58.《ネタバレ》 1950年代から60年代にかけて、全米ヒットチャートを彗星のごとく駆け抜けた4人組のポップコーラスグループ、“フォー・シーズンズ”。もはやハリウッドの生ける伝説と言ってもいいクリント・イーストウッド監督が新たな代表作ともいえる重厚な政治ドラマ『アメリカン・スナイパー』の前に撮ったという本作は、それとは全く正反対の煌びやかな芸能界で夢をかなえる彼らの姿をゴージャスに描いた青春群像でした。そんな実在したスーパースターの栄光と挫折を赤裸々に見つめたもうびっくりするくらい王道のオーソドックスな伝記映画なのですが、これがイーストウッドのフィルモグラフィの中に収めてみると逆に異色作となるのが面白いですね。『ミスティック・リバー』や『ミリオン・ダラー・ベイビー』といった現実の理不尽さや人間の愚かさを極めて冷徹に見つめてきた老映画監督がいまさらこんなシンプルな青春映画を撮ったということにまずはびっくりです。さて、肝心の内容なのですが、この手の作品は主人公であるアーティストたちにいかに興味を持てるかが重要になると思うのですが、正直に言って僕はこの“フォー・シーズンズ”というグループにほとんど思い入れもないうえに、その全編にわたって使われた彼らの楽曲の数々もいまいちピンとこず、残念ながら僕はそこまで作品世界に入り込むことが出来なかったです。確かに面白いとは思うんですよ。登場人物たちが要所要所でカメラ目線になり観客へと語りかけるという映画では〝禁じ手〟とも言うべき手法を使っているのにそれがアクセントとして小気味よく効いてるところだとか、最後に登場人物たちが全員集まって歌い踊るミュージカル風の気の利いたエンドロールだとか、長年のキャリアに裏打ちされただろうもはや余裕さえ感じさせるその演出手法の数々なんて「さすがだなぁ」と素直に認めるのだけど、僕としてはちょっと物足りなかったです。それは何なのかと自分なりに考えてみたのですが、やっぱりビートルズ出現以前の音楽シーンってこういう誰かに惚れたフラれたというまあ見事なまでに軽い世界をみんなして歌い続けていたのですね。なんだか僕はこのいかにも作られた軽薄な歌の数々にどうにも馴染めなくて、そこが僕が本作にいまいちのめり込めなかった原因のようです。でも、これはもう完全に好みの問題。老境に差し掛かり、イーストウッドもこういう「昔は良かった」的なノスタルジックな作品も撮ってみたくなったのでしょう。フォー・シーズンズのファンはもちろん、あのころのかつてよき華やかな50年代を懐かしみたいという人にはたまらん作品に仕上がっていたと思います。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-11-24 22:37:35) (良:1票) |
57.ニューヨークで、ジャージーボーイズの舞台を観た後、帰りの飛行機で映画を観ました。圧倒的に映画のほうが面白かった。。なんでだろうと思ったけど、気づいた。あ、これ字幕が出てたからだ。。とにかく歌がすばらしい。 【コダマ】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-01-19 03:21:08) (笑:1票) |
56.《ネタバレ》 あらかじめ白状しておかなければならないが、Can't take my eyes off youは個人的に最も好きな楽曲のひとつである。が、カバーの多いこの曲、私も知っているのはBoys town gangによる方でオリジナルを誰が歌っているかは全く知らず、そもそも本映画で描かれるFour Seasonsというグループも、恥ずかしながら存在自体知らなかった。(実は知らなかったことが幸いする)主人公らによる「若いうちに結婚→破綻で悲惨な家庭」エピソードや「自堕落で無鉄砲な生活の果ての破滅」というイタリアンマフィア映画に極めてありがちなパターンを見せつけられるばかりで、ちょっとうんざり気味になる映画終盤で前述の曲が流れたとき、素直に感動し、この映画に対する全ての感想がひっくり返りました。この曲を好きな人は、絶対見るべき映画です。逆に、特に関心のない方にはたいしてお勧めしません。以下余談:全く宣伝してないこの映画。私が観たのが平日のレイトショーとは言え、観客たった3人でした。確かに人を選ぶ映画と思うけど、もったいないんじゃないの? 【Northwood】さん [映画館(字幕)] 9点(2014-10-02 06:37:08) (良:1票) |
55.《ネタバレ》 特に日本ではフォー・シーズンズがあまり有名ではなかった点が致命的でしょうか。日本で1960年代といえばやはりビートルズ、ビーチボーイズ、サイモン&ガーファンクルあたりでしょうか。私自身ギター経験が長く、オールディーズやロカビリーが好きでしたが、やはりプレスリーやバディ・ホリーの次はビートルズで、フォーシーズンズは”名前は知ってるけど・・”という程度でした。 イーストウッドが作った映画と相性が悪い私ですが、本作は割とすんなり入り込めました。序盤が少々速足&わかり難い感じもありますが、メンバーが出所してからは割と落ち着いて見られます。デカルト(クリストファー・ウォーケン)が最初から良い味が出ていて流石でした。要所要所にしか出てきませんがその全てが素晴らしかったです。 ストーリーの骨格はよくある”ミュージシャンの伝記もの”の定番で、むしろかなり表面だけなぞったお手軽な感じに仕上がっています。いや、あえてそう仕上げたのか、普段のイーストウッドのように馬鹿正直に重たい流れにしていたら見るのがしんどかったかも。ある意味全く深みが感じられないおかげで割と見やすい映画に仕上がっています。(怪我の功名?それとも意図的?) フランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)が魅力的で映画を引っ張ります。背が低く序盤からかなり子供っぽくてなんだか頼りない感じですが、キリッと整った眉毛と歌声は魅力的でどんどん引き込まれます。「君の瞳に恋してる」のオリジナルが彼らのものだったのにはチョット感動。ディスコバージョンも有名ですが割とスタンダードの名曲で、文句のつけようがないパーフェクトなラブソングです。 心に残るほどの映画ではなかったですが、及第点以上は十分与えられる無難な作品だと思います。 【アラジン2014】さん [地上波(字幕)] 7点(2024-08-31 15:37:31) |
54.フォー・シーズンズの音楽に興味が持てないので、前半は見続ける気力を維持するのが大変でした。しかし、リーダーの横暴な態度や金銭トラブルが発覚してからの流れは興味深く見られました。まあ、お人好しにもほどがあるという解決手段が不満ですが、実話なのでしょうから仕方ありませんか。 【傲霜】さん [地上波(字幕)] 6点(2024-08-04 11:43:20) |
【TERU】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-10-16 20:50:57) |
52.《ネタバレ》 米国では評価が低い作成。何故なんだろう。ストーリーは、テンポ良く進んでいるし、泣かせの場所もある。難点は、ミュージッカル部分が、物切りでのれないぐらい。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-21 11:18:21) |
51.《ネタバレ》 ボヘミアン・ラプソディを観た後に、音楽系の映画が見たくて、探したところHuluで発見したので見た映画。 まあ、正直この手の映画はボヘミアンもそうですが、どの映画を観ても似たり寄ったりなストーリー展開。 成功と挫折を味わってハッピーエンド的な展開、想像通りの内容で、まあ、それが見たくて見てるというところがあるのですが。 あとは、曲がいいか悪いかの差になってくるのですが、なんだろう、個人的にはクイーンの曲の方が好きなのに、 映画的にはこちらの方が好きでした。 やはり、イーストウッドの演出力なのか、こちらの方がテンポよく最後まで観れた気がします。 【シネマファン55号】さん [インターネット(吹替)] 7点(2019-01-08 13:33:07) |
50.最初から最後まで金金金… 再結成する過程もあまり描写されておらずモヤモヤ フォー・シーズンズの曲が良かっただけが救い 【Ren】さん [DVD(字幕)] 3点(2018-11-19 14:41:04) |
49.「フォー・シーズンズ」の存在自体知らなかったのですが、なかなか良かった。ショービジネスの裏側の猥雑さにリアリティがあります。最後も美しくまとまっていました。主人公の歌唱力より、キーボードを担当していた最年少の彼の作曲能力が天才的だったんじゃないかという気もします。 このバンドにかぎらず、絶頂期に解散したり誰かが脱退したりということはよくあります。「もったいない」と小市民な私はいつも思うのですが、空前の富や名声を捨てでも、「コイツの顔なんか二度と見たくない」といった感情が勝るのでしょう。なかなか合理的にはなれない人間の判断は、なかなか興味深いものがあります。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-11-04 22:10:15) |
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48.《ネタバレ》 アメリカ本国では評価が今ひとつだったらしい本作。トミー賞を取った舞台に比べると、盛り上がる場面に使われた楽曲がBGM扱いになっている等、手触りの違いが不興だったのだとか。 私は舞台版は知らないけれど、イーストウッド監督は舞台劇を映画の文法に上手く書き直していると思った。情感溢れる描写の数々で、人間ドラマのひだが役者の表情や台詞にきめ細かく反映されていますもん。 物語は一世を風靡したバンドの、立ち上げから絶頂期そして離散へ至るまで、とまあよくある話ではある。にも関わらずジャージー・ボーイズらのこの生き生きした造形はどうだろう。ニュージャージーでの悪ガキだった時代から、ギターとマイクを手に音楽業界を席巻し、トラブルを重ねて年を経る彼らの人生とすっかり同化してしまった。 リアルで活きた台詞と、舞台でも同役を務めた俳優らの演技を超えたリアリティはメンバー本人のよう。J.L.ヤングのファルセット・ボイスには度肝を抜かれる。脇を固めるウォーケンやプロデューサー役のM.ドイルらも、とても良い味を出している。 役者陣が魅力的な上、さらに卑怯なことに(?)音楽の力の凄いこと。正直フォー・シーズンズをきちんと聴いたことは無かったのだけど、現代風にアレンジし直した楽曲群がどれも素敵。わあー良いじゃん、フォー・シーズンズ。さすがにタイトルや歌詞は時代ズレの感があるけれど、シンプルで心地よいメロディは気付くと口ずさんでいたりする。 娘に子守唄に歌った“My Eyes Adored You”が葬儀の場面で流れ、ここらですすり上げてたワタシ、引き続き“Can't Take My Eyes Off You”のイントロが流れた瞬間、目の幅の涙が滝のように流れ出たのでした。 傷つけあってバラけてしまったジャージー・ボーイズ。年月を経て彼らを再びロックの殿堂で結集させて了した、イーストウッドの感性も好きだ。笑って泣いて胸が熱くなる、イケメンはいないけどこの映画がとても好きです。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-10-25 17:53:06) |
47.グループ解散はなるべくしてなったように思いますが、「君の瞳に恋してる」がこんなに古い曲だとは知りませんでした。ディスコ調でなくてもイントロから背筋がゾクゾクしてきました。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-08-17 22:55:43) |
46.フォー・シーズンズは知らなかったけど、曲は知っている。尤もカバーだと思うけどね。 フォー・シーズンズも知らないし、興味がない僕が見ても面白いと思うはずがない。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 5点(2017-07-29 23:17:28) |
45.《ネタバレ》 借金を完済した後からのラストのダンスフィナーレに至る、黄金のストーリーながら 映画としての十分な満足感が得られました。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 8点(2017-04-16 20:18:56) |
44.ボブが加入するときの即興での音合わせ。音楽好きにはぞくぞくするような瞬間だよね。いろんなメンバーがそれぞれの場面でそれぞれの視点で思いを語っていくという手法は面白かったが最初は誰が語ってるのかよく分からなかった。これは元になっているミュージカルの演出そのままなんだね。ストーリーとしてはよくある成功とすれ違い、解散の物語で意外性のないものだったが、よく知っている曲やハーモニーの美しさでいい映画に仕上がっている。好み40/50、演出9/15、脚本8/15、演技9/10、技術6/10、合計72/100→7/10点 |
43.《ネタバレ》 2016.05/10 観賞。若かりし頃のヒット曲満載。“フォー・シーズンズ”の伝記らしいがこんなグループだったとはビックリ。イーストウッド監督がこのような青春音楽を作るとは・・。しかも戦争ものの”アメリカンスナイパー”と前後して。 【ご自由さん】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-05-10 15:51:26) |
42.アメリカでは原作ブロードウェイと比較され、評価はあまり芳しくない映画ですが、私は好きです。ミュージカルシーンの心地よさは当然ですが、メンバー間の葛藤がよく表現されていたと思います。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-02-15 15:56:11) |
41.《ネタバレ》 冒頭から俳優がいきなり画面に語りかけ、「うわぁ、イーストウッドが大林宣彦をパクってる!」と驚愕しましたが、これは原作のミュージカル舞台に忠実な撮り方みたいですね。イーストウッドにしては肩の力が抜けた様な軽い撮り方も珍しいところです。随所に彼の遊び心が感じられ、TVで流れるのは『ローハイド』の若き日の御大の登場シーンというのは笑うツボです。だいたいからして、クリストファー・ウォーケンを起用していること自体が、“Can't Take My Eyes Off You”をフューチャーした名シーンがある『ディア・ハンター』を想起させてくれて面白いところです。ラストのカーテン・コールよろしく登場人物総出で繰り広げられるミュージカル・シーンには、もう鳥肌が立ちました。 フォー・シーズンズとなるとビートルズ世代の自分よりひとつ前の時代の音楽という認識でしたが、さすがに使われている楽曲はほとんど全て聞いたことがあるものばかりというのにはちょっと驚きました。なんせ『タモリ倶楽部』のあの有名なオープニング・テーマまで出てくるんですからね。 それにしてもオリジナル舞台と同じジョン・ロイド・ヤングの歌唱力は驚愕ものです。てっきりフランキー・ヴァリのオリジナル音源を使っていると思ってましたから、わたくし。また知られざるフォー・シーズンズの秘話も知ることが出来て面白かったです。ボブ・ゴーディオをメンバーに紹介したのが若き日のジョー・ペシだったというのはびっくりです。そう言えばペシは歌手としてアルバムをリリースしているほどですから、音楽の世界との関わりは深かったみたいです。 ここまで来るとイーストウッドには、ぜひ本格的なミュージカル映画を撮って欲しいものです。でも監督したわけじゃないけどその昔『ペンチャー・ワゴン』で痛い目に遭っているから、ちょっと無理かな(笑)。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-29 22:09:44) |
40.《ネタバレ》 ジャージーボーイズ Jersey Boys」 何度も何度も個人的に好きでみていたフォーシーズンズ。そしてCAN'T TAKE MY EYES OFF YOU。ユーチューブで何度観たことか。 あまり内容の解説はいらないですね。フォーシーズンズのサクセスストーリーでもあり挫折のストーリー。 名曲が炸裂します。誰も何も邪魔しない純粋娯楽映画。 しかも名曲が、とっても素晴らしい形でカバーされた状態で登場します。 クリントイーストウッド。今までこのbk2では1度も書いてないんですが、実はウルトラ大好き。出演作品も監督作品もミリオンダラーベイビー以外は多分コンプ(^O^)/(ミリオンダラーベイビーはただチャンスなくて観てないだけ(^_^;)) クリントイーストウッドの映画で、ここまでの大団円の娯楽映画が観れるとは(≧∇≦) いやー、私映画大好きなんです。今日も素晴らしい映画に出会えました。全てに感謝 m(_ _)m 【JF】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-09-13 23:31:24) |
39.《ネタバレ》 ちょっと長めだし、面白いのかな〜、とあまり期待していなかったが最後まで辿り着いて、そして結構いい感覚で終わった。 自分語りや音楽が混じりあっていて、独特な面もあるが単純で分かりやすい。 アーティストの物語は、下積み→ヒット→グループ内・プライベートの問題→別れ→再会での懐かしみ、と定番の流れでこの映画もそれが比較的ソフトに描かれていて、悲しいこともあるがあまり胸を締め付けられる程では無かった。 音楽は好き嫌いあるかもしれないけど、聞き慣れてくるといい感じ。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-30 12:18:52) |