や伏線、脚本など全てが自然でよどみがない。笑わせるテンポもいいし、しつこくならない程度に息子とのドラマが垣間見え、全体のバランスも崩さない。傑作。どちらの主人公も自分に厳しくストイックに生きてきた人間だが、どうもうまくいかない、不本意なことがある状況から始まる。これは「甘いものを食べない」ということを厳しくお互いが守ることによって象徴的に表現されている。お互いの交流をテンポ良く描きながら、似た者同士が理解し合っていく。一方で監督と岸は似ているだけでなく、岸は監督に息子の姿をも見出している。それが息子の理解にもつながる、といううまい流れとなる。中盤以降で二人がストイックさを有る意味捨て、あんみつをたっぷりのシロップで食べるが、そこから二人は不自然な厳しさ、無用なストイックさを捨て、ある意味素直になって初心に帰ることができたのである。監督は「父親にもらったビデオカメラが原点」という話に戻ることによって自信を深め、岸は「君の父親はそんなことを思っていない」と自分に重ねあわせることによって、息子を純粋にかわいく思う気持ちへと回帰している。序盤で「最初はかわいいが、すぐにかわいくなくなる」と岸自身が言っているのも重要で、その「最初」に戻ることを意味しているのである。他にも感心するような伏線がちりばめられており、素晴らしい映画であった。 【Balrog】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-03-23 12:18:32) (良:2票) |
29.《ネタバレ》 「南極」と「横道」を先に観ていたので期待感がありましたが、私にはイマイチでした。会話がもどかしかったのです。冒頭の「本番中なんで…」「はい?」を何度も繰り返したり、小栗クンが自分の立場をいつまでたっても説明しない辺りがそれです。常識的な手順から外れたやり取りだと思います。かなり無理矢理にコミュニケーションを停滞させて、ストーリーを作っている気がしました。 小栗クンが悩んでいる理由も良く分からなかった。低予算映画を押し付けられた代打のカントクなのかとも思ったけど、そうでも無いみたい。自信が無かっただけなんですかね? 自信が無いのは内面の問題だから仕方がないとしても、それが本作のように現場で態度に出たら大問題で、ありえないシチュエーションを設定していると思います。 地方の方が「物珍しさ」で映画に協力するのは分かります。時間に余裕があればみんな協力するでしょう。でも、それで成立する映画って云うのもどうかと思う。 気難しいこと言ってますが、気になるところがいくつかあって、この監督の持ち味が本作に関してはマイナスに映りました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-01-26 23:47:48) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 そうか、『南極料理人』の人の作品だったのか。 『南極料理人』も私には合わなかったけどこれも同じく。 ノンビリというよりは、ダラダラしている印象を受けてしまう。 平和でのどかで、特に何も無い、って感じ。 ゆるーい感じがすきな人には良いのかもしれない。 【虎王】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-01-17 13:29:57) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 これほんと良かったです。「南極料理人 」も大いに笑わせてもらったけど、本作も終始笑いっぱなしでした。沖田修一監督、今後要注目ですね。なんというか、笑いに一切の嫌みがないんですよね。全てほっこりするような笑い。そう、悪い人なんて出てこないから、見ていて気持ちがいい。そしてまた笑いの取り方が上手いですよね~。二人の会話があって、一方がなにかを頼もうとする、そんで次のシーンでパッと落差のある画を持ってくる。そりゃ笑っちゃいますって。全体的にはのんびりとしたテンポなんで、疾走系コメディを好む人には不向きかもしれませんが、このほっこりのんびりした感覚って妙に懐かしくて、昔の古き良き邦画を彷彿とさせるようなものがありました。最初は嫌々だった木こりの岸さんが、彼らと打ち解け映画製作にどんどんとのめり込む様子が実に微笑ましい。そして気弱な監督の田辺も、だんだんと心開いていって終盤には笑顔が増えていくその変化が見ていて嬉しくなる。日常から非日常、そしてまた日常へと戻るこの暖かいストーリーは、登場人物だけでなく、観客もまた一緒に幸せな気持ちにさせてくれる、そんな素晴らしい作品に仕上がっていた。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-09-29 18:11:09) (良:1票) |
26.《ネタバレ》 シュールなゾンビネタや、映画愛で興味を惹かせ、クスクスと笑わせてくれる。 役所さんが目を輝かせて無邪気に映画にはまっていく過程が素敵。 その上で、最終的には親子の物語としてもきっちり成立している秀逸なハートフルコメディ。 テンポが良い訳ではないので、ちょっと長く感じたかなーと思ったら、120分越えてる作品だったのね。だとしたら、体感時間としては妥当かも。 削っても良いようなシーンや、まだるっこしい部分もちょいちょいあるが、それはそれで楽しめるのでさほど問題ではない。 沖田監督の静かでおかしな間(ま)を楽しめ! 常に、なんとなく、くすくす笑えるっていうだけでも良作なんだけど、それ以上に親子関係の描き方がさらっとしながらも、心に響いた。 そっけないくらいにさらっとしているからこそ、良かったのだと思う。 この二人の会話はほとんどないんだが、関係性が徐々に変わっていくのが分かるのが面白い。 和解のシーンもセリフはほとんどなくて、「あ、これは和解できたんだな」とこっちに悟らせる感じが良い。 そこに至るまでには、映画監督(小栗)と親しくなる過程も丁寧に描かれていて、とてもナチュラル。 最後の食卓のシーンなんか、くどくどと語らせず、目も合わせず、何も言わずに飯を食ってるだけなのに感動してしまった。 無言の食卓なのに温かみが出てるのである。素晴らしい。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-07-18 00:07:12) (良:1票) |
25.スケールは大きくないが、しっかりした映画、とても好感が持てる。 年齢を重ねた者は若者に触発され、若者は年配者により大きく成長する。時に笑いを交え、時に絶妙な間で物語に引き込んで行く丁寧な演出が効く。 若者とは監督と倅だが、年配者はそれ以外の全員だ、皆演技が上手く、観ていて堪らなくなるほど楽しい2時間。 じんわり余韻が残るし、思い出してほくそ笑むシーンも多い(風呂場で演出の案を練る2人の腰に巻いたタオルの前がポッコリしてるのなんて、とても映画的)やっぱり映画っていいねェ~と思わせてくれる良作でした。 【カーヴ】さん [映画館(邦画)] 8点(2012-02-22 16:51:36) (良:1票) |
24.《ネタバレ》 しょっぱなから、役所広司の「……はい?」という部分で笑った。体育座りしていたり、正座して洗濯物を畳んでいたり、とにかくかわいい。彼との交流で小栗旬が変わっていく過程も良かった。何度も見たくなる作品。この監督の映画はいつもホッとする。 【クロリン】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-03-25 13:28:42) |
【アフロ】さん [インターネット(邦画)] 6点(2017-09-24 18:21:11) |
22.南極も横道も好きなんですけど、この作品を何度も観てしまいます。 会話と会話との間が、この監督さんの作品の特徴かなぁ。 きこりさん達、4人組のたわいもない会話が、おもわずにやけてしまいます。 主題歌の『フィルム』のMVがゾンビをテーマにしてるのが、作品とリンクしてて 好きです。 |
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21.監督の作品らしく、ニンヤリするシーンも多々有りましたが、私も『南極〜』が好きなので期待して観てしまったのがいけなかった。でも観終わった後味は嫌いでは無かったからこの点。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-05-02 18:00:33) |
20.印象的だったり微笑ましいシーンもあるけど、ストーリーとしては登場人物の背景が弱すぎて淡々と進んでしまう。最初の方の小栗はちょっと作りすぎ。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-12-14 23:49:48) |
19.息子と同世代の映画監督との交流を通じて、最終的には息子と和解していくという話なのだろうけど、ちょっと説明不足でわかりにくい。息子の存在感が監督に比べて弱いし。「映像で感じろ」という事なのかもしれないが、もう少しストーリーに抑揚があってもいいような。ちょっとアッサリしすぎてるし。父子の葛藤ってこんな簡単なものではないし、そう簡単に和解できるものでもないでしょう。 |
18.「気が弱い」と「そもそも中身がない」は全然違います。ともかくも映画監督という設定であの言動って、まったくありえないでしょう。したがって、主人公の木こりとの衝突も生じていないので、面白みが全然ありません。それから、「間」と「間延び」も全然違います。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-04-11 20:57:30) |
17.映画監督というのはこんなに弱気でコミュニケーションがとれない人でも務まるものなんですか。可笑しさの中にも不自然さが気になります。監督自らの経験のデフォルメ表現と思って観ていましたがやっぱり気になります。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-04-05 00:31:34) |
【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-12-14 20:19:47) |
15.《ネタバレ》 映画製作に興味があると一層楽しめる、親父と少年もの。 人が死なない映画。 リアリティを感じない人もいるみたいですが、 映像制作経験からすると、意外といるのがああいう面々だったりする気がする。 田舎出身の私には懐かしい風景でもありました。 【よこやまゆうき】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-21 08:30:49) |
14.《ネタバレ》 沖田監督の映画は、テンポがよい。会話の「間」と、ゆったりとしたテンポにはかなりこだわっているようで、それは必ずしも万人受けするわけではないけど、2時間通してバランスがよくて、僕は観ていてとても心が落ち着くんだ。 山の天気は変わりやすい。仕事中に、突然土砂降りになり、干してある洗濯物がずぶ濡れになっていたり、こういうどうでもよさそうな光景を通して、彼らの日常や生活感にスポットを当てていることもよい。 役所さん演じる木こりの岸さん、その仕事ぶりは完璧。映画はこの立派な大人たちに対して、自立できない半人前の大人たち二人、そしてその成長という構図。しかし最終的に、若い映画監督さんは「なぜ映画監督に?」状態から一人前になったし、息子さんは木こりになったし、きっと「とりあえず、始めてみろ、結果は後からついてくる」が、迷える若者たちへのメッセージなんだ。 主要な三人以外では、神戸浩さんの走り出すゾンビがツボだった。 もう一つ、岸さんと助監督 (古舘寛治) に不思議な友情関係が芽生えていくのがよかった。 →2021/2/3追記。 DVDにて再鑑賞。この展開だと、冒頭に彼が撮ったゾンビ映画の完成品を (全編ではなくても) 上映していたら、ちょっと「カ〇ラを止めるな!」に似てるかも。 【タケノコ】さん [映画館(邦画)] 7点(2014-07-02 21:50:03) |
13.《ネタバレ》 木こりが出てくる映画と聞いていましたが、バリバリ林業じゃないですか。冒頭、木を切り倒すところから、スルスル木を登る枝打ちやお昼の腰弁当を作るところさえ、魅力的な林業。だから、映画人の方が林業に引きずりこまれる話と期待しましたが、逆なんだ。基本的にワタシ苦手な映画制作の話。もし、本作にもう少し気を入れられるとしたら、作中、田辺監督が作るところの「ユートピア~ゾンビ大戦争~」が確かに岸を泣かせるだけのチカラ(ワンシーンでもいいんだ)があればと思いましたが、そんな片鱗をうかがわせることもないのですね。残念。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 3点(2014-02-15 16:29:46) |
12.どうも役所広司が苦手だ。どの映画でも同じようなキャラクターに見えるからだ。でも、この映画では意外に良かった。あまり役所広司を主張しすぎていない点だ。どこにでも居そうな木こりのおじさんを淡々と演じている。頑固おやじかと思いきや好奇心旺盛だし息子思いだし、憎めない良いキャラだった。演出も無理に感動させようとせず自然な感じで良い。固定カメラの向こうに流れるゆったりとした時間が心地良かった。また、見終わって無性に味付け海苔が食べたくなり、スーパーへ直行したのは言うまでもない。 【ヴレア】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-10-18 21:20:13) |