1.《ネタバレ》 ゲームに参加したのは誘われたから。殺めたのも末期の患者。言わば安楽死。僕は悪くない。殺人に加担したのは彼女の境遇に同情したから。女が僕の良心を利用したのだ。僕は悪くない。そうだ僕には約束された人生がある。秘密を知る同僚たちは邪魔だから死んでもらおう。悪人だから殺しても問題ないだろう。僕は悪くない。悪くない。悪くない…。原因を外に求める事で、彼は罪悪感から逃れています。主人公は自分が悪人だとは思っていません。でも違います。彼は本物の悪人。それも最低最悪の部類。恩師にも、恋人にも、眉一つ動かさず嘘がつける男。検死には知的好奇心が湧いても、本当に苦しんでいる病人には興味がない研修医。そんな主人公に復讐の機会を与えたことに驚きました。そんな馬鹿な。最期のゲームに正答を出し、復讐を成し遂げた事で、心は晴れた事でしょう。彼は何事もなかったように、表の人生を歩いていく。そして優秀な医師として皆から尊敬されるのでしょう。無能な善人より、有能な悪人が尊ばれる社会。この映画は絶望を描いていました。『SAW』や『ファイナルデスティネーション』シリーズとも通じる、殺人方法展覧会。アイデア面でも、グロテスク描写でも、これら人気ロングシリーズにひけを取らないのは凄いです。そういう意味では、極めて悪趣味な映画でもあります。