1.後の「大作戦」「大冒険」に連なる、クレイジーキャッツ総出演の「作戦」シリーズ第一弾。クレイジー映画はこの「作戦」シリーズと、植木等の魅力を抽出した「日本一の男」シリーズに大別されるのだけど、正直本作はまだまだの感は強い。クレイジーメンバーの個性が全員分発揮されたとは言えず、ヒロイン中尾ミエを抱き合わせで売りたい渡邊プロのスケベ心なんかも見え隠れして、完成度はちょこっと低めの印象強し。むしろ注目のしどころは、脚本の池田一郎かもしれない。この見慣れない脚本家、実は時代小説等で有名な、故・隆慶一郎氏のペンネーム。そう考えると植木等の、常識に縛られない豪放磊落かつ破天荒なキャラクターは、隆氏の「花の慶次」の主人公などと共通しないだろうか?メンバーが集まって一つの商売を設立させ、その成功までのプロセスを描くというメインコンセプトは、むしろ「前進」「冒険」等の、後のドリフターズ映画に継承されていく。