1.《ネタバレ》 これは間違いなく豊田四郎監督による力作でしょう。
ただ、同じ豊田四郎監督の『猫と庄造と二人のをんな』ほど名を残していないのは、全体的にキレ味がないのと、主演女優の力の差によるものか。
「なんやかんや言っても結局、好きなものは好きなんだから」
みたいなセリフが出てくるが、これは実に的を射ている。
好きな人を嫌いになろうと、しのごの言ってみたところで、結局は好きなんだ。
確かに、これには思い当たる節がある。
これ以外にも、含蓄のある男女にまつわるセリフがいくつか出てくる。
そういった点において、とても深みのある作品である。
人生の悲喜こもごも、特に男女間のどうしようもない感情、避けることのできない運命など、色んな事を感じる事ができる作品だ。