154.《ネタバレ》 「オペラ座の怪人」。ゴス風な幻想性に満ちた題材ですが、
この作品からは怪奇的な雰囲気をあまり感じられないのが残念です、、、、
ナルシスティックな変態ファンタジーになってしまってます。
最初の物語が始まる場面は素晴らしいです。
古い写真からモノクロフィルムに、そして当時の記憶が甦るかのようにカラー映像になる場面は素晴らしいです。
命を吹き返したかのようにシャンデリアの灯りが次々に灯される場面で美的なテンションが最大になります。
オペラ座の建築や装飾、貴族の服装など美術的な面はとても優雅で良いです。
また、舞台裏の仕組みを見ることができるのは楽しいです。
「オペラ座の怪人」の音楽はとても良いです。「ジャ~ン♪ジャジャジャジャ~ン♪」とても重厚感があって優雅でシビれます。
そのメロディーに歌も入りますが女性の歌声が奇麗です。
大きなシャンデリアが落ちてくる場面はCG映像でなければ出来ないようなゴージャスで派手な美しさがあります。先にも書きましたが、主要登場人物がナルシストで変態な感じです。
ロマンチック過ぎてゴージャスなので、本来ある影の部分が掻き消されています。
地下の水牢も明るくて色鮮やかですが怪奇映画の暗さはどこへやら。
ファンタジーとしては美しいです。
魔法にかかったようにファンタジックで、怪しげな石像が色鮮やかに照らし出される光景は凄く奇麗です。
燭台を握った手の彫刻が蝋燭の火で道を形成して、それがどんどんと閉じてゆくところは綺麗でうっとりなファンタジー。
でもそれらは怪奇な幻想世界ではなく、ディズニーのファンタジーからの拝借ものだと思います。
怪人はイケメン過ぎてあまりに本来の姿を偽ってます。
仮面を取った時に醜いはずの顔があまり醜くないのはそれだけ偽ってます。
女性が怪人の仮面に手を触れたときの怪人の怒り様はカッコ良かったですけど。
昔からオペラ座に怪人が潜んでいるなんて、とても幻想的な話。
それをゴージャスさで偽ったために本来ある魅力が失われた感じはしますが、
ファンタジーとして美しい世界だったのでまぁ 良いのでしょうか。