42.《ネタバレ》 保安官の夫を酔った黒人少年の発砲事故で失ったエドナが、二人の子供を抱えて途方に暮れる。 銀行家から借金返済に自宅売却を迫られる中、銀食器を盗んだ流れ者の黒人モーゼス、戦争で盲人になったウィルとともに家を守ろうと奮闘する姿に引き込まれていく。 銀行家の兄から厄介払いのようにエドナ宅に下宿させられたウィルが、次第に心を開いていく様子が微笑ましい。 エドナ、モーゼス、ウィルは、みんな社会的弱者だが、力を合わせて綿花栽培で窮地を切り抜けた。かと思えば、KKKにモーゼスが狙われ、追い出されるハメに。 偏見や悪意を自覚している者はなく、誰もが自分が正しいと思っての顛末で、当時の現実を突きつけられる。 この軸になるストーリーで十分なのに、なぜ本筋から外れるようなエドナの姉の不倫話を入れたのか。 この部分だけは面白くもないし、必要だとは思えない。 ラストの教会の場面では、逃亡したはずのモーゼスの姿があって「あれ?」と思ったが、続いて射殺された夫や報復で虐殺された黒人少年の姿も映されて現実ではないことがわかる。 こうあれば良かったのにという理想を提示したようで、現実との対比に余韻が残る。 【飛鳥】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-09-13 22:34:40) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 芸達者一堂に介しての人生譚、終始地味な展開ですが見応えは有りました。 妙に若いジョン・マルコビッチが何だか可笑しかった。 KKKの描写はいつ観ても辛いです。 アメリカに奴隷制が有った時代に、本作で描かれた様な白人と黒人が協力して難局を乗り切る様な話は実際に有った様です。 この様な作品をほぼ定期的に制作し世に送り続けるアメリカ映画界、私はこれらの流れは『奴隷制と言う酷い事をしてしまった事への反省』と言う大きな自省の思いがアメリカ人に有るからと思っています。 翻って、勝ち戦=自省など無用の第二次世界大戦に関してはこの手の内省的な作品は殆ど見かけません。 (こういう意味で「プライベート・ライアン」って実は物凄く画期的な作品だったと思います) これがベトナム戦争になると途端に内省的な作品が増えるのも興味深いです。 戦争って何なんだろうと思います。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-21 09:05:52) |
40.時代はまったく違いますが、大昔に見たTVドラマ「大草原の小さな家」と雰囲気がよく似ています。ただし同ドラマはリアル家族の奮闘物語でしたが、こちらは疑似家族。それでも血の繋がりを超えた結束が胸を打ちます。ダニー・グローバーとマルコヴィッチの味がいい。他の方も指摘しているとおり、エド・ハリスの存在感は微妙でしたが。 驚いたのはラスト。それまでのストーリーをぶち壊しかねない演出でした。何らかの宗教的な意図が込められているのかも知れませんが、無宗教の私には理解不能。まあ暖かい身持ちになれたので、これはこれでアリかなという気もしますが。 それにしても、サリー・フィールドっていい役者だったんですね。かつて見た「ER」の狂気の母親役の印象が強くて、そういう役ばかり演じているのかと思っていました。失礼しました。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-29 01:49:18) |
39.《ネタバレ》 余程ひねくれていない限り、ああふつうにいい話だ、と思うのではないでしょうか。女手ひとつで家を切り盛りしなければならなくなったエドナと周囲の人たちの人生ドラマですが、これがキレイすぎず、クサくも無くシンプルな描き方で好感が持てました。 画が明るくて清潔なので悲愴感は漂わないですが、借金が発覚したり、大陸規模の激甚災害に襲われたりで、自分だったらどうしようと思っちゃうほどスポルディング夫人の状況はキビシイ。おまけに身内である姉夫婦の内実は不倫が進行中で、それを知らされるこちらは胸がざわざわします。 エドナをサポートすべく配されたのが綿花栽培に詳しい黒人の流れ者と、白人の傷痍軍人。マルコヴィッチ演じる盲目の白人を一人入れたことで、この家に絶妙なバランスが生まれます。KKKが根深く活動するこの地域では、モーゼスを守るのに夫人一人では難しい。傷害があっても、元軍人である白人の立場は絶対的に強いですし、綿花栽培を手伝えなくてもミスターウィルは夫人の支えになっているのでした。モーゼスだけで脚本的に充分なのでは、と当初思っていたワタシはこのキャラ配置の綾に唸りました。 そして祈りのラストシーン、いつのまにかその祈りは観る者のそれと重なり、思わぬ仕掛けが施されています。脱帽です。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-12-13 00:21:48) |
38.《ネタバレ》 頭の方で宗教絡みの映画なのかと思ったら、やはりそうだったようです。キリスト教徒ではない私には、そのあたりよくわからないのですが……。あるいは「人は神の前に平等である」ということかもしれませんが、そうなると異教徒は関係ないわけですね。そういうところも、ちょっとどうかと思います。 ウェインとヴァイオラの話がしっくり来ないのは、この2人がなぜ交際しているかがよくわからないからでしょう。ヴァイオラが現状に不満を持っているというのはなんとなく推察できるのですが、ウェインの方は曖昧だし、結局何だったんだ? となるわけです。ヴァイオラが街を出ていくのは、彼女にとって居場所(Place)ではなかったということで、つまりここを居場所と思える「お仲間」だけがいればいいということ? ますます宗教的になってきました。黒人も障害者もない、みたいな顔をして、意外と閉鎖的なお話だったのかもしれません。メインのドラマも、まあこんなものでしょうという感じでした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-11-29 08:50:27) |
37.《ネタバレ》 ありきたりな物語でまずまずだなあと思っていたら、最後の教会のシーンは意外でした。そこに作者の思いがあるということは分かるのですが、アメリカ人ではない生まれも育ちも日本の私には十分に伝わらなかったと思う。でも、そういった違いを感じることの面白さもあると思いました。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-10-12 17:39:54) |
36.《ネタバレ》 大恐慌後のテキサスの田舎町。生きづらい時代における弱者の象徴ともいえる3人(未亡人、失業した黒人、盲人)の共助と祈り、女性の自立がテンポよく描かれる。 多くの困難に直面する主人公に対し、同居人二人が生きるヒントや励ましを与え、お互いの不信感がやがて心を通じ合わせる展開がいい。ウィルが料理のまずさを口実に炊事を申し出るシーンはさりげない見せ所。 おっ、外壁の板に張られたポップをよく見ると、綿花栽培だけでなく野菜、卵、ミルクの産直やクッキー、ジャムなど6次産業化をやってるね。小規模農家の生きる道としては妥当だろう。フロンティア精神全開。 終盤、教会の礼拝は綺麗ごとの感が強いものの、白人から黒人へと杯を受け取りながら死者とも交わっていく姿は印象深い。人と人のつながりに救いを見いだす・・・ラストはハート・ウォーミング。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-17 11:58:09) |
35.《ネタバレ》 他の方もおっしゃるように、不倫の話は別にいらんのではないかとも思いますね。 次々と襲ってくる困難に立ち向かう強い母。その姿を見ているとこちらも勇気が湧いてくるかのようです。 心優しい黒人と盲目の彼もすごく力になってくれて、彼らがいてくれたからこそと言うのもありますね。 特に竜巻に街が襲われるシーンも凄まじく目を見張るものがありました。 主に平和を祈って終わりますが、本当皆さんに平穏が訪れてほしいものですね。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-09-12 14:53:23) |
34.《ネタバレ》 世界恐慌時代の不景気の中、旦那の殉職で1人奔走する奥さんの話。サリー・フィールドて凄い女優さんです。上手いし可愛らしい。ストーリーは子供2人と家を守る為に、当時差別化されていた黒人や盲人の人を家族に迎え入れて、綿花稼業に心身を擦り減らして頑張る姿は何ともしおらしい。黒人のローゼス、盲人のウィンも最初は信用出来るのか怪しかったが、奥さんのひたむきな頑張りに感化されて、綿花稼業に協力していくのが素晴らしい。子供たちもこのハンデのある2人のおかげて安心して暮らしてる様で、なんとも微笑ましい。不倫野郎エド・ハリスの立ち位置が最後までよくわからなかった。何の為のキャスティングなのか??これを除けば非常に面白い良い作品。 【SUPISUTA】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-07-24 13:34:28) |
33.《ネタバレ》 サリー・フィールド演じる、夫を失い生活に行き詰っても2人の子どもと夫が遺した家を守っていかなければならない女性。 ダニー・グローヴァー演じる、綿の栽培の技術が買われて雇われることになった行き場の無い流れ者の黒人。 ジョン・マルコヴィッチ演じる、戦争で視力を失い、家族から厄介者扱いされ、下宿することになった青年。 まずは本作で2度目のアカデミー賞を受賞した主演サリー・フィールドの素晴らしさを堪能できる作品ですが、 今ではすっかり大物になった、当時はまだキャリアがスタートしたばかりの ダニー・グローヴァーとジョン・マルコヴィッチの好演も見逃せない作品です。 世界恐慌の不況の真っ只中。誰もが自分が生きていくのに精一杯の時代。 夫を失ってしまった女性、黒人、障害を抱えた青年。 1人1人は弱者でも、困難を乗り越え彼らが助け合って生きていく日々の描写が感動的。 現れてくれるな、と思いながら見ていましたが、やはり現れてしまうクー・クラックス・クラン。 これも避けては通れないアメリカのかの地の現実の1つか。 唯一不要に思えたのはエド・ハリスとエイミー・マディガン、後に現実の世界で夫婦になる2人の不倫のエピソードでした。 冒頭で命を落とした者も、町を出て行かざるを得なかった者も、登場した白人と黒人が皆、穏やかな表情で顔を揃えている。 この教会のラストシーンには何とも言えない温かさと愛に満ちていました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-01-11 21:26:49) |
|
32.《ネタバレ》 地味だが、いい作品だと思う。 余計なエピソード(不倫とか)もあったりするのがちょっと残念な感じかな。 障害者、黒人、女性といった弱い(?)側のつながりもそこそこには上手く描いていると思う。最後の教会のシーンは意外だが、この物語全体がつまりは「物語」だったということか、と感じた。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-02 23:35:39) |
31.《ネタバレ》 優しくも健気で熱い主人公の愛らしさが印象的です。不倫の話やラストの教会での蘇りシーンで表現したいものがあるのでしょうが、伝わってくるのは中途半端感だけでした。 【ProPace】さん [地上波(字幕)] 6点(2015-04-01 22:28:06) |
30.《ネタバレ》 いつかDVDで見なおしてから・・・と思い続けていましたがDVD化されていないようで、もう十数年見ていません。ジョン・マルコビッチはその風貌もあってか、僕にとっては「アブノーマルな役が多い人」という印象を持っているのですが、この映画での目の不自由な下宿人の役は真面目で繊細な役所です。ダニー・グローバーもこの作品の頃は非常に存在感のある俳優だと感じていました。この作品でアカデミー賞を受賞したサリー・フィールドは『マグノリアの花たち』の名演技を見てからというもの、この作品での彼女の演技の記憶が薄れてしまっているのですが、押し掛けてきたダニー・グローバーをかばって雇ったときの目の雰囲気とか、忘れがたいものがあります。慣れない綿摘みで手を傷めるくだりも印象的でした。そんなふうに、以上の3俳優を強く記憶するきっかけとなった作品でした。まだ大人にはなっていない黒人少年が酔っぱらって銃で憂さを晴らし、弾も切れたと思ってふざけて主人公の旦那に引き金を引く冒頭のアクシデントでつかみはOK。借金を残し大黒柱を失って、家族がバラバラに暮らさなければならなくなるのを阻止するために、目の見えない下宿人を住まわせ、農園の知識を持つ黒人を納屋に住まわせ、綿の一番摘みの賞金をかけて頑張る話です。KKKのくだりでのマルコビッチの活躍も良かったです。主人公の旦那を撃ち殺してしまった黒人は、昔見た記憶では未成年の印象だったんですが(再確認できてないので年齢設定がイマイチわかりません)、彼はリンチで吊るし首にされて殺されます。車で引きずられもします。黒人を奴隷にしてた昔のアメリカの話なので、仕方ないのですが、記憶が正しければ未成年がリンチで殺されるわけで、そういうこともあってDVD化されてないのかなー??? ただの時間のムダ映画『死霊の盆踊り』がDVDになってるのに、アカデミー賞作品であり感動作であるコレがDVDにされないという日本は、ふざけてイカレた国ですね。 DVDが出たら『カラー・パープル』と二本立てにして観たいと思っているのですが・・・ 【だみお】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2012-01-11 02:45:29) |
29.突然の夫の死に翻弄されながらも、逞しく生きる女性の姿を描いた作品。 主演女優さんの顔の弱々しい表情が、この未亡人の役柄にはピッタリ。 ヒロインの優しい性格というキャラを伏線にしたストーリーの流れがとてもいい。 お話に厚みを持たせるためか、サブストーリーに姉夫婦のエピソードを配しているが、 ラストでちゃんとまとめてはいるものの、こちらはちょっと浮きぎみ。 終盤はやや宗教色が濃くなったが、テーマは十分伝わるし、中々いい作品でした。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-09-17 16:54:31) |
28.《ネタバレ》 主人公が未亡人になったというメインストーリーと、姉の夫の浮気というサブストーリーに接点がないのが納得できませんでしたが、先の読める展開にも関わらず気持ちよく観賞することが出来ました。 私にとってサリー・フィールドは70年代、世界一美しい女優でした。 フォレスト・ガンプで年老いた役を目立つことなくこなしていて、本作は昔のお姉さんとおばさんの中間地点のような雰囲気を醸し出しています。 ダニー・グローバーが盗んだスプーンは、そのまんま「レ・ミレザブル」ですが、全体を通して「大草原の小さな家」を思い出しました。「遥かなる山の呼び声」にも似ています。 kkkもどきが出てきますが人種差別が目立つようには感じません。 むしろ、黒人と未亡人が同居していることに村人が何も思っていないことに違和感を感じました。 マルコビッチやエド・ハリスまで出演している名作ですが、現在DVD化もなく、CSで巡り合えた人だけしか感動出来ないのは残念な気がします。 ラストの教会のシーンは悪人も善人も同じ席で日曜礼拝を受けているところに、当時ではありえないと思いますが、希望を描きたかったのではないでしょうか? 私は、そこはあまり考えないで評価しました。 【クロエ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-07-27 04:24:41) |
27.《ネタバレ》 人種問題を背景テーマに描いた淡々としたシリアスドラマですね。サリー・フィールドが包容力と熱い気持ちを持った女性を好演。幼い妹が健気で可愛らしかったです。 【獅子-平常心】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-06-04 02:02:52) |
26.《ネタバレ》 夫を亡くした妹エドナと夫に浮気された姉マーガレットを軸に話しが展開しますが、感動しました。黒人と盲人と一緒に住むことになったエドナ(サリー・フィールド)がどんどん強くなっていくところが事実味があってよい。ラストの教会のシーンで亡くなった人たちも一緒だった終わり方にちょっとびっくりしました。 感動したシーン、ウィルがエドナにどんな姿か尋ねるところと、息子フランクがママエドナをダンスに誘うシーン。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-03 00:53:08) |
25.《ネタバレ》 突然の不幸によって路頭に迷う子持ち女が断固として譲れないのが家を売ること。まるで『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラのように家と土地に執着を見せる。そういえば舞台も同じ南部だ。これが南部の女なのか。とにかくなんのアテもない絶体絶命の状況をこの南部魂としか言いようのない根拠なき自信をもって乗り越えようとする。そこにおよそこの南部では助けにもならない黒人と障害者が女の南部魂に感化されてか、手に手をとってなんとか乗り越えてみせるのである。大恐慌の時代、南部における黒人、そして障害者、はたまたハリケーン襲来という困難等々と、あまりに揃いすぎの感は拭えず、また予定調和にも過ぎる気がしないでもないのだが、ラストシーンの寓話的な描写によって映画全体が理想郷だったのではと思えて、そうなるとかえって、これは現実ではないよ、現実はこんなに甘くないよと言われているような苦味を感じたりもする。広大な綿畑での作業風景が素晴らしく、朝昼夕の光、そして電灯の下と光への細やかな配慮が効いている。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-15 14:25:19) |
24.《ネタバレ》 風景は広大で美しいのに、人種差別とか貧困とかでなんか息苦しい空気。そんな中でも力強く生きる姿が良いですね。KKK登場で嫌な気分になったところでのあのラストシーンにはグッと来ました。 【Trunk】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-19 00:21:19) |
23.白人の女性の顔って髪型や化粧がちょっと変わるだけでなかなか誰が誰だかわからなくなり、しかも主人公が一人だけというわけでもないので、しばらく人間関係の把握にとまどった。でもそれがわかってくると、しみじみよい映画だったと思う。白人と黒人の間の対立と和解、女性の自立といったテーマを、無理なく十分にリアリティがあり、それでいてドラマッチックなストーリーにまとめあげている。役者たちも好演。エンディングのシーンでは、黒人と白人、女性と男性との間に、偏見や対立もあるけれど、同じコミュニティーの中で一緒に生きていかなきゃいけないんだという課題に立ち向かおうとする覚悟を感じた。それはもしかしたら僕自身のものだったかもしれない。 【小原一馬】さん [地上波(字幕)] 8点(2009-03-10 22:24:50) |