107.《ネタバレ》 子供の頃テレビで何回か見ています。原作小説は未読です。幼少期の強烈なトラウマという意味では、犬神家のスケキヨサンにはかなわないものの、本作の半身赤あざの里子サン、顔黒焦げの恩田サン、ならびに、そのおぞましい血しぶきは、充分心に焼き付いております。静謐ながら何かの意思や存在をも感じさせる奥山の森林、外界から閉ざされがちな地に細々と伝承される手毬唄の調べ、手毬唄を題材にした見立て殺人の異様なビジュアル、時の流れに翻弄される人の生活と情、複雑な人間関係、二十年前と現在の殺人トリックの重ね合わせの妙、効果的に配置された笑い、などなど、様々な要素がバランスよく絡み合っていて、浮いてる要素がないため、創作世界としてのリアリティが得られており、多少ムリなところがあっても押し切れていると感じます。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 9点(2023-07-06 18:32:20) |
106.《ネタバレ》 犬神家の舞台が昭和22年で、本作は昭和27年の物語。 犬神家の続きものと言ってよいのか、同じ俳優が別な名前と役柄で出てくるから、慣れないと結構ややこしく感じる。橘署長は別人の立花刑事の役だから、金田一と初めて会った時の首を傾げるのが可笑しくて。 今回は山あいの村が舞台。自然の美しさと静けさ、夕方から日が落ちるのが早く、とても寂しげで怖さも感じる。 登場人物が多く、4世帯に女4人、娘4人、息子が3人?最初の方、名前が出る時に細かく顔がカット・インするの、便利で解かりやすいと思ったけど、覚え続けるのが大変で…鑑賞3回目にして金田一みたく家系図を作ってみたので、今回は何となく関係が解ったかな。 他人の話をべらべら喋る女中がザル屋なのを聞いて「ピッタリじゃ」には吹き出した。他にも金田一と磯川警部のやり取りが絶妙で面白く、自転車の二人乗りなんて何とも微笑ましい。 このシリーズの影のヒロイン草笛光子。殺人を問い詰める方言がなんか可愛い。 総社の宿でおはんが去年死んだと知らされる時とか、大瓶の中の大きなサンショウウオとか、恩田の写真を見る女3人とか、見ていてゾッとする演出が上手い。 極め付きが村娘を表した手毬をする日本人形。あんなの、子供の時見ていたらギャー!!だよね。 葡萄酒作りとか、田舎のモール詐欺とか、弁士の失業とか、あの時代ながらの問題・話題がなんかリアル。 同い年の仲良し村娘4人組に、これまた闇深い事実が隠されていたけど、子を思っての犯行って考えたとしても、あまりに突飛な動機。そんなの感情論で妨害するなり、口で上手く説明すればって思う。手毬唄にちなんだ殺人は、ご隠居以外に知っている人が居ないマイナーな唄なのに、どうしてその唄に合わせる必要があったのか?…まぁそういうの全部、犯人の心が病んでいたって思うとスッキリか。 でも源治郎と恩田の、村人との関係がどうもシックリこない。20年経った今なら過去のことだけど、当時はリアルタイムの人間関係があった筈で、それなのに、あんな小さな村で夫婦生活するなんて、当時の彼は何でそんなリスキーな事をしたのか。…もう一回くらい観れば何か掴めるかな? 犬神家同様に、戦後の怪談話として、観てる間“ヒエぇ~~…”ってなれる、とっても趣のある懐かしさと怖さ。 【K&K】さん [DVD(邦画)] 7点(2021-09-27 02:33:13) |
105.《ネタバレ》 原作に比べると少し弱い気がする。ネタは最高なのだが、お庄屋の描きこみや恩田のモール詐欺の描写が足りないのでは。それにしてもラストでリカを置き去りにしてお庄屋の死体確認にみんなで向かうというのはあんまりだ。その間にリカに死んでもらうためのご都合脚本と言われてもしかたない。原作では山狩りで追いつめられるのだが、そのパターンのほうが良かったと思う。リカの自白シーンを撮るために原作と変えたのが無理筋となってしまった。ただ岸恵子の立ち居振る舞いの演技は上手かった、さすがに名優である。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 4点(2021-02-17 11:58:29) |
104.《ネタバレ》 殺人の動機がよく理解できませんでした。 ストーリーより田舎の風景を楽しみました。 【まっか】さん [インターネット(邦画)] 5点(2021-01-11 10:49:16) |
103.岸恵子さん、若山富三郎さんが素晴らしい。 何度目かの鑑賞だが、石坂金田一シリーズの中でも1、2位を争う名作。 【tonao】さん [DVD(邦画)] 9点(2020-04-18 19:02:37) |
102.前作犬神家より話題性は落ちるものの古典的なホラーが満載で個人的にはこちらのほうが好み。 殺人バリエーション、ロケーション、風習や慣わしの古さが逆に切れ味があって現代映画ではきっと描けないだろうなと。 金田一演じる石坂が二度目ということもあり前回よりもはまり役。続編として凄みを増している。 |
101.横溝・市川シリーズの中でも原作のおどろおどろしさをよく出していて、なおかつ情に訴え掛けるものがある。ラスト北公次が泣き崩れるシーンから「リカさんを愛していらっしゃったんですね」あたりでグッと来ました。戦後の暗さを引きずりつつも、現代薄れているアナログな行動がが心落ち着かせます。金田一が自毛ではなく、カツラになったのは頭が盛り上がりすぎて残念でしたけど。 【チューン】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-06-04 19:10:49) |
100.岸恵子は確かに美しかったのですがそれ以上に永島暎子の横顔の美しさが印象的でした。さらにそれ以上に白石加代子のインパクトが強烈でありました。なんで素であんなに不気味悪いのでしょうか。彼女らに加えて大滝秀治、常田富士男、三木のり平といった個性的な脇役陣がいい味を出していて、市川監督の繊細な映像と相まって個人的には満足度の高い作品です。残念なのは、いくらジャニーズからの売り込みが強かったとはいえ大根北公次を採用したことと、坂口良子が不参加だったことです。 【la_spagna】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-10-17 21:50:29) |
99.ちょっと複雑な人間関係があるので、集中して観ないと入り込めない(当たり前だが)。 雰囲気もそれなりだし、内容も悪くない。よく出来た作品でもある。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2016-12-03 17:47:59) |
98.《ネタバレ》 見終わってとても気が重くどんよりした気持ちになった。 最初は暗い感じがあまりなかった旅館屋だったのに、終わってみたら岸恵子演じる母親とその子供二人がそれぞれ可哀そうで切なくなる。 いつの間にか若山富三郎の警部の気持ちになっていたのは、母親の青池リカの幸の薄そうな印象と劇中に自分の子を思う雰囲気を感じたからなのか。岸恵子さんの繊細な演技と美しさに魅せられました。 【さわき】さん [地上波(邦画)] 7点(2016-11-22 17:37:41) |
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97.ミステリーとしてより、一種のファンタジーとして大変素晴らしい。凄惨な連続殺人、辺鄙な田舎で旧家の対立、昔の迷宮入りの事件、謎に包まれた登場人物…。いわゆる「お約束」の目白押し。犯人も含めて意外性ゼロの、直球ど真ん中(当時リアルタイムで観た人に取っては違うのかもしれないが)。でも、そうそう、こういうのが観たかったの!みたいな、こちらの期待に100%応えてくれていて満足。って言うかこういう世界が好きなんだからもう仕方ない。金田一のキャラも最高。犯人がすぐ分かってしまうとか、この映画が「名画」であるかどうかとか、そういうこともどうでもいい。とにかく好きです。 【すらりん】さん [地上波(邦画)] 9点(2016-05-15 09:58:44) |
96.《ネタバレ》 若山富三郎と岸恵子の演技、犯人がわかるシーンにかかる音楽、池にこだまする歌名雄の叫び(犬神家でも同じようなシーンがありましたね)、秋枯れの日本の風景、どれをとっても傑作です。 市川監督逝去直後に偶然リバイバル上映されているのを見に行くことができたのですが、映画館の大スクリーンでみるとまた感慨深いものがありました。 2016年、2度目の劇場での鑑賞。スタイリッシュな映像なのに、切ない物語。最高です。時折挿入される短い風景映像がまたスタイリッシュなんだ。それなのに無駄なカットが全くないというのはやはり市川崑はスゴい人だと思う。 【MASS】さん [映画館(邦画)] 10点(2016-01-31 00:42:01) |
95.《ネタバレ》 犬神家の一族よりこっちを評価します キャッチャーなシーンこそ少ないものの抑え気味の演出で村にみちる恐怖がひしひし伝わってきます。 なんといっても演技陣が良い。 若山富三郎と岸恵子の会心の演技。 陰惨な事件にあって一服の清涼剤加藤武。今回は石坂浩二が少し下がって演技していたのが良かったように思いました。 横溝正史原作なんでなんじゃこりゃ感は否めないんですがそれを超えるものがあります。 【CBパークビュー】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-21 16:46:43) (良:1票) |
94.今の日本映画では無理であろう、俳優の演技力でみせる、という映画でした。一方、使い古されたプロットが多いため、相当早い段階で全てが透けて見えたため、作品の魅力が半減し残念でした。当時は、相当に魅力的な小説、映画だったのだろうと想像します。 【みんな嫌い】さん [地上波(邦画)] 6点(2015-08-16 14:16:58) |
93.《ネタバレ》 これは若山富三郎さんと金田一との友情?が非常に印象的です。お互いのやさしさと思いやりが邪魔せず、うまく融合しています。ただ一つ気になったのは、犯人の謝るシーンはいらないのではと思ったことです。このシリーズは犯人の堂々とした佇まい、事件の救いようの無さ、どうしようも無さがあるからこそTVドラマとは違った「映画」としての風格が際立つのではないでしょうか。そこが「犬神家の一族」「古谷一行の6話連続のTVドラマの悪魔の手毬歌」に一歩及ばずな印象を持ってしまいます。 【金田一耕助】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-12-23 15:41:06) |
92.手の込んだミステリーだが、小説の筋をただなぞっただけの感は否めない。 複雑に入り組んだ人間関係が見物だろうが、私には解りにくいだけだった。 岸恵子が実に美しく、はまり役。 暗い過去を背負ったミステリアスな女性のイメージに、ピタリとはまっていた。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-12-21 01:28:55) |
【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-09-25 19:36:41) |
90.《ネタバレ》 幼い頃に親がテレビで観ていたものを訳もわからず観ていて、あのリアル日本人形の恐怖しかトラウマで記憶に残っておりませんでしたが、大人になってちゃんと拝見したところ、岸恵子が出た時点でミステリーではなくなってしまった。いや、私じゃなくてもタイトルのあとのキャスト順でわかってしまうよね。後はただ原因を探るだけの映画になってしまった。私にとってはキャスティングミスとしか思えない。例えばせめて、岸恵子の役を草笛光子が、草笛光子の役を岸恵子がやっていれば少しは観客の推理が惑わされたかもしれない(草笛さんすみません...)。ただしリアル日本人形は今観ても怖かった。 【movie海馬】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-09-19 21:35:07) |
89.なにがすごかったというと、あのフケの多さです。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-09-18 06:50:36) |
88.老婆に扮する岸恵子がなぜか色っぽい。歌の通りの殺人は前にもあったよね。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-05-22 19:35:19) |