1.《ネタバレ》 ドラッグとセックスに溺れた退廃的なセレブの世界。
欲望のおもむくままに体を重ねる男と女。
副題からB級エロ映画と思われそうだが、意外や豪華キャスト。
さすがにキム・ベイシンガーも若くはないのでヌードはなし。
代わりにアンバー・ハードが誰とでも寝るような女を演じて脱ぎまくっている。
私生活でジョニー・デップをメロメロにするだけのことはある。
でも、見どころはそれくらい。
人間関係が複雑で、頭の中で整理するのが追いつかない。
あの男とあの女が不倫で、あの男の妻はこっちの男と関係があって、それが息子の友人で…
もう肉体関係、血縁関係、交友関係が入り乱れて、何が何だかわからない。
もっと核となる人物を絞らないと、深いところまで描ききれないだろうに。
ラストも「え?これで終わり?」と口がポカン。
広げた風呂敷を広げっぱなしで置いていった感じ。
冒頭の交通事故死から始まって、ドラッグ、不倫、夫婦の崩壊、子供の誘拐、親子の断絶、最後はエイズと負の要素が連なって、退廃と閉塞感で後味も良くない。
出演者はそうそうたる顔ぶれなのに、無駄遣いでもったいない。
この顔ぶれなら日本でもある程度集客を見込めそうなものだが、ようやく製作6年後にテレビでオンエアされたものの、劇場未公開に終わったのも無理もない。
豪華キャストといえば、レンフロとミッキー・ロークにエンドロールまで気が付かなかった。
本作はレンフロの遺作になったけど「マイ・フレンド・フォーエバー」「17」の頃のシャープな美少年ぶりが跡形もない。
ロークの若い頃からの変貌ぶりにもビックリ。
花の色は移りにけりないたずらに――女だけでなく男にも言えることなのか、特に美形で売っていた人には残酷だ。