9.《ネタバレ》 非常に正攻法な演出で、分かりやすい。 日常的な差別がさらりと描かれていて、観るものにズシリとくる。 特に二人の女の子とのエピソードが心に残る。 一人は差別とも、愛情ともとれる微妙な事件の女の子。 もう一人は、同じ境遇の中、戦いに身を投じていく女性。 宣言文との結婚式のシーンは圧巻である。 原作者の住井すゑさんの次の言葉が好きだ。 「文化というのは、簡単に言って、命を大事にする事。 これが文化なんです。命を大事にする事が、つまり文化国家なんです。」 【トント】さん [DVD(邦画)] 7点(2018-05-02 00:33:42) |
8.《ネタバレ》 非常にオーソドックスな作りとなっていて、部落差別の醜さ、不条理さが真摯に伝わってきました。ただ、今井正の同じ作品と比べると、やや物足りなさを感じてしまいましたね。やはり、今井版の北林谷栄や伊藤雄之助の壮絶な芝居を見てしまったあとだと、現代の役者さんたちはどうしても綺麗すぎるんですよね・・・・。それと、やはりあれだけの重いテーマを背負った長編小説を2時間強で収めてしまうのも無理があるのかもしれませんね。 【TM】さん [DVD(邦画)] 6点(2011-09-22 22:56:29) |
7.《ネタバレ》 これでいいのは「ヤーイヤーイ」と囃し立てる式の分かりやすい差別ではなく、制度に組み込まれている「微笑のなかの差別」が描かれていること。たとえば地主の稲刈りの手伝いをしたとき、部落の者だけは駄賃を裏にまわって渡される、それがさも自然なことのように微笑のなかで進行していく。誰もそれがおかしいことだとは思わないその静かな微笑の怖さ。あるいは駅頭のシーン。友人が自殺し動揺している部落の少年たちが、駅で小学校の時の女先生に会う。ものわかりの良かった先生だ。その出来事を心の深いところで理解してもらおうと語りかけるのだが、その先生はあくまで親切な語り口で「そんな自殺の仕方するなんてやっぱり普通の子やないんね」と感想を述べただけで、入ってきた汽車に乗って去ってしまう。悪気で言っているのでないだけに「やっぱり普通でない」という言葉の残酷さが際立ってくる。女先生の親切げな微笑がかえって壁の厚さを意識させる。微笑というものが、もともと排除の機能を持っているらしいのだ。異質のものに出会ってそれに深く関わりたくないとき、あいまいな微笑を浮かべてやり過ごそうとする。人間集団の機能として、微笑と偏見は表裏一体らしい。あと頬をぶたれる少女のエピソードも好き。部落の少年が学校の集会のとき、隣の女の子からそっと手を握られる。悪い気はしない。でもそれが「部落の人間は手が冷たいそうだ」という噂を確かめてみたものだと人づてに知らされ、その女の子の頬をぶってしまう。ここまで部落の子の側から描いてきたエピソードが、ここで一転し、少女が何かをじっと考えながら川の水で頬を冷やしている場面になる。おそらくこの少女が考え込んでいる表情は、大人たちの微笑の対極にあるものだろう。深いところで希望を感じられるいいシーンだった。差別が被差別者だけでなく、すべての人の心を傷つけてしまうことが、文字に書かれた教訓でなく実感として伝わってくる。そして岩波映画出の記録作家としての経歴が、農作業風景で生きている。部落の人々の自信を支えるものとしての、背景以上の意味を持っていた。こういう生真面目な映画は「笑い」ほどシャープには問題点の切り口を捉えづらい。でもこういう生真面目な映画をきちんと作り上げられる才能は、「笑い」をゆたかに笑う技能とどこかで通じあっているような気もする。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2009-08-02 12:14:09) |
6.《ネタバレ》 具体的にどんな差別やいじめが行われていたかがケーススタディとして学べた。それをみてつくづく感じたが、本当にガキの喧嘩と変わらないね。水平社の旗のデザインはなんとかならんのか。 |
5.理不尽な差別を、生活感ありで描いていました。このような映画を見ると、差別の根源、、成り立ちを描いた映画を見てみたくなります。どのようにしてこのようなことが生まれたのか。現代のイジメもそうですが、根源を探らなくては対策にならないと思います。 【チューン】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2007-02-23 16:56:49) |
4.映画の中では本題にしている差別のことなどが、よく描かれている思いました。 しかし、物語の進む早さについていくことができず、最後の辺は誰が誰だかまったくわからなくなってしまいました。 【幕ノ内】さん 3点(2004-11-19 18:16:31) |
3.初期水平社の崇高な理念は立派だとは思うが、いつの間にやら同和利権の群がる寄生虫まで生み出してしまっている。でもって同和を名乗って脅す輩までいますからねえ。奈良ってホント多いんですよ。 【亜流派 十五郎】さん 2点(2004-05-23 21:21:43) |
2.「部落差別」というものの酷さを改めて認識した邦画らしいタッチで描かれた映画。高岡早紀ら女優陣の演技も迫真的で見るものの心を間違いなく掴むであろう。 【ピルグリム】さん 7点(2004-03-08 10:49:10) |
1.あまり盛り上がらず淡々と過ぎていく映画である。終わり方が続編に続くように感じたのだが、続編はないですね。風景が綺麗でした。 【じふぶき】さん 6点(2004-03-08 09:47:36) |