5.《ネタバレ》 近年稀にみる、酷い作品でした。
ありえない光景のオンパレード。
面識の無い赤の他人の真っ暗な家に、上がり込んでしまう主人公。
自分の損得勘定だけで、殺人鬼の目撃情報を隠蔽するクズな主人公。
犠牲者の居る実際の事件を細部まで再現するマンガを描く、失礼な主人公。
デビュー作がまだエピソード2つ程度なのに、売れたからと引っ越した先の
新しいマンションが、数億クラスのマンションとか、どんな設定?
殺人鬼は毎回、返り血で血だらけの服で帰宅するのに、誰にも怪しまれない謎。
12人も殺される連続殺人は、日本の警察の最優先のヤマで、警視庁の特捜はじめ
大量の捜査員が配置されるのに、防犯カメラの映像が本屋の一つだけとか笑止。
その殺人鬼の目撃者で証人となりうる主人公の、カミングアウトがあって、
尚且つ、犯人が接触してきているという危険な状況なのに、警備も張り込みも
付けないトンマな警察・・。
犯人から女房を襲撃予告の電話が来たのに、傍に居た刑事たちに何も告げず
一人でタクシー乗って帰宅するアホな主人公。
殺人鬼に襲わせるオトリとしたはずの主人公が、突然外出するのを見送る間抜けな刑事。
殺人鬼との格闘の後、主人公が逆転マウントしてトドメの一撃の瞬間、普通なら近づいて
止めるのが日本の警察だが、主人公を銃で撃っちゃうトンデモ刑事。
等々、数え上げたらキリがないです。東野圭吾も裸足で逃げる程のお子様脚本に絶句。
大体、サイコサスペンス系作品では、悪人描写のリアリティが肝心だから、悪人になれる
素養がないとダメだという編集者のコメントが浅すぎる。
殺人を描くなら、人を殺してから描けと言わんばかりで、嫌な気分になる。
で、サイコ殺人を扱う漫画がヒットしたとして、悪人のリアリティだけでウケるわけがなく
対峙する正義サイドの人物像の魅力がないと、そんなに売れるわけがない。無理がある。
そんなサイコマンガに対し、現役刑事が「俺はこの漫画好きだよ」とか、違和感しかない。
さらに、「この漫画をトレースした事件(犠牲者12人)の真っ最中」にもかかわらず、
「あなたは、めげずに書き続けましょう」とか、あり得ない提案。
どう考えても犯人が逮捕されてから、安心して描くべきである。
制作サイドの関係者に、違和感を唱える人間が居なかったのだろうか?
言いたくても言えない環境? まさかこの監督はキムジョンとかプーチな人物だった?
いずれ、見るに堪えない駄作でした。 間違いない。