1.《ネタバレ》 これ最近「ユマ・サーマンの運命の人を探して」というタイトルでCS放送されたHBO製のTVMですが、邦題をつけなおしたんでしょうかね。どっちにしてもひどい邦題ですからどうでもいいですけど。
TVMのわりには女優が豪華です。なんたって国宝級女優のジーナ・ローランズだし、ジュリエット・ルイスもいつものようなちょっとオツムが軽い役で出ている。そしてユマ・サーマンなのですが、私は彼女にとてもひっかかる。
「下流の女たちの生態」というテーマでつくられたらしいのですが、ユマ・サーマンが下流の女。
…しっくりこないのです。安い格好をして安い店や安いインテリアにいくら彼女を置いてみても、顔と身長が逆らっている。本人はどう思っているのか知らないが、サーマンについては「ガタカ」の謎の美女役が最もしっくりくると思います。かつ、あんまり映っている時間が長いとダメなタイプの女優さんだと思うのです。エグみが出すぎてしまうというか…。
ジュリエット・ルイスの自然な下流さとどうしても比べてしまうので、サーマンはほんとうに浮いています。とても不自然で奇異な感じです。
脚本もあんまりよくなくて、ありがちな「誰かの突然死」で大団円で〆るあたりとか、シンディ・ローパーでみんなで踊ってごまかすエンディングとか、適当につくっている感じが大です。
ジーナ・ローランズをウェイトレスにしてコーヒーのサービスを運ばせてしまうとはう~ん、友情出演だったのでしょうなあ。あの美しかった彼女が樽のようなプロポーションをさらしているのを見るのはつらいです。
全体的には豪華な女優陣で適当なものをつくったという感じで、TVMだからそれでいいのかもしれないけど「下流の女」の実態に迫っているとはとてもいえないです。