大怪獣出現のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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大怪獣出現

[ダイカイジュウシュツゲン]
The Monster That Challenged the World
1957年上映時間:84分
平均点:7.50 / 10(Review 2人) (点数分布表示)
公開開始日(1960-12-22)
SFモノクロ映画特撮ものモンスター映画
新規登録(2004-11-04)【やましんの巻】さん
タイトル情報更新(2021-03-18)【イニシャルK】さん
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監督アーノルド・レイヴェン
キャストティム・ホルト(男優)トゥリンガー中佐
オードリー・ダルトン(女優)ゲイル・マッケンジー
ハンス・コンリード(男優)ロジャーズ博士
バーバラ・ダロウ(女優)ジュディ・シムズ
ケイシー・アダムス〔男優・1917年生〕(男優)ジョーンズ博士
ゴードン・ジョーンズ(男優)保安官ジョシュ・ピータース
脚本デヴィッド・ダンカン
パット・フィールダー
音楽ハインツ・ロームフェルド
製作ジュールス・V・レヴィ
アーサー・ガードナー
特撮テッド・ハワース(特殊撮影デザイン)
美術ジェームス・ドウェル・ヴァンス
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2.《ネタバレ》 本作に登場するモンスターはその独特な姿形で古くからファンには知られている存在ですが、設定は古代に生存した巨大軟体動物=カタツムリが蘇ったとしています。でもあの巨大な両眼はガチャピンにしか見えないのは自分だけかしら? 主人公が軍人将校でモンスターと戦う以外はヒロイン役のナンパに励むという50年代ハリウッド製SF・モンスター映画の定石はきちんと踏まえています。今までこのモンスターは海から出てきたんだと思っていましたが、舞台設定はソルトン湖という琵琶湖の1.3倍というカルフォルニアの塩水湖でした。この湖は20世紀初頭に低地に洪水が流れ込んで形成されたそうですが、現在では環境破壊と塩分濃度の上昇で消えゆく湖となり“北米大陸のアラル海”“絶対に行かないほうが良いリゾート”“カルフォルニア州の最貧地帯”などと呼ばれる悲惨な状態になっているそうです。50年代まだリゾートとして賑わっていたころの貴重な風景であるわけですが、岸辺なんかどう観てもどっかの海岸で撮影したろ!という映像があるのはまあご愛敬ってことで。保安官が湖の周囲の宿に遊泳禁止を告げて回るところなんか、『JAWS』の原型を観たような気がしました。 ところがこの映画期待に反して(?)意外ときっちり撮られているんです。主演のティム・ホルトは『駅馬車』や『黄金』などの名作に出演していた名脇役ですし、ヒロインのオードリー・ダルトンも『旅路』なんかにも出ていたしっかりしたキャリアの女優です。二人の恋愛噺は必要最小限に抑えて、発見された怪物が塩水湖から運河を通って拡散してゆくのを防ぐ闘いがシステマティックに展開されるのを、テンポよく見せてくれます。運河の水門に怪物の殻が挟まれて割れてゆくところなんか、他人事(?)ながら生理的にゾワッとくるものがありました。オールドミスの電話交換手が映るたんびに実家の母親に電話しているなど、50年代のこの手の映画にしては珍しくギャグっぽいところもあります。とはいえ所詮は巨大なカタツムリで、爆薬で吹き飛ばされ銃で殺され蒸気を吹きかけられて退散、要はちっとも強くないんです。『大怪獣』なんてのは誇大広告もいいところで、そこがこの映画の最大の弱点です。原題なんて直訳すると『世界に挑戦したモンスター』ですからね(笑)。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-03-12 20:57:09)(良:1票)
1.《ネタバレ》 この映画は、まだ中学生だった頃テレビで見ました。その後、数年してもう一度再見。なかなかのインパクトを与えてくれる出来映えで、未だに強烈な印象が残っています。(日本では、大幅にカットされた短縮版でのみ公開とか。でも、近年WOWOWで「完全版」を放映したんですって? …いいなあ、見たかった!)

ストーリー的には、1950年代に流行した“放射能によって変形・巨大化したモンスターもの”のひとつ。海底で甦った古代のカタツムリ(と、いろんな文献で紹介されているけれど、どうみてもトンボの幼虫のヤゴかイモムシやんか)軍団と、アメリカ海軍との攻防がメインになっているあたり、特に『放射能X』に似ている。

とは言え、パラシュート訓練中に海で行方不明になった兵士をめぐる冒頭(捜索中、血を吸われたミイラ状の死体が、突然海上に浮かんでくるショック演出の巧さ!)から、映画はサスペンスを途切れさせることなく見る者をグイグイと引き込んでいきます。何よりモンスターの、醜悪さと昆虫的攻撃性が見事に表現された造型の素晴らしさ!(…後に『魔獣大陸』とかいう映画を見たら、ソックリな顔したモンスターが登場していた記憶がある。この怪物クン、意外とあちらじゃ「有名」なのかしらん) どうにか彼らの巣を見つけて爆破し、やれやれと思ったら、調査用に回収してあった研究室の卵がふ化してヒロイン(と、その幼い娘)が絶体絶命のピンチというのも、ありきたりな展開ではありながら、伏線の張り方やその語り口がうまいものだから、思わず手に汗にぎってしまう。いやぁ、この映画の脚本と演出は、間違いなく一級品です。

当時のこの手の作品には、明らかに「政治的」寓意性(アカ狩り、冷戦といった“共産主義”のメタファーとして、当時の「モンスター」や「エイリアン」たちは描かれていたものだ)を持っていたり、「核」と“放射能”への恐怖を煽るものが大半だったのに対し、本作は、そういうイデオロギー臭や社会ヒステリー的な要素をほとんど意に介していない。その上でただ純粋に「怪獣映画」としての面白さ、それだけを主眼とした潔さこそが、ぼくには好ましい(皆さんがバカにするローランド・エメリッヒ監督の映画も、同じ意味でぼくは評価しています)。作品的には単なる「B級モンスター映画」なれど、山椒は小粒でもピリリと辛い、とは、こんな作品のことを言うんすよね!
やましんの巻さん 8点(2004-11-20 14:25:12)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 2人
平均点数 7.50点
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200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7150.00%
8150.00%
900.00%
1000.00%

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