32.《ネタバレ》 日本の喜劇/ミュージカル映画史にその名を残す、役者植木の魅力が爆発の一本。普通ミュージカル映画の演者というのは観客に「突然唄い踊る」恥ずかしさを感じさせてはいけないし、「奥ゆかしさ」も美点となる邦画俳優には難しいものなのだ。ところが彼の演技は「彼はそんな人、無責任なんだ」という強烈な説得力で観客に有無を言わせない凄さがあった。特に冒頭、社長の家に乗り込み披露する「ドント節」(きたぁも~んだぁ!)は日本ミュージカル映画のベストパフォーマンスだと思う。ただこの後続く「無責任」シリーズの本質を突いていたのは次の「無責任野郎」までであって、後は下り坂になっていく。つまり当時の日本の高度成長期に溢れていた「国民総生産倍増的気概・滅私奉公・団結心」的感覚に対して真っ向から反抗する、人間の善意や団結心をトコトン無視するまさに「悪漢」(を植木のコミカルな演技で包む)がトップに登りつめる皮肉がこのシリーズのポイントである、と私は思うし、名作たる由縁だったのだが後の彼は単に「極端な個人主義を持つお調子者」(それはそれで面白いのだが)と化してしまっていた。という訳で私的シリーズの最高傑作はそんな無茶ぶりが溢れた「無責任野郎」なんだけど、歴史的意味を考慮してこの点数。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-05-11 13:40:23) (良:1票) |
31.この作品を、まじめに論評するのも、ちょっとまぬけな気がする。 【みんな嫌い】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2007-09-17 15:04:42) (良:1票) |
30.♪お~れ~はこの世でいちばん~ 無責任といわれた男~ …幾多のクレージー映画を楽しみましたが、本作が最高傑作の呼び声が高いのも大いに頷けます。やはり植木等のいい加減さ、軽さが実に爽快の極みで、見終わればこちらも即席無責任男になってしまいます。♪コツコ~ツやる奴ぁ ごくろうさ~ん!! …いや、本当にご苦労さまでした、植木さん。昨夜訃報に接し、日本の掛け替えのない至宝・大スターを失ったという深い悲しみに打ちひしがれておりますが、植木さんの歌や名演がもたらした喜びは生涯胸に刻まれることでしょう。心の底から感謝致します。不世出の喜劇人・植木等さんのご冥福をお祈りします。 【丹羽飄逸】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2007-03-28 00:50:58) (良:1票) |
29.テンポが良くて上映時間も短いから、ものすごく気楽に見られる。 由利徹のスケベオヤジぶりが一番ツボだった。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-03 17:43:15) |
28.《ネタバレ》 いやぁじつに軽快。1作目も2作目も86分とコンパクト。 最初に尺を決めて、そこに合わせてこのテンポでみんな喋ってる感じですね。 無責任云々というお話ですが実にきっちり作られてるなと思います。 愉快で印象深い唄の数々。歌うときだけスタジオに切り替わったり、 なぜか逆立ちしたり取り巻きがノリノリでリズムとったりと趣向凝らしてて良い。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-08-07 16:54:56) |
27.笑えるし何より植木等演じる平均が楽しい人物すぎて大好き。 何かと責任の言葉が出てくる現代人から見ると、ホッとする感覚になった。 責任ばかり考えてしまう人にはお勧めしたい映画。 【さわき】さん [地上波(邦画)] 8点(2016-10-13 15:46:32) |
26.《ネタバレ》 無責任? いやいや、詐欺師みたいなものでした。同時にスーパーマンに見えなくもない。 この主人公、3回クビになりますが見返すために頑張る訳でもなく、ただ飄々と世渡りを続けます。精神と身柄の自由を優先している様はサラリーマンと云うより優秀なフリーターって印象でした。でも現代にいたらベンチャーの起業で成功しそうなタイプだと思いました。仕事をやらされているのではなく、ナチュラルなバイタリティを感じます。時代を先取りしたキャラだったのかも、ですね。 唐突に挿入されるミュージカルシーンが面白い。特に歌詞が出色。 個人的な余談ですが、サラリーマンを始めた最初の会社の最初の上司がいつも酒席で「俺らは辞表一枚でキッパリ別れられるキレイな関係」と言ってたことを思い出しました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-03-28 02:39:15) |
25.自己責任論が叫ばれる現代から見ると、サラリーマン社会を乗り切るこの軽さと無責任さとそして強かさはある種の尊敬に値する。それにしても「サラリーマンは辞表を出したらおしまいだ」ってのは名言。コツコツやる奴あご苦労さん! |
24.分からないでもない。 でもちょっと現代とは違う。映画というよりはテレビドラマ。まあこんなもんだろう。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2015-09-16 23:16:49) |
23.友達に勧められて見たんだけど、自分には合わなかった。 50年前のサラリーマンでも、やってることは意外に現代との共通点多くて、 長らく会社員やってる自分としては、身につまされることが多く、 ちょっとつらかった。 【まかだ】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-11-30 23:17:36) |
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22.気楽に見れました。コメディとしてもそこそこ面白かったです。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-08-04 20:32:06) |
21.《ネタバレ》 ストーリーはハチャメチャだが、この時代の街並みを見るのが楽しい。 【チェブ大王】さん [地上波(邦画)] 4点(2014-07-26 20:24:21) |
20.今更なのだが大瀧詠一さんが亡くなられた時に、ぱっと思い出したのはクレージーサウンドの再評価についてだった。 映画、テレビなどの仕事を含めて再評価が始まったのは70年代後半、中原弓彦の「日本の喜劇人」あたりからだと思うが、 私がクレージー・キャッツを知ったのは1981年雑誌「ポパイ」の小特集記事だった。 高校生だった私はなぜか?その記事で読んだ「スーダラ節」の歌詞に衝撃を受けて、浅草東宝のオールナイト上映に通う日々が始まった。 オールナイトは当時も保護者同伴以外18禁だったが、老け顔だったせいかポルノ映画館同様、苦もなくもぐりこめた。 大量に見たクレージー映画の1本として、この映画に不満があるとすれば「スーダラ節」の扱いが小さいことである。 ゴーゴーナイアガラで大瀧さんがリスペクトしてくれたおかげか、東芝EMIからシングル盤5枚組VOL1,2などが発売されて、 クレージーサウンドへの飢えは満たされた。そして再評価のひとつの頂点が、 1985年池袋西武スタジオ200で催された第4回小林信彦ライヴ!「『日本の喜劇人・増刊』クレージー・パーティ」 (小林信彦、青島幸男、大瀧詠一の鼎談とキネコの上映。お客の中に三宅裕司さんがいた。)と、 1986年銀座みゆき座で催された東宝シネ・ルネッサンスでの「ニッポン無責任時代」「天国と地獄」の二本立てだったと、 個人的には思っている。黒澤明のサスペンス映画の秀作と同等に扱われたことに感慨深いものがあった。 ニュープリントで傷もなく、何より褪色していないのがうれしかった。「天国と地獄」のパートカラーはくすんで見えたが、 「無責任一代男」を歌う植木等は輝いて見えた。 【ノーコメント】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-07-01 16:44:31) |
19.《ネタバレ》 上意下達の性格が海外よりもキツいこの日本で、アナーキー(と言うか極度の面倒臭がり屋)な男、平等が口八丁手八丁で世間を渡り歩いて行く様は実に痛快。この話自体も高度経済成長期に作られた映画であったからこそ、「どんなに落ちこぼれでもやり方次第で成り上がれる」という神話として当時の人々に受け入れられたのだと思います。今の世の中じゃとてもそうは思えないですから。 全編勢いの良いスラップスティックコメディが続くので退屈はしないのですが、大変困ってしまったのが登場人物が本当に全員思っていることを全て口に出すことです。マジで画面を見てなくても聞くだけで話の筋は理解できるレベル。だからキャラクターの内面が全く見えず(勿論そんな物はこの映画には不要でしょうが)、終始どうでもいい気分にさせられました。個人的には舞台劇を映画化したみたいだなと感じました。じゃあ映画では無く舞台でやれよと。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-07-15 17:57:11) |
18.コレと無責任野郎とホラ吹きとゴマすりの4本はお墓に入れる予定。(あとは太閤記かな)すべて10点。わたしにとっては黒沢、三船コンビよりも、古澤、植木コンビの方がおよそ3倍くらい重要です!!俳優は植木、由利、人見、石橋エの順で好きです。女優はなんといっても団令子ね!脚本、松木ひろし?!?っていえば、石立の兄貴じゃねえか? 【男ザンパノ】さん [DVD(邦画)] 10点(2013-04-20 22:07:22) |
17.この頃クレージー・キャッツはテレビで大活躍だったし、植木等の歌もヒットの連続だった。しかし映画は見たことがなく、そうかこれが日本一の無責任男の異名をとった映画だったのかと改めて関心。 でもクレージーはテレビの方がおもしろかったと思う。ところで森繁社長夫人がこの映画でも社長夫人で登場しびっくり。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-12-05 19:05:49) |
16.実際の昭和30年代がどうだったかは知りませんが、普通に資本の論理で企業が買収されたり、ホステスのねえちゃんが株で得した損したと騒いだり、気に入らない社員を簡単にクビにしたりと、今よりずっと真っ当な資本主義が描かれていることに驚き。一方、社屋の屋上に全社員が整列して集会を開いたり、無能な社員が組合結成を画策したり、いかにも安普請な文化住宅が登場するあたりは、貧しさと社会主義臭さを感じます。この入り交じり感が、チョンマゲ&洋服姿、あるいは鳥居の奥の寺院を見るような強烈な違和感と相まって、なかなか見ものです。 ストーリーも、それなりによく練られています。少なくとも、『無責任野郎』よりはずっとロジカルで鑑賞に耐えます。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-27 04:53:19) |
15.一言で言えば、「元気な映画」ですよね。「現金な」でも結構ですが(笑)。歌って踊る植木等の活きの良さ、調子良さには観ててつい頬が緩むし、大胆でちょっと雑なカット割りなども、むしろ楽しかったりします。元気で、動きに満ちた映画。この主人公、やってることは“周囲と比較すると”メチャクチャだけど、自分ではうまくいくと信じて、最後まで投げ出すこともなくすべてをやり切ってしまうんだから、別に主人公自身が「無責任」って訳じゃなく、むしろ、こんなヒトが大成功しちゃうこの映画のノリこそが、確信犯的「無責任」という訳なんでしょう。堅苦しい世の中において、「無責任」の楽しさよ。ところがところが、裁量労働・成果主義の現在から見れば、むしろこの主人公ほど優秀な人材はいない、ってなことになりかねない。世の中全員がこんなヒトばかりでは、困るんですが。ホントは、閉塞状況の中にあえぐ現在の我々が、この映画を観て感じ取るべきなのは、「多様性」ということの価値、なのかも知れません……。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-23 09:05:07) |
14.《ネタバレ》 適当なことを言って社長を丸め込む序盤は、正直つまらなかった。「クビになったら次を探せばいい」というのがいかにも高度成長時代で、今ではこんなこと言えないでしょう。無責任男を生んだ時代ならではと思います。しかし平均は単にいい加減なだけでなく、たしかに仕事ができる。さらに、組合結成を呼びかけるビラを社長から取り戻そうとしたり、辞めようとする総務部長を引きとめたり、あげくには社長を復活させようとしたりと、案外仲間思い。いわばスーパーサラリーマンで、これは人気が出たはずだと納得しました。 しかし、そうした行動が相手のためを思っているためか、あるいは会社のためなのか、はたまた自分の利益を考えているのか、そのあたりが不明です。若い2人を駆け落ちさせたのも、社長返り咲きに利用するためなのか、本当に2人をくっつけるつもりだったのか、よくわかりません。何を考えているのかよくわからない、謎の男です。謎のスーパーサラリーマン? それはそれで魅力があるでしょうが、あまり面白味はありませんでした。一応コメディですが、たいして笑えなかった。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-06-17 21:02:20) |
13.もう少し一直線にはじけるのかと思っていましたが、意外に多くの部分は真面目なつくりでした。ただ、後発のいろんな喜劇の源流になったという点では価値ある作品でしょう。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-05-13 00:20:39) |