67.《ネタバレ》 これはダメ。 まず九太のバックボーンが圧倒的に希薄。 9歳の子どもが家を飛び出してひとりで生きていきたいと思うほどの動機や理由がきちんと描かれないので、彼の強くなりたい、勉強したいといった想いにも納得や共感ができない。 さらに熊徹のバックボーンも輪をかけて希薄。 なぜ彼が戦ってきたのか、強くあろうとするのかという動機や理由が描かれない。師匠も親もなくひとりで生きてきたと一言説明されるだけで終わっている。 そんなわけで、この映画で一番大切だと思われる熊徹と九太の関係性の描かれ方も必然的に希薄になってしまっている。疑似親子関係でも友情でも何でもよいのだが、二人の間にバケモノと人を越えた大事な関係が育っているという要素がまったく感じられなかった。ケンカしたり罵り合いながらも、お互いに欠けているものを埋めあう大切な存在になっていくということは、サブキャラの言葉で端的に説明するのではなく、エピソードやドラマとして一番描かないといけないところではないのだろうか。 それがないせいで、熊徹頑張れとも、九太頑張れとも、ふたりがこうなってほしいとか、こうなったら嫌だとも思えず、何の感情移入も期待も感動もないままにストーリーが進行していってしまう。 もし二人のバックボーンと関係性をきちんと描いていたら、本当の父親のところに戻ると言うシーンなんて、もっと切ないはずだし、最後に九太の心の剣として熊徹が現れるところなんて、めちゃくちゃ感動できたはずなのに。 またそういった一番大事なドラマを描いていないのに、楓が出張りすぎ。 この話の主人公に対する役割的なヒロインは熊徹であって、そこをちゃんと描いてないのに、女のヒロインなんて不要。 特に九太が一郎彦と戦うシーン、いきなり楓が「私たちだって云々」とか言い出すシーンは、そこまで事情や経緯も知らないくせに、ついでに襲われかけてて危ないってのにサブキャラが啖呵を切るという演出に興醒め。「お呼ばれしちゃった」も失笑でした。 楽しみにしていたのに、燃えない、笑えない、泣けないという非常につまらない映画だった。 【ブラック武藤】さん [DVD(邦画)] 3点(2016-07-04 01:24:44) (良:3票) |
66.《ネタバレ》 私は「映画は脚本が命!」と言った、黒澤明監督の言葉を、「そのとおり!」って思っている映画ファン..だから映画に「必然性」「納得感」「共感」を求めている..細田守監督、「時をかける少女」で見せた、あの才能あふれる演出力、正直驚いたし 衝撃的だった..しかし、その後の作品には、失望している..「サマーウォーズ」、大風呂敷を広げるだけ広げて、包みきれず..不完全燃焼..幼稚なストーリーで、ツッコミどころ満載..ハチャメチャの中にも、もっと説得力を持たせてほしかった..「おおかみこどもの雨と雪」、おおかみを絡めたことで、生々しくなってしまい、物語の中の 生臭さ が、映画としてかなりマイナス..ファンタジーの形をとりながら、ドラマ部分は現実路線..どっちつかずで中途半端..おまけに物語が進むにつれ、暗~く 女々しく 気持ちが どよ~ん と落ち込む..爽快感、感動、共感、とは、ほど遠い内容..では、本作はどうか、気になるところがいっぱい..ラストは、何であんなことに?? 監督の暴走!?(誰もついてこれないだろう..あれじゃ、) 細かいストーリー設定がダメダメ..ダメなところを書き出してみる..九太は、なぜあんなに親戚を嫌う?9才であの家出はないだろう..バカなら親戚の嫌なところには気がつかないし、賢いなら1人で生きていけないことくらい理解できる(説得力がない)..路地に迷い込み、何とか抜け出すと別世界..そこには、得体の知れない住民がうようよ..市場らしきところに、食べ物が吊されにぎわっている..う~ん、「千と千尋・・」のパクリ?(どうしてわざわざ似せたの?) ばけものの世界でも、ちゃんと労働していて、経済活動を行っているみたいだけど、農場とか、田畑とか、家畜とか、そういったものが出てこない..(鶏と卵はOKで、豚とか牛はNG? みんな動物の顔してるから、画的に共食いになる?) いつもそばにいる多々良と坊主、働いているのか?収入源は?どうやって食ってる?(居候?) 九太にくっついているチコ、何なの?この物語に必要か?キャラクターグッズで儲けようってか? 猪王山の二男(二郎丸)、なんであんなに単細胞?父親に似ても似つかない..キャラクターありき? 九太の父と母、二人とも優しそうなのに、どうして離婚したの?物語のために離婚ありきかぁ? 九太の性格は母親似?そんな風には見えないぞ..熊徹と猪王山、なんで闘って後継者を決めるの?代々そうしてきたから?じゃ~宗師も強い?キャラが違いすぎでしょ~ 人が闇を持っててもいい、闇の力がすごくて強くてもいい、でも、ばけものの世界だからじゃないの?どうして人間界に戻っても、あんなに驚異的な力が出せるの? クライマックス、熊徹は、なんであんなに簡単に “答え” が導き出せたの?そんなに頭が良かったっけ? う~ん、納得いかないことだらけ..何もかもが浅い..うわべだけのペラペラ..どうしてそうなるのか、なぜそうしているのか..といった必然性、バックボーン、物事のディテールに、こだわりが感じられない..そもそも、チープで陳腐な物語設定なのに、そこが足りていないから説得力もリアリティーも生まれてこない..最後の結末が、破綻していてわけが分からないだけに、始末に負えない..例えば、「うる星 ビューティフル・ドリーマー」「カリ城」、ハチャメチャなのに、妙に説得力があって、なぜか面白い..そして、単純でシンプルな オチ と テーマ が、ちゃんと描かれている..黒澤作品の「用心棒」「七人の侍」といった娯楽作品もそう..それは、物語設定、展開の必然性、登場人物、ありとあらゆることに対して、その細部にいたるまで、よ~く考えられ、計算され、物語に矛盾がないからだ..ようするに、細田守は、見かけ倒しの薄っぺらな、幼稚な脚本しか書けないってこと..「時かけ」は、たまたま脚本が良かっただけの マグレ!! それが、今回ではっきりした..残念.. 次回作に期待? 汚名返上となるか?..いやいや、もう ネタ切れでしょう~ 終わってるよ..(期待したら かわいそうだ..) 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-06-17 20:25:03) (良:2票) |
65.《ネタバレ》 つまんなかったです。 何が問題かって、全部セリフで説明しちゃうの。キャラの状況や背景はおろか、その時の心情や象徴される事柄やメッセージ、テーマまでも。物語まるごとセリフで構成されている状態で、そこに描かれたものが世界の全て、だから当然ながらそこからは情感、情緒が抜け落ち、こちらは頭や心を全く刺激されないんですよね。 一から十までこと細かに説明しなくちゃならないと思ってる、作る側が観客を一切信用してないの。 一方で構成は明らかに不自然で、九太が大きくなってからの取って付けたような唐突な展開は何か途中で色々面倒臭くなったんか?みたいに思えるような雑さ加減。楓との出会いから人間としての意識を広げてゆく部分でのやっつけ仕事っぷりは、急速に映画の温度を低下させてゆくような印象。そこで慌てて色々な伏線を登場させたようにも思えて、その前との繋がりが希薄になっています。 で、せめてじゃあビジュアルで面白がらせて欲しい、刺激して欲しいところなのですが、大して動くわけでもなく(モブはCGでゆーらゆーら動かしてる状態ですし)、目を見張るような斬新な、或いは奇想天外な世界が広がっているわけでもなく。 この監督の作品に共通している、影を付けずにその分動かすっていうの、元々『未来少年コナン』の昔に宮崎駿監督が言ってた事なわけで、時代も違うし、テレビと劇場用映画っていうフォーマットも違うし、杉野昭夫作品のように3段影付で華麗にアニメートさせてみせる世界だってあるわけだし、っていうかならばもっと動かしてみせてよ、っていう。 『サマーウォーズ』以降、アニメーション表現が定型フォーマット化してきていて、その傾向は改善されるどころか、どんどん強まっている気がします。形骸化した国産アニメの姿を見せられているようで見ていてつらいんですよね。宮崎駿監督はどんなに作品重ねたって、作品的な出来不出来は別としても刺激的な絵を作り出してきた、それに比べるとなんか小さいところでまとめちゃってるよなぁ、と。 今、日本の観客に求められているものはこのくらいの塩梅のもの、という作られ方をしているような気がして、ちょっといたたまれない気持ちになってしまうのでした。 【あにやん🌈】さん [映画館(邦画)] 3点(2015-07-24 21:27:17) (良:2票) |
64.《ネタバレ》 この監督の作品は『時をかける少女』、『サマーウォーズ』と観たが、その中では“言わんとすることの分かりやすさ”という点で、これが一番まともな出来だったような気がする。 が、この監督の作品って、人の描き込みが浅いから、出てくる奴らがみんなちょっとおかしな変わり者に見えてしまうんだな。 今作の蓮も、何が気に食わなくて親族一同にあそこまで反抗してるんだかが分からない。9歳の子供が何もかも捨てて失踪するって、単なる反抗期で済まないだろ。w ……という設定のヌルさはあるが、話が始まってしまえば(その設定のヌルささえ許せれば)テンポ良く、判り易く話は進んでいく。 ただまあ、判り易いとは言っても、見てる側の推察による補足はかなり必要なんだけれど。w 九太が図書館で唐突にメルヴィルの白鯨を読み始める。……え? なんで白鯨??? 唐突すぎるだろ? いきなりすぎるだろ? 観ていくうちに「ああ、誰もが知ってて、『復讐』というキーワードを持つ、モンスター的な題材が欲しかったんだろうな」と分かっては来るのだが、それにしても違和感は残る。そして終盤、復讐に燃える一郎彦のクジラをモチーフにした襲撃。……なんか、イマイチ怖さが伝わってこないよね。w それにしても日本のマスコミは、やれ天才だの、やれカリスマだのと大仰な修辞が大好きで、マスコミに言わせると、この監督も天才アニメクリエイターなんだそうな。 でも……、天才が作ってこの程度なんじゃ世界に冠たるジャパニメーションも、もう長く無いんじゃないか?w 【TERRA】さん [DVD(邦画)] 5点(2020-08-16 14:05:03) (良:1票) |
63.《ネタバレ》 細田守監督のオリジナル作品3作目で、初めて脚本も単独で担当している。主軸としては家出してバケモノの世界に迷い込んだ孤独な少年がそこで出会った孤独なバケモノの弟子になり、反発しあいながらもやがて親子のような関係になっていくというシンプルなものだが、脚本はそのほかにいろんなものを詰め込みすぎていて、前作である「おおかみこどもの雨と雪」でも連続テレビシリーズ向けの脚本に思えたのだが、本作はまるでテレビシリーズを再構成した総集編を見ているようで、どこに焦点を合わせて見ていいのか分からない映画になってしまっている。それ故にか、登場人物にドラマが起こっても傍観者状態のままで誰にも感情移入できなかった。「おおかみこどもの雨と雪」でも思ったが、本作もやはり2時間の映画よりは2クールほどのテレビシリーズでやったほうが良かったのではと思えてしまう。後半主要人物として登場する楓の存在などはもしこれがテレビシリーズであればとくに違和感は感じないかもしれないが、単発2時間の映画だとファンタジーなバケモノの世界からいきなり人間世界に戻って進学だの云々リアルな話になってしまい、ギャップが凄すぎて違和感が激しい。そして終盤30分は登場人物の一人がアナキンのようにダークサイドにとらわれていることが判明し、(一応、それまでに伏線らしきものはある。)そこから少年ジャンプに載っている漫画が原作の東映アニメーションのバトルアニメのような展開になってしまうのは支離滅裂な感じがしてメチャクチャな印象しかないし、このおかげで細田監督が本作で何がしたかったのかますます分からなくなってしまった。(細田監督は「ドラゴンボール」のようなものがやりたかったのだろうか。)決して苦手な監督というわけではないが、「おおかみこどもの雨と雪」や本作を見ると細田監督は無理に長編映画を作るよりも一度テレビアニメに戻った方が良いのではと思ってしまうのが正直なところ。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 4点(2017-02-09 00:48:55) (良:1票) |
62.《ネタバレ》 人間の方がよっぽどバケモノですね。 夏休みにしれーっと観るには丁度いい映画でした。 【ろにまさ】さん [地上波(邦画)] 5点(2016-07-31 03:04:06) (良:1票) |
61.《ネタバレ》 どうせみんな細田守に釣られて観に来てるんだろ?と斜に構えながら観に行きましたが、本当に良かったです。 細田監督は人間の繊細な感情を描くのが上手いですね。 熊徹の元を離れ、一度は実父の元へ行くけれど、熊徹とは正反対の父親像と空白期間の溝に戸惑うシーンは良かった。 また、楓ちゃんに詰め寄るシーンでは、「絶対にキスするな!やめてくれ!細田監督なら無いよな?」って願いながら見て、結局しなかったのでホッとしました。(笑)繊細な感情を表現しているからこそ、もしあそこでキスとかいう、感情とかそっちのけの意味不明な行動を取っていたらこの映画の評価は最低でした・・・。笑 後半は純粋にバトルものになって、ちょっと荒っぽさが出てきましたが、終盤に至るまでじっくり人間ドラマをやってたので、とりあえずぶっ飛ばせ!って展開には、なんかすっきりしてました。 ちゃんと終わりに、実父との関係をほったらかしにしないし、人間界を忘れて化け物の世界で天下取るぜイエーイ!とかいう雑な展開ではなかったのが、僕的には満足でした。 強いて言うなら、楓ちゃんの事をもう少し掘り下げてもよかったかな?と思います。彼女も彼女なりの答えを見つけたんだと。 とにかく、すごく細かい粗探しをしなければ、純粋にすっきり楽しめる映画だと思います。 【OKfilms】さん [映画館(邦画)] 8点(2015-08-14 23:56:04) (良:1票) |
60.《ネタバレ》 なんかジブリに似てきてね? 【激バレ注意】 前は輪郭線がもっと太かったような。あと絵柄とかなんとなく。気のせいかな? 真似してほしくねーんだが。 だって今回で話作りのセンスがパヤオよりも数段劣ることがはっきりしたし。 この話で出てくる「人間のみが作る心の闇」というのがよくわからない。バケモノやバケモノの世界がどういうものかもよくわからない。結果、胸にストンと落ちないので面白いだけで終わる。感動には程遠い。当然観客の心の内に化学変化なぞ起きようがない。そんなの後継者とは呼べない。 闇とは何か。私が無理くり解釈すると、「親族内の関係性だの「こうであるべき」といった同調圧力に屈することでその人独自の好奇心だの攻撃的センスだのを自ら抑圧してしまい、内側に爆発の種を作ってしまうこと」を言ってるんじゃねーかと思う。対してバケモノの世界とは、そうした抑圧が薄い、本当の自分を素直にさらけ出してもいいかもしんない(だって周囲もそうだから)世界のことね。昔の下町にはあったかもしんない場所。 完全性を目指すことは才能を持つ中でも一部の者にしかできないんで、たとえ自分を抑制できても全的な才能がなければやがて闇を暴発させてしまうことになるんだけれども、できない同士で互いに補い合えばもっと高みに行けるかもしんないよ、とかいうことを言ってるわけだ結論としては。違うかな? でも私に言わせりゃ、それじゃあ凡庸なんだ凡庸。宗教に入って「ともだち代」さえ払えば幸せになれますよと言ってるのとほぼ同じじゃねーか。そんなのダメだ。 確かに現実の日本じゃ欲望を抑圧してマネキンと化すゲームがいたるところで行われているが、それによってできた「心の闇」は、絶対的不利な立場の者に対する「イジメ」によって発散されているのだ。実行の中心にいるのは間違いなく宗教である。そこに問題意識がなければ本当に優れた創作者とはいえない(肯定してはならない)。 パヤオが偉いのは、そうした陥穽に陥ることを(おそらく意識的に)回避して、別の次元へと昇華させるという力技(?)ができたからだ。社会、自分、他者(集団意識)によって作られるどうしようもないトリレンマを、ブレイク・スルーできるような気にさせてくれたわけね。んで、多くの観客の心の闇を解放したと。 前作から続いている、作品を貫く鬱のトーンは、突き抜けられない作者の鬱と同期してるんじゃねーかという気がする。ムチャクチャやって宗教や集団意識なんぞ蹴飛ばしてしまえばいいと思う。才能あるんだから、着地点は自分の身勝手すぎる欲望の果てに置けばよいのだ。判断するのは観客に任せておけ。おれが読み取っちゃる。 ちょっと書きすぎたかな。ま、一緒に見たハリウッドの大作より10倍おもしろかったことは事実だけどね。 【アンギラス】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-07-30 08:21:30) (笑:1票) |
59.《ネタバレ》 なんでしょうか、細田守監督の映画を観るときに気になってしまう違和感は。鑑賞後に考えてみたのですが、リアリティを追及した画作りをしているのにも関わらず、後半(と言いますかクライマックス)になるに従って、「細かいことはどうでもいいんだよ!」というばかりに物語の推進力だけで、強引に収束させてしまうからなんだなと言う結論に一応は至りました。 本作では前半の九太と熊徹が師弟関係を築いていく過程はとても良かったです。互いに互いを刺激し合うという理想の師弟関係だし、キャラクターの造形や世界観の構成にはリアリティを持たせるために努力したであろう箇所が山ほどあるし、そういう画を観ているだけで楽しかった。 これが後半からクライマックスにかけて崩壊していく。一郎彦が闇に囚われてしまって追いかけてくるのですが、急にクジラの形となって追いかけてくる。クジラになる意味は分かるけど(メルヴィルの『白鯨』、モヴィ・ディックはもう一人の自分の象徴という訳。私は『白鯨』はそういう作品じゃないと思いますが。)、物語上それは九太が図書館で『白鯨』を読んでいたのですから、九太側の話であって、一郎彦がクジラの形となるストーリー上の必要性は何もない。あるのは脚本家(細田守監督が兼任)の「まあそういうことだから観客も勝手に補完してね」という単なる甘えだけだ。熊徹が自身を付喪神に転生させることで九太の助けに駆けつける展開自体は別にいいのですが、そこでまた心の剣とかいう非常に抽象的な武器として出てくる。ここも同じく物語上の意味は分かる。ひとりでも生きていけると考えていた九太の心に、師匠である熊徹が親として彼を支えるという感動的なシーンだ。でもその心の剣が一郎彦に刺さるから何故物語がすべて解決するかという理由づけはまたもや放り出されている。 その様な勝手な脚本の都合に反して、説明口調な部分もとても多い。特にヒロインが終盤で演説口調で話し始めたのにはゲッソリしました。どちらにしても観客を少々舐めて映画を作っているのはないかと思えてしまう隙が多い作品でした。 【民朗】さん [映画館(邦画)] 7点(2015-07-27 20:43:41) (良:1票) |
58.《ネタバレ》 冒頭の「少林サッカー」のようなオープニングにワクワクしたんですが、 それがMAXであとはだらだらとテンションが降下していくようでした。 バケモノの暮らす「渋天街」に迷い込んだ孤独な主人公が、 熊徹の弟子になって修行していくくだりは、お約束と思いつつもワクワク。 しかし、強くなった主人公の戦う姿が、いまいち描かれていない。 意図的に隠すシーンもあって、アクションシーンが少ない。 ラスボスもぽっと出のような印象の一郎彦で、戦闘シーンに燃えなかった。 剣のつばぜり合いや拳をつき合わせて戦えば、スピードも迫力もあっただろうに、 クジラという擬態で襲い掛かってくるので、主人公達は逃げる一方。 ドラマを見せたいのか、アクションを見せたいのか、中途半端な感じ。 エンターテイメント映画を目指すなら、かっこいいシーンはきっちり見せてよと言いたい。 【kayoko】さん [映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2015-07-13 15:24:19) (良:1票) |
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57.《ネタバレ》 画はとても綺麗なんだけど、結局何を伝えたい物語かよくわからなかった。 蓮がオープニングで語られた渋天街に行くあたりは、千と千尋のよう。きっと渋天街の不思議な習慣とかが描かれて、最後は人間の世界に帰っていく…のかと思いきや、中盤でアッサリというか行ったり来たり出来てしまう。 渋天街の住人はバケモノなんだろうけど、人間+動物の組み合わせで、そして現在より少し古い、機械化されていない普通の生活をしている。熊徹の巨大化とか、一郎彦の念力とかあるけど、特段ガラパゴス的進化は感じられなかったかな。これがバケモノ?容姿が違うだけで人間と同じなんじゃ?…なんか、不謹慎だけど、見世物小屋の牛女とかを思い出してしまった。 渋天街も最初こそ個性を出そうと頑張ってたように思えたけど、結局人間界のちょい古い時代に落ち着いてたように思う。渋谷と繋がってるなら、車とかスマホ、パソコンなど便利な技術とか持ち込んでもおかしくない気がするけど、それはしない謎。 蓮の成長物語(成長はするけど)かと思えば、熊徹の勝負がクライマックスっぽく、最後の一郎彦との戦いは、2人の因縁が薄すぎて、まるでとってつけたかのような印象。 熊徹が剣になって九太と一心同体になるのって、どうだろう?蓮これからお父さんと暮らして(イライラしそう!)、楓との男女の関係も進んで(やりにくい!)、勉強もいっぱい(退屈そう!)するんでしょ?熊徹が中の人って…剣として子の中で生きるなら、猪王山の方が、闇落ちから復活した一郎彦の中で生きるストーリーの方が、きっと多分スッキリ出来ただろう。 楓もいまいち何がしたくて、なぜ蓮と一緒にいるのかもよくわからない。蓮の父親の存在も、出て行った過程や、母の死後すぐに連絡が取れなかった過程、母方の親戚に父親があれだけ嫌われる理由が、あれだけのシーンでは想像つかず。そしてイマイチ共感出来ず、どうにも消化不良。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-31 22:13:10) |
56.《ネタバレ》 9歳の九太のがんばりがすごすぎる。 私自身、部屋にホコリがたまれば仕方なく掃除をしたり、またはサボったり、毎夕には家族の好き嫌いを考慮した料理を作っているのに残されたりして、また明日同じことの繰り返し、あー家事って面倒だなあと思っていたけれど、何かを吸収しようとして自主的に弟子としての雑用(家事)をこなしている九太には、ガツン!とやられた。これだけ身を粉にして働きながら、格闘技の技もちゃっかり磨いていく。しかも、ルーティーン・ワークがしっかり九太のメンタルを鍛えているのが観ていてすごくよくわかる。現実の世界に戻って来て、いきなりメルヴィルの『白鯨』を選ぶのは、いくらなんでも優秀過ぎると思ったけれど、好奇心の強い彼が楓を通してどんどん知識を吸収していく様は、見ていて清々しかった。目的をもって暮らすことの大切さを、まぶしいほどガンガン教えられた。 ただ、それ以外ではイライラすることが多かった。バケモノたちの豚鼻が気になって仕方なかったし、何よりキャラクターの名前がいけない。映画を観終わった後、HPで全キャラ名を見て改めてびっくりした。熊徹(くまてつ)はいいとして、多々良に百秋坊、猪王山に至っては、〝いおうぜん〟。無茶だよ。アニメだから、視聴者は当然耳からその名を知ることになるけれど、この発音で「いのしし」をイメージするのは無理。視聴中、キャラ名をほとんど知らずに物語を追っていた(あのちっちゃいモフモフがチコ・・・)。要するに、キャラ1人1人に思い入れることなく、話さえ分かれば十分だった自分に気がつき、少々呆然。 それにヒロインの楓。共感するのが本当に難しい。図書館で騒々しい級友たちを諫めることも、「暴力はよくない」とひと言入れることも、高学歴をめざして独り立ちする夢を持っていることも素晴らしい。でも、絵に描いたようなクセのない模範生。チャーミングなウィークポイントに乏しく、意外性が何もないから全然惹き込まれない。親の期待が大きすぎるって、そんなの進学校に通う生徒なら当たり前でしょ。 それから、多々良と百秋坊。要らないと思う。熊徹と九太の成長を実況中継するだけの存在。熊徹と九太2人だけで凸凹しながら意思疎通していけば、充分すっきりするのに。 それに、一郎彦。九太に斬られて、バケモノ界のベッドで目覚めて、・・・・・・何か成長していることになってる? それに、人間界とバケモノ界の時制が一致していて残念。九太が青年になって人間界に戻ったら、そこではほとんど時間は経っていなかった、くらいのズレが欲しかった。たとえば、再会したお父さんは成長した息子に驚愕していても楓にはその違和感がわからない、というちぐはぐさがあれば面白かったと思う。 最後に、武器は日本刀って・・・・・・なんか本当に恥ずかしい。何でここに日本色をわざわざもってくる必要があるのかわからない。せっかく異次元の世界が展開しているんだし、オリジナルの武器をデザインしてほしかった。 クライマックスの妖術によるマッコウクジラ戦は迫力満点で青い光が美しく、本当に見ごたえがあった。初めに東京の街のアスファルトを黒い巨体が現れたとき、『天使のたまご』に出てくるプロジェクション・マッピング張りの、建築物の壁面で泳ぐ巨大魚の既視感があった。あれからアニメーションの技術はこれほどまでに進化したのかと目を見張るものがあり、今でも何度も見なおしたくなるシーンだけれど、熊徹の情熱を表す赤い光が流れ込んできたとき、ぶっちゃけて言うと・・・・・・もう、本当にうっとうしかった。この美しい映像を、親子の熱い絆とかのベタなストーリーに絡ませてもらいたくなかった。日本版『ファンタジア』として、ただただ映像美に酔いしれていたかったなあ。 【tony】さん [インターネット(邦画)] 6点(2021-07-18 21:49:13) |
55.序盤の流れや世界観が「千と千尋」を彷彿とさせて、 「あ、これ大丈夫かな…」と心配になったものの 結果的には杞憂で終わって良かった。 どちらも不器用で未熟な、師匠と弟子。 ふたりが共に成長をし、絆を紡いでいくお話。 その光景はなかなかに感動で、うるっときました。 話の筋道や展開がよく出来てて、意外性や伏線などもしっかり。 これが出来たのに、次作の「未来のミライ」はどうして… 声優ではなく、役所広司の「役者」としての幅の広さを見た気がする。 【愛野弾丸】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-04-25 21:32:45) |
54.《ネタバレ》 異世界に慣れるまでの前半はまあまあ面白かったが 後半、特にラストの展開はなんだかなぁといった具合で 声優のうまい下手以前に脚本がおかしい。 新作が出る度にどんどん評価の下がる珍しい監督。 ↑こちらが以前書いた、3点のレビュー。 今テレビでやってるのを見たら、プロットはすごくいいじゃん、と。 ほんとこの人はいい脚本家と組めばパヤオは越せなくても 某エヴァの人とか某名前をきいてくる人には勝てると思うんだがね。 やたら説明口調で説明で終始してしまうのは 本人の力量もあるでしょうけれど、ほんと、惜しい。 広瀬すずの演技が一部で叩かれてますけど、 逆に言えばリリーフランキーとかリリーフランキーとか リリーフランキーとかの演技は誰も文句を言わないレベルでさ。 とりあえず次公開の映画は見に行く予定ではあるので あまり大きな期待はしないでおく、7点。 あ、一つだけ、戦いのラストはFF7のオマージュですか? FF7で見たときも妙に変で印象的だったのでものすごーく似てると思う。 あとどうでもいいですが鯨の声がリゼロの白鯨と同じな件。 それと、自分がバケモノであれば「バケモノの子」だなんては言わないよねっていう。 だから「バケモノの子」なんだな、いいタイトルやん。 【にんじん】さん [地上波(邦画)] 7点(2019-07-08 08:25:47) |
53.《ネタバレ》 渋谷が実に描写が細かく、映像的には見ごたえありました。 ただ、バケモノの街?の方はそれほど魅力的には感じず。 役所広司は以外と良かったと思います。ずっと怒鳴り散らしてる役だったから、声潰れただろうな(笑)。 【あろえりーな】さん [地上波(邦画)] 6点(2018-09-03 21:15:38) |
52.《ネタバレ》 熊鉄や主人公の存在が魅力的で、世界観は良い。 こういう歯に絹を着せない、ぶっきらぼうだけど愛のある会話って好きだな。 声が広瀬すずのヒロインもいろいろ叩かれているけど、しっかりマッチしていて自分の目には魅力的に映った。 ただ、一郎彦が暴走するあたりから、意味不明なシーンが多くなるのは残念。 せっかく強くなった主人公が活躍するよう、もっとストレートに対決させて良かったと思う。 【mhiro】さん [地上波(邦画)] 6点(2018-07-28 21:35:41) |
51.私は、自他ともに認める王道大好き人間です。なので、ある程度、話題になった映画であれば、そこそこ楽しめるタイプです。 ベタだろうが、出来すぎじゃない?って感じだろうが、OK!映画だから。というタイプの人間です。 でも、だめでした。。残念でした。 唐突すぎる展開に見てて疲れてしまった。 アニメなのに、キャラが好きになれない。。誰一人。ヒロインも見ててイライラするし。。 なんだろう、この感覚、最近も味わったことあるような。。 と思ったら、時かけと同じ感覚なんです。 サマーウォーズも好きになれなかったし、相性というものがあるんですね。納得しました。 今後の映画を見る基準のひとつにします。 最後の悪役が変わるところは、もののけっぽい感じがしてしまったんですけど、、 私だけなのかなー。 【うらわっこ】さん [地上波(邦画)] 2点(2018-07-28 17:57:29) |
50.地上波見ながら「声優全員素人並みに下手糞だからこれジブリだな~。じゃあしょうがないか。」とセルフで騙されてた。この監督誰?やたら説明文多くて下手。検索したら以前私が0点つけた作品の人でした。納得。 |
49.細田守監督の作品は本当にハズレがない。 単純な娯楽映画としても楽しめる。 過去の作品が抜群に良かったのでハードルは高いが、期待にはしっかり応えてくれる。 【バッジョ】さん [地上波(邦画)] 7点(2018-06-10 08:45:30) |
48.脚本はいろんなものを詰め込みすぎじゃない? 最大の欠点は、キャラクターに魅力がないこと。 途中何度も観るのを挫折しそうになった・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 4点(2018-01-07 10:52:51) |