1.《ネタバレ》 変なものを見てしまった。
本来はアイドル・グラドルなど若手女子多数を揃えて無人島で殺し合いをさせるだけの企画だったのだろうが、この映画ではさらに若年者の自殺という変に重たい問題意識で肉付けしており、その肉付けがまた変に分厚いので非常に困惑させられる。
そもそも女子高生が無惨に殺されるのを見て喜ぶ映画自体が人倫に反するわけで、同様の枠組みで生命の意味を語る映画としては「人狼ゲーム」シリーズ(2013~2018)の例もなくはないが、この企画に関しては最初から動機のいかがわしさが臭うようで素直に受け取れない。キャストが女子限定か男女混合かだけでも印象が違う。
最終的には真面目な意図で作られたことも否定し切れなかったが、しかしネット上にあった公式サイトの残骸のようなものを見ると、“アイドル映画で何が悪い”と開き直っていたのが癇に障ったので、ここは順当にアイドル映画としての点数にしておく。映画製作に良心など期待するものではない。
ちなみにロケーション協力の愛知県豊橋市のイメージ向上にもつながっていない。
キャストに関しては知らない人が多いが、主演の外岡えりかという人は別の映画でネコ役をしていたのを見たことがある。また遠藤舞という人も同じネコ映画その他で見たことがあったので、あらかじめ若干の期待もなくはなかったが出番は少ない。
以上2人は当時のアイドルグループ「アイドリング!!!」所属だが、ほかにメディア主催のタレント発掘企画(ミスマガジン、日テレジェニックなど)からの出演者もいて、うち3人はそれぞれに焦点を当てたメイキングDVDが出ていたりする(今も売っている)。10年前の時点ではそういう方面からの期待もあったらしい。
なお個人的にはチヒロ(母親と対立していた少女)役の藤沢玲花という人の顔が印象に残った。この人はもともと役者志向だったようで、これ以前から仮面ライダーとか「山桜」(2008)とかにいろいろ出演しており、短編映画「ワタシのすみか」(2011年、小澤雅人監督)というのは今もネット動画で見られる。現在はプライベートでご多用中のようだが女優としての活動も続けているらしい。