1.《ネタバレ》 原作のコミックとアニメ化された作品は未読・未見です。
ライトなノリで楽しい作品ですが個人的には少々惜しいかなと。主人公がゾンビに追われながらも会社に遅刻しそうなことを心配しているという社畜ぶりの予告編を見て、これは米英の名作ゾンビコメディに迫る佳作か?!と期待しましたが、残念ながらそうは行きませんでした。
ソンビの世界になってマンションに籠る姿や理想の地を求めて旅する姿、目的地では主人公の上司が力でコミュニティを支配しセキュリティ用にゾンビを利用している…などなど、既視感あるあるのシーンが多出。パロディ感ではなく焼き直し感を感じざるを得なかったというのが正直な感想です。和製ゾンビ・コメディとしてのオリジナリティを発揮して欲しかったです。社畜状態の新人サラリーマンを主人公に据えたところは良かったのですが…。
唯一オリジナルアイディアを感じたのはゾンビ鮫。それ自体はこれまた既に映像化されてはいますが、本作のゾンビ鮫は何と食った人間のゾンビ化した足が腹から生えていて、自由自在に陸上を歩き回る!これは新鮮です。サメ映画ではヒレで歩いたり他の動物と合体して足が生えてるというのはありますが、食った人間の一部を活用するというのは思いもしませんでした。サメ映画専門の監督さんたちは、本作をご覧になられたでしょうか?ざわめきが聞こえそうです。
ただし、本作はあくまでもゾンビコメディであってサメ映画ではないのでしょうから、サメのアレンジだけでは素直には喜べない訳でして、更にメインテーマであろう主人公の人間的成長(そもそもタイトルからしてパロディですね)の描き方も少々控え目になっているかなと。
ゾンビのメイクや演技は海外の人気作と遜色ないぐらいのクオリティだけに、もっと笑わせて欲しかったし感動させて欲しかったという残念な作品でした。