83.《ネタバレ》 いまさら言うことでもないだろうが、インドという国はまだまだ若い。1970年代の日本の高度経済成長期のように、誰もが前を向き、誰もがただ幸せになることを夢見て努力した結果、国全体がどんどんと豊かになろうとしている。ただ、努力すれば誰でもある程度の中産階級以上となることが出来たあのころの日本と違い、今のインドでは行き過ぎた競争社会の弊害により貧富の格差は拡がるばかり、プレッシャーに負けた若い学生の間には自殺が流行し、そして社会の不満が爆発するかのように多発する女性への暴行事件……。そんな負の側面を抱えながら、それでもまだまだ若い活力に満ちたインドの人々は豊かさを追い求めしっかりと明日を向き歩き続けている。今作の主人公であるランチョーたち3人もまた未来に目を向けている。だが、地方から出てきて全国でも有数の工科大学へと入学した彼らだったが、競争社会が生み出すさまざまな矛盾や悲劇へと直面してしまうことに。「こんな社会、少しでも変えたい!」――。シンプルにそう願う彼らと、競争主義の申し子のような学長との闘争をいかにもインドらしくエネルギッシュで猥雑にそして時にはきつい毒を滲ませたギャグの数々で描き、そんな社会的矛盾を軽快に笑い飛ばすこの映画は今のインドという国を象徴しているようだ。まさにこれぞ〝ボリウッド〟という過剰なまでの人生賛歌コメディなのに、最後まで全く押し付けがましくなく、ちゃんと社会の闇を直視しながらも素直に笑って泣けて元気が出る良質のエンタメ映画に仕上げてしまうところは、活力に満ちたこの若い国のなせる技なのだろう。最後、次々と回収されてゆく伏線もよく練られていて見事だった。正直、これまでインド映画というものをほとんど観てこなかった為、中盤までは「この題材で3時間はさすがに長すぎないか?」と思っていたのだが、この底抜けに明るい雰囲気とパワフルで魅力的な音楽の数々、ほとんど無駄のないシンプルなストーリーとで最後まで一気に見せ切るところなど素直に感嘆させられた。観ている間こんなにも楽しく、観終わってこんなにも爽快な気分になれる映画に久しぶりに出会えたように思う。最近嫌なことがあって少し落ち込み気味だった僕の心に、まだ彼らの歌声が明るく鳴り響いている。「兄弟、きっと、全てうま~くい~く♪ 」 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-10-01 13:30:33) |
82.評価の高い本作..期待してたのに..普通に 凡作だった..ベースがコメディだけに ムダなシーンも多く、名作、一級品、とは言えない出来..人にも薦められない..残念.. 【コナンが一番】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2024-08-31 17:54:00) |
81.歌って踊ってのミュージカル色が濃いし、長時間上映が特徴のインド映画。コメディだしはっきり言って避けたい苦手分野です。 ただ、この映画は評判が良かったんで食わず嫌いせず鑑賞。 ランチョ―の知性と信念とカリスマ性はこの物語を語るうえでは重要で 敵もつくるが人が寄ってくるタイプ。 そしてバカをやれる友情がいるって素晴らしい。万国共通。 全体通して爽やかで青春で楽しめました、苦手なりに。 ファルハーンは知人に激似だったのでそこも勝手に楽しんだポイント。 インドの未来は明るいね。 |
80.《ネタバレ》 これは面白かった! かつ、最高のエンジニア映画。 また、出産のシーンで、学生全員の活躍が見られて、 とてもいいキャンパス映画でもあった。 休憩挟んでの第1部と第2部の構成もお見事! さすが映画大国インドの圧巻の作品でした! 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-08-03 00:56:36) |
79.工学部卒の息子の勧めで鑑賞。 工学部が舞台だけに楽しんだ様子だった。 主人公ランチョーのスケールの大きさに感心。 厳しい勉強の中、ファルハーンやラージューと培われた友情にも心を奪われた。 しかし、悪さのスケールも大きくてついて行けないところ多々。 いくら映画でも、何をやっても観客がついてくる訳では無い。 楽しそうな大学生活と、パーティーの飾りつけやインド料理も見どころでした。 【たんぽぽ】さん [インターネット(字幕)] 6点(2022-05-12 14:29:55) |
78.《ネタバレ》 インド人特有の時間感覚なのか、3時間に及ぶ大作だが、三人を描くにはこのくらいの時間が必要だったかもしれない。日本人の倫理感からすれば、仮病で飛行機リターン、スピーチ単語すり替え、学長邸宅荒らし、バイクで病院乗り込み、なんてどうよと思わせる個所はあるにせよ、逆に強者の価値観や常識に囚われる社会もまた息苦しいのではないか。それをデフォルメに代弁してくれるのが彼らであり、『ショーシャンクの空に』を思わせる共通点がちらほら。非常識だからこそ、アップルの製品が生まれ、フェイスブックが生まれ、ドローンによる可能性も現実味を帯びてきた。勿論、選択する自由への代償も覚悟しなければならないが・・・。中盤、ランチョーはこの世に存在しない人物だった?と驚いた場面があり、そこからの切り返しが見事。ほとんどミュージカルに頼らない脚本が抜群に上手い。日本では下流拡大から恐れるように一流大学・一流企業のレールに乗りたい子供達が急増中だという。ただ、保身のための手段として履き違えていることが問題であり、社会を良い方向に変えるための目的と過程が重要なのだと映画は伝えている。それが取引先の社長の正体に集約されていた。湖と空が織りなす青一面のラストショットはこの数年で記憶に残る一枚だ。 |
77.《ネタバレ》 何度か観ているうちに、チャトルへの執拗ないじめ(?)が理不尽に思えてきてちょっと辛くなってきた。冒頭、上級生をこらしめるランチョーは言うことなし。あの調子で最後までいったなら最高点だったのに残念。音楽はどれも良し。最初に流れるランチョーを称える歌は、バックの景色も相俟って心地よく耳に入ってくる。ジョイロボの歌うフォーク調の曲は美しい。そして、底抜けに明るいテーマ曲からのあのジョイロボのシーンは衝撃的である。 【有為子】さん [地上波(吹替)] 5点(2022-03-09 23:56:48) |
76.《ネタバレ》 -3 Idiots- “三バカ”。 3馬鹿って言い回しが日本独自のものらしいね。洋画ショート・サーキットとかで三ばか大将って出てきたけど、-The Three Stooges-で、どっちかって言うと“三ボケ”。 ルームメイトといたずら。憎たらしい学長。イヤミな同級生。ヒロインとの恋愛。試験、就職。決めセリフ「うまーく いーく」学園コメディとしてホントよく出来ている。上級生とのトラブル、アタマの硬い先生との口論なんかを、ランチョーがスカッと解決する展開は万国共通の面白さ。 それでもやっぱり日本とインド。文化の違いは当然だけど、いちばん違和感を感じるのは、チャトルのからかい方。ウガンダ育ちで共通語が不自由なのをからかうところ。学ぶことより成績優遇なインドの教育現場の問題提起をしているけど、言葉が不自由で学年2位の成績は、単純に凄いんじゃないかな? “ゴーカン”については、う~ん…だけど、日本もついこの前の'90年代、ギャグ漫画でエイズを笑いのネタにしてた事を考えると、目くじら立てるところでもないって気もして…ブラックユーモアって難しい。 自殺の多さも気になるところで、ロボの死の衝撃。ラージュは助かるの解ってたけど、それでも1本の映画にあれだけ自殺が出てくるのって、やっぱりインドならではの社会問題なんだろうな。後半ウイルス校長が良い人になる所、無重力ボールペンと鉛筆の話はとても好き。だけどこの、自殺に追い込んだ張本人ということが引っ掛かってしまうのが残念。 ヒンドゥー語の不自由な学生と、イヤミな同級生。憎たらしい校長と、自殺に追い込んだ張本人。は、登場人物を分けてほしかったかも? ランチョーが別人で第2部に続くのは、とっても良かったし期待した。単なるコメディだった学生時代から、後半は手の混んだミステリーになるのか?って。でも思ったのと違って、あ、そういうことかって結末だったけど。トラブル→解決→次のトラブル…の連続で約3時間は、そのまんまコメディ映画2本ぶんのボリュームで、どうしても長く感じてしまう。2本の映画というより、二夜連続のドラマ総集編をいっぺんに観るような感覚。 ランチョーの秘密はわかったけど、どうしても“何も言わずに姿を消した理由”は引っ掛かるところ。彼女も親友も放り出して姿を消すなんて、愛着や未練はなかったのかな?って。ドラマの引っ張り方としてはアリだけど、1本の映画としてなら、もうひと説明欲しかったところ。 まぁ再会したときの袋叩き。ランチョーの今の生活は、万国共通のスッキリ具合。高評価も納得です。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-06 15:52:35) (良:1票) |
75.楽しめた!こわ~い校長をランチョ―(天才的学生)がタジタジにする。自由な発想をもった生徒は苦しい立場に追い込まれる。そういった閉塞感はインドの学校でもあるんだなぁと気付いた。閉塞感から始まったが最後は校長もみんな打ち解けてハッピーエンドで終わる。楽しかった! 【ホットチョコレート】さん [地上波(吹替)] 7点(2022-02-02 05:16:30) |
74.インドという、日本とは生活習慣が大きく異なる(と勝手に思っている)異世界において、はたして笑いや感動のツボは日本人に通用するのか、という疑念は、ほぼ杞憂に終わりました。 ただ、唐突に始まるダンスシーンには最後まで慣れませんでした。短かければ気にならなかったかもですが、残念ながら一つ一つが結構長くて、インド映画とダンスは切っても切れない、ということは何となく知ってはいましたが、それでもかなり引きました。 しかしながら、3時間近くの長丁場を、ダンスシーン以外は全く観客を飽きさせずにテンポよく疾走し、いろいろな伏線もよく効いており、卓越した脚本だと思います。 【la_spagna】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-01-17 19:32:41) |
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73.2時間50分もあるのに、そんなに変わったことはやっていない単純ストーリーなのに、各シーンに無駄がなく、少しも間延びしていない不思議。馬鹿な友人って素晴らしい、というたった1つの当たり前のことを言うためにその全部の時間を投入してしまうテンションの高さも、同様に素晴らしい。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2022-01-11 01:44:14) |
72.《ネタバレ》 誰も将来のことは分からない。 きっと うまーく いーく! 確かに良いフレーズ。 あまり不安は意識せず、きっと、うまくいく!と思って生活していきたい。 そう、思いました。 【にじばぶ】さん [インターネット(字幕)] 5点(2021-06-24 22:21:51) |
71.《ネタバレ》 素晴らしい青春ドラマ。ストーリーの構成も面白い。ランチョーの家にたどり着いた時に別人が出て来たところは驚かされた。伏線も上手く使われていて、最後までオチに気が付かなかった。 インドの学歴偏重の競争社会への警鐘という役割も果たせている。 ただ、3人のおふざけが過ぎたり、ややご都合主義を感じる部分もあったのでそこは玉に瑕。 この映画には大好きなシーンが二つある。一つは何故宇宙空間で鉛筆が使えないのかを学長が説明するシーン。もう一つは3人が再会して、どついて、笑って、抱き合うシーン。どちらも目頭が熱くなった。良い映画です。 【alian】さん [インターネット(字幕)] 9点(2021-01-15 15:36:13) |
70.《ネタバレ》 ベタこそ最強と思わせる王道の学園ドラマでした。 時間に余裕があり、インド映画のダンスシーンに耐性があるならおススメです。 ヒロインがかわいかったら9点でした。 【まっか】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-11 10:55:39) |
69.《ネタバレ》 深刻な問題も含みつつ、終始明るい雰囲気なのがいい。大方予想できるオチも、雄大な景色と相まって爽やか。突然始まる妙なダンスも、なぜか違和感のない不思議。これが歴史と伝統を誇るインド映画の実力でしょう。 しかし超カッコいい主人公に親友がいて、彼女がいて、イヤミな同級生がいて、頭の古い教師がいるという設定は、日本の「学園モノ」の定番でもあります。日本人が日本語で演じるとクサくて見ていられない感じになりますが、外国人が外国語で演じると魅力的に映るのはなぜなんでしょうか。このあたり、ぜひそのへんの文化人様に研究論文など書いていただきたいものです。 ついでに言うと、ヒロインがもう少し美人ならよかったなと。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-10-17 02:04:58) |
68.いやー、率直におもしろかった! 冒頭を見ただけでコレは面白いと予感 そして見事に、期待通り楽しませてくれました。 約3時間、みっちり内容が詰まっていて時間を感じませんでした。 色んな名シーンがたっぷり詰まってて、数え切れません。 インド映画?とあなどっていたが、良い意味で裏切られました。 インド独自の文化や風習に馴染みがないと、 ちょっとわかりづらい点もあるのが難点か ただ、映画の良さが損なわれるレベルではないのでまあよし 【愛野弾丸】さん [DVD(字幕)] 9点(2020-04-01 13:42:55) |
67.《ネタバレ》 メッセージ性が強い作品。 インドの抱える社会問題に対して、ランチョーが二人の親友を巻き込みながら異を唱えていき、 結局、ランチョーと縁があった人物は皆幸せな展開になる。というベタベタなストーリー 笑いあり、感動もあり、二人の親友との関係が羨ましくなります。 あらゆるシーンで出てきた伏線もことごとく回収され、ほんとに素晴らしかった! ミュージカルシーンがちょっと長すぎること やはりインドの問題なので日本に住む私には、メッセージ性が伝わりにくかったこと で -0.5点 それでも本当に観てよかったと思える作品でした。 「きっと うまくいく」いい言葉だと思いました。 悩んだって仕方がない 自分を信じて 自信を持つことが一番 私も昔からこの考え方だったので、とても印象に残りました。 【メメント66】さん [インターネット(字幕)] 9点(2020-03-25 12:38:59) |
66.やられたなあ。 こんなに長いと思ってなかったけど、そんなことほとんど気にならなかったなあ。 こんな仲間がいたら、きっとうまくいくんだろーなー。 しかし、詰め込み方が凄まじい。 これだけやられると、映画館で観ても元取ったなあって思えるに違いない。 いや、いい映画。 |
65.《ネタバレ》 始めて観るインド映画、レビュー評価もズラリと高得点という事で、興味深々で鑑賞したのですが‥‥ 名門大学のエリート学生と、落ちこぼれ学生の友情に恋愛を絡めたストーリー自体は、悪くないと思います。 ただ、感性が合わない。 セリフへの違和感 笑うシーンで笑えない。 泣くシーンで泣けない。 これは、香港映画でも良くある事なのですが‥‥ 欧米の映画ばかり見続けた弊害かも知れません。 「ゴーカン」って「強姦」のことですよね。 だとすれば、笑えませんよね。 笑うツボ、泣くツボの違いでしょうかね。 時折出て来るダンスシーンにも違和感を感じます。(インド映画には、しばしば登場することは知っていますが) 彼の国では、未だテレビがあまり普及しておらず、昔の日本のように映画が大衆娯楽であると聞いています。 また、製作数も極めて多数で、アジア屈指の映画大国らしいですね。 少々長い作品ですが、映画づくり自体は洗練されているように思いました。 でも、どうしても私の感性とは合いません。 「あまり、うまくいかない」映画でした。 よって、3点 【TerenParen】さん [インターネット(字幕)] 3点(2019-10-07 16:00:50) (良:1票) |
64.《ネタバレ》 最初から最後まで濃い内容の映画。学生たちの楽しそうな姿のシーンに組み込まれる深刻な現実に度肝を抜かれた。卒業式のあと、人知れず去って行くランチョーの心中を思うとちょっとしんみりしてしまう。私自身の鈍感さに最後は感謝!?普通分かるだろと言われるが、分からなかったから感動と驚きが大きかった。音楽がどれも素晴らしかった。冒頭のランチョーを讃える曲・軽快で心地よいテーマ曲・ジョイロボの歌う素朴なフォーク風味の曲など、どれも素晴らしかった。 【バッハバッハバッハ】さん [映画館(字幕)] 10点(2019-02-21 00:52:08) |