9.山田洋二らしいという作品と言うべきでしょうか。ほんわかとまとまりの良いプロットですが、特に目新しい要素は見当たりません。今更こんな作品を撮ろうと思った動機は何だろうという興味は湧きますが。 正蔵も志らくも意外にダイコンで驚きました。他にもポツポツ下手くそが混じります。どういうつもり(または事情)でキャスティングしたのか、とこの点にも興味は湧きました。 【傲霜】さん [地上波(邦画)] 6点(2023-09-06 14:26:52) |
8.《ネタバレ》 導入部から前半での凡庸かつ官僚的な描写に、前作や前々作もこんなに段取りと口先台詞だけでできてたっけ?としばし疑問に浸ってしまったが、最後までそれで行ききってしまったのにびっくりした。例えば、クライマックスになるはずの妻夫木が西村を説得する場面、妻夫木の台詞内容もそれを受けた西村のリアクションも、50年くらい前のテレビドラマレベルそのまんま。というか、それを別の日常場面で画面上表現するのが映画ではないのか。夏川の家出後の家族会議という美味しすぎるはずの場面も、西村と橋爪の新旧頑固親父対決なんてのはいくらでも見たいと思うし、また今作ならではの意味があると思うのだがが、その方向には発展しない。全体の中でコメディを感じさせたのは、風吹ジュンが家政婦の体で登場するくだりくらいでしょうか。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-04-04 00:26:48) |
7.過去作に比べると、安定感が出てきて多少マシにはなってきた。ただし内容的に古臭い。結婚式のパーティやってる会場でワザワザ離婚の会話する演出も過剰。祖母が嫁ではなく息子の味方をするのは、山田作品ならではか。 |
6.それほど特別に面白いということはないけど、抜群の安定感で楽しませてくれます。 帰ってくるかわからないのに人数分のうな重を注文するのが優しくていいですね。 定番のお約束も健在で、シリーズをずっと見続けてきた御褒美のような感覚で嬉しくなる。 続編を作る気マンマンの終わり方だったので、次も楽しみです。 【もとや】さん [インターネット(邦画)] 7点(2022-01-22 17:30:13) |
5.ああいう性格はなおらないんだろうなと思いつつ、でも二人の、みんなの幸せを願わずにいられない。 いい役者さん勢揃い!貴重な作品でした。 一緒のお墓に入りたくないと言いつつ、最後はいい雰囲気を出す老夫婦もまた一興。 【HRM36】さん [インターネット(邦画)] 7点(2021-06-17 02:20:25) |
4.《ネタバレ》 夏川結衣さんの家出が中心の物語。 そこに至る過程が丁寧に描かれており、昨今話題の家事労働についても考えさせられる良い内容でした。 ボンクラっぽい二人の子供役も、両親の喧嘩の行方を心配するところなんかは、なんとも切なくっていい脚本だなぁとしみじみ。 すっかりこの作品のファンになってしまった自分としては、この家を支える夏川結衣さんの『ただいま』を心から祝福したい気になりました。 お母さんっぽくて、それでいてとても綺麗な夏川さん、たしかに旧友の言うとおり地元でスナックなんかやったらはやりそうですけど(笑) 今回は『奥様』がテーマの作品でしたが、三作重ねることで、いよいよ橋爪功さんが日本のゴッドファーザーのように見えてくるから困ったものです! 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2019-12-07 15:59:30) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 シリーズ第3作。前作は山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズ以前の作風のようなブラックさがあり、面白かったんだけど今更そこまで戻るのかという疑問も残った。3作目となる今回は1作目のような雰囲気に戻り、安心して見ていられる映画になっている。初期の山田監督のブラックな喜劇も個人的には好きなのだが、やはり、山田監督はブラックな作風よりもこういう安心して見れる作風の喜劇のほうが良い。それに、今回も「男はつらいよ」を思わせるシーンが多く、うたた寝をしている間に泥棒(笹野高史)に入られ、へそくりの大金を盗まれてしまった妻(夏川結衣)を夫である長男(西村雅彦)が責めるシーンなどはいかにも寅さん的(「そういう言い方はない」というセリフも「男はつらいよ」シリーズで何度も出てくる。)だし、1作目のレビューでも書いているが、家族が些細なことからすぐけんかになるのも「男はつらいよ」シリーズを思わせている。家に泥棒が入るというシチュエーションも山田監督が監督を手掛けた回ではなかったが「新 男はつらいよ」の財津一郎をつい思い出して笑ってしまった。そして次男(妻夫木聡)が妻(蒼井優)といっしょにおばあちゃんを捜しに行く場所がまさかの柴又というのがニクイ。これはもう、山田監督の「男はつらいよ」シリーズへの思い、ファンへの思いというものが感じずにはいられない。(このシーンではとらやの面々や御前様、源ちゃんらがどこからか出てくるのではとつい思ってしまった。)サブタイトルが戦前の成瀬巳喜男監督の映画のタイトルからの引用であることからも分かるように、長男が妻を迎えにいくクライマックスの大雨や稲妻、創作教室の先生(木場勝己)が朗読する林芙美子の小説など、成瀬監督を意識しているのが分かるし、山田監督が成瀬監督のファンで、受けた影響も大きい監督なんだというのがよく分かる。(成瀬作品、あまり見ていないのだが、本作を見終わって久しぶりに見たくなった。)それにしても、この映画に登場する平田家は家族になにか問題が起こるとすぐに家族会議を開くなどいつもながらにすごく団結していて、見ていていつもこういう家族っていいなと思うし、自分もこの家族の一員でいたい、そういう気持ちになってしまって、シリーズをずっと見ているからか、この家族がすごく身近な存在に感じる。このシリーズは母親も好きで一緒に見ることが多いのだが、長男の妻が家出するところから話が始まっている今回はこの長男の妻にとても共感したようで、見終わってすごく面白かったと言っていたし、ぼくも母親に対する感謝の気持ちでいっぱいになることができた。シリーズの次回作があるかはどうかは分からないが、もう2、3本はこのシリーズの新作を見たいなぁ。最後にこれも1作目のレビューでも書いたことなのだが、山田監督はシリアスな映画もいいのだが、いつまでも喜劇映画を撮り続ける監督であってほしい。心からそう思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2019-03-17 18:56:49) (良:3票) |
2.《ネタバレ》 山田洋次監督による家族はつらいよシリーズ3作目は夫婦の離婚危機、1作目に戻った雰囲気を感じる作風になっている。1作目でも見せた寅さんを思わせる場面が散りばめられていて、山田洋次監督からの寅さんファンに対する思いを描こうとしてる。例えば、泥棒騒ぎの後の会話、奥さんを責める亭主、馬鹿な亭主の妹がお兄ちゃんと呼ぶシーンの寅さんと妹さくらのやり取りみたいな感じや、柴又での蒼井優と妻夫木聡の二人の場面、柴又を舞台に持って来る辺り、寅さんファンなら思わず笑ってしまうシーンがあるので前作より楽しく見ることが出来ました。それとは別に今回の作品を見て、山田洋次監督が小津監督だけでなく、成瀬巳喜男監督を意識している。オマージュの様な場面もあって、山田洋次監督が成瀬巳喜男監督を尊敬しているのがよく解ります。西村まさ彦が家出した奥さんを迎えに行く場面の描写、あれは明らかに成瀬巳喜男監督の稲妻という映画を意識しており、好きなんだということが分かります。それにしても毎度ながら特上の鰻を注文して食べる家族達を見て、こんな家族の仲間に入りたいと思わずにはいらなくなります。最後にもう少しだけ!山田洋次監督、80歳を超えてもまだまだ積極的な映画作りには毎度ながら頭が下がります。これからもまだまだ沢山の映画、それも笑える喜劇を作り続けて下さい。いつまでも長生きしてください。 【青観】さん [映画館(邦画)] 8点(2019-03-17 18:40:29) (良:2票) |
1.《ネタバレ》 シリーズ第3弾のテーマは「主婦の賛歌」。つまり、お母ちゃんの有り難み。お母ちゃん、へそくりパクられて怒られて出て行ってしまう。おばあちゃんも腰痛でダウン。おじいちゃんによる代家事はハチャメチャ。相変わらずマヌケ面が面白すぎ。ネンジくんは役名を変えて再々出演。夫婦愛について悩み、再確認し、心揺さぶられる場面もある。今作で描かれたおなじみ三世代家族の日常の中には、笑いと涙が共にあった。傑作の域。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 8点(2018-12-30 01:07:26) |