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軍旗はためく下に

[グンキハタメクモトニ]
1972年上映時間:97分
平均点:7.80 / 10(Review 5人) (点数分布表示)
公開開始日(1972-03-12)
ドラマ戦争ものミステリー小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2021-11-03)【Olias】さん
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監督深作欣二
キャスト丹波哲郎(男優)富樫勝男
左幸子(女優)富樫サキエ
藤田弓子(女優)富樫トモ子
三谷昇(男優)寺田継夫
中原早苗(女優)越智の女房
内藤武敏(男優)大橋忠彦
江原真二郎(男優)後藤少尉
夏八木勲(男優)堺上等兵
ポール牧(男優)ポール・槙
寺田誠(男優)小針一等兵
小林稔侍(男優)トモ子の夫
中村翫右衛門(男優)千田武雄
藤里まゆみ(女優)堺上等兵女房
梅津栄(男優)
脚本新藤兼人
長田紀生
深作欣二
音楽林光
撮影瀬川浩
製作時実象平
東宝
配給東宝
美術入野達弥
編集浦岡敬一
録音大橋鉄矢
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【クチコミ・感想】

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5.《ネタバレ》 監督が深作欣二で脚本が新藤兼人というおよそ東宝作品とは思えない布陣です。かねがね新藤兼人はその能力・思想信条において和製ドルトン・トランボと呼ぶに相応しい存在だと思っていましたが、この映画はトランボの『ジョニーは戦場へ行った』に匹敵する強烈な反軍思想の脚本だと思います。 かつての戦友たちを訪ね歩いて丹波哲郎の死の真相を知ろうとする左幸子の執念は、『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三を彷彿させてくれます。丹波哲郎の最期についての記憶が訪ねた四人でそれぞれ違うのは(もっとも一人はウソをついていましたが)、推理小説の様な秀逸な語り口です。そのうちの一人である内藤武敏が勤務している高校で、彼が戦時中の記憶を語っているシーンでジェット旅客機が轟音をたてて着陸するカットが挿入されますが、いかにも時代の世相というか深作欣二の思想が感じられました(当時は成田空反対闘争の真っ只中で、過激派は“軍事空港ハンタイ”なんて言っていました)。そういう思想的な臭みも帳消しにするのが、左幸子の熱演です。やはりこの人は天才女優です。丹波哲郎も彼としては非常に抑えた演技で、「天皇…」と言いかけて銃殺される最期は涙を誘います。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-04-26 22:41:55)
4.《ネタバレ》 左幸子が波打ち際に突っ伏し、波をかぶりながら悶えるように嗚咽するショットに激情が迸る。
それは、ラストで砂浜に突っ伏して動かない丹波哲郎のショットとも対になる。

時折入るキャメラを傾けた不安定な構図も、様々な証言に翻弄される彼女の心情とシンクロして効果的だ。

現在パートをカラー、戦中パートをモノクロで分けているが、飯盒に入った肉塊の肌色や米兵処刑シーンの土色、
小隊長殺害シーンの血の赤色など、過去パートにもインパクトのある色彩が不意に飛び込んできて生々しい。

「天皇陛下--」。銃殺の瞬間に(「抗議のよう」に)絶叫する丹波は何を訴えたかったのか。

『大日本帝国』(1982)での篠田三郎の台詞「天皇陛下、お先に参ります。」は脚本家:笠原和夫の巧妙な「逆手」(昭和の劇)だが、
こちらも少々生硬ではあるが新藤・深作・長田なりの痛烈な「一種の高等手段」だろう。

随所でストップモーションをアクセントとするこの映画。ラストは正面を見据える左幸子の表情である。
ユーカラさん [DVD(邦画)] 9点(2015-09-10 01:04:00)
3.《ネタバレ》 文句なしに深作欣二の最高傑作。
ギターの重低音、白黒とカラーが交差する映像。
軍旗の中に埋められた真実とは何か。
戦後数十年の時が流れ、未亡人となった妻は未だに夫が“殺された”本当の理由を知らない。夫の罪が誠だという証拠も何処にもない。
「無罪を立証する積極的証拠なし」として頑なに真相を隠そうとする国、だが妻は諦めず四人の“生き証人”たちに辿り着く。

戦闘ではなく骨太のドラマに主眼を置いた作りが良い。
新藤兼人はつくづく監督よりも脚本を書いている時の方が圧倒的に面白いという事を実感。

いくら指揮を下げないためとはいえ、まだ戦える兵士をブッた斬る狂い振り。どのみち、行き着く先は三途の川さ。
「死ぬ時は一緒だ!」の悲痛な叫び、彼らの血も訴えも海の藻屑と消されていく非情。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:29:04)(良:1票)
2.ニューギニア戦線について描かれたドキュメンタリータッチの作品。
ニューギニア戦線で人食いがあったことは知っている事実だし、ワンパターンの日本戦争映画の域も出てはいないのだが、徹底的にニューギニア戦線について掘り下げた内容構成はなかなか見応えがあった。
左幸子は相変わらず演技が巧い。
やっぱり、日本女優史上最も演技が巧い女優だと思う。

それにしてもニューギニア戦線での人食いって、物凄くセンセーショナルに語られることが多いけど、死ぬか生きるかの戦場でそれくらいのことは普通に起きうる気がしてならない。
だって、何も食い物がなくて、餓死寸前だったら、生きるために何でもするでしょうに。
まして、戦場なんて、人間の感覚を失わせる人と人との殺し合いの場なわけだから、人が人を食したところで、さして衝撃は覚えないのだが。

そして、中村翫右衛門!
あの爺さんが中村翫右衛門だったとは、後から気付いた!
むぅ、見直してみると確かに中村翫右衛門なのだが、若かりし頃の面影とかっこよさがほとんどない。
この事実の方が、ニューギニア戦線の人食いより、よっぽど私には衝撃的だった。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 6点(2010-06-04 00:33:01)
1.《ネタバレ》 深作欣二がこんな作品撮ってたとは意外。第二次大戦中のある軍曹の死についての謎を解いていくドキュメンタリー風の作品で、メグ・ライアンが出てた「戦火の勇気」にちょっと似てる。決して後味の良い作品じゃないけど、まだまだ戦後をひきずっている人たちがいた時代を感じることが出来る作品。
バカ王子さん [ビデオ(邦画)] 9点(2006-06-03 23:50:11)
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【点数情報】

Review人数 5人
平均点数 7.80点
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100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6240.00%
700.00%
800.00%
9360.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 9.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 10.00点 Review1人
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