9.《ネタバレ》 私事で恐縮だが、前の部署で印刷物の編集と制作進行の仕事に携わっていた。年に14回ある校了日を目指して時には厳しく時には水面下で(印刷屋さんまでグルにして)戦い続けていた。しかし、たまにやむにやまれぬ事情で校了を遅らせると、毎週金曜日の朝礼で事情を説明しなければならなくなる。勿論、部長の冷たく怒気を含んだ視線と部員の哀れみの視線を浴びながらだ。
この作品、実は新聞で記事になったのを見て、明日は我が身、と肝に銘じたものだ。
そして幾年月、幻のDVDを偶然入手した。しかも、映像特典が「未完成版」とは・・・。我々の世界で校了前のゲラは門外不出というのに、なんて太っ腹なのだろう。おまけに完成版もトレーラーも入っている。
はやる気持ちを抑えながら鑑賞した。ネットの記事によれば、脚本をハリウッドに送っているとか。ウォシャウスキーならどう撮るのだろう、そんなことを思いながら見てみる。
数時間後・・・。デビルマンにやられたのと大差ない自分の燃え尽きた躰が、そこにはあった・・・。さすが、サイバーパンクギガムービーである。国宝の「鳥獣戯画」の方がよっぽどアニメ心を理解しているぞ。
デビルマンとセットで、新社会人に見せることを強く勧めたい。こんな大人に、なってはいけないと・・・。
どう冷静に考えても、この作品に0点付けなきゃ、付けるモノねーわな、と言うことで、0点に。