妻として女としてのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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妻として女として

[ツマトシテオンナトシテ]
1961年上映時間:106分
平均点:8.00 / 10(Review 11人) (点数分布表示)
公開開始日(1961-05-30)
ドラマ
新規登録(2004-05-10)【かんたーた】さん
タイトル情報更新(2019-10-25)【イニシャルK】さん
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監督成瀬巳喜男
助監督坂野義光
キャスト高峰秀子(女優)西垣三保
淡島千景(女優)河野綾子
森雅之(男優)河野圭次郎
星由里子(女優)河野弘子
仲代達矢(男優)
水野久美(女優)ルリ子
淡路恵子(女優)福子
飯田蝶子(女優)西垣志野
中北千枝子(女優)古谷淑子
関千恵子(女優)トシ坊
賀原夏子(女優)
十朱久雄(男優)楠原
中村伸郎(男優)木村
藤間紫(女優)京子
大沢健三郎(男優)
佐田豊(男優)電気屋
鈴木和夫(男優)
大塚国夫(男優)バーテン・青木
西條康彦(男優)大学生
記平佳枝(女優)
宇野晃司(男優)
二瓶正也(男優)
脚本井手俊郎
松山善三
音楽斎藤一郎
撮影安本淳
製作藤本真澄
東宝
配給東宝
特撮東宝技術部(特殊技術)
美術中古智
編集大井英史
録音下永尚(整音)
藤好昌生
照明石井長四郎
その他東京現像所(現像)
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11.女優として一枚看板の主演作が殆どだった高峰秀子の、数少ない貴重な「同格女優演技バトル作品」、私見ではベストスリーのひとつ。他は「華岡青洲の妻」(ver若尾文子)「女の園」(ver高峰三枝子・岸恵子・久我美子)番外として「稲妻」(VS浦辺粂子)同じ成瀬作品でも「ひき逃げ」「娘・妻・母」なんかは、演技のしどころというかバトルという点で、少々物足りず消化不足。この作品での淡島千景は、女優としての格、存在感と押し出しの良さ、演技力においても相手役として申し分なし。名コンビ森雅之氏ですら、彼女たちの前では役柄も含め影が薄くなってしまっていた。
放浪紳士チャーリーさん [地上波(邦画)] 8点(2024-09-25 14:25:10)
10.《ネタバレ》 いや、これって成瀬監督の作品の中では比較的マイナーな方ですが、傑作なんじゃないでしょうか。

高峰秀子と飯田蝶子の掛け合いの面白さ、話が次々と展開されていき全てが分かっていくというストーリー展開の巧さ、女同士のバトルの凄み、相変わらず「イライラする男」を演じると素晴らしく巧い森雅之、仲代達矢の意外な(?)清々しさ、そしてラストの“親はなくとも子は育つ”的な終わらせ方など、全てにおいてハイレベルな本作です。

高峰秀子と森雅之が共演しているせいもあって、成瀬監督の代表作『浮雲』を連想してしまいました。

『浮雲』は救いようのなさ加減がまた逆に良かったんですが、それに対し本作は、最後に「子供は子供」みたいな救いがあって、とてもバランスが取れていました。
そういう意味でも、本作は『浮雲』より自分の好みに合った作品となりました。

結局「不倫」というものや、「浮気」という名の裏切りは、「悲劇」しか生まないということを本作は語っている様な気がします。
それと同時に、男女の仲というものは、なるようにしかならない、理屈では割り切れない、そういう“やるせなさ”も主張されているんではないかと思うわけです。

それらを観る者に散々訴えかけた後で、上にも書いた様な「親はなくとも子は育つ」的な救いのあるラスト。
いやぁ、実に味わいがあって、しかもバランスの取れた傑作ですね。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 8点(2024-09-25 09:35:20)(良:1票)
9.《ネタバレ》 面白かった。高峰秀子、淡島千景、同い年の大女優がバチバチしててすんごい見応え。森雅之のダメダメっぷりもいいな~。戦中、戦後の時代背景もあるから現在の価値観で断ずることはできないのだろうが、それにしても罪な男だ。進がすべてを知った後で、3人が顔を合わせた玄関のシーンはまさに修羅場。こちらからすると三保、綾子、双方に同情できるんだけど、親の都合なんて子供には関係ない、と言うような、娘・弘子の一撃には誰も返す言葉が無いと…。結局、大人はみんな不幸になっちゃったけど、ラストは子供たちの嵐が過ぎ去った後の前向きな姿。どうなるんだろうと心配していたが、意外と後味良く終わった。
リーム555さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-01-09 17:33:38)
8.《ネタバレ》 見せ所の壮絶な女のバトルのあとでラストに爽やかさを残せるのは、甲斐性のある男なら妾を持つことは悪ではないという社会的価値観からまだ脱していない時代背景でのみ成立する映画。今の時代に同じシチュエーションで脚本を書けば、殺人事件、ストーカー行為、子供の非行とかの方向にしかならないだろう。核心の妻、女の本音を頭では理解できても、ベースとなる社会的価値観が今とは違うから、異文化の映画の感覚で完全に感情移入することはできなかった。1961年ならちょっと古い現代劇かなって感覚で見たのが間違いで、時代劇や外国映画のように見始める時にベースが違う話と思って見ていたら、もう少し感情移入できたかもしれない。
nobo7さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-07 22:48:10)
7.《ネタバレ》 凄いねえ!女の恐ろしさと男の駄目さ加減がここまで徹底して描かれているのがまずは何よりも凄い。そして、その凄さを表現して見せているのは二人の女優、高峰秀子と淡島千景、更にそんな二人の間でただただウロウロしているだけの駄目亭主ぶりの森雅之、妾である高峰秀子と正妻淡島千景の女同士の凄まじいバトルの間で何一つとして出来ずにいる森雅之の駄目ぷりが素晴らしい。こういう駄目男、そして、常に何かに対してイライラしている男のだらしなさを演技させるとより凄さを発揮するその名演技ぶり、成瀬監督らしい女の強さと弱さ、男のだらしなさを描く中で高峰秀子と飯田蝶子のやりとりの可笑しさが単なるドロドロした作品でない面白さを見せてくれている。この映画、高峰秀子の友達が皆、誰かしら男がいて愛人であるというのも面白い。また、水野久美の女スパイもこれまた似合いすぎだし、キャスティングの妙とでも言っていい面白さというものがある。星由里子の可愛さも印象に残るし、そんな星由里子が二人の女、高峰秀子と淡島千景に向って吐く捨て台詞における強烈なまでのパンチ、家を出た二人、弟と最後、映画でも観に行こうかと去っていく終わり方も成瀬監督ぽい。あの二人が観に行った?本当は観に行かなかったのかもしれない?が何の映画を観に行ったのか気になる。観る者に対し想像させる力をここで教えてくれているような感じがするのもこの映画の良いところではないだろうか!それにしても浮気は金がかかるけど本気は金がかからないなんて台詞が出てくるのを聞いたりすると、そういうものかな?と考えたくもなるし、これを観たら恐ろしくて私など浮気なんて絶対に出来なくなる。そういう色んなことも真剣に考えさせる力の持った作品だと思いました。現在、きちんとした奥さんがいるにも関わらず別の女と浮気中のあなた!若しくはこれから浮気しようなどと本気で思っているあなた!そういう方にこそ見せて女の恐ろしさを教えてやりたいと監督がまるで言っているようでもあり、いやはや、本当に怖い。怖い。
青観さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-30 22:02:01)
6.《ネタバレ》 今だったら双方から全財産身包みはがされてポイッと捨てられてもおかしくない情けない男の周囲の、背筋に一本線の入ったような女たちのお話。
昔の女性ってこれほどまでにガマンを強いられていたのね・・・と現代女性の地位向上までの道程に思いを馳せつつ遠い目をしてみる。大体「余力」で女一人の人生を買い上げる甲斐性もない男が愛人なんて構えちゃダメ。「何もそこまで言わなくても・・・」と両方の女たちに影響力を及ぼせなくなった男の背中が妙に哀しい。でもこの二人の女は案外幸せな人生を終えるかも。一人の女はやっと日陰を脱して普通の奥さんに、そしてもう一人は暖かい家庭とはいえなくても世間から羨ましがられる裕福な大学教授の妻のままで・・・。電車で隣り合った幸せそうな親子連れをみる女が痛々しかったが、きっと愛人だけでなく、独身の男女も、子持ちの未亡人も、子供のいない夫婦も、妻に先立たれた子持ちのやもめ男も、貧乏で子供にキャラメルを買ってやれない親だって「自分が欠損している」と思えば「痛い」のだ。先の幸せそうな夫婦だって何か欠けていると悩んでいるかもしれない。結局他人をひがんでいるときの人間は人間くさくてある意味醜い。あ、そうそう、愛人同士の宴会は豪華で見ごたえがあった。淡路恵子ってやっぱりクールだね。
りんすさん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-25 13:19:21)
5.《ネタバレ》 なんと言っても高峰秀子と淡島千景が繰り広げる女のバトル、見ごたえ十分でした。板ばさみの森雅之についてもちょっと共感できるな。ああドロドロだとこのままでいいじゃんって思う。結局高峰秀子の行動は子供も不幸にしてるわけだし。あとちょっと気になったのはいきなり回想シーンが挿入されてくるので慣れるまで少し戸惑った。
バカ王子さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-06-16 23:30:13)
4.《ネタバレ》 森雅之のというか、成瀬作品のダメ男達の態度は妙に現実的で、心境を考えると共感してしまう。対する女性たちの強さと潔さはどうだろう。決して泣き寝入りなんかしないで、男を頼っている形はとっていても、見方によっては強さが感じられる。逃避というより割り切りに長けている。森が演じる男は、変化を恐れてずるずるとどっちつかずのまま、争いを好まずといった感じだが、確かに、男はそういう方向に行きたがる。つい反省している自分がいる。
パセリセージさん [地上波(字幕)] 8点(2006-05-19 00:19:09)
3.森雅之!お前は性懲りもなく~(怒)!  違うって、そりゃ他の作品だってーの。いやもう何だか身につまされる話でしたよ。ま、私は一人の男に尽くしたってワケじゃないけどさ、ふと気が付けば40歳で財産もなけりゃ家族もいない。私の人生なんだったのよ?「歳とるとどうして汚くなっちゃうんだろう。シミとかシワとかさ。」うんうん、ホントだよ最近しみじみ思うよ。でもさ、アンタ子供産んでるじゃん。その点はさ産めない奥さんは何たってツライよ、ねぇ。などと画面に向かって一人話しまくり。高峰と飯田の掛け合いがいいんだなー。あと笑ったのがホステス達の話しに所在を無くしてひとり手品の練習をする旦那さん。みんなそれぞれ立場もあろうが、自分のやった事には責任もとうよ。と思ったス。それにしても「男の朝食を作るのが女の幸せ」ってすごーく良く分かります。リアルすぎ。どうして男の人がこんな映画つくれるんだろう?マイッタね。
黒猫クロマティさん 8点(2005-03-24 12:31:50)(良:3票)(笑:2票)
2.あまり人気のない、というか、失敗作とされているような成瀬作品なんですが、私はかなり好きな映画です。小唄を口ずさみながら服を脱ぐ高峰秀子をトラックアップで捉えるシーンとか、飯田蝶子とか、あるいは、踏切が赤いランプを点灯させる中、青いカーディガンのポケットに手を入れ、猫背にうつむく星由里子、それをややあおりで捉えたカットとか、なんつうか絶品だ。もの凄くいい。なんでよ、と言われても、そんなことは知らない。それが「映画」だ。
まぶぜたろうさん 10点(2005-02-08 00:43:07)(良:1票)
1.《ネタバレ》 夫が十数年間も浮気をしていて、しかもそれを奥さんが承知しているという状況が凄い。一見幸せそうに見える夫婦関係も裏では不信と疑惑が渦巻いている。この前観た『妻(53)』もそうだったけど、成瀬巳喜男監督の映画には夫婦間の問題をテーマにした作品が多いのかな?後半の子供を巡る展開、子を産んだ女と子を育ててきた母の対決、こうなると夫の立場はかなり情けないものになってくる。淡島千景の「いかれてるわねぇ」連発発言には失笑。最終的に家庭崩壊で終わるというラストが何とも無情のようにも感じるけど、有耶無耶で終わるよりかはスッキリしたこっちの方がかえって良かったのだろうと思う。というかそう信じたい。
かんたーたさん 8点(2004-07-10 21:31:06)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 11人
平均点数 8.00点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
619.09%
719.09%
8763.64%
919.09%
1019.09%

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