319.《ネタバレ》 本当に何度見てもすばらしい。 今回見直してみて感じたこと、2点述べたいと思う。 まず「人生の収支」について。 ヴィトはコソ泥仲間に先駆けて、いちはやく人殺しを行った。しかも誰に強制されるでもなく。普通に考えたら、ヴィトは仲間よりもダントツにひどい人間だ。 ところがヴィトのその後といったら、町の住民には尊敬され、商売もうまくいき、仲間にも慕われ、妻にも愛され、多くの子供を授かり、あげくのはてに両親の復讐まで成し遂げる。そして彼に倒された多くの敵と違って穏やかに死ぬことができた。 彼の才能と努力のたまものといってしまえばそれまでのことだが、私はここに(コッポラの考えるところの)「人生の収支」の存在を感じる。 つまり、ヴィトの前半生は、後半の大成功を補ってあまりある悲惨極まりないものだったわけだ。ほとんどこれ以上の悲惨な少年時代はない、といえるほどに。私はヴィトの人生は源頼朝と似ていると思うのだが。(前半生悲惨、後半バカツキ) そして対照的に限りなく重苦しいマイケルの人生とはなんなのか。 私に言わせれば、マイケルに次々に降りかかる災難や、失われてゆくものこそ彼の「人生の収支」の「支」であるのだ。つまり彼は父から多くを与えられすぎているのだから。 2点目はドンの力が文字どおり「GOD」を超えたところで「Ⅱ」が終了していること。 フランクが自殺したこと、これはすごいことなのだ。シシリア生まれのイタリア人=ゴリゴリのカトリックの彼が、神に背いてまでドンの力に屈したのだ。そしてフレドはマリア様を讃える歌を歌っているというのに殺される。そしてエンディング。なんてことだ。マイケルはついに神様より強くなってしまったのだった。 しかしそんな全能のマイケルですら思い通りにすることができないもの。それが「金目当てでない女」である。生きるのがせいいっぱいの時代には、共に苦労したヴィトの妻なら、夫のすることを肯定し愛し続けたわけだが、マイケルの言う「時代が違う」=「女が変わった」。それなら「金で転ぶ」女にすればいいじゃん、といっても、肝心のマイケル本人は「金で転ばない女」が好みなわけで、どうしたってうまくいくわけがないという完璧なパラドックス(コッポラの作った)なのであった。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-06-23 22:45:18) (良:5票) |
318.他人の痛みには鈍感なれど自身の痛みには過敏。三部作に共通する外道の身勝手さが極まれる本作。下積み知らずの二代目ボスのクノーなど真っ当に生きる者の苦悩に比べ物の数ではないのに、これ見よがしに感傷的に描き立てられているのがチャンチャラ可笑しいです。また、ダラダラダラダラとお話の未練がましさと比例する冗長さにゲンナリさせられます。パチーノ出演でも妥協出来ず。 |
317. 大ヒットした前作で見事オスカー作品賞に輝いたコッポラにとって、残る目標は「何が何でも」オスカー監督賞!!ボブ・フォシーに浚われた無念を晴らすべく万全を期して発表した続編がコレ。本作が凡百の「パート2」モノと明らかに一線を画す主たる要因は、何と言ってもパチーノ演じるマイケルの”現在”とデ・ニーロ(公開当時の映画誌ではデナイロと表記されてたっけ…)扮する若き日のヴィトーの”過去”との鮮烈な対比をコッポラが凄い馬力で描ききったコトだろう。殊に”過去”篇がシシリーを地方色豊かに描いており、実に秀逸。中でもファヌッチ暗殺シーンの凄味は鳥肌モノだw。オスカー助演男優賞も納得!ただ…矢張り”現在”篇が些か冗長な上にストーリーも陰に籠もっており、クオリティは別として娯楽性&インパクトでは残念ながら前作に及ばないと思う。何よりバランスが悪い。真面目なお坊ちゃんだったマイケルが非情なドンへと変貌する前作のような抑揚が本作のパチーノには欠けているため、ひたすら苦悩し続けるだけで変化に乏しく単調なのが辛い。NYアクターズ・スタジオ伝説の演技指導だった重鎮リー・ストラスバーグを担ぎ出し、マイアミの大ボス、ハイマン・ロスにキャスティングして変化を狙ったようだが、生憎前作のブランドのような意外性にまでは至らなかったのもイタイ。とは言え、コッポラの演出は前作よりも遙かに熟達しており質的には寧ろ上回る出来であるのも事実。よって余り低い点はつけたくない。明らかに「一見さんお断り」な作りと、マフィアの抗争モノにしては何となく書生っぽい文学的なノリに悪いけど2点マイナス。 【へちょちょ】さん 8点(2003-08-28 01:16:20) (良:2票) |
316.《ネタバレ》 前作に引き続き鑑賞。 こちらもなかなか良かったが、いかんせん3時間半は長すぎる。 対比のために、過去編と現代編は分けられなかったのだろうが、 もう少し過去編(ビトーが何もないところからいかに上り詰めていったか)を丁寧に見たかった気がする。 現代編については、終盤、マイケルに仇名した人々が順々に映っていったところで、 「ああ、みんな死ぬな」と思っていたら案の定。 マイケルの兄のフレドにいたっては、息子のアンソニーの面倒を見させるなど、 いったん許したように見せかけて、結局殺していた。 最初から殺すつもりなら、大事な息子に変なことを吹き込まれないように、 あんまり関わらせないようにするものだが・・・。 【2年で12キロ】さん [インターネット(字幕)] 7点(2021-06-20 10:43:16) (良:1票) |
315.《ネタバレ》 前作の続編のマイケル編とビトーの成り上がりを描くビトー編で構成されているが、マイケル編がややこしいし雰囲気は暗いしで鬱屈してくる。対してビトー編は前作との整合性もしっかりしていて、より楽しめる部分がある。対比させているところに製作者の主張等があり、感じることもあって面白い。 マイケルは独断的又は独善的で人間愛みたいなものが無いから人が離れるのかもしれない。確かにビトーにあってマイケルに無い何かはあると感じます。 なんとなく残念な気持ちが残ってしまうので、前作の方が好みかな。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-11 18:16:51) (良:1票) |
314.名作です。確かに。何回見ても、心にしみる。しかし何かが足りない。そう、熱い男だ。パート1のソニーのような 単純で、危険な、でも情に厚そうな人物がいない。だから前作と同じ点はつけられない自分がいます。色で例えるな ら前作は赤、本作は青、冷たいのです。 【代書屋】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-05-11 23:19:51) (良:1票) |
313.《ネタバレ》 パート1のあまりの素晴らしさに感激して一気に2も鑑賞。単純な面白さなら1だが、観賞後の味わい深さは本作に軍配が上がる。 若き日のヴィトー・コルレオーネの物語は闇を伴いつつもずっと上り調子なので華やかだが、個人的には鬱々とした展開のドン・マイケル・コルレオーネのその後の方が興味深い。もしもマイケルがコルレオーネ・ファミリーの人間として生まれていなかったら、彼はマフィアのボスになど絶対にならなかったはずだ。そんな彼がファミリーを守るためとはいえ優れた能力を暴力的な方向に開花させていったことは大きな悲劇だった。 この作品は各所で「父権の崩壊を描いた物語」として語られている。父権が崩壊したのはマイケルの器がヴィトーほどではなかったからだ、との論調も多いが、私には崩壊したのはどちらかといえばヴィトー・コルレオーネの父権であるように思える。 マイケルは父を尊敬していたが、暴力を使って他者を思い通りに動かしていることにはおそらく最初から疑問を抱いていた。父が殺されかけ復讐心に火がついたことをきっかけにマフィアの道に入り、父よりも冷酷なドンと化していくものの、最初の疑念が心の中から消えることはない。冷酷さが加速したのも、そうでもしなければ暴力を使うことへの疑問に自分で蓋をすることができなかったからではないか。やりたくないことをやらざるを得ない時、その行為が極端化してしまうのはよくあることだ。 妻・ケイから投げかけられる疑問の言葉にマイケルは心の底では同意しているが、受け入れれば父を否定することになる。父を否定しないためにはこのままマフィアの道を突き進むしかない。その末に、マイケルはついに自分の家庭を崩壊させてしまう。マイケルが真に幸福となるためには、自分の中の「憧れの対象としての父ヴィトー」を崩壊させ、自分なりの道を進む必要があるが、そんなことは容易ではない。周囲もヴィトーを尊敬しているし、自分にも尊敬の気持ちが残っている。でも心の奥底では、マイケルはヴィトーの威光が「虚像」を多分に含んでいることを理解しているのだ。だからこそ、誰よりも苦悩している。 マイケルは正直で理知的で、暴力をそもそも好まない。それゆえに、誰よりも冷酷で、誰よりも苦悩するドンになった。ヴィトーは「自分にとっての正義」のためなら少々の暴力を使うことなどなんとも思わない、いかにもアメリカ人が好みそうな「強い」男だ。私はヴィトーよりも圧倒的にマイケルに共感する。演じたアル・パチーノは、マイケルの苦悩をこれ以上ないほど明確に深く表現していた。どれだけ称賛しても称賛しすぎることのない、素晴らしい演技だったと思う。 【クリロ】さん [インターネット(字幕)] 10点(2019-12-22 16:31:34) (良:1票) |
312.この3部作は「マイケルは心底の悪人なのか?」それとも「心を偽って葛藤しながら悪人を演じているのか?」を観る者に判断させるという映画である。 このシリーズでは多分観る者の半分は彼は心底の悪人であると判断し、残り半分は彼は悪人を演じていると判断するであろう。それほどアル・パチーノの演技にはすごいと思う。 Part2は彼を心底の悪人と思わせる演出だが、Part3は一転して彼は心は善人で悪人を偽って演じているのだという演出である。 今まで単なる間マフィアの映画と思って評価していなかったが、ここに観る者を震撼させるものがあったのかと思った。 Part3は良い映画であるが凄みという点でこっちの方が優れていると思うのでこっちにコメントした。 【アマデウスga好き】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-02-15 01:13:32) (良:1票) |
311.《ネタバレ》 「今までで最も怖かった映画は何か?」 仮にこういう問いがあるならば、私は本作を挙げる。個人的な感想にはなるが、今まで観たどんなホラー映画やサスペンス映画よりも本作は怖かった。 中盤、マイケルがケイから中絶を告げられるシーンのせいだ。あの途轍もない緊張感、まさに役者も観客も凍りついた場面。あれ以上に怖いシーンなど今まで観た事がない。堕胎を告げられた直後のマイケルの目を見よ。憎しみ、悲しみ、怒り、絶望、人のうちにある負の感情が一気に押し寄せ、凝着してしまったあの目。人間はあれだけ怖ろしい目をすることが出来るのだ。あの目の演技をいまだに私は直視できない。こちらが目を逸らしたくなる。 そして怒りのあまりマイケルはケイに暴力を振るう。人と思えぬような唸り声を上げて。 こういう凄まじいシーンを描けるあたり、本作も映画として一層突き抜けたレベルにある名作だ。 マイケルの悲惨な姿と並行して、ヴィトーの華やかな姿が対照的に映されることで、より悲惨さが際立つという、なんとも酷な物語構造も素晴らしい。 前作以上にヴィトーの青年時代が描かれることで歴史大河ドラマ的な重厚さが強調され、また家族間の愛憎も濃く描かれている。 前作に負けず劣らずの傑作、使い古された表現だが本作を表現するのにはうってつけの表現だ。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 10点(2018-08-18 15:41:22) (良:1票) |
310.《ネタバレ》 先日観た1作目と同様、15年ぶりの鑑賞。ちなみに僕は1作目の方が好き。なぜならビトーが好きだから。なのでこのパート2の中ではビトーの若き頃を描くシーンが好き。『いい奴そうなんだけれど寡黙で、物事を考えながら発言をするので会話のテンポが1つズレていて、その分実は怒らせると怖そうな捉えどころの無い男』のデニーロが良いです。異論は大いに認めさせて頂きますが、今ならライアンゴズリングに演じてもらいたい役。家族と仲間を大切にし、成功していくビトーのシーンは開けていて輝いています。一方マイケルを描くシーンは閉じていていつも何かに追われている印象。だからやはりビトーとビトーを描くシーンが好き。で、母親に相談をするシーンで気づく(遅くてすみません)事ができたのが『これはビトーになりたかったんだけれどもなる事ができなかったマイケル』の話なんだと。なのでビトーのシーンを分かりやすく良いものにしている。で、ビトーが築き、守り、愛した家族(ファミリーではなく、本当の家族)を殺す事でマイケルはいよいよ神であり同時に悪魔となる。それが良いとも悪いとも結論づけていないと思うのですが、ラストシーンで完全に光を失ったマイケルの目が印象に残りました。 【HIRABAYASHI】さん [インターネット(吹替)] 7点(2017-12-24 22:47:45) (良:1票) |
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309. マフィアの内幕を描きながら家族愛をテーマとした重厚な大河ドラマ。イタリア系移民街の実情を見事に再現しているが、観客の共感・感情移入を意識してかマフィアの暗黒面をかなりマイルド化した感は否めない。 ヴィトーとマイケルの対比が鮮やかで、一族の発展・組織の拡大と裏腹な家族の離反は皮肉な展開。アメリカ人好みのルーツ探しにも通じ、退任したばかりの某前大統領が好んだ映画というのも頷ける。 ヴィトーが犯罪に手を染めざるを得なくなる経緯は丁寧な描写だが、その後の成り上がりヒストリーが弱過ぎる。「これは家族の映画だからマフィアの怖さはあまり描かなくてよい」わけではないと思う。 R・デ・ニーロのしわがれ声は前作のM・ブランドの声に似せたつもりだろうが、よく聴くと声が一定していない。そんな細工をせず地声でもよかったのではないか。A・パチーノの終始無愛想な表情はドンとしての孤独と苦悩を滲ませるが、一面的過ぎて味わい不足。時に発する怒声も単調さを覆すに至らない。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-01-22 14:32:54) (良:1票) |
308.《ネタバレ》 「ゴッドファーザー」は好きなシリーズだが、特に「PARTⅡ」はもう何度見たか解らない。 人によっては「PARTⅠ」こそ最高という人もいるだろう。 だが、俺は冒頭からヴィトの悲劇で始まり、ヴィトが栄光を掴んでいく“光”とマイケルが様々なものを失っていく“闇”が交錯する「PARTⅡ」が一番好きだ。ヴィトだけでなく、マイケルの過去も映されるんだ。ヴィトの思い出と混ざりながら。 初見の者にとって、ヴィトが今後どうなるかが気になって最後まで画面に釘付けにされたのだから。 シチリア島で葬儀が行われるシーンから物語は始まる。父、兄、母親まで地元のギャングに殴りこんで失ってしまうヴィトの悲劇。この瞬間からマイケルの復讐が始まり、同時に彼を救ってくれた島の人々の優しさがヴィトに生きる力と人を助ける愛情を育む。村の名前がヴィトを守る“偽名”となって。だから彼はシチリアに戻って来たのだと思う。困っている仲間や家族を守るために覚悟を決め、彼らの代わりに引き金を引いて。 彼らが奥さんの手作りパスタを美味そうに食べるシーンは和む。どうしてこの映画はあんなにも飯を美味そうに食うのだろうか。クレメンザとソニーは若い頃(物心つく前)からつるむ仲。 前半2時間のクライマックスを飾るのは、そんなヴィト自らが暗殺に向う場面だ。 ヴィトがどん底から這い上がり仲間や家族を得る一方、現代のマイケルは後半1時間30分をかけて最盛期からまた次々に最愛の仲間や家族を失っていく。フレドとコニーの何気ない会話が、別れの挨拶になるなんてさ。 華やかなパーティーですら暗い影が差し、寝室に銃弾の雨が振り込み安心して眠る事も出来ない。 議員も机の上の大砲をマフィアのボスに向けてケンカ腰。 痩せていたアル・ネリは亡きクレメンザの代わりを果たすかのように膨れ上がる。 数多の血みどろの殺し合いの後に、以前のマイケルたちが揃って食事をする場面なんかもう何回見ても泣きそうになっちゃうよ。ソニーは元気だし、コニーにブツブツ言ったりフレドとじゃれあう姿なんて・・・それが独りで煙草を吹かし、現在のマイケルの瞳に光が失われて幕を閉じる。 【すかあふえいす】さん [DVD(字幕)] 10点(2014-06-26 19:38:01) (良:1票) |
307.「パート2はコケる」というのが世間の定説ですが、この作品では徹底的なディテールと二代目と比較する形で初代の人生(前日譚)を綴っている点から、コケるどころかより良くなっている部分すらありました。 本作は二代目(アル・パチーノ=現在)と初代(ロバート・デ・ニーロ=過去)の「人生の比較」という非常に難しいことをやっていますが、本作ではパート1に負けないほどの重厚なエピソードとストーリー展開を見せます。細かく丁寧に描写された人間ドラマは、マフィアに興味がない一般人でも感情移入がしやすく、ただのやくざ映画に成り下がっていません。 やはり見所は二代目の強引な成り上がりぶりと比較される、若き日の初代の素敵なカリスマ性です。初代=(父)はやくざであっても魅力的で誠実、興味深い人間性がありましたが、二代目にはそれが一切ありません。時代の流れもありますが、組織を守るために極悪非道な二代目の振る舞いが兄弟、姉妹、嫁すらもファミリーから遠ざける結果になってしまいます。もちろん全てが二代目のせいではありませんが、ファミリーが内側から崩壊してゆく様が空しく、そして物悲しくも壮大に描かれています。 今作でも家族愛はしっかり描かれていて、普遍的で深いテーマ性は揺るいではいません。しかしながらパート1と異なりかなり強引で歪んだ家族愛が描かれていますので見ていて痛々しいです。(まあ、これも含めて家族なのかなぁと・・) このシリーズはある程度精神年齢が高くなってから鑑賞すると、より深い感銘を受けると思います。折をみて繰り返し鑑賞したい映画ですが、時間に追われて鑑賞すると本質が理解できずに見終わることになりますので、慌てずゆっくり鑑賞してみてください。文句なしの大作映画に仕上がっています。 【アラジン2014】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2014-05-03 13:30:19) (良:1票) |
306.《ネタバレ》 公開当時は、「あんな完璧な映画に続編なんかあり得ない、冒涜だ」と頑なに観ることを拒んでいた自分が懐かしいです。PART.1で原作のほとんどの部分をなぞってしまったので、現代のマイケルの物語はコッポラで回想シーンは原作者のマリオ・プーゾと分担して脚本が書かれたそうですが、考えてみればやっぱり『ゴッドファーザー』はマイケルという人間のその後を描かなければならなかったということで、続編製作は正しかったんでしょうね。コッポラが担当した現代編はラッキー・ルチアーノやバグジー・シーゲルのエピソードをアレンジした実録ものの味わいで、古風なヴィトーが活躍する回顧編とはまるで違ったタッチなのですが、それが見事に融合してギリシャ悲劇の様な重厚なサーガにまで高められています。良くデ・ニーロの神がかり的演技が取り上げられるのでけど、私はアル・パチーノの凄味を通り越した鬼気迫る演技こそ称賛されてしかるべきだと思います。間違いなく彼の生涯最高のパフォーマンスで、こんな人が後年にはだみ声で演説する様な演技しか出来なくなるとは残念なことです。ケイに自分の子を堕胎されたと知った時のマイケル、自分はこんなに絶望する人間をスクリーンで観たことはありませんでした。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-03-01 21:16:13) (良:1票) |
305.現在なら「ゴッドファーザー0」と「part2]に分けて製作され、それぞれそこそこの良作になったと思います。 この2つが合わさることで、人が集まってくる創業者と人が離れていく2代目のコントラストを充分楽しませてもらいました。 たたき上げの成功者にはもちろん、お坊ちゃんと見られてしまう2代目にも多大な苦労があるのは世の常。 会社、政治家、芸能人・・・事業承継はほんと難しいと思いますが、この作品のPART2への承継は何とかうまくいったようです。 デ・ニーロ贔屓のため先代のストーリー主体で見てしまいましたが、当時無名だったというには驚きの存在感でした。 後のことを考えれば、よくぞここで抜擢してくれたものです。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-12-31 14:57:33) (良:1票) |
304.《ネタバレ》 この映画は「楽しめる条件」がある。 1 PartⅠの内容を”しっかり”把握している 2 登場人物の多い洋画に慣れている この2つの条件は必須 あとは 3 遠回しな言い方・直接は表現されない感情に気づける これもほしいね。 で、この条件がないとひたすら苦痛の3時間20分が待ってる この条件があれば最高傑作だな 私には2がなかった。調べないと分からなかった。 で、2回目見たら凄い良い映画! 欠点を上げるとすれば、長編小説が原作の映画特有の説明不足感は否めないってこと 【amier】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-07-10 14:58:51) (良:1票) |
303.本作品に関しましては、数多くの「長い」、「長すぎる」というご批判は頂戴しておりまして、当社としても否定はいたしかねる部分ではございますが、一方で「アル・パチーノはいつもオーバーアクトけど、そもそも一定のオーバーアクトが要求されるこのシリーズではなかなかはまり役ではないか?」、「若い頃のビトを演じたロバード・デ・ニーロの演技力凄すぎ。ずっと観ていたい」等の肯定的なご意見もいただいておりますことをお含みおきの上、何卒200分という常軌を逸した上映に最後までお付き合いいただきたいと心より願う次第でございます。 また、本作品については、R指定は受けておりますものの、近年かまびすしくその重要性が強調されております「家族の絆」を主要なテーマとすることで、マフィア映画につきものの殺害シーンや性的描写のシーンを最低限にとどめており、小さいお子様や女性の方の鑑賞にも堪えうるよう万全の配慮をいたしております。劇中には、イタリアンマフィア独特の家父長的な考え方が散見される部分もございますが、そのような点につきましても、できるだけ批判的な描写を心がけております。 一方で、ビトの時代とマイケルの時代を行き来する物語の構成については、評価する声を多くいただいております。組織が直面する課題に対して、ビトとマイケルはそれぞれ様々な判断を下しますが、時代の変遷に伴う社会的背景や経営環境の変化により、その判断内容には多くの違いが見られます。この作品では、時系列を操作し、同様の課題に直面した両者の判断をタイムリーに比較することで、その違いを効果的に焙りだすことに成功しており、その点については、主に企業経営に携わる鑑賞者の皆様から好評をいただいてございます。 最後に1点お願いがございます。本作品を鑑賞される前に、必ず前もって「ゴッドファーザー」をご鑑賞ください。人物相関図やコルレオーネ家の系図等もご準備いただければより快適にお楽しみいただけます。「ゴッドファーザー」を事前に鑑賞されずに本作品を鑑賞された際のクレームやお問い合わせには一切応じかねます。これらの点には十分ご留意の上、ゆっくりとリラックスして楽しめば、とても味わいのある作品だと思うよ! 【枕流】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-08-06 23:33:08) (良:1票) |
302.《ネタバレ》 古き良きと言っては問題があるかもしれなが、昔ながらの人情を持ち合わせたギャングと、現代化された昔より冷徹となったギャングの対比がとても良い。 画の良さは前作と同様、素晴らしい。 とにかく丁寧さ、作り込みの深さ、シナリオの完成度の高さが伺われる。 デニーロの好演も見事であり、初代ゴットファーザーの愛着の湧く人格を見事に醸し出していた。 今作をみたら、またPart1が観たくなった。 【タックスマン4】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-30 17:57:02) (良:1票) |
301.《ネタバレ》 まず、特筆すべきなのは、英語、イタリア語、スペイン語がきちんと使い分けられてること。こんな当たり前のことが、この映画のようにやろうと思えばきちんとできるのに、中国の皇帝でもナチスの軍人でも平気で英語を使わせる現在のハリウッドの「当たり前」をもう一度考え直して欲しい。 この作品に関して言えば、デ・ニーロのパートが圧巻。冒頭の父の寂しい葬式から、母親の犠牲、自由の女神を眺める移民たちのまなざし、言葉もわからないまま隔離病棟に入れられ歌を歌う少年。並べるときりがないが、とにかく善悪を超え、一人の人間の半生の歴史に惹かれた。 それに比べてアル・パシーノ部分は前作に比べるとかなり面白みに欠ける。ロスとの抗争にしろ、公聴会にしろ、ひたすら守りの戦いであってストーリーとしてひきつけるものが、あまりなかった。 あくまで「ファミリー」を守ることが原点であったはずのマフィアが、組織が大きくなっていった結果、組織の規律を守るためには「ファミリー」を切り捨てなければいけなくなったのは、悲しい結末。 フレッドをだきしめるマイケルを見つめる部下の目が「まさか、許すんじゃないんでしょうね、ドン」って言ってるみたいで厳し杉。 デ・ニーロ パートが前作と同レベルの面白さで9点、アル・パシーノ パートがだいぶ落ちて7点 平均して、この点数かな 平成28年 6月 自分のようにストーリー重視の人間には現代パートは、あまりに単調。ざっくり言わしてもらえば、自分を罠にはめかけた相手を倒し、裏切った兄と元部下を処分、その間に妻は愛想をつかして出ていく、たったこれだけのストーリーを長々とやってもらっても。 8⇒7 【rhforever】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-10 22:15:42) (良:1票) |
300.うーむ、せっかく1を克服したと思ったら、1以上のボリュームと複雑さを持つパート2は、1を完全に理解しているという前提で繰り広げられ、しかも1よりだいぶ静かなので、ひたすら眠気との闘いになってしまった。眠気と闘いながらだから当然、話は整理できない。 集中してみてみても、若き日のドンの話が挿入されることによって話がブツ切りになってしまっている印象。どちらかと言えば、ラストの方で描かれた家族が揃っていた時期の方のストーリーをじっくりみたかった。脇役へのスポットのあて方が弱く、のめり込めないのでこの長尺はちと厳しかったです。大河(連続)ドラマとして、じっくり一つ一つのエピソードをやってくれたら楽しめそうな題材ですが、映画としてはつめこみすぎな気がしました。個人的にはマーロンよりソニー不在が痛い。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-06-02 00:23:30) (良:1票) |