1.特別、人間についての新たな発見をしてくれる作品ではなく、だいたい予想した通りに展開していくけど、そのウェルメイドな戯曲の楽しみはある。狭い場所でどう話を進めていくかという技術面での作劇への楽しみも。冒頭、オートバイが走り去り、ラスト、カップルになって逆に走り去る、とキッチリしている。6人の人物のいろいろな組み合わせを作っていく楽しみ。嫁きおくれの女性への「酢には蝿もとまらない」ってのは、フランスではよく使われる諺なのかな、ミもフタもない表現。その蝿がジーッと焼かれるシーンがあった。人生で成功している家庭は冷たく、うまくいってないほうは仲直りへと、けっきょくドラマは調和を目指す。