30.どういうオハナシかというと、健さんが居酒屋のオヤジをやっている、という、それだけなんですけどね。 居酒屋の客がなかなかに豪華メンバーで、田中邦衛がこういう場面にいるのは当然だとしても、ひとり静かに飲む池部良がいて、言動がヘンなら髪型もヘンな伊丹十三がいて、お笑い芸人にしか見えない細野晴臣がいて、誰も呼んでないのに気がついたらこういう場所にはきっと出没する武田鉄矢がいて。おや、山藤章二さんもいるじゃないですか、ではもう一人のいかにも原作者ですと言わんばかりの顔をした人は誰だろう、と思ったら、原作の山口瞳さんなのでした。 居酒屋のおかみさん、よく見かける女優さんのような気がするけど、アレ、このヒト誰だっけ、と思ってたら、本職の女優さんではなくって加藤登紀子さん。目立つことなく目立ってしまう、見事な存在感です。 で、とりとめなく様々なエピソードが綴られるのですが、映画の軸にあるのが、健さんと大原麗子、結ばれることなく別々の道を歩いてきてしまった二人の男女。映画の軸といいながら、実際にはもう終わってしまった、過去の話でもあるんですね。だから二人の人生は直接に交わることはなく、最後の残り香が消え去っていく姿がこの映画で描かれる。 人生とは様々なものを失っていく過程であって、健さんも含めてここに集う人々は、おそらくはすでに多くの物を失ってきたであろう人々(ただし、大滝秀治は除くことにしよう)。そしてまた、人々は日々、新たに何かを失っていく。そんな映画。 ユーモラスに哀しみを演じてみせる小松政夫が、絶妙のキャスティングでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-12-15 11:45:25) (良:1票) |
29.兆治とさよのキャラクターにリアルさが感じられない映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-08 21:11:23) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 主演の健さんをはじめ、皆さんもちろんよかったのですが、 兆治(えいじ?)の想いに浸った時の大原麗子さん 燃え上がる炎をバックに撮られた大原麗子さん 心乱され、男に抱かれる姿の大原麗子さん。 今さら言ってもなんなんですが、この人絶世の美女です。 そして悲しい大原麗子さん。 そして、ウィスキーと孤独死とは全く洒落にもならない この内容。 そして、この時すでに彼女の将来を暗示していたかのような この内容。 「少し愛して 長~く愛して」 健さんには申し訳ないですが、もう大原麗子さんを偲ぶ遺作という風にしか見れなくなってしまってますよね この内容。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-11-12 22:06:11) (良:1票) |
27.《ネタバレ》 豪華なキャストでしたねぇ! 兆治を慕って甲斐甲斐しい田中邦衛さん、酒癖悪くて兆治にからみまくるくせに毎度お店に来て呑んでる伊丹十三さん、カウンターに突っ伏して寝てるところに田中邦衛さんに起こされてビクッとしちゃうちあきなおみさん、新婚生活の悲哀を目玉焼きでユーモラスに語ってくれた大滝秀治さん、サブキャラ!?って簡単に片付けられない面々の愛おしさに、いい映画だなぁ!としみじみ。。。 話は、脱サラして赤ちょうちん『兆治』を始めた高倉健さん演じる兆治(えいじ?伝吉ともあるけど?)と昔の恋人で大原麗子さん演じるさよとの物語。 居酒屋常連のエピソードで笑わせたり、泣かせたりしながらさよとの関係がどーなっていくのか、うまくみせてくれました。 冒頭の火事バックの大原さん、半端ない美しさでしたね。 あれなら多少ストーカーまがいの行動も許せちゃうかも。 加藤登紀子さんの『人の思いは誰にも止められない』ってセリフもなんだかしみじみしました。 健さんについては、私なんぞがとやかく言うまでもなくサイコーでした! ただ、まぁ健さんの『不器用』で、これまで(いろんな映画でも)どれ程の女の人が苦しんできたか。 女性の懐の深さに支えられてるカッコよさですね。 もちろん健さんの器のデカさがあっての話ですけど。 映画のラストは悲しい結末ながらも、左とん平さんの大人な対応でしみじみした余韻。 30年前の映画ながら、すすきのでさよを探すシーンに杏里さんのキャッツアイが流れてましたね。 あぁ私も年を取ったはずだと、一杯呑みたくなりました。 もちろん兆治で。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-08 21:18:34) (良:1票) |
26.《ネタバレ》 兆治はつくづく罪な男だ。 愛する男と女が結ばれなかったために、女やその周りの人間がとことん不幸になった。 30代後半の大原麗子が、かわいくて色っぽい。 昔の男を思いながら客に抱かれる姿が切なくて哀しい。 この頃は全盛期だったはずだが、役柄での孤独死が将来現実になるとは誰一人思いもしなかったろうに。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2013-02-04 21:49:07) (良:1票) |
25.高倉健、相変わらず渋い。そんな高倉健に対してやりたい放題の伊丹十三、その他出演者の顔ぶれを観ると大滝秀治に田中邦衛に小松政夫って何だか「北の国から」みたいなキャストだ。作品そのものは特別面白いとは感じないし、どらかというと苦手な感じの暗さが漂う。それでも普通に観れてしまうのはこれはやはり高倉健の魅力あればこその作品で感じでして、そうそう、大原麗子も出てたよなあ!何だかとても幸せとは無縁の感じの女を演じていたけど、大原麗子という女優というよりも一人の女性の人生を見ているようで辛い。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-10-11 15:04:14) (良:1票) |
24.大原麗子さんの役柄が、彼女の人生とダブって見えてしまい、悲しくてたまらないです。綺麗だからと言って、幸せな人生を送ってるとは限らないんだな・・・。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2006-07-05 21:29:13) (良:1票) |
23.健さん、加藤登紀子から大原麗子までなんて顔面ストライクゾーン広過ぎだろっ!!おっ動いてるちあきなおみ初めて見たよ!ちなみにうちのかぁちゃんの十八番は「喝采」です。俺が、お昼寝する時に枕元で子守唄がわりにいつも歌っていました(←どんな親だ)。なんておふざけはここまでにしまして、う~んいい映画ですよね。健さんは相変わらず不器用で正直な男だし大原麗子は幸薄い美しい女性を熱演しています。個人的には、マンガ「人間交差点」に近いものがあるかなと思いました。うらぶれた居酒屋で起こる人間の優しさと愛、そして悲劇が見た人に深い感動を与えてくれるのではないかなと思います。ラストに流れる健さんが歌う「時代おくれの酒場」は横に動く珍しいエンドロールと共に必聴&必見ですよ!! 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-26 01:50:59) (良:1票) |
22.《ネタバレ》 情緒あふれる函館を舞台に語られる、切ない男女の物語。 こんなにもお互いのことを思い続けるなんてことが出来るのか。 だからこそ別れが格別に切ないわけで。 ラスト、店で酒を一杯飲み干す高倉健。 味わいのある演技だなぁ。 これは高倉健だからこそのシーンだね。 他の出演者たちも多士済々で豪華なメンバー。 それぞれ人間味があって、楽しくて存在感のある演技をしている。 高倉健と大原麗子の話だけでは、ここまで楽しい映画にはなっていないはず。 この映画の魅力は、脇役の活躍あってこそのものだ。 【にじばぶ】さん [インターネット(邦画)] 7点(2024-05-20 21:43:29) |
21.《ネタバレ》 何が面白いかって聞かれると、居酒屋周辺の人達の生活模様というか、ちょっとしたエピソードを集めたお話で、盛り上がりとかそういうのでなく、全体の空気感とかが合うか合わないか?かも知らん。結構好き。 旧友の岩下との絡みがとても良い。1万円貯金のシーンで英治の頭をポカリ。もうその辺からの自然な演技というかアドリブと言うか、こんな楽しそうな健さんが観られるのが嬉しい。こういうのが田中邦衛の人柄だったり、ベテラン俳優さんの力なんだろうな。と思う。 釣りのシーンでも岩下との絡みが出てくるが、酒飲んで「コレ飲んで寝るぞ~!!」って、ふだん寡黙でペコペコしてる英治が大声になるのが良い。田中邦衛凄い。きっと小林稔侍は鉄道員で、こういう健さんの友達役をやりたかったんだろうな。 相場先生を囲んでのシーンも好き。目玉焼きが3つの話。ご褒美らしいから、次の日の朝なんだろう。夫と私と子供の分で3つ?大変だなぁ…大滝秀治、高倉健、小松政夫…きっと向こうの世界で同じように楽しくやってんだろうなぁ。 造船所の社長が趣味に金を使っての独りリサイタル。シュールだな。 秋本が奥さんの代わりに金属バット抱いて寝る話は泣ける。 それを話の一部だけ聴いて扇風機のことを悪く言う河原も、良い具合に悪いやつで良い。実際にこういう人いるし。 河原に殴られて事件にしなかった英治、河原を殴って警察に捕まる英治。なんか不条理だけど、こういうことも結構あるかも。 英治の年齢がかなり高齢(50歳くらい)に見えるけど、高校野球のエースだった話をちょくちょく持ち出すなら、もう少し若い設定(30代なかば)なのかもしれない。子供も小さいし。 20年くらい前に始めて観たっけか?あの時より今回のほうが楽しめた。10年後観たらもっと楽しめるかもしれない。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-03-07 19:42:59) |
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20.そもそも高倉健で行間読ませるような煮え切らない文学作品作っちゃ駄目だよ。 【michell】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2020-11-23 15:20:26) |
19.いかにも健さん、我慢の健さん、な感じの映画であまり印象に残る場面はなかったが、良かったのではないでしょうか。大原麗子、非常に美しい!健さんを困らせてばかりで、しょうがない人です。最期は惨めでしたね・・・。伊丹十三はこういうカラみ役させたら抜群ですね。非常にウザくて、面倒な人で好演でした。 【SUPISUTA】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-10-15 12:01:59) |
18.全体的に散漫でわざとらしい。だいたい「高校野球のエースが肩を壊す→貧乏になる→彼女と別れる」という経路がよくわからない。甲子園に行けなかった球児、行っても勝てなかった球児、勝ってもプロに行けなかった球児、プロに行っても早々に引退する球児は世の中にゴマンといるはずで、そのたびに貧乏になっていたとしたら、日本は貧乏人だらけになります。あまりにも短絡的ではないでしょうか。実際、その後に高倉健は大手風の造船会社に就職し、それなりの役職を得ていた様子。貧乏時代との関連がよくわかりません。 それに伊丹十三のキャラも変。やたら暴力的で理不尽で、単なるイヤなヤツでした。言い換えるなら人物造形が薄っぺらい。こんな役を演じることに懲りて、伊丹十三は自ら監督する道を選んだのではないかと推察したくなります。 ただしちあきなおみに驚き。歌だけじゃなく、演技もできる人だったんですね。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2016-07-12 02:01:34) |
17.《ネタバレ》 とても豪華な出演者の方々なのですが、細野晴臣さん(そうですあのYMOの)がでてますね~、俳優的活動をされていたとは知りませんでした。伊丹十三さんやたら健さんに絡むし、でも健さんのスーパーパンチで病院送りというw ある意味予想通りな展開に唸りつつ、大原麗子さんは美人だな~~と感心。こういう雰囲気の方っていませんよねぇ、今は。悲しすぎる結末に6点。 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-11-29 04:45:40) |
16.《ネタバレ》 あの小さな居酒屋に出入りしている人たちにも、それぞれ色々な人生があることが描かれている。決して皆望んでそうなった訳ではないが、その立場を受け入れている。私だったら、やはり、大滝秀治演じる校長先生のような生き方をしてみたい、と思った。いや、まあ映画の話である。映画、といえば、この映画の役を演じるのであれば、勿論、平田満がやった役を演じたい。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-02 23:15:11) |
15.やくざ だった、健さん(兆治)が、かたぎ になって、居酒屋をやっている..平穏に暮らしていると..そこに、やくざ がやってきて..トラブルに..最後は大乱闘、健さん大暴れ..と、いった物語を想像してたら..う~ん、まったく違う、どうでもいい(興味の湧かない)..ゆる~い 軟派な物語..だらだらと陳腐で無意味なドラマが展開されるのを..終始 苦痛に耐えながら観続けた..ガッカリ..残念... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-09-13 18:48:59) |
14.《ネタバレ》 まず何よりもキャストの豪華さには恐れ入る。皆、味のある演技と存在感であったが、やはり本作ばかりは大原麗子さんに全て持っていかれた印象。抜群の存在感は言うまでもないが、3737さんが言われているように、その役柄が彼女の実際の人生を暗示しているようで恐ろしい。その美貌と謎めいていたと言われる私生活、彼女は本物の映画女優であったと思います。題名のわりには居酒屋の場面で料理はほとんど映さないが、これは意図的だろう。居酒屋の主役はマスターであり、そしてそこに集う常連客たちの人間模様だと思うから。 【タケノコ】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-08-29 21:08:11) |
13.大原麗子、ピッタリはまってましたねえ。なんて綺麗なんだろう。ため息が出るほどだった。身を亡ぼしていくほどの切ない気持ち…炎で焼き尽くすような女の情念。崇高ささえ感じてしまった。これもまた人間のなにか普遍的なものを求める誠実な感情なのだろうか。だからこそ見ていて共感できるのだろうか…。彼女の変わらず揺るぎない苦しみの一点が、この映画全体をしっかり支えていました。兆治もまた彼女を求め続けていたはずで、今ある日常からの脱出をどこかで夢見ていたはずで、だからわれわれも見ていて悲しいのですよね。人の夢…高校球児だったころの兆治の夢、カラオケと芝居に狂うへんな男の夢…、どこか遠くへ行きたいですね。 【柚】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-11 15:39:26) |
12.《ネタバレ》 小松政夫や武田鉄矢、そしてまさかの細野晴臣氏の出演など、周りの人たちの存在は明らかに話にユーモアを添える為の役回りなわけだが、そういう人たちがいなければあまりに重いストーリーになってたであろう。とにかく物悲しい。罪な男と、不幸な女の話。大原麗子さんは本当に美人だったんだなと再認識すると共に、その後の彼女と役柄がダブってしまい集中して観れない。 【あろえりーな】さん [地上波(邦画)] 6点(2013-11-19 21:38:09) |
11.《ネタバレ》 脇役が印象的な本作。最後に殴りかからない左とん平さんは男前だし、「俺にはおまえが待っているから」などと、みなまで言わせない加藤登紀子さんはいい女なんだろう。でも、その良さが、ワタシにはまだ分からないんだ。もはや、ずっと分からないと思う。 【なたね】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-01-19 08:52:26) |