3.《ネタバレ》 (平和な時、戦争は自ら戦争をする)
ニーチェの言葉を復唱しながら宙に舞う主人公。
(ベトナム戦争が一番楽しい、
いくらでも人殺しができるからだ)
曹長のホンネは冗談に取れないリアルさだ。
話自体はテンポもいいしサスペンス娯楽として楽しめる。
しかしあくまでも風刺コメディである。
深い暗いシリアスな反戦映画でもなく、
あまりにバカらしい内容に笑うしかない。
笑って済まそう。
これがアメリカなのだから。
ブッシュ元大統領(ブッシュ父)が頻繁に出てくるあたり、
時代なんだなぁとも思えるんだけれど、
息子ブッシュと変わってはいない。
この当時は9.11テロのあたりだから上映が5回延期になったのもわかるが、
今観てみるとそうもはじけてはいないんだなぁ・・
まあ人事というかあきれて観られるんだけれど、
しかし「1941」のような確信的バカ映画の勢いがいまひとつ。
中途半端なんだけれど誰でも普通に楽しめることは確か。
1941に似ているなぁとい演出も前半にあった。
ほとんどが演習ばかりの映画なんだが、
でかい戦車が暴走し街中で壊しまくるのがあっけにとられる。
中の隊員は麻薬でらりってて見事に変なおかしさがある。
戦争映画ではなく戦争の予行演習映画で、
人間ドラマはアメリカのばからしさと戦争に対する心構えを描いている。
(目には目を)これだろうなぁ。
政治的な難しさが一切描かれていないのに、
なぜアメリカは戦争をしたいんだろうかという疑問が解けるような・・
そりゃあこの作品が5回延期になったのがわかりますよ。
音楽がめちゃくちゃかっこよかったのです。
ラップ調の速いのではなく、
ベースの効いた哀愁のある曲。
何なんだろう??
ボブ・マーリーの曲なのかどうなのか調べたんだけれど主題歌ではない。
映画そっちのけで聴きいったくらいよいです。