1.《ネタバレ》 折角アウトバーンを舞台に使うのなら、何らかのタイムリミットを設定するなど、速度と時間をドラマに絡めるべきではないだろうか。
ヒロインが拉致されるのを防げるか否かのサスペンスもそれに該当するのだけれど、これももっとカットバックを使って盛り上げて欲しいところ。
単にスピードとクラッシュを誇示するカーアクションの場というだけでは物足りない。
市街地での逃走劇も、カメラ大揺れ一辺倒で芸がない。
加えてクライマックスの包囲されたバーからの脱出劇も、そこに作り手はもっと気を遣えと思う。
バーの裏口から駅のホームまで、ロケーションと人混みを利用して男女二人がどう追手を撒いて逃走するか。
アクション映画として、仕掛けやアイデアの一番の見せどころだろうに。
運動感の演出にしてもサスペンスの演出にしてもここが一番雑というのでは情けない。
主演二人はどことなく『トゥルーロマンス』のカップルを思わせた。