39.《ネタバレ》 アルトマン節、絶好調!浮気をごまかす嘘に爆笑する妻、下半身露出して痴話げんかする女性、等々もうこれでもかって感じで、群像劇中の女性のB面を描く。これは結婚してる男性にはうなづけるとこがあるのだろうか?それともアメリカという国がやり過ぎなのだろうか?それか嫌われ者のアルトマンの人生観なのだろうか?しかしよくまぁこんなに淡々と生活を描くだけで3時間ももたせるよ。BGMもほとんどなくて、それどもついつい見入っちゃうのは、他人の家の裏事情に好奇心が行くからかな?いやアルトマンが上手いんだろうな。群像劇を見せる演出が只者じゃない。・・で最後まで観て、地震しか起きない、って変な映画(笑)。これで終わり?って皆思うよね。それかやっと終わったと思うか?アルトマン群像劇は自分は「ナッシュビル」が断然好きだなぁ。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2016-08-22 10:43:30) |
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37.20年近くまえ、映画館で観た。まだ10代の自分には早すぎた気がして、撃沈した。そして、アラフォーの年末、ふと見返してみた。「ショートカッツ」というタイトルのとおり、短いシーンがめまぐるしく移り変わる。それがとにかくスリリング。ある程度まとまった「エピソード」を重ねるオムニバスとは全く違う。最初1時間は話も見えず、やっぱりしんどかったが、途中から突然物語がつながり、登場人物が生き生きと動き始める。そのへんは後発の群像劇『マグノリア』や『クラッシュ』とも似ているけれど、やっぱりぜんぜん違う。何が違うか考えてみたのだけれど、結局、この映画は、徹頭徹尾、登場人物のあいだの「関係」を執拗に描く。関係を欲望し、関係に絶望し、関係を喪失し、関係がうまれる。アルトマンらしい「文明批評」。唯一無二の映画体験だと思う。残念なのはラストかな。『マグノリア』の元ネタではあるといえるが、この映画に限っていえば、もっと別の可能性があったように思える。 【ころりさん】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-01-06 18:10:27) |
36.時間軸を工夫した群集劇によくあるパズルが完成されるような爽快感や、ドンデン返しの意外な結末を期待して観ると肩透かしを食らうと思います。 私はその一人でした。 ただし、様々な人間模様ドラマとして面白い作品でした。 「ショート・カッツ」なだけに、内容が多くてそれぞれコメントできませんが、結局、言いたいことはすべてエンディングの歌詞が言ってくれてると思います。 じっくりと腰をすえて、紙に人物相関図を書きながら観賞するといいかもしれません。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-02-11 17:26:18) |
35.《ネタバレ》 外国の方の顔を判別するのが苦手なので、「あ、あの人とあの人はあの場面で繋がってた!!」と、鑑賞後しばらくたってから気がついたりして、割と楽しめたかな。でも、長過ぎ。 【おおるいこるい】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-01-04 15:30:56) |
34.《ネタバレ》 アメリカ国旗を思わせるヘリコプターより降りそそがれる農薬の下の街。一皮剥けばののしりと軽蔑が波打っている社会、その悲しさを笑おうとする。悲しさの軸になっているのは、少年の死と歌姫の歌。この監督では「歌うこと」ってのが「一皮剥く」方法としてポイントになっていることが多い。ののしりや軽蔑という激しい感情の対に、無関心もある。ジャック・レモンは息子との関係回復にのみ心が走って、孫への関心が湧いてこない。アニーも、隣人の子どもの死に心が動かない。逆に過剰な関心が寄せられると、パン屋のいたずら電話になる。つまりどれもこれもマットウな距離が測れなくなってしまった人たちなの。医師は妻への疑いを普通の声で確認することが出来ない。水死体の脇での鱒釣り。遠慮と無関心。一方に偽の暴行、偽の(テレホン)セックスがあれば、一方に唐突に女を石で殴り殺す男がいる。すべて距離の混乱。最後の締めは、この見事な大伽藍の後ではちょっと物足りなかった。回想シーンなし、すべて時間順に綴られている。個人の内面に深入りしない(一人でいるシーンは長くやらない)。もちろんモノローグなし。そういう文法で綴られるのは、私たちがもう他人とのマットウな距離を測れなくなってしまっているという現実。ばらばらにされた家具の中でピカピカにきれいにされたカーペットの空間、あの空虚感がこの映画のテーマだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-09-11 09:54:03) |
33.《ネタバレ》 群像劇ってあまり好みではないんですが、これは面白い、3時間以上の長さも全く苦になりません。ひとりの作家の短編小説群を組み合わせるとはなかなか良いアイデアですね。これもひとえに全盛期のR・アルトマンのストーリー・テリングが超絶的に上手いからです。 あの地震は、猥雑な登場人物たちの発散させるパワーのメタファーになっていて、脚本には感心させられました。まあ誰かさんみたいに、カエルを天から降らせるのはやり過ぎでしょう(笑)。けっこう出ている女優が脱いでますが(なんとF・マクドーマンドまでも)、J・ムーアの脱ぎっぷりにはちょっとびっくりです。あれはアルトマンらしいところでしょうか。あとH・ルイスも出演していますが、最初は全然気がつきませんでした。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-07-29 22:20:50) |
32.《ネタバレ》 レイモンド・カーヴァーの短編小説をベースに、ロバート・アルトマンが豪華キャストで作り上げた群像劇の傑作。カーヴァーの作品を全部読んでいるわけではないけれど、ざっと見たところ、「ささやかだけれど、役に立つこと」「足元に流れる深い川」「犬を捨てる」「ダイエット騒動」「出かけるって女たちに言ってくるよ」「頼むから静かにしてくれ」「隣人」「収集」「菓子袋」あたりがストーリーに織り込まれている(興味のある方は是非原作を読んでいただきたい)。それぞれの作品の登場人物が微妙に重なったり重ならなかったり、さらにはアルトマンの創作したオリジナルキャラやエピソードがいくつも挿入されている。また、出てくる女優さんのほとんどが脱いでいるというのも、いかにもアルトマンらしい(脱ぎっぷりのよいジェニファー・ジェーソン・リーは今回服を着たままだが、テレフォンSEXのバイトをする主婦という設定。過激なトークを展開する)。これだけの豪華キャストで3時間の長尺を全く飽きさせないアルトマンの手腕は見事というより他なく、クライマックスにおいて、登場人物全員がある自然現象を同時に体験するという展開は、ポール・トーマス・アンダーソンの『マグノリア』にも影響を与えている。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-06-18 10:19:52) |
31.色々なエピソードが、ジグソーパズルのピースのように繋がっていく。ようやく其々のピースが埋まり完成と共にパズルごとひっくり返すエンディング。3時間があっという間に過ぎる、クールな映画。 【円軌道の幅】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-05 22:18:52) |
30.何組かの夫婦の日常を淡々と描いているわけですが、それを飽きさせず、どうなっていくんだろうと思わせてくれるアルトマン。下品になることなくシニカルに見せてくれるのがよいです。ジェニファー・ジェイソン・リーのテレフォン・セックスのシーンは現実的で笑いました、その仕事ぶりを見ているクリス・ペンの表情がまた良いのです。「マグノリア」?んー このスタイルを引用したってだけで視点、焦点がまったく違うと感じる。イっちゃってる人も結構出てはくるけど、こっちにはユーモアがあり登場人物たちの性質ね、ここが違うのよ。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-10 12:36:19) |
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29.省略の芸術に足し算を試みたが何も起こらなかったところか。 【michell】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-10-21 14:00:01) |
28.1992年[ザプレイヤー]も観たが、この作品も1回の鑑賞では充分でない。再鑑賞要。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-08-05 17:15:38) |
27.ものすごく豪華キャストなので、長いとはいっても、それなりに楽しめたが、カーヴァー的世界が目の前で繰り広げられると、映像を見てるのに、不思議なことに村上春樹の文章がちらちらして、妙な気分だった。村上春樹訳でカーヴァーを読んでいるのだから、不思議でもなんでもないんだけどね。 ごひいきのティム・ロビンスのうそつきぶり、身勝手ぶりが、やっぱりよかった。 【yhlee】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-12-30 16:54:35) |
26.待望のDVD化により即購入、鑑賞しました。アルトマン映画では最も好きな1本です。日常生活に浮かぶ人と人との関わり合い、心のすれ違い、おかしさ、哀しさがテンポよく描かれ、3時間まったく飽きません。出演している俳優はみんな実力派ばかりで、役にもぴったり。見るたびに新たな発見のある映画です。DVDに特典が入ってないのが少々残念でありますが。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-11-28 12:15:12) |
25.苦手アルトマン作品にしては、珍しく楽しめた。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-10-10 17:38:17) |
24.ちょっとまじめすぎる。リアルな日常劇のお芝居という感じ。ありえなさそうでありそうな生々しさはない。だから笑えない。つまり突き放し過ぎて救いがない。始まりと終わりも輪をかけて陳腐。 【Vanilla】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2006-11-20 23:18:58) |
23.《ネタバレ》 ジェニファー・ジェイソン・リー。ラストが良い。 【つちのこ】さん 7点(2004-11-11 12:57:08) |
22.《ネタバレ》 群像劇の達人と言われるだけあって、やはりアルトマンの構成は目を見張るものがありますね。3時間と言う時間の中、20人以上の登場人物の描写を余すところ無く、しかも少しずつ絡ませながら一つの大きな物語を紡ぎ出してく手法は圧巻。しかもそれでも飽きさせないところがすごいです。ただ、確かに飽きなかったんですが、人物一人一人の人間描写が引き込まれるほど深く描かれていないように見受けられました。それに確かにマグノリアと設定がダブってるところもありますが、やはり僕はマグノリアのほうがずっと優れていると思います。PTAの書き上げた脚本や人間描写の手法も素晴らしかったんですが、やはり一番の違いはラスト。両者とも自然災害(○○が降ってくる、という災害は過去にも報告されています)によって今までの苦悩等が一度リセットされる、という点では共通ですが、地震よりもカエルの方がそのインパクト、すべての不条理を否定し、また肯定すると云う意味合い、そして過去を洗い流し救済すると言う意味合いが遥かに強かったからです。まあ、哲学などの類が嫌いな人は、地震の方が判りやすく、好まれるのでしょうが…。 |
21.傑作である。レイモンド・カーヴァーの小説作品といえば、日本では、村上春樹訳としてよく知られている。その村上春樹がカーヴァー作品について、「人間存在の有する本質的な孤独と、それが他者と関わりあおうとする際(あるいは他者とかかわりあうまいとする際)に生じる暴力性が重要なモチーフ」と解説しているように、カーヴァーは、その原初的な孤独と暴力性に常に囚われる下層労働者たちの荒涼とした悲哀を描く作家である。しかし、村上訳でカーヴァーに接する僕たちにその辺りのニュアンスを掴むのはなかなか難しい。村上訳から漂う軽妙な風がまさに都市的な悲哀を僕らに吹き込んでくるからである。個人的には、その悲哀の本質<弱さ>は変わらないと思うが、カーヴァー作品で描かれる下層労働者たちの絶対的な「どうしようもなさ」が圧倒的な存在感をもって僕らに伝わっているかと言えば、なかなかそうは捉えられないところがあるだろう。それに比べればアルトマンの描く「ショートカッツ」は実にカーヴァー的<原カーヴァー的>であると僕には感じられた。画面に漂うあまりにも明瞭な寒々しさ、絶対的な孤独を自明とした人々の生活とその荒涼感。映画としては、カーヴァーのいくつかの短編を繋ぎ合わせた構成となっていながら、そのエッセンスをうまく統合することにより、カーヴァー的世界を忠実に表現していたように思える。著名な役者たちも各々の無意識的な「ボロボロさ」加減をうまく演じていた。上空を旋回するヘリコプターが煽る硬質な不安感の中、最後の地震のシーンは人間の根源的な衝動、漠とした悪夢を見事に映し出す。僕は映画を観終わったあと、しばらく間、悪夢の続きの中をくらくらしたものだ。 |
20.ロバート・アルトマンという監督は、とても玄人向けの作品を撮る監督だと思う。私のように頭の回転が鈍い人間には、彼の得意とする独特な群像劇は辛いものがある。映画の内容云々以前の問題だけれど、登場人物全部憶える前に映画が終わるのですよ(涙1粒)。この映画は観る前に人物関係を予習したのに、それでも駄目だった(涙2粒)。ひどいものです。この点数は、作品の点というより、自分の至らなさに起因するものです(涙3粒)。 【ひのと】さん 4点(2004-05-20 00:06:58) |