湯を沸かすほどの熱い愛のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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湯を沸かすほどの熱い愛

[ユヲワカスホドノアツイアイ]
2016年上映時間:125分
平均点:6.27 / 10(Review 37人) (点数分布表示)
公開開始日(2016-10-29)
ドラマ
新規登録(2016-07-11)【DAIMETAL】さん
タイトル情報更新(2017-09-17)【かっぱ堰】さん
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監督中野量太
キャスト宮沢りえ(女優)幸野双葉
杉咲花(女優)幸野安澄
篠原ゆき子(女優)酒巻君江
駿河太郎(男優)滝本
伊東蒼(女優)片瀬鮎子
松原菜野花(女優)宮田留美
りりィ(女優)向田都子
松坂桃李(男優)向井拓海
オダギリジョー(男優)幸野一浩
脚本中野量太
撮影池内義浩
製作クロックワークス(「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会)
テレビ東京(「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会)
プロデューサー福田一平(エグゼクティブプロデューサー)
配給クロックワークス
美術三ツ松けいこ
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【クチコミ・感想】

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12
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37.《ネタバレ》 双葉、安澄、鮎子。奇しくも全員が母親に捨てられた子たち。タイトルからラブストーリーなのかなと思って見始めましたが、この映画はそんな彼女たちのきずなや生き方を描いた物語。

安澄のイジメに始まり、おかあちゃんの病気、父親の発見とその連れ子との共同生活、銭湯の再開、旅での出会いなどなど・・・見終わってみて、ほんの2時間くらいの映画にここまで色んな出来事があったのかと驚くほどたくさんのエッセンスが凝縮され、それでいて時間を忘れるほど話に見入ってしまいました。

4つものシーンで泣いてしまいました。制服を取り返した安澄がお母ちゃんと抱き合うところ、鮎子の朝食のしゃぶしゃぶでの言葉、君江さんの「何故手話を?」に対して安澄が返した言葉、そして双葉の「死にたくないよ」
特に心打たれたのは、絞り出すように話す鮎子の「これからは一生懸命働きます。だから、できればでいいから、ここにいさせてください」「でもママのこともまだ好きでもいいですか?」という台詞だった。これを言えば本当の子供でもない自分はここを追い出されるかもしれない、などとたくさん悩んだであろう心の葛藤が見ているほうにも刺さるように伝わりました。
さらに安澄と君江の、「なぜ手話を?」「母が、いつかきっと役に立つ時が来るから」「勉強しときなさいって」というシーンにはやられた。こんないい話、反則だ。

文字で書くとなんだか単調になってしまうが、改めて見直すと鮎子や安澄、君江の感情がやはりひしひしと伝わってくる。迫真の演技だと思う。演技なんて言うとかえって失礼ではないかと思うほどに。単調になってしまうのは多分に自分の文章の拙さゆえもありますが。

そして最後、9点くらいかなぁと思っていた自分の点数が、あのラストによって10点になってしまいました。賛否ありそうですが、逆にそれでこそ映画!って締め方で良かったと思います。

双葉、ここにあり。

ですね。
TANTOさん [インターネット(邦画)] 10点(2022-02-04 22:26:22)(良:2票)
36.《ネタバレ》 中野量太 脚本、監督 作品..この映画の脚本には、難がある..登場人物たちの言動がとても変でおかしい..序盤、絵の具をかけられ、双葉 が学校に駆けつけ、最初に発した言葉が、「何色が好き?」..この台詞を聞いた瞬間、「んっ?」って思った、そのまま観ていくと..ダメだこりゃ..って、気づいてしまった..脚本がダメダメ、普通の人の感覚とは、かなりズレがある..(さらに都合良過ぎてリアリティーゼロ) 変なところを書き出してみる → 安澄 は、母親のことを 「お母ちゃん」 と呼ぶ→ いつの時代の話だ? 今時、そんな呼び方をする娘はいないだろ..(田舎をバカにしてるのか?) 安澄 が いじめ にあっているわけだが、いじめ の対象になる要素がまったく無い→ いじめ ありきになっている(性格も良いし、容姿も普通、物語の都合でそうなっているとしか考えられない).. 双葉 は、安澄 に、いじめ に立ち向かえ、学校に行け、と言うが..→ いじめ をしている奴が悪いのだから、親として、それを排除する方が先でしょう! 安澄 が意を決して いじめ に対抗する手段が、服を脱ぐ って..→ 陳腐、理解不能..→ それで制服が返ってくるって、どういうこと? (こんなやわな奴らが、あんな陰湿であからさまないじめは、しないだろう) 鮎子 がアパートの玄関で母親を待ってて、双葉 が駆け寄ると、おもらし..→ これは監督の実体験か?(こんなことってあるのか?) 次の朝、鮎子 が、ここで暮らしたいと言うが→ あんな敬語をつかった長々とした台詞を言うか? 小学生が.. 拓海(松坂桃李)→ 何であんなに都合よく現れた?(そもそもこの物語に必要か?) 拓海 の境遇を知って、双葉 は突然、拓海 を抱きしめる..→ オイオイ、普通そんなことするか?(ここは日本だろ、欧米じゃあるまいし、洋画の観過ぎだ) 銭湯、いまだに薪を使ってる?→ 石油とかガスじゃないの?(調達するにも、経済的にも、大変だろ) 銭湯を再開したら、何事も無かったように客がたくさん風呂にやってくる→ 1年も休んでて、何で客がくるの?(みんな別の風呂を確保してるでしょ? そもそも銭湯の需要なんてないし) 探偵の 滝本 親子→ 何でいつも親子で行動してるの?(仕事中は子供じゃまでしょ) 一浩 の真夜中の人間ピラミッド→ 陳腐..(笑えない、感動もない) 最後の 双葉 の病床シーン..→ リアル過ぎて、怖い..(きれいに死なせてやれよ) 問題のラスト!→ “ ナイ ” でしょう~..風呂の釜で、火葬なんて..それで、みんなで、お風呂に入る?..→ う~ん、ホラーだ..理解不能(-3点).. このよに、変なところだらけ..監督の素養や性格がひねくれているのか、実体験があるのか、知るところではないが、リアリティーを求めている割には、かなり常識から離れてしまっている..それは、個性だし、その人の感性ではあるが、本作では、使い方を間違っている、残念.. 最後に良かったシーンを一つだけ→ 安澄 が産みの親と再会し、手話で会話をするシーン..(ここだけは共感した)
コナンが一番さん [DVD(邦画)] 2点(2017-05-05 11:40:20)(良:2票)
35.《ネタバレ》 なんともやっかいな映画でしたね。
超絶感動できるところもあり、なんじゃそりゃってのもあり。
でも、まぁ、映画なわけだし。
なにかを考えるきっかけを与えてくれる、いい映画でした。
そもそも映画を人に薦めるのって苦手だけど、これなんか、まさにそんな感じ。
ろにまささん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-04 00:35:23)(良:1票)
34.《ネタバレ》 この映画に出てくる人物は全て過去に家庭において不幸を背負っている。
そして他にもいじめであったり、病気であったりと登場人物を取り巻く不幸は絶えることがない。
しかし、逃げずに戦うという力技で過去の関係は精算され、対人関係は好転する。
家族を取り巻く都合の良すぎる不幸と都合の良すぎる善意。
いじめの加害者、双葉の母親、鮎子の母親という家族以外の人物は悪意の塊となり、家族の結びつきを強めるバックグラウンドとしてしか描かれない。
店内で、いきなり客が店員にビンタをしたら、食事中の他の客はどう思うだろう。夜病院の外で大声で楽しそうに叫んでいる人がいたら、今息を引き取ろうとしている他の患者の家族はどう思うのか。
あの葬式に対して近所の人は、今後銭湯を利用する人はどう思うのか。
拓海、君江、探偵とその娘も含めた広い意味での家族以外は、悪意で塗り固められ、ただの背景になってしまう世界。家族以外の他人に対する思いやり、想像力が欠けた世界。それらが、何の後ろめたさもなく”良き事”とされてしまう自体。
その内向きで閉じられた世界観が、ひたすら気持ち悪かった。
ちゃじじさん [DVD(邦画)] 2点(2017-07-29 23:11:47)(良:1票)
33.《ネタバレ》 最後までイッキに観せてしまう編集の巧さや、役者陣の芸達者ぶりなど、たしかに観て損はない作品。ただ、宮沢りえのお母さんがあまりにも自分勝手というか、私が絶対に正しいみたいな、あの強引さはちょっとどうなのかと感じた。いつまた発作が起きるか分からないのに、子供たちを乗せて車を運転するとか、いじめられてるのを知ってるのに半ば無理強いをしてに学校に行かせたり、新しい人生を歩んでいる人の所に出向いて、自分のエゴを押し付けたり、とにかくすべて自分本位。結果的に丸く収まってったから良かったものの、最悪の場合だってありえたわけで、そこんところがどうも、都合良すぎた感は否めません。それと登場人物のほとんどが親となにかしら離別しているっていうのも、ゲップが出るほど腹一杯で飽和状態。さすがに盛りすぎでしょう。

ただ、ここまでダメ出しをしてきましたが、それでもこの映画は今の社会で失われつつある、人とのつながりを再認識さてくれたし、なによりも昭和の肝っ玉母さんを思い出して、古き良き時代を垣間見れたことは、個人的には良かった点でもある。まあ昭和の時代の作品て、けっこうハチャメチャでしたからね。

奇しくも、良かった点と悪かった点が同じという、なんとも奇妙な現象が起きてしまいましたが、それだけある意味、一筋縄ではいかない作品だったということなんでしょう。
Dream kerokeroさん [DVD(邦画)] 6点(2017-06-16 06:32:02)(良:1票)
32.《ネタバレ》 最後、まさか、火葬場じゃなくて、りえの遺体を風呂場で燃やして、残った家族で風呂に入っているんじゃないですよね(違法だし)。煙突からやたら赤い煙が出ているところは天国と地獄を思い出しました。夫が、何故、15年前に聾唖の美人女性と結婚し、その女性が生まれた子供の声を聞くことができなくて夫を去ったことは理解できないし、別れてすぐ美人の女性(宮沢りえ)と再婚できたのはしゃくだし、そのくせ、浮気して子供(鮎子)をもうけ、偶然、その浮気相手に再開して、急に蒸発したかと思えば、その浮気相手に逃げられており、夫は平然とりえの元に戻るのだが、今度はりえが病気で入院したら、聾唖の女が夫が住む家に出入りしてるって(まさか愛し合ったんじゃないよな)、オダギリジョーの周りの女たち、何が何やら、もう、めちゃくちゃでござりますがな。そして、女ばっかりの旅行中に簡単に見知らぬ男を車に乗せ、あげく、この男が、フーテンの寅さんみたいに、ふらっとりえの家を訪ねてきて、夫より先に食卓にどーんと座っているなんて、、、そんなアホな。りえと違って本当の難病で、老い先短い私の残り少ない貴重な2時間を返して欲しいです。
黒部の太陽さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-12-27 15:31:04)
31.《ネタバレ》 難病映画は好きじゃないのですが、この作品は違いました。宮沢りえの元気に周りを引っ張る姿から、徐々に弱って臨終間際の姿までしっかり描いてくれたものだから思い入れ出来るし応援したくなりました。人間ピラミッドとか普通は失笑ものなんですが。
次郎丸三郎さん [DVD(邦画)] 8点(2023-12-04 23:44:37)
30.《ネタバレ》 直情的な主人公にちょっとついていけなかった。夫がだらしないとこうなってしまうのだろうが。他方、「家出記念日」に毎年カニを送る元母の神経もよくわからない。花ちゃんの演技はよかったかな。
東京50km圏道路地図さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2023-05-10 14:38:09)
29.《ネタバレ》 設定だけならば凡作に陥っていてもおかしくないのですが、作中の家族同様、やはりりえちゃんが偉大でした。周りの全員の芝居を全部受け止めて、一本の柱として画面内に存在しています。しかしそれに加えて、杉咲花ちゃんの、各シーンの意味を的確に理解した演技力にもびっくりしました。りえちゃんも大いに刺激されていたんじゃないでしょうか。●脚本は、全体的に台詞抑えめなのには好感が持てますが(子供たちが「ママ」とか言わないのも良い)、作為的なところもかなり目につきます。特に、拓海君の登場とその後の処理とかね。探偵が娘を連れて仕事をしているというのもかなり強引ですが、これは、ピラミッドのシーンの「横にちょこんといる娘」の構図を撮りたかったのでしょう。そういう発想は嫌いではありません。●あと、性的な描写が多めなのは意図的と思われますが(娘達に番台業務をさせるとか、直接的でないものも含め)、それ自体は悪いことではないものの、やはり、「妹のパンツを回収せずにドアノブ引っかけ放置」と、「子供2人に対していきなりラブホ話」だけはいかがなものかと思いました。そもそも脚本上も必要ないし。
Oliasさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2023-05-07 01:21:58)
28.(※すみません。貶します。バッドボタンの代わりに(笑)をいくつでも押してくださって構いません)

えーとこれ、女子中学生くらいの女の子が原作し脚本書いたみたいな映画だと思いました。タイトルからして【愛】とか。イの一番の関心事でしょうし。長ったらしくするセンスとか。或いは脚本サークル?。こんなエピって受けるよねー。ここでイケメン出しとこうよ。キャーこれ泣けるーとか考えたのかと。

私の悪癖でくどくど書きたいけど手短にしますが、出来事がなんもかも安直で。
いかにも中学生くらいの年ごろのオンナのコが関心持ちそうな悲劇のてんこ盛りで。

何も悪い事してないのにクラスで意地悪されたり仲直りできたり。何も努力しないのに人畜無害なイケメンが出現して癒してくれたり。不治の病とか出生の秘密とか。で、最後は血の繋がりより心だよねーとかの流れで家族の絆で乗り越えましたとか。

まあ、スイーツ食べる感覚の映画なのでオッサンが文句言うのは場違いでしょう多分。

にしても、日常の出来事を題材にする邦画って、どうしてこう、状況を薄暗くして視認し難くし、役者のセリフ回しをボソボソと聞き取り難く撮るんだろうか。
役者の魂さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2023-04-25 15:52:03)
27.《ネタバレ》 オダギリジョーは何故、緩和施設に見舞いに行かなかったのか。
怖かったからか。

この映画を見て改めて思った。
私はカミさんより先に死にたいぞ、と。

ところでラスト。
銭湯で燃やして、その熱で家族全員で銭湯に入るヤツ。
ギャグなのかマジなのか知らないが、そのセンスについていけず。
にじばぶさん [インターネット(邦画)] 3点(2023-02-12 02:12:22)
26.涙もろい私が泣かなかった。

私は映画に過度のリアリティーは求めていないが、いじめに対抗して下着姿になる、いじめられた娘に「何色が好き?」、短時間しか接していないヒッチハイクの青年とのかかわり方等のシーンが全く私には理解できなかった。

女優陣の演技はとてもよかったと思います。
まっかさん [インターネット(邦画)] 5点(2022-03-21 23:22:59)
25.タイトルからやかんで沸かすイメージで見始めたけど、実際にはボイラーだったので、その熱量は凄い。
いろいろと詰め込み過ぎで、1つ1つのエピソードは薄っぺらい。
最初はいじめをテーマにした作品かと思ったけど、序盤であっさり解決。
次から次へと不幸が訪れるので、不幸の湯に変更した方がいいと思う。
それでも、いい役者を使ってるので、要所要所で泣かされる。
葬式を銭湯でするのも斬新。
2人乗りとか、器物損壊とか、児童労働とか、犯罪だらけの話だけど、ラストのオチも犯罪で纏まっていて良かった。
銭湯の煙突から煙が昇っているのを見る度に感慨深い気持ちになりそうです。
もとやさん [地上波(邦画)] 6点(2021-08-27 13:54:54)
24.《ネタバレ》 不幸な人々が登場しすぎて設定同士がぶつかってる。登場人物のほとんどが親に捨てられたり親を亡くしてたり、障害を持ってたり、不治の病だったりで流石に食傷気味になってくる。もっと登場人物を絞って深く内面を描いた作品のほうが好み。娘がいじめを克服するシーンだけは感動した。
Nigさん [インターネット(邦画)] 5点(2021-08-12 02:25:08)
23.《ネタバレ》 余命わずかのアタシ、周りはダメな人ばっかり。気性の激しいアタシ、風呂屋の女将にして怒り沸騰。愛のムチを幾度となく振り回す。不器用ながらもその人たちなりに懸命に生きてアタシの下、一致団結。三段ピラミッド完成だい。刻々と迫る最期の時。悲愴感漂う死に際。皆に愛されたアタシを宮沢りえが熱演。杉咲花、ちんちくりんながらも体当たり名演技。銭湯の煙突から立ち昇る愛の煙、心温まる家族ドラマ。良作。
獅子-平常心さん [DVD(邦画)] 7点(2021-01-04 01:57:10)
22.めちゃくちゃ良い映画だった。
心が暖まるどころか、熱い家族愛。
「湯を沸かすほど」はダテじゃなかった

序盤から最後まで、泣くわ泣くわ。
濃密なヒューマンドラマの映画でした。
杉咲花が思った以上にすげー良かった
愛野弾丸さん [レーザーディスク(邦画)] 8点(2020-12-20 18:57:36)
21.《ネタバレ》 母親とは何だろうか。
“腹を痛めて産んだ子だから可愛いんだ。”よく聞く台詞だが、宮沢りえが演じるこの「母」もそうだと思っていた。

「お母ちゃんの遺伝子ちょこっとだけあった。」そう言って涙ぐみながら強く微笑む娘の姿にこの「母」の血が流れていることを疑わなかったのだ。自分は。

しかし物語が進む内にそうではなかったことが描かれる。そうだ。手話を知っている娘の姿があった。あれはこの為だったのだ。この「母」はどういう想いで手話を習わせたのだろうか。それを思うともう涙が止まらない。

ただの「母」の物語ではない。綺麗なことばかり描いているわけでもないし、暴力的なところもある。でも人間なんてそんなグチャグチャな想いで溢れている生き物だろうという作り方がいっそ清々しい。

余命が短いと知った母親が用意したものは新しい家族の形。それは全てが彼女の意図したものではないが、彼女の行動によってもたらされたものに違いない。最後にここまでしてくれる彼女を呼ぶのに「母」以外の呼び方などあるはずがないのだ。
さん [インターネット(邦画)] 8点(2019-08-16 09:22:10)
20.《ネタバレ》 宮沢りえが幸薄くも愛の深い女性を好演。捨てられて捜し求めた母に、やっと会えると思ったのに拒絶される。
でも、自分は周りの人たちに愛を与え続ける。いじめで不登校になった安澄を厳しく叱りながらもそれに立ち向かう強さを教える。
真実を隠して安澄を自分の子として育てながら、耳の不自由な実母と会話ができるようにと手話を習わせておく。
浮気性の夫も、引き取った血の繋がらない子供たちも、仕事の依頼で関わった探偵も、双葉の慈愛に動かされている。
末期ガンと診断されてからの物語となると、ありきたりな感動押し売りになりがちで醒めてしまうことがよくある。
でも、この作品はそういう押し付けがましさは感じず、素直に入り込めた。エピソードの中には出来すぎだと思うものもあるけれど。
イジメに対抗して教室で制服を脱いだとしても、現実ならそれでイジメが止むどころか更にネタにされるだけのような気はする。
飛鳥さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-19 19:56:21)
19.《ネタバレ》 親から継いだ銭湯を営む夫が1年前に遁走し、やむなくパートで働きながら娘を育てる「お母ちゃん」を、宮沢りえが文字通り「熱演」している。
そのお母ちゃんが末期がんと診断されてからの、約3か月を描いた作品。

本作では、どこにでもありそうな家庭の雰囲気を上手く表現している。
洋画に対する邦画のひとつの優位性は、この「どこにでもありそうな」画を通して、観客を作品世界に誘いやすいことだが、
特に家での食事シーンなどは、家族ならではの会話や独特の間などに、俳優や脚本(監督)の力量を感じる。

高校で陰湿ないじめに遭う娘に「今逃げたらずっと逃げることになる」「お母ちゃんにはわからない」「いやわかる」「わからない!」「わかる!」
このやりとりだけで、お母ちゃんもかつていじめを受けていたことが暗示される。
普通なら、戸惑いのなか中途半端な同情から甘やかしてしまうところを「お母ちゃん」は決して妥協せずに娘の背中を押す。

産みの母の迎えを待ち続ける(夫と他人の間に生まれた)子を真剣に気遣い、明るく受け入れるお母ちゃん。

突然家からいなくなった夫を許したのも、すべて自分がいなくなった後の家族を考えての事。

夫婦問題やいじめ、複雑な家庭環境といった不遇な人生を経験した人間なら、彼らの喜怒哀楽が画面の向こうの出来事とは映らないだろう。
(本作では、これらを演じる俳優陣の演技力も相当に高いことも付言しておきたい)

そして、物語が進むにつれて、それらのお母ちゃんの愛が「湯を沸かすほどの熱い愛」だったことに気付いていく流れも秀逸。

娘に買ったブラジャーや、毎年同じ日に届く「タカアシガニ」、たびたび食卓に登場する「しゃぶしゃぶ」といった小道具も上手く活用している。
(ちなみにこの「しゃぶしゃぶ」の湯も暗示的ではある)

そして、最終盤には、このお母ちゃんにも、はやり不遇な過去があったことが示されるくだりでは、胸が痛くなった。

最後のオチも含め、この家族の行動には現実離れしているところも多いが、私は映画表現として問題なく受け入れられた。
そして観終わった後は、(湯を沸かすほどではないにしろ)自分の心もお母ちゃんにほのかに暖められていたことに気付く本作は、久しぶりに観てよかったと思える作品だった。
田吾作さん [インターネット(邦画)] 8点(2019-06-09 20:04:48)
18.逃げなければ地獄のような日々が延々と続く陰湿ないじめなんて世の中にはいくらでもあるので、この映画を真に受けてしまって最悪の状況に追い込まれる人が出ないことを祈ります。リアリティと正論だけを追い求めると違和感だらけですが、物語が進むにつれてツボを押さえているのか心に刺さってきます。銭湯での葬儀もなかなかキマッてましたが、タイトルの真意を彷彿させるラストにはビックリ。主演と助演の女優さんお見事でした。
ProPaceさん [地上波(邦画)] 7点(2019-06-06 00:07:05)
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【点数情報】

Review人数 37人
平均点数 6.27点
000.00%
100.00%
225.41%
325.41%
425.41%
5718.92%
6513.51%
71027.03%
8513.51%
912.70%
1038.11%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 6.00点 Review4人
3 鑑賞後の後味 6.33点 Review3人
4 音楽評価 8.00点 Review1人
5 感泣評価 6.66点 Review3人
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