7.《ネタバレ》 ベルイマンの“神の不在”三部作は、トップバッターからしてもう強烈。なんせ神を深く信じるH・アンデルセンは精神異常で、壁を突き抜けて現れた神は蜘蛛の姿をしていたというんですから凄いものです。音楽の劇中での使用は最小限に抑えて、自然の物音を実に効果的に使っているのと、スウェーデンの白夜を美しく撮ったモノクロ映像がとても印象に残ります。重いテーマを扱った重苦しい映画ではありますが、ラストに明るい希望が感じられるところに救いが感じられます。 【S&S】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2013-04-24 22:34:54) |
6.《ネタバレ》 いつだって、どこの国だって、乙女は狂気のすぐそばに生きている。そこに邪悪なものがあれば、乙女は簡単に狂気の世界にとりつかれてしまう。ここでは父親の作家への野心からカリンを作品の素材としてみている。弟もやんちゃな男の子から性への目覚めを感じ始める頃にある。とってもデンジャラス。でもここで面白いのが、カリンの旦那が精神科医ということ。とても無能で、こんな危険な状況に暢気に何も心配せず、一緒にいる。精神科医なら見抜けよ!と言いたい。・・・と自分は解釈しました。ちょっとずれていても、それが僕の個性。ベルイマンさん、ごめんなさい。多分、僕は大丈夫です。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-05 03:47:46) |
5.《ネタバレ》 「神の沈黙」三部作の1作目。この三部作はどれも暗くてあまり好きになれない。さらに暗いだけじゃなく怖さがある。隔離された僻地と限られた登場人物、そして音響が怖さを加速させる。当時としては「妄想の産物」みたいな神の扱いだけでもじゅうぶんショッキングだったかもしれない。精神を病んでゆく娘に知的好奇心を覚える作家である父というのは、科学を超越するものを神秘的にとらえるのではなく現実的にとらえようとするということであり、延いては「無神論」に繋がってゆき、さらにそれが「神の沈黙」となるのだろうか。一方である虚脱感の後に訪れる「何か」=「愛」を感じてしまった父がその説明できないものに「神」を見出したか見出そうとしているかという決着に思うのはベルイマンの神に対する考えこそが宗教団体やその戒律から解き放たれた純真なる「神」思想なんじゃないかと思ったりもする。ただそこに行き着くまでにはなぜか辛いことを経験しなくてはならないようでベルイマンの映画で神を扱った作品はことごとく暗く悲しいものが多い。ベルイマンの神は何も奪わないし何も与えないし、誰も救ってくれない。ああ、何が神の沈黙なのだろうと思ってたけど、たしかに神の沈黙だ。 【R&A】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-14 19:32:20) |
4.《ネタバレ》 心の病のお話しです。 その緊張感の中にも、こちらを引き付ける光を感じさせる魅力がある。 ベルイマン監督の才能を感じます。 観ていて辛くもありました。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-07-06 22:00:31) |
3.《ネタバレ》 精神病が不治の病という設定になっているので、現代の感覚からするとどうも入り込みにくいですね。 精神病患者の身の回りに起る出来事や心理的葛藤を解りやすく描いていますが、それでも解りにくいのです。 最後は神という言葉が連発し、観ているこちらは段々と頭が混乱してきます。 まるで、自分も精神病患者になったかの様に・・・ ベルイマン作品としては、特別映像が綺麗な方ではなかったのが残念です。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2008-04-11 10:38:06) |
2.部屋の窓から映し出される湖の光景。湖面の揺らめきとモノクロの影がほの暗く美しい。この家族の父子間の愛情の疎通さはこの湖水に似て、表面は穏やかでもその奥は水という無機なるものに深く覆われ誰も立ち入ることはできない。湖上に光を指す太陽は神の象徴なのか。ラストではやや明るい。 【redmarsh】さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-04 00:42:05) |
1.《ネタバレ》 静かな緊張感の下、完璧な構図(ラストは最高にすばらしい)の中で繰り広げられる心理劇です。非常にシンプルでありながら、内容は濃厚でしたね。 登場人物それぞれの関係の中で葛藤、思いが折り重なる中、精神の病というファクターが入り更に加重がかかっていくストーリーはまるでサスペンス映画を見ているかのような緊張感を与えてくれました。 また、こういうテーマは決して映画の中だけはなく、身近に起こりうる話なのでいろいろと考えさせられますね・・・・。 【TM】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-09-16 14:55:01) |