1.《ネタバレ》 何やら薄暗い詰所らしき場所で江口洋介らが力み切った絶叫芝居を繰り広げる冒頭からして、駄作臭が漂う。
劇場予告でも散々聴かされた西田敏行の「失って、(中略)、、人生は。」とかいう手垢のついた人生談義も鼻持ちならない。
テレビサイズの表情芝居とダイアログ、そして案の定、クライマックスには西田の泣き顔で釣ろうという辺りがやはりさもしい。
竹野内豊と高橋ひかるが携帯電話で語り合う背景に、それぞれ東京タワーと夜景、灯台と海が対応し合うのだが、だから何?と思う。
彼女が聞かせる波音が全く効果を発揮しない。
ホテルの一室でキーボードを叩く竹野内と、江口らの漁のカットバック。感動を要請しているようにも見えるが、だから何?。
絆とか繋がりがテーマの割に、画面はまるで相乗していかない。
祭りの最中、頻繁に入るスロー処理。だから何?。
思わせぶりではあるのだが、映画の感情はうねらない。
途中思い出したように、木漏れ日が人物に落ちたり、緑の丘に風が渡ったりするのだが、ドラマが付いていかない。